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公開番号2025030794
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-03-07
出願番号2023136389
出願日2023-08-24
発明の名称中和装置および中和方法
出願人株式会社IHI
代理人弁理士法人青海国際特許事務所
主分類C02F 1/66 20230101AFI20250228BHJP(水,廃水,下水または汚泥の処理)
要約【課題】懸濁物質を含む廃水のpHを高精度に調整する。
【解決手段】中和装置100は、収容部130と、収容部に廃水を供給する廃水供給部120と、廃水供給部によって収容部に供給される廃水のpHを検出するpH検出部180と、廃水供給部によって収容部に供給される廃水に含まれるSSの濃度を検出するSS検出部182と、SS検出部によって検出されたSSの濃度に基づいて、SSから溶出される水酸化物イオンの量を推定する推定部212と、推定部によって推定された水酸化物イオンの量に基づいて中和剤の第1の供給量を演算し、検出されたpHに基づいて中和剤の第2の供給量を演算し、第1の供給量および第2の供給量を加算もしくは減算することにより合計供給量を演算する演算部214と、中和剤供給部を制御することにより、合計供給量の中和剤を供給する供給制御部216と、を備える。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
懸濁物質を含む廃水を収容する収容部と、
前記収容部に前記廃水を供給する廃水供給部と、
前記収容部に中和剤を供給する中和剤供給部と、
前記廃水供給部によって前記収容部に供給される前記廃水のpHを検出するpH検出部と、
前記廃水供給部によって前記収容部に供給される前記廃水に含まれる前記懸濁物質の濃度を検出するSS検出部と、
前記SS検出部によって検出された前記懸濁物質の濃度に基づいて、前記懸濁物質から溶出される水酸化物イオンの量を推定する推定部と、
前記推定部によって推定された前記水酸化物イオンの量に基づいて前記中和剤の第1の供給量を演算し、検出された前記pHに基づいて前記中和剤の第2の供給量を演算し、前記第1の供給量および前記第2の供給量を加算もしくは減算することにより合計供給量を演算する演算部と、
前記中和剤供給部を制御することにより、前記合計供給量の前記中和剤を供給する供給制御部と、
を備える、中和装置。
続きを表示(約 580 文字)【請求項2】
前記推定部は、前記懸濁物質の濃度に溶出係数を乗算することにより、前記懸濁物質から溶出される水酸化物イオンの量を推定する、請求項1に記載の中和装置。
【請求項3】
前記収容部には、排出口が設けられ、
前記廃水供給部によって前記収容部に供給された前記廃水が、前記排出口に向かって流れることで、前記収容部内において前記廃水の流れが形成され、
前記中和剤供給部は、流れている前記廃水に前記中和剤を供給する、請求項1または2に記載の中和装置。
【請求項4】
前記中和剤は、二酸化炭素である、請求項1または2に記載の中和装置。
【請求項5】
懸濁物質を含む廃水のpHを検出し、
前記廃水に含まれる前記懸濁物質の濃度を検出し、
検出された前記懸濁物質の濃度に基づいて、前記懸濁物質から溶出される水酸化物イオンの量を推定し、
推定された前記水酸化物イオンの量に基づいて中和剤の第1の供給量を演算し、
検出された前記pHに基づいて前記中和剤の第2の供給量を演算し、
前記第1の供給量および前記第2の供給量を加算もしくは減算することにより合計供給量を演算し、
前記廃水を収容する収容部に、前記合計供給量の前記中和剤を供給する、中和方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本開示は、中和装置および中和方法に関する。
続きを表示(約 1,400 文字)【背景技術】
【0002】
従来、土木建設工事で発生する濁水は、浄化処理が施された後、河川、湖沼、海等に放流される。濁水は、懸濁物質(Suspended Solids、SS)を含む廃水である。以下、懸濁物質を「SS」という場合がある。
【0003】
濁水の浄化処理として、濁水槽と、濁水槽に貯留された濁水のpHを計測するpH計と、濁水槽から排出された濁水に炭酸ガスを供給して中和する炭酸ガス供給装置とを備える技術が開示されている(例えば、特許文献1)。特許文献1の技術において、炭酸ガス供給装置は、pH計の計測値に基づいて設定された量の炭酸ガスを供給する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特開2011-189339号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、上記特許文献1のような濁水のpHのみに基づいて、濁水を中和する技術では、濁水に含まれるSSによって、濁水のpHを目標値に調整できないという問題がある。具体的に説明すると、濁水のpHのみに基づいて、目標値となる中和剤の量を決定し、当該決定した量の中和剤を濁水に添加した場合、濁水は一旦目標値となるが、時間の経過に伴って濁水のpHが変化する場合がある。これは、中和剤の添加によって、濁水のpHが、例えば低下することにより、濁水に含まれるSS内のpHが相対的に高くなり、濁水中の水とSSとの間でpHの平衡が崩れ、SS内からアルカリ成分が濁水中に溶出してくることによると推察される。
【0006】
本開示は、このような課題に鑑み、懸濁物質を含む廃水のpHを高精度に調整することが可能な中和装置および中和方法を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、本開示の一態様に係る中和装置は、懸濁物質を含む廃水を収容する収容部と、収容部に廃水を供給する廃水供給部と、収容部に中和剤を供給する中和剤供給部と、廃水供給部によって収容部に供給される廃水のpHを検出するpH検出部と、廃水供給部によって収容部に供給される廃水に含まれる懸濁物質の濃度を検出するSS検出部と、SS検出部によって検出された懸濁物質の濃度に基づいて、懸濁物質から溶出される水酸化物イオンの量を推定する推定部と、推定部によって推定された水酸化物イオンの量に基づいて中和剤の第1の供給量を演算し、検出されたpHに基づいて中和剤の第2の供給量を演算し、第1の供給量および第2の供給量を加算もしくは減算することにより合計供給量を演算する演算部と、中和剤供給部を制御することにより、合計供給量の中和剤を供給する供給制御部と、を備える。
【0008】
また、推定部は、懸濁物質の濃度に溶出係数を乗算することにより、懸濁物質から溶出される水酸化物イオンの量を推定するとしてもよい。
【0009】
また、収容部には、排出口が設けられ、廃水供給部によって収容部に供給された廃水が、排出口に向かって流れることで、収容部内において廃水の流れが形成され、中和剤供給部は、流れている廃水に中和剤を供給するとしてもよい。
【0010】
また、中和剤は、二酸化炭素であるとしてもよい。
(【0011】以降は省略されています)

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