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公開番号
2025047192
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-04-03
出願番号
2023155532
出願日
2023-09-21
発明の名称
セラミックス基複合材料の製造方法と製造装置
出願人
株式会社IHIエアロスペース
,
国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構
,
国立大学法人東京農工大学
代理人
個人
,
個人
主分類
C04B
35/80 20060101AFI20250326BHJP(セメント;コンクリート;人造石;セラミックス;耐火物)
要約
【課題】セラミックス繊維にバリヤとして機能する界面層を形成することができ、かつ工期が短く、特殊設備が不要であり、低コスト化が可能なセラミックス基複合材料の製造方法と製造装置を提供する。
【解決手段】界面層形成工程S1とマトリックス形成工程S2とを有する。界面層形成工程では、処理液浸透工程、加熱工程、温度保持工程、および冷却工程をセラミックス繊維1の全体に界面層4が形成されるまで複数回繰り返す。処理液浸透工程では、織物プリフォーム2のセラミックス繊維に処理液6を浸透させる。加熱工程では、誘導加熱体10からの伝熱により織物プリフォームに浸透した処理液が膜沸騰する第1温度T1まで加熱する。温度保持工程では、誘導加熱体の間で織物プリフォームの全体が膜沸騰膜で覆われ熱分解生成物7が繊維表面に析出する。冷却工程では、織物プリフォームの内部に処理液が浸透する第2温度T2まで織物プリフォームを冷却する。
【選択図】図1
特許請求の範囲
【請求項1】
セラミックス繊維からなる織物プリフォームと、前記セラミックス繊維を囲むマトリックスと、前記セラミックス繊維と前記マトリックスとの間に位置する界面層と、を備えるセラミックス基複合材料の製造方法であって、
(A)間隔を隔てて位置する誘導加熱体の一方又は両方に前記織物プリフォームを密着させた状態で、液状前駆体を含む処理液の液中に前記織物プリフォームおよび前記誘導加熱体を沈めて前記セラミックス繊維に前記処理液を浸透させる処理液浸透工程と、
(B)前記液中において、前記誘導加熱体を誘導加熱して前記誘導加熱体からの伝熱により前記織物プリフォームに浸透した前記処理液が膜沸騰する第1温度まで加熱する加熱工程と、
(C)前記第1温度を保持し前記織物プリフォームが膜沸騰膜で覆われ前記処理液の熱分解生成物が前記セラミックス繊維の表面に析出する温度保持工程と、
(D)前記誘導加熱を中止し前記織物プリフォームの内部に前記処理液が浸透する第2温度まで前記織物プリフォームを冷却する冷却工程と、を有し、
前記処理液浸透工程、前記加熱工程、前記温度保持工程、および前記冷却工程を、前記セラミックス繊維の全体にバリヤとして機能する前記界面層が形成されるまで複数回繰り返す、セラミックス基複合材料の製造方法。
続きを表示(約 1,200 文字)
【請求項2】
前記加熱工程における前記第1温度は、800~1200℃であり、
前記冷却工程における前記第2温度は100℃以下であり、
前記処理液浸透工程、前記加熱工程、前記温度保持工程、および前記冷却工程の繰り返し数は、2回以上である、請求項1に記載のセラミックス基複合材料の製造方法。
【請求項3】
前記セラミックス繊維は、炭化ケイ素繊維、炭素繊維、アルミナ繊維、ムライト繊維、又は、ジルコニア繊維である、請求項1に記載のセラミックス基複合材料の製造方法。
【請求項4】
前記液状前駆体は、炭化水素を含む有機化合物、又は、ボロンおよび窒素を含む有機化合物である、請求項1に記載のセラミックス基複合材料の製造方法。
【請求項5】
炭化水素を含む前記有機化合物は、シクロヘキサン、トルエン、キシレン、ベンゼン、又は、ペンタンである、請求項4に記載のセラミックス基複合材料の製造方法。
【請求項6】
ボロンおよび窒素を含む前記有機化合物は、ボラジン、アミノボラン、ジアザボラン、又は、トリアザボランである、請求項4に記載のセラミックス基複合材料の製造方法。
【請求項7】
前記熱分解生成物は、カーボン又は窒化ホウ素である、請求項1に記載のセラミックス基複合材料の製造方法。
【請求項8】
前記界面層は、複数の層が積み重なった層構造を有するカーボン又は窒化ホウ素である、請求項1に記載のセラミックス基複合材料の製造方法。
【請求項9】
前記界面層の形成後に、前記マトリックスを形成する、請求項1に記載のセラミックス基複合材料の製造方法。
【請求項10】
セラミックス繊維からなる織物プリフォームと、前記セラミックス繊維を囲むマトリックスと、前記セラミックス繊維と前記マトリックスとの間に位置する界面層と、を備えるセラミックス基複合材料の製造装置であって、
前記織物プリフォームに密着する外面を有し誘導加熱可能な誘導加熱体と、
前記誘導加熱体に前記織物プリフォームを密着させた状態で、前記織物プリフォームの形状を保持するプリフォーム保持装置と、
液状前駆体を含む処理液を内部に保有可能なチャンバーと、
前記チャンバーを囲む誘導加熱コイルと、
前記誘導加熱コイルにより前記処理液の液中に位置する前記誘導加熱体を誘導加熱する誘導加熱装置と、
前記誘導加熱装置を制御する加熱制御装置と、を有し、
前記プリフォーム保持装置は、前記織物プリフォームを間に挟んで前記誘導加熱体と対向して位置し、前記織物プリフォームの温度を均一化する均温化部材を有する、セラミックス基複合材料の製造装置。
(【請求項11】以降は省略されています)
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、界面層を備えるセラミックス基複合材料の製造方法と製造装置に関する。
続きを表示(約 1,500 文字)
【背景技術】
【0002】
セラミックス基複合材料(Ceramics Matrix Composite、以下、CMC)は、ロケットのエンジンや航空機のジェットエンジンなどにおいて高温構造部材として使用されている。セラミックス基複合材料は、セラミックスをマトリックスとし、マトリックス内に強化繊維を設けた材料である。強化繊維として例えばセラミックス繊維が用いられる。
【0003】
セラミックス繊維によって複合強化されたセラミックス基複合材料では、マトリックスにき裂が発生し、き裂が繊維を横断することで強度及び疲労特性が低下する。そのため、CMCを高強度化および長寿命化するために繊維とマトリックスの間に界面層を形成する場合がある。界面層は、マトリックスのき裂を界面層に沿って進展させることで、繊維を横断するき裂の進展を防止する。
かかる界面層は、例えば特許文献1~3に開示されている。
【0004】
特許文献1は、複数のSiC繊維を有するセラミックマトリックス複合材料中に界面相を形成する方法である。この方法は、繊維の表面からケイ素を選択的に除去(例えば、エッチング)し、繊維上に多孔質炭素層をもたらす工程と、界面相層(例えば、窒化ホウ素)によって多孔質炭素層を置きかえる工程と、を有している。
【0005】
特許文献2は、インターフェース層が、CVIで形成される内層と、酸化防止材の粒子からなる中間層と、CVIで形成される外層とからなるセラミックス基複合材料を開示している。
【0006】
特許文献3は、反応器に収容されたSiC又はC繊維プリフォームに、メタン,エタン,プロパン等の炭化水素ガスを供給しながら、炭化水素ガスを熱分解し、熱分解生成物であるCをSiC又はC繊維の周りに析出させる方法を開示している。
【0007】
一方、CMCのマトリックスを形成する方法として、膜沸騰法(Film Boiling Method、以下、FB法)が知られている。FB法は、基材を液体原料に浸漬し加熱することでマトリックスを高速充填する方法である。
FB法は、例えば特許文献4,5に開示されている。
【0008】
特許文献4の方法は、液状前駆物質中に多孔性基材を浸すステップと、第1出力レベルで多孔性基材を誘導的に加熱するステップと、多孔性基材内の緻密化領域が多孔性基材の外面に近づくとき、第1出力レベルよりも出力レベルを高くするステップと、を備える。また、第1出力レベルよりも出力レベルを高くしたとき、多孔性基材の表面の近傍までバリヤ(例えば、メッシュ材料)を動かし、多孔性基材に液状前駆物質を接触させるものである。
【0009】
特許文献5のマトリックス形成方法は、マトリックスの液体原料内に強化繊維を配置した状態で強化繊維を加熱することによりマトリックスを形成し、かつマトリックス構造が複数の層が積み重なった層構造となるように加熱温度の上昇と下降を繰り返すものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
特開2018-184695号公報
特開2003-321277号公報
特開2002-211985号公報
特開2010-255174号公報
特開2022-89297号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
(【0011】以降は省略されています)
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