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公開番号2025020327
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-02-12
出願番号2024194918,2023183886
出願日2024-11-07,2012-10-22
発明の名称PPRモチーフを利用したRNA結合性蛋白質の設計方法及びその利用
出願人国立大学法人九州大学
代理人弁理士法人特許事務所サイクス
主分類C12N 15/29 20060101AFI20250204BHJP(生化学;ビール;酒精;ぶどう酒;酢;微生物学;酵素学;突然変異または遺伝子工学)
要約【課題】PPR蛋白質をコードする核酸を含む組成物であって、前記PPR蛋白質が結合可能な標的配列を有するRNAの、翻訳、スプライシング、及び安定性からなる群より選択されるいずれかの改変を介した疾患の処置に用いるための組成物を提供する。
【解決手段】使用される蛋白質は、式1で表される30~38アミノ酸長のポリペプチドからなるPPRモチーフを1個以上(好ましくは2~14個)含む、蛋白質であり(式中:Helix Aは、12アミノ酸長の、αヘリックス構造を形成可能な部分であって、式2で表され、式2中、A1~A12はそれぞれ独立にアミノ酸を表し;Xは、存在しないか又は1~9アミノ酸長からなる部分であり;Helix Bは、11~13アミノ酸長からなる、αヘリックス構造を形成可能な部分であり;Lは、2~7アミノ酸長の、式3で表される部分であり;式3中、各アミノ酸は、“i”(-1)、“ii”(-2)、とC末端側からナンバリングされ、ただし、Liii~Lviiは存在しない場合がある。)A1、A4、及びLiiの3つのアミノ酸の組み合わせ、又はA4、Liiの2つのアミノ酸の組み合わせを、対象RNA塩基又は塩基配列に応じたものとする。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
PPR蛋白質をコードする核酸を含む組成物であって、
前記PPR蛋白質が結合可能な標的配列を有するRNAの、翻訳、スプライシング、及び安定性からなる群より選択されるいずれかの改変を介した疾患の処置に用いるための組成物であり、
前記PPR蛋白質が、下記式1で表される30~38アミノ酸長のポリペプチドであるPPRモチーフを2~20個含むものであり
JPEG
2025020327000007.jpg
12
170
(式1中:
Helix Aは、12アミノ酸長の、αヘリックス構造を形成可能な部分であって、
式2:
JPEG
2025020327000008.jpg
13
170
(式2中、A
1
~A
12
はそれぞれ独立にアミノ酸を表す)で表され、
式1中Xは、存在しないか又は1~9アミノ酸長からなる部分であり、
式1中Helix Bは、11~13アミノ酸長からなる、αヘリックス構造を形成可能な部分であり、
式1中Lは、2~7アミノ酸長の、式3:
JPEG
2025020327000009.jpg
13
170
(式3中、各アミノ酸は、“i” (-1)、“ii”(-2)、とC末端側からナンバリングされ、
ただし、L
iii
~L
vii
は存在しない場合がある。)、
前記標的配列を有するRNA中の一のRNA塩基と、それに選択的に結合する、前記PPR蛋白質中のPPRモチーフを構成するA
1
、A
4
、及びL
ii
の3つのアミノ酸の組み合わせが、下記のいずれかであることを特徴とする、組成物。
(3-1) U(ウラシル)に選択的に結合するPPRモチーフを構成するA
1
、A
4
、及びL
ii
の3つのアミノ酸の組み合わせが、順に、バリン、アスパラギン、アスパラギン酸である;
(3-2) A(アデニン)に選択的に結合するPPRモチーフを構成するA
1
、A
4
、及びL
ii
の3つのアミノ酸の組み合わせが、順に、バリン、トレオニン、アスパラギンである;
(3-3) C(シトシン)に選択的に結合するPPRモチーフを構成するA
1
、A
4
、及びL
ii
の3つのアミノ酸の組み合わせが、順に、バリン、アスパラギン、アスパラギンである組み合わせ;
(3-4) G(グアニン)に選択的に結合するPPRモチーフを構成するA
1
、A
4
、及びL
ii
の3つのアミノ酸の組み合わせが、順に、グルタミン酸、グリシン、アスパラギン酸である;
(3-5) C又はUに選択的に結合するPPRモチーフを構成するA
1
、A
4
、及びL
ii
の3つのアミノ酸の組み合わせが、順に、イソロイシン、アスパラギン、アスパラギンである;
(3-6) Gに選択的に結合するPPRモチーフを構成するA
1
、A
4
、及びL
ii
の3つのアミノ酸の組み合わせが、順に、バリン、トレオニン、アスパラギン酸である;
(3-7) Gに選択的に結合するPPRモチーフを構成するA
1
、A
4
、及びL
ii
の3つのアミノ酸の組み合わせが、順に、リジン、トレオニン、アスパラギン酸である;
(3-8) Aに選択的に結合するPPRモチーフを構成するA
続きを表示(約 2,200 文字)【請求項2】
PPR蛋白質をコードする核酸を含む組成物であって、
前記PPR蛋白質が結合可能な標的配列を有するRNAの、翻訳、スプライシング、及び安定性からなる群より選択されるいずれかの改変を介した疾患の処置に用いるための組成物であり、
前記PPR蛋白質が、請求項1に定義した式1で表される30~38アミノ酸長のポリペプチドであるPPRモチーフを2~20個含むものであり、
前記標的配列を有するRNA中の一のRNA塩基と、それに選択的に結合する、前記PPR蛋白質中のPPRモチーフを構成するA
4
、及びL
ii
の2つのアミノ酸の組み合わせが、下記のいずれかであることを特徴とする、組成物。
(2-1) Uに選択的に結合するPPRモチーフを構成するA
4
、及びL
ii
の2つのアミノ酸の組み合わせが、順に、アスパラギン、アスパラギン酸である;
(2-2) Cに選択的に結合するPPRモチーフを構成するA
4
、及びL
ii
の2つのアミノ酸の組み合わせが、順に、アスパラギン、アスパラギンである組み合わせ;
(2-3) Aに選択的に結合するPPRモチーフを構成するA
4
、及びL
ii
の2つのアミノ酸の組み合わせが、順に、トレオニン、アスパラギンである;
(2-4) Gに選択的に結合するPPRモチーフを構成するA
4
、及びL
ii
の2つのアミノ酸の組み合わせが、順に、トレオニン、アスパラギン酸である;
(2-5) Aに選択的に結合するPPRモチーフを構成するA
4
、及びL
ii
の2つのアミノ酸の組み合わせが、順に、セリン、アスパラギンである;
(2-6) Gに選択的に結合するPPRモチーフを構成するA
4
、及びL
ii
の2つのアミノ酸の組み合わせが、順に、グリシン、アスパラギン酸である;
(2-7) Cに選択的に結合するPPRモチーフを構成するA
4
、及びL
ii
の2つのアミノ酸の組み合わせが、順に、アスパラギン、セリンである;
(2-8) Uに選択的に結合するPPRモチーフを構成するA
4
、及びL
ii
の2つのアミノ酸の組み合わせが、順に、プロリン、アスパラギン酸である;
(2-9) Aに選択的に結合するPPRモチーフを構成するA
4
、及びL
ii
の2つのアミノ酸の組み合わせが、順に、グリシン、アスパラギンである;
(2-10) Uに選択的に結合するPPRモチーフを構成するA
4
、及びL
ii
の2つのアミノ酸の組み合わせが、順に、メチオニン、アスパラギン酸である;
(2-11) Cに選択的に結合するPPRモチーフを構成するA
4
、及びL
ii
の2つのアミノ酸の組み合わせが、順に、ロイシン、アスパラギン酸である;
(2-12) Uに選択的に結合するPPRモチーフを構成するA
4
、及びL
ii
の2つのアミノ酸の組み合わせが、順に、バリン、トレオニンである。
【請求項3】
前記PPR蛋白質が、式1で表されるPPRモチーフを2~16個含む、請求項1又は2に記載の組成物。
【請求項4】
PPR蛋白質をコードする核酸を含む組成物であって、
前記PPR蛋白質が結合可能な標的配列を有するRNAの、翻訳、スプライシング、及び安定性からなる群より選択されるいずれかの改変を介した疾患の処置に用いるための組成物であり、
前記PPR蛋白質が、請求項1に定義した式1で表される30~38アミノ酸長のポリペプチドであるPPRモチーフを2~20個含むものであり、
A
1
、A
4
、及びL
ii
の3つのアミノ酸の組み合わせが、前記標的配列を有するRNA中の一のRNA塩基に応じ、請求項1に定義した(3-1)~(3-16)のいずれかであることを特徴とする、組成物。
【請求項5】
PPR蛋白質をコードする核酸を含む組成物であって、
前記PPR蛋白質が結合可能な標的配列を有するRNAの、翻訳、スプライシング、及び安定性からなる群より選択されるいずれかの改変を介した疾患の処置に用いるための組成物であり、
前記PPR蛋白質が、請求項1に定義した式1で表される30~38アミノ酸長のポリペプチドであるPPRモチーフを2~20個含むものであり、
A
4
、及びL
ii
の2つのアミノ酸の組み合わせが、前記標的配列を有するRNA中の一のRNA塩基に応じ、請求項2に定義した(2-1)~(2-12)のいずれかであることを特徴とする、組成物。
【請求項6】
前記PPR蛋白質が、式Iで表されるPPRモチーフを2~16個含む、請求項4又は5に記載の組成物。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、意図したRNA塩基又はRNA配列に選択的又は特異的に結合可能な蛋白質に関する。本発明では、pentatricopeptide repeat(PPR)モチーフを利用する。本発明は、RNA結合性蛋白質の同定、設計、PPR蛋白質の標的RNAの同定、RNAの機能制御のために用いることができる。本発明は、医療分野、農学分野等で有用である。
続きを表示(約 3,200 文字)【背景技術】
【0002】
近年、様々な解析より明らかになった核酸結合性の蛋白質因子を用いて、意図する配列に結合する技術が確立、利用されている。この配列特異的な結合を利用することで、標的とする核酸(DNA又はRNA)の細胞内局在の解析、標的とするDNA配列の除去、又はその下流に存在する蛋白質コード遺伝子の発現の制御(活性化、又は不活化)が可能になりつつある。
【0003】
DNAに作用する蛋白質性因子として、ジンクフィンガー蛋白質(非特許文献1)やTAL effector(非特許文献2、特許文献1)を蛋白質工学的材料とした研究及び開発が行われているが、RNAに特異的に作用する蛋白質性因子の開発はいまだ非常に限定されている。これは、一般的に蛋白質を構成するアミノ酸配列が有するRNAとの親和性及び結合RNA配列との法則性がほとんど明らかになっていない、もしくは法則性が見いだせないためである。例外的に、38アミノ酸から成るpufモチーフの複数個の繰り返しで構成されるpumilio蛋白質に関して、pufモチーフ1個がRNA 1塩基に結合することが示されており(非特許文献3)、pumilio蛋白質を用いた新規RNA結合特性をもつ蛋白質、及びRNA結合特性の改変技術が試みられている(非特許文献4)。しかし、pufモチーフは高度に保存されており、かつ存在数が少ない。そのため、限られたRNA配列に作用する蛋白質因子の創成にしか用いられていない。
【0004】
他方、ゲノム配列情報から、植物のみで500個もの大きなファミリーを形成する蛋白質、PPR蛋白質(pentatricopeptide repeat(PPR)モチーフを有するタンパク質)が同定された(非特許文献5)。PPR蛋白質は核コードであるが、専らオルガネラ(葉緑体とミトコンドリア)のRNAレベルでの制御、切断、翻訳、スプライシング、RNA編集、RNA安定性に遺伝子特異的に作用する。PPR蛋白質は、典型的には、保存性の低い35アミノ酸のモチーフ、すなわちPPRモチーフが約10個連続した構造を有しており、PPRモチーフの組み合わせが、RNAとの配列選択的な結合を担っていると考えられている。ほとんどのPPR蛋白質はPPRモチーフ約10個の繰り返しのみで構成されており、多くの場合、触媒作用を発揮するために必要なドメインが見いだせない。そのため、このPPR蛋白質の実体はRNAアダプターだと考えられている(非特許文献6)。
【0005】
本発明者らは、このPPRモチーフを利用した、RNA結合性蛋白質の改変方法について、提案してきた(特許文献2)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
WO2011/072246
WO2011/111829
【非特許文献】
【0007】
Maeder, M.L., Thibodeau-Beganny, S., Osiak, A., Wright, D.A., Anthony, R.M., Eichtinger, M., Jiang, T., Foley, J.E., Winfrey, R.J., Townsend, J.A., et al. (2008). Rapid "open-source" engineering of customized zinc-fingernucleases for highly efficient gene modification. Mol. Cell 31, 294-301.
Miller, J.C., Tan, S., Qiao, G., Barlow, K.A., Wang, J., Xia, D.F., Meng, X., Paschon, D.E., Leung, E., Hinkley, S.J., et al. (2011). A TALE nuclease architecture for efficient genome editing. Nature biotech. 29, 143-148.
Wang, X., McLachlan, J., Zamore, P.D., and Hall, T.M. (2002). Modular recognition of RNA by a human pumilio-homology domain. Cell 110, 501-512.
Cheong, C.G., and Hall, T.M. (2006). Engineering RNA sequence specificity of Pumilio repeats. Proc. Natl. Acad. Sci. USA 103, 13635-13639.
Small, I.D., and Peeters, N. (2000). The PPR motif - a TPR-related motif prevalent in plant organellar proteins. Trends Biochem. Sci. 25, 46-47.
Woodson, J.D., and Chory, J. (2008). Coordination of gene expression between organellar and nuclear genomes. Nature Rev. Genet. 9, 383-395.
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
PPR蛋白質のRNAアダプターとしての性質は、PPR蛋白質を構成するそれぞれのPPRモチーフの性質、及び複数個のPPRモチーフの組み合わせで決定されると予想される。しかしながら、そのアミノ酸構成と機能の相関関係はほとんど明らかでない。PPRモチーフがRNA結合特性を発揮する際に機能するアミノ酸を同定し、またPPRモチーフの構造と標的塩基との関係が明らかになれば、PPRモチーフの構造や複数のモチーフの組み合わせを人為的に操作することで、任意の配列、長さを有するRNAに結合可能な蛋白質を構築できる可能性がある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明者らは、上記課題を解決するために、遺伝学的に解析されたPPR蛋白質、特にRNA編集(RNAレベルでの遺伝情報の改変、特にシトシン(以下C)からウラシル(以下U)への変換)に関わるPPR蛋白質とその標的RNA配列について検討してきた。そして、計算科学的手法を用いることで、PPRモチーフ中の、3つのアミノ酸(1番、4番、“ii”(-2)番のアミノ酸)に、特定のRNA塩基との結合を司る情報が含まれていることを明らかにした。より詳細には、本発明者らは、PPRモチーフの結合RNA塩基の選択性(特異性ということもある。)は、モチーフを構成する2つのαヘリックス構造のうち、最初のヘリックスに含まれる1番目及び4番目のアミノ酸、及び2つ目のヘリックスの後の、ループ構造を形成しうる部分において、後ろ(C末端側)から2番目のアミノ酸(“ii”;-2番)、の3箇所のアミノ酸で決定されることを見出し、本発明を完成した。
【0010】
本発明は、以下を提供する:
[1]RNA塩基選択的に、又はRNA塩基配列特異的に結合可能な蛋白質を設計する方法であって;
蛋白質が、式1で表される30~38アミノ酸長のポリペプチドからなるPPRモチーフを1個以上(好ましくは2~14個)含む、蛋白質であり
(【0011】以降は省略されています)

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