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公開番号
2025024541
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-02-20
出願番号
2023128726
出願日
2023-08-07
発明の名称
アンモニアガスの処理装置及び処理方法
出願人
株式会社三井E&S
代理人
個人
,
個人
,
個人
主分類
B01D
53/58 20060101AFI20250213BHJP(物理的または化学的方法または装置一般)
要約
【課題】アンモニアガスを溶解させたアンモニア水を安全に保管し、保管スペースを少なくすることができるアンモニアガスの処理装置及び処理方法を提供すること。
【解決手段】貨物又は燃料として液化アンモニアを搭載する船舶において、貨物から揮発し又は燃料の供給ライン2、4に残留した液化アンモニアが気化したアンモニアガス及び/又はアンモニアガスを清水に溶解させる除害装置6は、貯水した清水にアンモニアガスを溶解させる水封タンク12と、水封タンク12より排出されたアンモニアガスに清水を噴霧して溶解させるスクラバ槽13と、スクラバ槽13内のアンモニア水をスクラバ槽13の上部に送る循環ポンプ14と、スクラバ槽13の上部に送られるアンモニア水を冷却する熱交換器13bとを有することを特徴とする。
【選択図】図1
特許請求の範囲
【請求項1】
貨物又は船舶の機関の燃料として液化アンモニアを搭載する船舶におけるアンモニアガスの処理装置であって、
前記貨物から揮発し又は前記機関の燃料の供給ラインに残留した液化アンモニアが気化したアンモニアガス及び/又はアンモニアガスを清水に溶解させてアンモニア水とする除害装置を備え、
前記除害装置は、
清水が貯水され、下部より前記液化アンモニアが気化したアンモニアガス及び/又は前記アンモニアガスが導入され、このアンモニアガスを貯水した清水に溶解させてアンモニア水とする水封タンクと、
前記水封タンクの上部より排出されたアンモニアガスが下部に導入され、上部に清水が供給され、該アンモニアガスを該清水に溶解させてアンモニア水とするスクラバ槽と、
前記スクラバ槽内のアンモニア水を、該スクラバ槽の上部に送る循環ポンプと、
前記循環ポンプにより前記スクラバ槽の上部に送られるアンモニア水を冷却する熱交換器と
を有する
ことを特徴とするアンモニアガスの処理装置。
続きを表示(約 1,600 文字)
【請求項2】
前記除害装置で生成されたアンモニア水が送られ、このアンモニア水を保管する処理水保管タンクを備え、
前記処理水保管タンクから揮発したアンモニアガスが、前記スクラバ槽の下部に導入される
ことを特徴とする請求項1記載のアンモニアガスの処理装置。
【請求項3】
前記除害装置で生成されたアンモニア水が送られ、このアンモニア水を保管する処理水保管タンクを備え、
前記処理水保管タンクは、加圧式のアンモニア水保管タンクである
ことを特徴とする請求項1記載のアンモニアガスの処理装置。
【請求項4】
前記船舶の機関の排ガスが導入される選択式還元触媒ユニットを備え、
前記選択式還元触媒ユニットは、前記除害装置で生成されたアンモニア水が供給され、前記排ガスの脱硝処理を行う
ことを特徴とする請求項1記載のアンモニアガスの処理装置。
【請求項5】
前記除害装置からアンモニア水が送られる中和処理装置を備え、
前記中和処理装置は、前記アンモニア水を酸性中和剤により中和処理して中和水とする
ことを特徴とする請求項1記載のアンモニアガスの処理装置。
【請求項6】
前記船舶の機関の排ガスが導入される選択式還元触媒ユニットを備え、
前記選択式還元触媒ユニットは、前記中和処理装置で生成された中和水が供給され、前記排ガスの脱硝処理を行う
ことを特徴とする請求項5記載のアンモニアガスの処理装置。
【請求項7】
前記清水は、前記清水を貯蔵する清水タンクから加圧バッファタンクに送られて貯蔵され、前記循環ポンプを駆動させる電源の喪失時には、前記加圧バッファタンク内の圧力によって、前記スクラバ槽の上部に供給される
ことを特徴とする請求項1~6の何れかに記載のアンモニアガスの処理装置。
【請求項8】
前記加圧バッファタンクは、前記燃料の供給ラインに残留した液化アンモニアが気化したアンモニアガス及び/又はアンモニアガスをパージして前記除害装置に送る不活性ガスの圧力源によって、加圧される
ことを特徴とする請求項7記載のアンモニアガスの処理装置。
【請求項9】
前記循環ポンプを駆動させる無停電電源を備え、
前記循環ポンプを駆動させる電源の喪失時には、前記無停電電源によって、前記循環ポンプを駆動可能とする
ことを特徴とする請求項1~6の何れかに記載のアンモニアガスの処理装置。
【請求項10】
貨物又は船舶の機関の燃料として液化アンモニアを搭載する船舶におけるアンモニアガスの処理方法であって、
前記貨物から揮発し又は前記機関の燃料の供給ラインに残留した液化アンモニアが気化したアンモニアガス及び/又はアンモニアガスを除害装置に送り、
前記除害装置は、
清水が貯水され、下部より前記液化アンモニアが気化したアンモニアガス及び/又は前記アンモニアガスが導入され、このアンモニアガスを貯水した清水に溶解させてアンモニア水とする水封タンクと、
前記水封タンクの上部より排出されたアンモニアガスが下部に導入され、上部に清水が供給され、該アンモニアガスを該清水に溶解させてアンモニア水とするスクラバ槽と、
前記スクラバ槽内のアンモニア水を、該スクラバ槽の上部に送る循環ポンプと、
前記循環ポンプにより前記スクラバ槽の上部に送られるアンモニア水を冷却する熱交換器と
を有し、
前記除害装置において、前記液化アンモニアが気化したアンモニアガス及び/又は前記アンモニアガスを清水に溶解させる工程を有する
ことを特徴とするアンモニアガスの処理方法。
(【請求項11】以降は省略されています)
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、貨物又はエンジン燃料として液化アンモニアを搭載する船舶におけるアンモニアガスの処理装置及び処理方法に関し、詳しくは、貨物から揮発し又は機関の燃料の供給ラインに残留した液化アンモニアが気化したアンモニアガス及び/又はアンモニアガスを清水に溶解させたアンモニア水を安全に保管でき、また、保管スペースを少なくすることができるアンモニアガスの処理装置及び処理方法に関する。
続きを表示(約 3,300 文字)
【背景技術】
【0002】
近年の地球温暖化問題に伴い、船舶推進用エンジンの燃料として、液化アンモニアの利用が想定されている。液化アンモニアを燃料として利用した場合には、燃料配管内のパージや、異常時に燃焼範囲以内に収めるため、燃料供給系内を空にする必要がある。また、アンモニアを貯留するタンクにおいては、自然入熱等によりボイルオフガスと呼ばれるアンモニアガスが発生する。アンモニアガスが生じるままにしておくとタンク内の圧力が上昇し設計圧力以上になるため、大気放出等により処理する必要がある。
【0003】
しかし、アンモニアガスは、可燃性及び毒性を有するので、アンモニアガスをそのまま大気放出すると、人体に影響を与える。そのため、大気中に放出する排気からは、アンモニアガスを除害装置によって除去する必要がある。特許文献1には、除害装置として、アンモニアガスを清水に溶解させてアンモニア水として回収する装置が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特許第6934555号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
除害装置においてアンモニアガスが清水に溶解された処理水(アンモニア水)は、排出規制により、船外に排出することができないので、処理水は、船内に保管又は船内で処理する必要がある。
処理水を船内に保管する場合には、保管タンクを小型にして、保管スペースを少なくすることが好ましい。
【0006】
そこで、本発明の課題は、貨物から揮発し又は機関の燃料の供給ラインに残留した液化アンモニアが気化したアンモニアガス及び/又はアンモニアガスを清水に溶解させたアンモニア水を安全に保管でき、また、保管スペースを少なくすることができるアンモニアガスの処理装置及び処理方法を提供することにある。
【0007】
さらに本発明の他の課題は、以下の記載によって明らかとなる。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題は以下の各発明によって解決される。
1.
貨物又は船舶の機関の燃料として液化アンモニアを搭載する船舶におけるアンモニアガスの処理装置であって、
前記貨物から揮発し又は前記機関の燃料の供給ラインに残留した液化アンモニアが気化したアンモニアガス及び/又はアンモニアガスを清水に溶解させてアンモニア水とする除害装置を備え、
前記除害装置は、
清水が貯水され、下部より前記液化アンモニアが気化したアンモニアガス及び/又は前記アンモニアガスが導入され、このアンモニアガスを貯水した清水に溶解させてアンモニア水とする水封タンクと、
前記水封タンクの上部より排出されたアンモニアガスが下部に導入され、上部に清水が供給され、該アンモニアガスを該清水に溶解させてアンモニア水とするスクラバ槽と、
前記スクラバ槽内のアンモニア水を、該スクラバ槽の上部に送る循環ポンプと、
前記循環ポンプにより前記スクラバ槽の上部に送られるアンモニア水を冷却する熱交換器と
を有する
ことを特徴とするアンモニアガスの処理装置。
2.
前記除害装置で生成されたアンモニア水が送られ、このアンモニア水を保管する処理水保管タンクを備え、
前記処理水保管タンクから揮発したアンモニアガスが、前記スクラバ槽の下部に導入される
ことを特徴とする前記1記載のアンモニアガスの処理装置。
3.
前記除害装置で生成されたアンモニア水が送られ、このアンモニア水を保管する処理水保管タンクを備え、
前記処理水保管タンクは、加圧式のアンモニア水保管タンクである
ことを特徴とする前記1記載のアンモニアガスの処理装置。
4.
前記船舶の機関の排ガスが導入される選択式還元触媒ユニットを備え、
前記選択式還元触媒ユニットは、前記除害装置で生成されたアンモニア水が供給され、前記排ガスの脱硝処理を行う
ことを特徴とする前記1記載のアンモニアガスの処理装置。
5.
前記除害装置からアンモニア水が送られる中和処理装置を備え、
前記中和処理装置は、前記アンモニア水を酸性中和剤により中和処理して中和水とする
ことを特徴とする前記1記載のアンモニアガスの処理装置。
6.
前記船舶の機関の排ガスが導入される選択式還元触媒ユニットを備え、
前記選択式還元触媒ユニットは、前記中和処理装置で生成された中和水が供給され、前記排ガスの脱硝処理を行う
ことを特徴とする前記5記載のアンモニアガスの処理装置。
7.
前記清水は、前記清水を貯蔵する清水タンクから加圧バッファタンクに送られて貯蔵され、前記循環ポンプを駆動させる電源の喪失時には、前記加圧バッファタンク内の圧力によって、前記スクラバ槽の上部に供給される
ことを特徴とする前記1~6の何れかに記載のアンモニアガスの処理装置。
8.
前記加圧バッファタンクは、前記燃料の供給ラインに残留した液化アンモニアが気化したアンモニアガス及び/又はアンモニアガスをパージして前記除害装置に送る不活性ガスの圧力源によって、加圧される
ことを特徴とする前記7記載のアンモニアガスの処理装置。
9.
前記循環ポンプを駆動させる無停電電源を備え、
前記循環ポンプを駆動させる電源の喪失時には、前記無停電電源によって、前記循環ポンプを駆動可能とする
ことを特徴とする前記1~6の何れかに記載のアンモニアガスの処理装置。
10.
貨物又は船舶の機関の燃料として液化アンモニアを搭載する船舶におけるアンモニアガスの処理方法であって、
前記貨物から揮発し又は前記機関の燃料の供給ラインに残留した液化アンモニアが気化したアンモニアガス及び/又はアンモニアガスを除害装置に送り、
前記除害装置は、
清水が貯水され、下部より前記液化アンモニアが気化したアンモニアガス及び/又は前記アンモニアガスが導入され、このアンモニアガスを貯水した清水に溶解させてアンモニア水とする水封タンクと、
前記水封タンクの上部より排出されたアンモニアガスが下部に導入され、上部に清水が供給され、該アンモニアガスを該清水に溶解させてアンモニア水とするスクラバ槽と、
前記スクラバ槽内のアンモニア水を、該スクラバ槽の上部に送る循環ポンプと、
前記循環ポンプにより前記スクラバ槽の上部に送られるアンモニア水を冷却する熱交換器と
を有し、
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、貨物から揮発し又は機関の燃料の供給ラインに残留した液化アンモニアが気化したアンモニアガス及び/又はアンモニアガスを清水に溶解させたアンモニア水を安全に保管でき、また、保管スペースを少なくすることができるアンモニアガスの処理装置及び処理方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
本発明の第1の実施形態のアンモニアガスの処理装置の構成を示すブロック図
本発明の第1の実施形態の改良形態(1)のアンモニアガスの処理装置の構成を示すブロック図
本発明の第1の実施形態の改良形態(2)のアンモニアガスの処理装置の構成を示すブロック図
本発明の第1の実施形態の改良形態(3)のアンモニアガスの処理装置の構成を示すブロック図
本発明の第2の実施形態のアンモニアガスの処理装置の構成を示すブロック図
【発明を実施するための形態】
(【0011】以降は省略されています)
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