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公開番号
2025026943
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-02-26
出願番号
2024201158,2021516254
出願日
2024-11-18,2020-04-24
発明の名称
ペプチドの連続的製造方法
出願人
味の素株式会社
代理人
個人
,
個人
主分類
C07K
1/02 20060101AFI20250218BHJP(有機化学)
要約
【課題】ペプチドの連続的製造方法を提供する。
【解決手段】下記工程(1)、(A)、(2)、および(B)を含む、ペプチドの製造方法。
(1)フロー・リアクター中での縮合反応により、N保護C保護ペプチドを得る工程、
(A)N保護C保護ペプチドを含む反応液を、フロー・リアクター中で洗浄・油水分離して、N保護C保護ペプチドを含有する有機層を分層する工程、
(2)N保護C保護ペプチドを含有する有機層を、フロー・リアクター中でN末端アミノ基の保護基の除去反応に付して、N無保護C保護ペプチドを得る工程、
(B)N無保護C保護ペプチドを含む反応液を、フロー・リアクター中で洗浄・油水分離して、N無保護C保護ペプチドを含有する有機層を分層する工程。
【選択図】なし
特許請求の範囲
【請求項1】
下記工程(A)および/または工程(B)を含む、ペプチドの製造方法。
(A)N末端アミノ基およびC末端が保護基により保護され、側鎖官能基がさらに保護基により保護されていてもよく、C末端、または側鎖官能基の少なくとも一つが擬似固相保護基で保護されているN保護C保護ペプチド(N保護C保護ペプチド)を含む反応液を、フロー・リアクター中で水および/または親水性有機溶媒により連続的流れで洗浄後、連続的流れで油水分離手段により分液して、当該N保護C保護ペプチドを含有する有機層を分層することにより当該N保護C保護ペプチドを精製する工程、
(B)N末端アミノ基が保護されておらず、C末端が保護基により保護され、側鎖官能基がさらに保護基により保護されていてもよく、C末端、または側鎖官能基の少なくとも一つが擬似固相保護基で保護されているC保護ペプチド(N無保護C保護ペプチド)を含む反応液を、フロー・リアクター中で水および/または親水性有機溶媒により連続的流れで洗浄後、連続的流れで油水分離手段により分液して、当該N無保護C保護ペプチドを含有する有機層を分層することにより当該N無保護C保護ペプチドを精製する工程。
続きを表示(約 3,500 文字)
【請求項2】
下記工程(1)、(A)、(2)、および(B)を含む、ペプチドの製造方法。
(1)C末端が保護基により保護され、側鎖官能基がさらに保護基により保護されていてもよく、C末端、または側鎖官能基の少なくとも一つが擬似固相保護基で保護されているC保護アミノ酸(C保護アミノ酸)、またはC末端が保護基により保護され、側鎖官能基がさらに保護基により保護されていてもよく、C末端、または側鎖官能基の少なくとも一つが擬似固相保護基で保護されているC保護ペプチド(C保護ペプチド);
C末端が保護されておらず、N末端アミノ基が保護基により保護され、側鎖官能基がさらに保護基により保護されていてもよいN保護アミノ酸(N保護アミノ酸)、またはC末端が保護されておらず、N末端アミノ基が保護基により保護され、側鎖官能基がさらに保護基により保護されていてもよいN保護ペプチド(N保護ペプチド);
縮合剤;
および可溶性有機溶媒を、
フロー・リアクター中に導入し、フロー・リアクター中での連続的流れで縮合反応を行い、N末端の伸長により、N末端アミノ基およびC末端が保護基により保護され、側鎖官能基がさらに保護基により保護されていてもよく、C末端、または側鎖官能基の少なくとも一つが擬似固相保護基で保護されているN保護C保護ペプチド(N保護C保護ペプチド)を得る工程、
(A)N保護C保護ペプチドを含む反応液を、フロー・リアクター中で水および/または親水性有機溶媒により連続的流れで洗浄後、連続的流れで油水分離手段により分液して、当該N保護C保護ペプチドを含有する有機層を分層することにより当該N保護C保護ペプチドを精製する工程、
(2)N保護C保護ペプチドを含有する有機層を、連続的流れでフロー・リアクター中に導入し、フロー・リアクター中での連続的流れで、N末端アミノ基の保護基を除去し、N末端アミノ基が保護されておらず、C末端が保護基により保護され、側鎖官能基がさらに保護基により保護されていてもよく、C末端、または側鎖官能基の少なくとも一つが擬似固相保護基で保護されているC保護ペプチド(N無保護C保護ペプチド)を得る工程、
(B)N無保護C保護ペプチドを含む反応液を、フロー・リアクター中で水および/または親水性有機溶媒により連続的流れで洗浄後、連続的流れで油水分離手段により分液して、当該N無保護C保護ペプチドを含有する有機層を分層することにより当該N無保護C保護ペプチドを精製する工程。
【請求項3】
工程(1)、(A)、(2)、および(B)の順に行う、請求項2に記載のペプチドの製造方法。
【請求項4】
工程(2)、(B)、(1)、および(A)の順に行う、請求項2に記載のペプチドの製造方法。
【請求項5】
油水分離手段が、フィルターを含む構成からなる連続的分層手段、Gravityタイプの連続的分層手段のいずれかである、請求項1~4のいずれか1項に記載のペプチドの製造方法。
【請求項6】
アミノ基の保護基が、9-フルオレニルメチルオキシカルボニル基、tert-ブトキシカルボニル基またはベンジルオキシカルボニル基である請求項1~5のいずれか1項に記載のペプチドの製造方法。
【請求項7】
アミノ基の保護基が、9-フルオレニルメチルオキシカルボニル基である請求項6に記載のペプチドの製造方法。
【請求項8】
工程(A)で得られたN保護C保護ペプチド、または工程(B)で得られたN無保護C保護ペプチドを含有する有機層を取得した後、全ての保護基を除去する工程をさらに含む請求項1~7のいずれか1項に記載のペプチドの製造方法。
【請求項9】
アミノ酸残基数が5以上100以下であるペプチドが製造される請求項1~8のいずれか1項に記載のペプチドの製造方法。
【請求項10】
擬似固相保護基が、
(4’、4’-ビス(2,3-ジヒドロフィチルオキシ)フェニル)メチルアミン);
3,4,5-トリ(2’,3’-ジヒドロフィチルオキシ)ベンジルアルコール;
2-[3,4,5-トリ(2’,3’-ジヒドロフィチルオキシ)ベンジルオキシ]-4-メトキシベンジルアルコール;
3,4,5-トリ(オクタデシルオキシ)シクロヘキサンメタノール;
[ビス-(4-ドコソキシ-フェニル)-メチル]-アミン;
3,4,5-トリ(オクタデシルオキシ)ベンジルアルコール;
4-メトキシ-2-[3’,4’,5’-トリス(オクタデシルオキシ)ベンジルオキシ)ベンジルアルコール;
4-メトキシ-2-[3’,4’,5’-トリス(オクタデシルオキシ)シクロヘキシルメチルオキシ]ベンジルアルコール;
2-ドコシロキシ-9-(4-クロロフェニル)-9-フルオレノール;
2-ドコシロキシ-9-(4-クロロフェニル)-9-ブロモフルオレン;
2,7-ジドコシロキシ-9-(4-クロロフェニル)-9-ブロモフルオレン;
2-(12-ドコシロキシ-ドデカノキシ)-9-(3-フルオロフェニル)-9-ブロモフルオレン;
1,12-ビス-[12-(2’-O-9-(4-クロロフェニル)-9-フルオレノール)-ドデシロキシ]-ドデカン;
1,12-ビス-[12-(2’-O-9-(4-クロロフェニル)-9-ブロモフルオレン)-ドデシロキシ]-ドデカン;
2-(3-オクタデシロキシ-2,2-ビス-オクタデシロキシメチル-プロポキシ)-9-(4-クロロフェニル)-9-フルオレノール;
2-(3-オクタデシロキシ-2,2-ビス-オクタデシロキシメチル-プロポキシ)-9-(4-クロロフェニル)-9-ブロモフルオレン;
9-(4-クロロフェニル)-2-(3,4,5-トリス(オクタデシロキシ)シクロヘキシルメトキシ)-9-フルオレノール;
9-(4-クロロフェニル)-2-(3,4,5-トリス(オクタデシロキシ)シクロヘキシルメトキシ)-9-ブロモフルオレン;
3,5-ジドコシロキシベンジルアルコール;
2,4-ジドコシロキシベンジルアルコール;
2,4-ビスオクタデシロキシベンジルアルコール;
3-ジドコシルアミノベンジルアルコール;
3-ジフィチルアミノベンジルアルコール;
N-(2’,3’-ジヒドロフィチル)-N-(3-ヒドロキシメチルフェニル)アセトアミド;
N-トリアコンチル-N-(3-ヒドロキシメチルフェニル)アセトアミド;
3-(アミノメチル)-N,N-ジドコシルアニリン;
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および
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52
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(上記式中、TIPSは、トリイソプロピルシリル基、および
TBDPSは、tert-ブチルジフェニルシリル基を示す)
から選択される、請求項1~9のいずれか1項に記載のペプチドの製造方法。
(【請求項11】以降は省略されています)
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、ペプチドの連続的製造方法に関するものであり、ペプチド合成の分野において有用である。
続きを表示(約 1,900 文字)
【背景技術】
【0002】
ペプチド合成は、C保護ペプチド(ジペプチド形成反応時には、C保護アミノ酸)の態様により固相法と液相法とに分類される。
【0003】
固相法では、ペプチド(またはアミノ酸)のC末端を固体支持体に結合した状態でペプチド伸長を行ない、最終段階で目的のペプチドは固体支持体から切り離される。したがって、過剰または未反応により残留した試薬や副生成物は固体支持体の洗浄により容易に淘汰することができる。このため、固相法はペプチド医薬品の工業的な製造において用いられている。しかしながら、反応が固体支持体表面に限定されるためスケールアップや反応性などに課題がある。
【0004】
それに対して、液相法はスケールアップが容易であり、反応性も相対的に良好となるため、固相法における上記課題を解決する手段となりうる。しかし液相法は、縮合反応および脱保護反応の各工程において、都度、残留試薬や副生成物を除去することが必要であり、製造工程が複雑化し、最終医薬品の製造に要する時間も増大するという問題があった。また、研究用途向けの小スケールにおいても、液相法では製造工程が複雑化し、製造に時間を要する問題があった。
【0005】
上記のような液相法の問題を解決するため、単離・精製を固液分離(すなわち、晶析)で行える、擬似固相保護基を用いた製造方法(特許文献1~7)を用いることが考えられた。しかし、晶析による単離・精製法を用いる場合、工程が非連続となるため、連続的にペプチドを製造することは困難であった。
【0006】
一方、反応を均一な液相で行い、反応後に溶媒組成を変化させ、固液分離の操作を必要とせず、単離・精製を抽出洗浄だけで行える、擬似固相保護基を用いた製造方法が見出されている(特許文献8~12)。ペプチド合成においてアミノ酸またはペプチドのC末端および/または側鎖の官能基を擬似固相保護基で保護することで、ペプチド伸長反応の各工程で得られる製造中間体のペプチドの脂溶性および有機溶媒(特に、非極性有機溶媒)に対する溶解性が格段に向上し、抽出洗浄操作のみで精製が可能となる。このため、本方法によれば、固液分離など複雑で時間を要する操作を必要とせず、スピードが向上し、効率性・生産性が格段に向上する。
【0007】
上記の擬似固相保護基を用いた製造法は、固相反応と液相反応の利点を兼備した非常に有用な手法であり、工業的な観点からも注目されているが、都度、精製工程をバッチ処理によって非連続的流れで行う場合には、精製に時間を要するという課題が残されており、さらなる改良が望まれていた。
【0008】
ところで、上記の液相法でのペプチド合成プロセスは、「バッチ合成」と呼ばれる有機合成の分野で従来から広く行われてきた合成プロセスであるが、近年有機合成の分野では、フロー・リアクター(特に、フロー・マイクロリアクター)を活用した「フロー合成」の検討も進められてきている。「フロー合成」は、合成時間の短縮やスケールアップの容易さなどの利点があるとされ、例えば、ペプチド合成に関しても、合成後の未反応となる水相成分を分離除去する油水分離手段を有する、フロー・リアクターを活用したペプチド合成のための連続合成装置が提案されている(特許文献13)。また、ペプチド合成でのフロー・リアクターの活用として、アミノ酸残基数が4残基以下の短鎖ペプチドでの検討がなされてはいるが、その対象化合物は限定されていた(非特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
特開2000-44493号公報
国際公開第2006/104166号
国際公開第2007/034812号
国際公開第2007/122847号
国際公開第2010/113939号
国際公開第2010/104169号
国際公開第2011/078295号
国際公開第2012/029794号
国際公開第2016/140232号
国際公開第2003/018188号
国際公開第2017/038650号
国際公開第2019/009317号
特開2007-186452号公報
【非特許文献】
【0010】
S. Fuse et al., Angew.Chem.Int. Ed.2014,53,851-855
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
(【0011】以降は省略されています)
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