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公開番号2025027637
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-02-28
出願番号2023132590
出願日2023-08-16
発明の名称蒸解促進剤及びそれを用いたパルプの製造方法
出願人日華化学株式会社
代理人弁理士法人セントクレスト国際特許事務所
主分類D21C 3/00 20060101AFI20250220BHJP(製紙;セルロースの製造)
要約【課題】より安全で、蒸解促進効果に優れ、より品質に優れたパルプを得ることが可能な蒸解促進剤を提供すること。
【解決手段】カゼイン、芳香環又は複素環を有するアミノ酸、及びそれらの塩からなる群から選択される少なくとも1種の蒸解促進成分を含有することを特徴とする蒸解促進剤。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
カゼイン、芳香環又は複素環を有するアミノ酸、及びそれらの塩からなる群から選択される少なくとも1種の蒸解促進成分を含有することを特徴とする蒸解促進剤。
続きを表示(約 370 文字)【請求項2】
前記芳香環又は複素環を有するアミノ酸が、単環の芳香環又は単環の複素環を有するアミノ酸であることを特徴とする請求項1に記載の蒸解促進剤。
【請求項3】
前記単環の芳香環又は単環の複素環を有するアミノ酸が、α炭素に単環の芳香環又は単環の複素環を含有する基が結合したα-アミノ酸であることを特徴とする請求項2に記載の蒸解促進剤。
【請求項4】
前記α炭素に単環の芳香環又は単環の複素環を含有する基が結合したα-アミノ酸が、チロシン及びフェニルアラニンからなる群から選択される少なくとも1種であることを特徴とする請求項3に記載の蒸解促進剤。
【請求項5】
請求項1~4のうちのいずれか一項に記載の蒸解促進剤を用いて蒸解処理を行う工程を含むことを特徴とするパルプの製造方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、蒸解促進剤及びそれを用いたパルプの製造方法に関し、より詳しくは、リグノセルロース材料の蒸解促進剤及びそれを用いたパルプの製造方法に関する。
続きを表示(約 1,900 文字)【背景技術】
【0002】
木材等の植物のリグノセルロース材料からパルプを製造するには、一般的には、アルカリや亜硫酸塩等を使って蒸解処理を行う。この蒸解処理により不要なリグニン成分や天然樹脂成分等を溶解又は分散させた後、これらの成分をろ過洗浄等により除去することによって、パルプが得られる。
【0003】
一方で、木材等の天然資源は環境問題等から乱伐が規制され、また、木材の価格も高くなっているのが現状である。そのため、原木原単位辺りのパルプの生産量を増加させ、品質の高いパルプ製品を生産することが重要になってきている。これらの課題を解決する方法として、蒸解促進剤を用いる方法が知られている。
【0004】
例えば、特開昭53-74101号公報(特許文献1)には、リグノセルロース物質をアルカリ性薬液又は亜硫酸塩を含む薬液で処理してパルプ化する蒸解工程において、アルカリ性薬液又は亜硫酸塩を含む薬液からなる蒸解液に、ヒドロキシアントラセン又はヒドロキシアントラセン誘導体を蒸解助剤として添加して、アルカリ法又は亜硫酸塩法によりリグノセルロース物質の蒸解を行うことを特徴とするパルプの製造方法が開示されている。また、国際公開第95/29288号(特許文献2)には、アントラキノン類の水分散液を添加してパルプ原料を精製する方法が開示されている。しかしながら、アントラキノン類や、ヒドロキシアントラセン及びその誘導体は発がん性の問題のため、人体への影響を排除できず、より安全性を考慮して、アントラキノン類等を使用しない蒸解促進剤が求められている。
【0005】
また、特開2009-185413号公報(特許文献3)には、アミノカルボン酸やオキシカルボン酸等の有機酸及び/又はその塩を含有する蒸解助剤が開示されている。しかしながら、この蒸解助剤は蒸解促進効果が十分ではなく、また、得られるパルプの品質も十分ではないため、より優れた蒸解促進効果を発現し、さらに、より品質に優れたパルプを得ることが可能な蒸解促進剤が求められている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
特開昭53-74101号公報
国際公開第95/29288号
特開2009-185413号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、上記従来技術の有する課題に鑑みてなされたものであり、より安全で、蒸解促進効果に優れ、より品質に優れたパルプを得ることが可能な蒸解促進剤及びそれを用いたパルプの製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明者らは、上記目的を達成すべく鋭意研究を重ねた結果、蒸解促進成分として、カゼイン、芳香環又は複素環を有するアミノ酸、及びそれらの塩からなる群から選択される少なくとも1種を含有する蒸解促進剤が蒸解促進効果に優れており、この蒸解促進剤を用いることによって、より品質に優れたパルプが得られることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0009】
すなわち、本発明は以下の態様を提供する。
[1]カゼイン、芳香環又は複素環を有するアミノ酸、及びそれらの塩からなる群から選択される少なくとも1種の蒸解促進成分を含有する、蒸解促進剤。
[2]前記芳香環又は複素環を有するアミノ酸が、単環の芳香環又は単環の複素環を有するアミノ酸である、[1]に記載の蒸解促進剤。
[3]前記単環の芳香環又は単環の複素環を有するアミノ酸が、α炭素に単環の芳香環又は単環の複素環を含有する基が結合したα-アミノ酸である、[2]に記載の蒸解促進剤。
[4]前記α炭素に単環の芳香環又は単環の複素環を含有する基が結合したα-アミノ酸が、チロシン及びフェニルアラニンからなる群から選択される少なくとも1種である、[3]に記載の蒸解促進剤。
[5][1]~[4]のうちのいずれか1項に記載の蒸解促進剤を用いて蒸解処理を行う工程を含む、パルプの製造方法。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、より安全で、蒸解促進効果に優れ、より品質に優れたパルプを得ることが可能な蒸解促進剤を得ることができ、また、この蒸解促進剤を用いることによって、より品質に優れたパルプを得ることが可能となる。
【発明を実施するための形態】
(【0011】以降は省略されています)

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