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公開番号2025024725
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-02-21
出願番号2023128934
出願日2023-08-08
発明の名称軟化組織検出方法、余寿命推定方法及び検査対象選定方法
出願人三菱重工業株式会社
代理人SSIP弁理士法人
主分類G01N 29/44 20060101AFI20250214BHJP(測定;試験)
要約【課題】溶接金属内の軟化組織の有無を判定できる軟化組織検出方法を提供する。
【解決手段】溶接金属の検査対象内の軟化組織を超音波探傷により検出するための軟化組織検出方法であって、検査対象に対して、少なくとも1つの斜角探触子から傾斜方向に沿って第1超音波ビームを入射させ、斜角探触子に戻る第1超音波ビームの反射波を取得する超音波探傷を実施する第1の探傷ステップと、検査対象に対して、送信側探触子から傾斜方向に沿って第2超音波ビームを入射させ、送信側探触子との間に溶接金属を挟んで配置された受信側探触子が受信する第2超音波ビームの反射波を取得する超音波探傷を実施する第2の探傷ステップと、第1の探傷ステップの超音波探傷結果及び第2の探傷ステップの超音波探傷結果に基づいて、検査対象内における軟化組織の有無を判定する判定ステップと、を備える。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
溶接金属の検査対象内の軟化組織を超音波探傷により検出するための軟化組織検出方法であって、
前記検査対象に対して、少なくとも1つの斜角探触子から傾斜方向に沿って第1超音波ビームを入射させ、前記斜角探触子に戻る前記第1超音波ビームの反射波を取得する超音波探傷を実施する第1の探傷ステップと、
前記検査対象に対して、送信側探触子から傾斜方向に沿って第2超音波ビームを入射させ、前記送信側探触子との間に前記溶接金属を挟んで配置された受信側探触子が受信する前記第2超音波ビームの反射波を取得する超音波探傷を実施する第2の探傷ステップと、
前記第1の探傷ステップの超音波探傷結果及び前記第2の探傷ステップの超音波探傷結果に基づいて、前記検査対象内における前記軟化組織の有無を判定する判定ステップと、を備える、軟化組織検出方法。
続きを表示(約 1,700 文字)【請求項2】
前記判定ステップでは、
前記検査対象においてそれぞれ区画された複数の分割領域毎に、前記第1の探傷ステップの超音波探傷結果から得られる前記第1超音波ビームの前記反射波の強度に関する情報と、前記第2の探傷ステップの超音波探傷結果から得られる前記第2超音波ビームの前記反射波の強度に関する情報とを比較することで、前記検査対象内における前記軟化組織の位置及び大きさを推定する推定ステップを含む、
請求項1に記載の軟化組織検出方法。
【請求項3】
前記検査対象は、前記溶接金属の溶接方向に直交する方向に沿った少なくとも1つの溶接断面を含み、
前記判定ステップは、
前記第1の探傷ステップの超音波探傷結果に基づいて、前記少なくとも1つの溶接断面の前記第1超音波ビームによる探傷画像である第1探傷画像を生成する第1探傷画像生成ステップと、
前記第2の探傷ステップの超音波探傷結果に基づいて、前記少なくとも1つの溶接断面の前記第2超音波ビームによる探傷画像である第2探傷画像を生成する第2探傷画像生成ステップと、を含む、
請求項1に記載の軟化組織検出方法。
【請求項4】
前記判定ステップは、
前記溶接断面においてそれぞれ区画された複数の分割領域毎に、前記第1探傷画像の前記第1超音波ビームの前記反射波の強度に対応する第1特徴値と、前記第2探傷画像の前記第2超音波ビームの前記反射波の強度に対応する第2特徴値と、を比較することで、前記溶接断面内における前記軟化組織の位置及び大きさを推定する画像推定ステップをさらに含む、
請求項3に記載の軟化組織検出方法。
【請求項5】
前記溶接金属の溶接方向に沿って前記少なくとも1つの斜角探触子、前記送信側探触子及び前記受信側探触子を移動させる探触子移動ステップをさらに備え、
前記検査対象は、前記溶接金属の前記溶接方向に直交する方向に沿った複数の溶接断面であって、前記溶接方向に沿って互いに離隔する複数の溶接断面を含む、
請求項1~4の何れか1項に記載の軟化組織検出方法。
【請求項6】
前記少なくとも1つの斜角探触子は、
第1の斜角探触子と、
前記第1の斜角探触子との間に前記溶接金属を挟んで配置された第2の斜角探触子と、を含み、
前記第1の探傷ステップでは、前記第1の斜角探触子及び前記第2の斜角探触子の夫々に戻る前記第1超音波ビームの反射波を取得する超音波探傷が実施される、
請求項1~4の何れか1項に記載の軟化組織検出方法。
【請求項7】
溶接金属の余寿命を推定するための余寿命推定方法であって、
前記判定ステップの判定結果と前記溶接金属の余寿命の低下率との関係性を利用して、請求項2又は4に記載の軟化組織検出方法により得られた前記判定ステップの判定結果から前記溶接金属の余寿命を推定する余寿命推定ステップを備える、
余寿命推定方法。
【請求項8】
前記余寿命推定ステップは、
前記判定ステップの判定結果に基づいて、前記軟化組織の面積率を算出する面積率算出ステップと、
前記軟化組織の面積率と前記溶接金属の余寿命の低下率との関係性を利用して、前記面積率算出ステップにおいて算出された前記軟化組織の面積率から前記溶接金属の余寿命の低下率を算出する余寿命低下率算出ステップと、を含む、
請求項7に記載の余寿命推定方法。
【請求項9】
請求項1~4の何れか1項に記載の軟化組織検出方法における軟化組織の有無の検査対象物となる溶接金属を選定するための検査対象選定方法であって、
前記検査対象物の候補である複数の溶接金属の溶接パス間距離を取得する溶接パス間距離取得ステップと、
前記溶接パス間距離取得ステップにおいて取得された前記複数の溶接金属の前記溶接パス間距離を考慮して、前記検査対象物となる前記溶接金属を選定する溶接金属選定ステップと、を備える、
検査対象選定方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本開示は、溶接金属の軟化組織検出方法及び余寿命推定方法、並びに検査対象である溶接金属の選定方法に関する。
続きを表示(約 1,800 文字)【背景技術】
【0002】
近年、例えば火力発電プラントで使用される高温蒸気配管(高クロム鋼配管)の溶接部や母材の熱影響部に軟化組織が生じることが知られている(例えば、特許文献1参照)。高温・高圧条件下で使用される金属部材に生じる軟化組織は、通常領域(母材および溶接金属)より硬さが顕著に低下しており、その結晶粒も粗大化する。よって、この軟化組織の存在によって金属部材の強度低下の可能性があり、軟化組織を非破壊で検出するニーズが今後高まることが予想される。
【0003】
金属部材を非破壊で検査する方法としては超音波探傷(UT:Ultrasonic Testing)が従来から知られている(特許文献1参照)。超音波探傷では、例えば高温蒸気配管の溶接部などとなる検査の検査対象に探傷器から超音波の短パルス信号を送信(送波)すると共に、その反射波(エコー信号)を受信して分析する。これによって、検査対象内における欠陥の有無や位置の推定が可能となる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特開2021-169935号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
超音波探傷を行い、溶接金属内における軟化組織と溶接きず(欠陥)とを区分けすることは、公知の手法により可能であるが、超音波探傷を行い、溶接金属内における軟化組織と溶接金属の柱状晶(デンドライト粒)とを区分けすることは、困難であるという問題がある。なお、特許文献1では、軟化組織を形成する結晶粒の想定粒径に応じた設定周波数を有する超音波により、検査対象に対する超音波探傷を行うことで、検査対象内の軟化組織の有無を判定する試みが行われている。
【0006】
上述の事情に鑑みて、本開示の少なくとも一実施形態は、溶接金属内の軟化組織の有無を判定できる軟化組織検出方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示の少なくとも一実施形態に係る軟化組織検出方法は、
溶接金属の検査対象内の軟化組織を超音波探傷により検出するための軟化組織検出方法であって、
前記検査対象に対して、少なくとも1つの斜角探触子から傾斜方向に沿って第1超音波ビームを入射させ、前記斜角探触子に戻る前記第1超音波ビームの反射波を取得する超音波探傷を実施する第1の探傷ステップと、
前記検査対象に対して、送信側探触子から傾斜方向に沿って第2超音波ビームを入射させ、前記送信側探触子との間に前記溶接金属を挟んで配置された受信側探触子が受信する前記第2超音波ビームの反射波を取得する超音波探傷を実施する第2の探傷ステップと、
前記第1の探傷ステップの超音波探傷結果及び前記第2の探傷ステップの超音波探傷結果に基づいて、前記検査対象内における前記軟化組織の有無を判定する判定ステップと、を備える。
【0008】
本開示の少なくとも一実施形態に係る余寿命推定方法は、
溶接金属の余寿命を推定するための余寿命推定方法であって、
前記判定ステップの判定結果と前記溶接金属の余寿命の低下率との関係性を利用して、前記軟化組織検出方法により得られた前記判定ステップの判定結果から前記溶接金属の余寿命を推定する余寿命推定ステップを備える。
【0009】
本開示の少なくとも一実施形態に係る検査対象選定方法は、
前記軟化組織検出方法における軟化組織の有無の検査対象物となる溶接金属を選定するための検査対象選定方法であって、
前記検査対象物の候補である複数の溶接金属の溶接パス間距離を取得する溶接パス間距離取得ステップと、
前記溶接パス間距離取得ステップにおいて取得された前記複数の溶接金属の前記溶接パス間距離を考慮して、前記検査対象物となる前記溶接金属を選定する溶接金属選定ステップと、を備える。
【発明の効果】
【0010】
本開示の少なくとも一実施形態によれば、溶接金属内の軟化組織の有無を判定できる軟化組織検出方法が提供される。
【図面の簡単な説明】
(【0011】以降は省略されています)

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