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公開番号2025018498
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-02-06
出願番号2023122235
出願日2023-07-27
発明の名称車両の制御装置及び制御方法
出願人マツダ株式会社
代理人弁理士法人前田特許事務所
主分類B60H 1/22 20060101AFI20250130BHJP(車両一般)
要約【課題】回生発電時に、バッテリが充電できない余剰の発電電力が発生した場合に、空調装置が余剰の発電電力を消費する一方で、乗員の違和感を抑制する。
【解決手段】車両の制御装置1は、ジェネレータ21と、バッテリ23と、電動コンプレッサ57を含む冷媒回路56と、冷却された空気を車室に吹き出す第1吹出口65、66及び第2吹出口67、68、69と、を有する空調装置4と、電動コンプレッサを運転させると共に、吹出口を第1吹出口に設定する第1空調制御を実行する空調コントローラ9と、を備え、空調コントローラは、回生発電時であって、バッテリが充電できない余剰の発電電力が発生した場合に、電動コンプレッサを第1空調制御の実行時における回転数よりも高い回転数で運転させると共に、吹出口を第1吹出口及び第2吹出口に設定する第2空調制御を実行する。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
車両に搭載されかつ、前記車両の減速時に回生発電を行うジェネレータと、
前記ジェネレータに電気的に接続されかつ、前記ジェネレータの発電電力によって充電されるバッテリと、
前記バッテリから電力が供給される電動コンプレッサを含む冷媒回路と、前記冷媒回路によって冷却された空気を前記車両の車室に吹き出す第1吹出口及び第2吹出口と、を有する空調装置と、
前記空調装置に対し空調運転が指令された場合に、前記電動コンプレッサを、前記空調運転の指令に対応した回転数で運転させると共に、冷却された空気を吹き出す吹出口を前記第1吹出口に設定する第1空調制御を実行する空調コントローラと、を備え、
前記空調コントローラは、回生発電時であって、前記バッテリが充電できない余剰の発電電力が発生した場合に、前記電動コンプレッサを前記第1空調制御の実行時における回転数よりも高い回転数で運転させると共に、冷却された空気を吹き出す吹出口を前記第1吹出口及び前記第2吹出口に設定する第2空調制御を実行する、車両の制御装置。
続きを表示(約 1,900 文字)【請求項2】
請求項1に記載の車両の制御装置において、
前記冷媒回路は、エバポレータを含み、
前記空調装置は、前記エバポレータを通過した後に前記車室に吹き出される空気の流量を変更するブロアを有し、
前記空調コントローラは、前記第2空調制御の実行時、前記ブロアを、前記第1空調制御の実行時における回転数よりも高い回転数で運転させる、車両の制御装置。
【請求項3】
請求項1に記載の車両の制御装置において、
前記空調コントローラは、前記第2空調制御の終了後の所定時間、前記電動コンプレッサを前記第1空調制御の実行時における回転数よりも低い回転数で運転させる、車両の制御装置。
【請求項4】
請求項2に記載の車両の制御装置において、
前記空調コントローラは、前記第2空調制御の終了後の所定時間、前記ブロアを前記第1空調制御の実行時における回転数よりも低い回転数で運転させる、車両の制御装置。
【請求項5】
請求項3又は4に記載の車両の制御装置において、
前記車両の前面グリルを開閉するグリルシャッターをさらに備え、
前記グリルシャッターは、前記第2空調制御の終了後の所定時間、前記前面グリルを、前記第2空調制御中よりも閉じる、車両の制御装置。
【請求項6】
請求項5に記載の車両の制御装置において、
前記前面グリルの後側に位置しかつ、前記車両のパワーユニットの冷却水と走行風との熱交換を行うラジエータと、前記ラジエータの通過風量を増大させるラジエータファンと、をさらに備え、
前記ラジエータファンは、前記第2空調制御の終了後の所定時間、回転数を前記第2空調制御中よりも下げる、車両の制御装置。
【請求項7】
車両に搭載されかつ、前記車両の減速時に回生発電を行うジェネレータと、
前記ジェネレータに電気的に接続されかつ、前記ジェネレータの発電電力によって充電されるバッテリと、
前記バッテリから電力が供給される電動コンプレッサとエバポレータとを含む冷媒回路と、前記冷媒回路によって冷却された空気を前記車両の車室に吹き出す吹出口と、前記エバポレータを通過した後に前記車室に吹き出される空気の流量を変更するブロアと、を有する空調装置と、
前記空調装置に対し空調運転が指令された場合に、前記電動コンプレッサを、前記空調運転の指令に対応した第1回転数で運転させると共に、前記ブロアを、前記空調運転の指令に対応した第2回転数で運転させる第1空調制御を実行する空調コントローラと、を備え、
前記空調コントローラは、回生発電時であって、前記バッテリが充電できない余剰の発電電力が発生した場合に、前記電動コンプレッサを前記第1回転数よりも高い回転数で運転させると共に、前記ブロアを前記第2回転数よりも高い回転数で運転させる第2空調制御を実行する、車両の制御装置。
【請求項8】
車両の減速時にジェネレータによって回生発電を行い、
前記ジェネレータの発電電力によってバッテリを充電し、
空調装置に対し空調運転が指令された場合に、冷媒回路の電動コンプレッサを、前記空調運転の指令に対応した回転数で運転すると共に、第1吹出口を通じて前記車両の車室に、前記冷媒回路によって冷却された空気を吹き出し、
回生発電時であって、前記バッテリが充電できない余剰の発電電力が発生した場合に、前記電動コンプレッサを前記空調運転の指令に対応した回転数よりも高い回転数で運転すると共に、冷却された空気を、前記第1吹出口及び第2吹出口を通じて前記車両の車室に吹き出す、車両の制御方法。
【請求項9】
車両の減速時にジェネレータによって回生発電を行い、
前記ジェネレータの発電電力によってバッテリを充電し、
空調装置に対し空調運転が指令された場合に、冷媒回路の電動コンプレッサを、前記空調運転の指令に対応した第1回転数で運転すると共に、ブロアを、前記空調運転の指令に対応した第2回転数で運転し、前記冷媒回路のエバポレータの通過によって冷却された空気を、吹出口を通じて前記車両の車室に吹き出し、
回生発電時であって、前記バッテリが充電できない余剰の発電電力が発生した場合に、前記電動コンプレッサを前記第1回転数よりも高い回転数で運転すると共に、前記ブロアを前記第2回転数よりも高い回転数で運転する、車両の制御方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
ここに開示する技術は、車両の制御装置及び制御方法に関する。
続きを表示(約 1,900 文字)【背景技術】
【0002】
特許文献1には、ハイブリッド車両の制御方法が記載されている。この従来の制御方法では、ハイブリッド車両の制動時に、ジェネレータが回生発電を行う。ジェネレータの発電電力によって、バッテリは充電される。
【0003】
バッテリは充電許可電力に従って充電される。バッテリのSOC(State Of Charge)が高いと、バッテリへの充電許可電力は下がる。ジェネレータが発電した電力が充電許可電力を超える場合、バッテリは、ジェネレータの発電電力を充電により受け入れることができない。
【0004】
前記従来の制御方法では、ジェネレータの発電電力が充電許可電力を超える場合、回生制動を継続しながら、ジェネレータの発電電力を空調装置に消費させる。具体的には、空調装置の冷媒回路におけるエバポレータの出口温度を、設定温度よりも低くする。これにより、冷媒回路における電動コンプレッサの消費電力が高まって、余剰の発電電力が消費される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
特開2009-196404号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
前記従来の制御方法では、ジェネレータが発電した電力が充電許可電力を超える場合、乗員が空調装置の設定温度を変更しないにも関わらず、車室に吹き出される空気の温度が下がる。乗員が違和感を覚える恐れがある。
【0007】
ここに開示する技術は、回生発電時に、バッテリが充電できない余剰の発電電力が発生した場合に、回生発電を継続しながら空調装置が余剰の発電電力を消費する一方で、乗員の違和感を抑制する。
【課題を解決するための手段】
【0008】
ここに開示する技術は、車両の制御装置に係る。この車両の制御装置は、
車両に搭載されかつ、前記車両の減速時に回生発電を行うジェネレータと、
前記ジェネレータに電気的に接続されかつ、前記ジェネレータの発電電力によって充電されるバッテリと、
前記バッテリから電力が供給される電動コンプレッサを含む冷媒回路と、前記冷媒回路によって冷却された空気を前記車両の車室に吹き出す第1吹出口及び第2吹出口と、を有する空調装置と、
前記空調装置に対し空調運転が指令された場合に、前記電動コンプレッサを、前記空調運転の指令に対応した回転数で運転させると共に、冷却された空気を吹き出す吹出口を前記第1吹出口に設定する第1空調制御を実行する空調コントローラと、を備え、
前記空調コントローラは、回生発電時であって、前記バッテリが充電できない余剰の発電電力が発生した場合に、前記電動コンプレッサを前記第1空調制御の実行時における回転数よりも高い回転数で運転させると共に、冷却された空気を吹き出す吹出口を前記第1吹出口及び前記第2吹出口に設定する第2空調制御を実行する。
【0009】
空調コントローラは、空調装置に対し空調運転が指令された場合に、電動コンプレッサを運転させると共に、冷却された空気を吹き出す吹出口を設定する。ここでいう空調運転は、いわゆる冷房運転である。冷房運転は、冷媒回路によって冷却された空気を車室に吹き出す運転である。空調コントローラは、電動コンプレッサを、空調運転の指令に対応した回転数で運転させる。空調運転の指令には、例えば、乗員によって設定される車室の設定温度が含まれる。例えば車室の設定温度が低くて、車室の実際の温度との温度差が大きい場合、空調コントローラは、電動コンプレッサの回転数を高め、車室の設定温度が高くて、車室の実際の温度との温度差が小さい場合、空調コントローラは、電動コンプレッサの回転数を下げる。
【0010】
空調コントローラは、冷却された空気を吹き出す吹出口を第1吹出口に設定する第1空調制御を実行する。第1吹出口は、例えばセンタベント吹出口及び/又はサイドベント吹出口としてもよい。センタベント吹出口は、インストルメントパネルの車幅方向の中央部に位置している。サイドベント吹出口は、インストルメントパネルの車幅方向の両側部に位置している。センタベント吹出口及びサイドベント吹出口は、乗員の上半身に向けて空気を吹き出す。第1空調制御は、空調運転が指令された場合における、空調装置の通常運転に相当する。
(【0011】以降は省略されています)

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