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公開番号2025025347
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-02-21
出願番号2023130039
出願日2023-08-09
発明の名称車両用制動制御装置
出願人トヨタ自動車株式会社
代理人弁理士法人中部国際特許事務所
主分類B60T 8/17 20060101AFI20250214BHJP(車両一般)
要約【課題】回生エネルギーを確保しながら摩擦ブレーキ装置の摩擦材の劣化を抑制することができる車両用制動制御装置を提供すること。
【解決手段】ブレーキECU22は、路面状態検出センサ36によって検出された路面状態がドライ状態であるか否かを判定する。そしてブレーキECU22は、ドライ状態である場合において、目標制動力Vtbがリアモータ12による最大回生可能制動力Vrbmよりも大きいときに、車両1に目標制動力Vtbが発生するように、前輪50F及び後輪50Rの摩擦ブレーキ機構40のブレーキパッド40pブレーキディスク41dに押し付けさせて摩擦制動力を発生させる。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
前輪及び後輪のうちの少なくとも一方に回生制動力を付与する回生ブレーキ装置と、
前記前輪及び前記後輪に摩擦制動力を付与する摩擦ブレーキ装置と、を備える車両に適用される車両用制動制御装置であって、
前記車両の進行方向前方における路面状態を検出する路面状態検出部と、
前記車両を制動するための目標制動力を前記車両に発生させるように前記回生ブレーキ装置と前記摩擦ブレーキ装置との協調制御を実行するコントローラと、を備え、
前記コントローラは、
前記路面状態検出部によって検出された前記路面状態が前記車両の制動時に安定性を乱さない所定状態であるか否かを判定し、
前記所定状態である場合において、前記目標制動力が前記回生ブレーキ装置による前記回生制動力よりも大きいときに、前記車両に前記目標制動力が発生するように、前記前輪及び前記後輪の前記摩擦ブレーキ装置を作動させて前記摩擦制動力を発生させる、車両用制動制御装置。
続きを表示(約 900 文字)【請求項2】
前記回生ブレーキ装置は、前記後輪に前記回生制動力を付与するものであり、
前記コントローラは、
前記所定状態であり、且つ、前記目標制動力が前記回生制動力よりも大きい場合、
前記前輪の前記摩擦ブレーキ装置を作動させて発生させる前記摩擦制動力よりも小さくなるように、前記後輪の前記摩擦ブレーキ装置を作動させて前記摩擦制動力を発生させる、請求項1に記載の車両用制動制御装置。
【請求項3】
前記回生ブレーキ装置は、前記後輪に前記回生制動力を付与するものであり、
前記コントローラは、
前記所定状態であり、且つ、前記目標制動力が前記回生制動力よりも大きい場合、
前記回生ブレーキ装置が前記後輪に付与している前記回生制動力の少なくとも一部を前記後輪の前記摩擦ブレーキ装置及び前記前輪の前記摩擦ブレーキ装置が付与する前記摩擦制動力にすり替えると共に、前記車両に前記目標制動力が発生するように前記後輪の前記摩擦ブレーキ装置及び前記前輪の前記摩擦ブレーキ装置を作動させて前記摩擦制動力を発生させる、請求項1に記載の車両用制動制御装置。
【請求項4】
前記回生ブレーキ装置は、前記前輪に前記回生制動力を付与するものであり、
前記コントローラは、
前記所定状態であり、且つ、前記目標制動力が前記回生制動力よりも大きい場合、
前記回生ブレーキ装置が前記前輪に付与している前記回生制動力の少なくとも一部を前記前輪の前記摩擦ブレーキ装置及び前記後輪の前記摩擦ブレーキ装置が付与する前記摩擦制動力にすり替えると共に、前記車両に前記目標制動力が発生するように前記前輪の前記摩擦ブレーキ装置及び前記後輪の前記摩擦ブレーキ装置を作動させて前記摩擦制動力を発生させる、請求項1に記載の車両用制動制御装置。
【請求項5】
前記回生ブレーキ装置によって付与される前記回生制動力は、前記車両の制動時に最大限回収可能な回生エネルギーに基づいて決定される、請求項1-4の何れか一項に記載の車両用制動制御装置。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、車両用制動制御装置に関する。
続きを表示(約 2,300 文字)【背景技術】
【0002】
従来から、例えば、特許文献1に開示された車両用制動制御装置が知られている。従来の車両用制動制御装置は、左右一対の前輪及び後輪の各々に制動力を発生させる回生ブレーキ装置と摩擦ブレーキ装置とを備えた車両に適用される。そして、従来の車両用制動制御装置は、車両に対して減速要求があり、且つ、摩擦ブレーキ装置の摩擦材をロータ等の回転部材に接触させる慣らしとしての当り付けが必要であると判定した場合、摩擦ブレーキ装置を回生ブレーキ装置に優先して動作させる。これにより、従来の車両用制動制御装置は、摩擦ブレーキ装置の当り付けを実行して、摩擦ブレーキ装置の効きの早期回復を実現するようになっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特開2021-130367号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、従来の車両用制動制御装置においては、新車時又は摩擦材を交換してから所定の距離だけ車両が走行する間に、摩擦材の当り付けを行うために摩擦ブレーキ装置を優先的に作動させ、摩擦材を回転部材に接触させて摩擦制動力を発生させる。従って、車両が所定の距離だけ走行する間は、摩擦ブレーキ装置を作動させる頻度が多くなり、摩擦ブレーキ装置の摩擦材に摩擦熱や摩耗等を発生させる負荷が与えられる。これにより、当たり付けを行う間は、摩擦材の使用頻度の低下に伴う劣化、例えば、吸水による摩擦材の劣化が抑制される。しかしながら、車両が所定の距離だけ走行した後、換言すれば、当たり付けが完了した後は、回生ブレーキ装置による回生制動力が優先的に付与されるようになるため、摩擦ブレーキ装置の作動させる頻度が少なくなる。その結果、摩擦材への負荷が与えられず、摩擦材の劣化が発生したり、摩擦材の劣化が進んだりする虞がある。
【0005】
又、所定の距離だけ車両が走行する間は、摩擦ブレーキ装置による摩擦制動力が優先的に付与される、換言すれば、回生ブレーキ装置を作動させる頻度が少なくなる。このため、所定の距離だけ車両が走行する間は、回生ブレーキ装置の回生によって回収される電流、即ち、回生エネルギーが低下する。このことは、回生エネルギー(電流)を用いた車両の走行可能距離に影響を与えることになり、所謂、車両の電力量消費率に影響を与えてしまう。つまり、従来の車両用制動制御装置は、摩擦ブレーキ装置の当り付けを行う状況では、摩擦材の劣化は抑制されるものの、電力量消費率に影響を与えてしてしまうという状況が生じる。
【0006】
本発明の目的は、回生エネルギーを確保しながら摩擦ブレーキ装置の摩擦材の劣化を抑制することができる車両用制動制御装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の車両用制動制御装置は、前輪及び後輪のうちの少なくとも一方に回生制動力を付与する回生ブレーキ装置と、前輪及び後輪に摩擦制動力を付与する摩擦ブレーキ装置と、を備える車両に適用される車両用制動制御装置であって、車両の進行方向前方における路面状態を検出する路面状態検出部と、車両を制動するための目標制動力を車両に発生させるように回生ブレーキ装置と摩擦ブレーキ装置との協調制御を実行するコントローラと、を備え、コントローラは、路面状態検出部によって検出された路面状態が車両の制動時に安定性を乱さない所定状態であるか否かを判定し、所定状態である場合において、目標制動力が回生ブレーキ装置による回生制動力よりも大きいときに、車両に目標制動力が発生するように、前輪及び後輪の摩擦ブレーキ装置を作動させて摩擦制動力を発生させる。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、コントローラは、回生制動力よりも大きな目標制動力を発生させる際には、車両の前輪及び後輪に設けられた摩擦ブレーキ装置を作動させて、摩擦制動力を発生させることができる。これにより、車両においては、回生ブレーキ装置によって回生エネルギーを回収しつつ、摩擦ブレーキ装置の作動頻度を増やすことができる。その結果、前輪及び後輪に設けられる摩擦ブレーキ装置の摩擦材に適切な負荷を与えることができる。従って、負荷の与えられた摩擦材は使用頻度の低下に伴う劣化を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
本実施形態の車両及び車両用制動制御装置の概略的な構成図である。
回生制動力を大きくした場合の摩擦制動力を説明するためのグラフである。
制動制御プログラムのフローチャートである。
実施形態に係り、後輪側の回生制動力と後輪側及び前輪側の摩擦制動力とを説明するためのグラフである。
第一変形例に係り、すり替えを伴う、後輪側の回生制動力と後輪側及び前輪側の摩擦制動力とを説明するためのグラフである。
第二変形例に係り、すり替えを伴う、前輪側の回生制動力と前輪側及び後輪側の摩擦制動力とを説明するためのグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の一実施形態である車両用制動制御装置を、図面を参照しながら詳しく説明する。尚、本発明は、以下に説明する実施形態の他、当業者の知識に基づいて種々の変更、改良を施した種々の形態で実施することができる。
(【0011】以降は省略されています)

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