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公開番号2025064098
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-04-17
出願番号2023173568
出願日2023-10-05
発明の名称導電性樹脂組成物及び該組成物を用いた電磁波シールド材
出願人マツダ株式会社,株式会社ADEKA
代理人弁理士法人前田特許事務所
主分類C08L 101/00 20060101AFI20250410BHJP(有機高分子化合物;その製造または化学的加工;それに基づく組成物)
要約【課題】優れた機械的特性と低コスト化とを維持しつつ、優れた電磁波遮蔽性及び難燃性を両立する導電性樹脂組成物及び該組成物を用いた電磁波シールド材を提供する。
【解決手段】導電性樹脂組成物は、マトリクス樹脂と、コークス粉と、炭素繊維と、(ポリ)リン酸塩を含むリン系難燃剤とを含有する。前記コークス粉の体積平均粒子径が1μm以上500μm以下である。前記導電性樹脂組成物における前記コークス粉の含有率が5質量%以上17質量%以下である。前記炭素繊維のアスペクト比が3以上1700以下である、前記導電性樹脂組成物における前記炭素繊維の含有率が0.5質量%以上5質量%以下である。前記導電性樹脂組成物における前記リン系難燃剤の含有率が10質量%以上である。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
マトリクス樹脂と、コークス粉と、炭素繊維と、(ポリ)リン酸塩を含むリン系難燃剤とを含有する導電性樹脂組成物であって、
前記コークス粉の体積平均粒子径が1μm以上500μm以下であり、
前記導電性樹脂組成物における前記コークス粉の含有率が5質量%以上17質量%以下であり、
前記炭素繊維のアスペクト比が3以上1700以下であり、
前記導電性樹脂組成物における前記炭素繊維の含有率が0.5質量%以上5質量%以下であり、
前記導電性樹脂組成物における前記リン系難燃剤の含有率が10質量%以上であることを特徴とする導電性樹脂組成物。
続きを表示(約 1,800 文字)【請求項2】
請求項1において、
前記導電性樹脂組成物における前記リン系難燃剤の含有率が30質量%以下であることを特徴とする導電性樹脂組成物。
【請求項3】
請求項1において、
前記リン系難燃剤が、以下の手順に従って測定される当該リン系難燃剤中の鉄元素の含有量をF(ppm)とし、ナトリウム元素の含有量をN(ppm)としたとき、
F、Nが、8.0×10
-4
≦F/N≦20.0、F≦21.0を満たす、
リン系難燃剤であることを特徴とする導電性樹脂組成物。
(手順)
当該リン系難燃剤をサンプルとして、1M硝酸水溶液に混合して、室温25℃で24時間攪拌した後、メンブレンフィルターを通して、測定溶液を作成する。
得られた測定溶液について、ICP発光分光分析法を用いて、鉄元素およびナトリウム元素の含有量を測定する。
【請求項4】
請求項3において、
前記リン系難燃剤が、下記一般式(1)または下記一般式(3)で表される、オルソリン酸塩、ピロリン酸塩、およびnが3以上またはrが3以上のポリリン酸塩からなる前記(ポリ)リン酸塩の群のうち、少なくとも前記ピロリン酸塩を含む、リン系難燃剤であることを特徴とする導電性樹脂組成物。
JPEG
2025064098000008.jpg
39
170
(上記一般式(1)中、nは1~100の数を表し、X

はアンモニアまたは下記一般式(2)で表されるトリアジン誘導体を表し、pは、0<p≦n+2の関係式を満たす数である。)
JPEG
2025064098000009.jpg
39
170
(上記一般式(2)中、Z

及びZ

は、同一でも異なっていてもよく、-NR



基、水酸基、メルカプト基、炭素原子数1~10の直鎖または分岐のアルキル基、炭素原子数1~10の直鎖または分岐のアルコキシ基、フェニル基及びビニル基からなる群より選ばれる基を表し、R

およびR

は各々独立して、水素原子、直鎖または分岐を有する炭素原子数1~6のアルキル基、または、メチロール基を表す。)
JPEG
2025064098000010.jpg
39
170
(上記一般式(3)中、rは1~100の数を表し、Y

は〔R



N(CH



NR



〕、ピペラジンまたはピペラジン環を含むジアミンであり、R

、R

、R

及びR

はそれぞれ水素原子、炭素原子数1~5の直鎖もしくは分岐のアルキル基であり、R

、R

、R

及びR

は同一の基であっても異なってもよく、mは1~10の整数であり、qは、0<q≦r+2の関係式を満たす数である。)
【請求項5】
請求項1において、
難燃助剤をさらに含有し、
前記導電性樹脂組成物における前記難燃助剤の含有率が0.5質量%以上5質量%以下であることを特徴とする導電性樹脂組成物。
【請求項6】
請求項5において、
前記難燃助剤が酸化亜鉛であることを特徴とする導電性樹脂組成物。
【請求項7】
請求項1において、
強化フィラーをさらに含有し、
前記導電性樹脂組成物における前記強化フィラーの含有率が5質量%以上40質量%以下であることを特徴とする導電性樹脂組成物。
【請求項8】
請求項7において、
前記強化フィラーがタルク、炭酸カルシウム、ガラス繊維、アラミド繊維及びバサルト繊維からなる群より選択される少なくとも一種であることを特徴とする導電性樹脂組成物。
【請求項9】
請求項1~8のいずれか1項に記載の導電性樹脂組成物が用いられてなる電磁波シールド材。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本開示は導電性樹脂組成物及び該組成物を用いた電磁波シールド材に関する。
続きを表示(約 2,000 文字)【背景技術】
【0002】
近年、人体への影響防止、電子機器等の誤作動防止等のために、自動車部品、電子機器等に使用するカバー材等に導電性機能を付与し、電磁波をシールドすることが行われている。具体的には例えば、電気自動車用のバッテリーパックのアッパーカバー等に用いられるカバー材を、金属板等を用いて成形することにより、バッテリーパックから放出される電磁波をシールドしている。
【0003】
ところで、自動車、電子機器等の軽量化のために、上記のようなカバー材を樹脂化したいという要求がある。例えば、自動車の分野では、電磁波を用いて、距離や速度のセンシングや障害物をセンシングする技術等が種々実現されている。このような技術では、正確にセンシングするために不要な電磁波を高い精度でシールドする必要がある。また、カバー材としては、高剛性等の優れた機械的特性を有するとともに、コスト性に優れることも重要である。
【0004】
そこで、本出願人は、マトリクス樹脂、コークス粉及び炭素繊維を所望の含有率で含有する導電性樹脂組成物及び該組成物を用いた電磁波シールド材を提案している(特許文献1)。この導電性樹脂組成物及び電磁波シールド材では、炭素繊維の配合量を低減する一方、コークス粉の配合量を増大させることで、優れた電磁波シールド性能及び優れた機械的特性を発現するとともに、低コスト化を実現し得る。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
特開2021-161193号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、電磁波シールド材では、一般に、耐火性(難燃性)も要求される。なお、特許文献1では、難燃性について検討されていない。電磁波シールド材に難燃性を付与する方法としては、例えば、その材料である導電性樹脂組成物に難燃剤を配合することが考えられる。しかしながら、コークス粉の含有率が増大すると、難燃剤の作用・機能が抑制され、所望の難燃性が発現されないことがある。
【0007】
そこで、本開示は、優れた機械的特性と低コスト化とを維持しつつ、優れた電磁波遮蔽性及び難燃性を両立する導電性樹脂組成物及び該組成物を用いた電磁波シールド材を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明者らは、発泡タイプの難燃剤(例えばリン系難燃剤)を使用する場合、コークス粉を多量(例えば20質量%以上)に含有する導電性樹脂組成物では、難燃剤の発泡が抑制され、難燃性の指標が著しく悪化することを見出した。この知見に基づいて、本開示は、コークス粉の添加による難燃性低下を抑制する(難燃性の向上を図る)とともに、コークス粉及び炭素繊維の添加量を増大させることなく要求される電磁波遮蔽性を満足するようにした。
【0009】
ここに開示する導電性樹脂組成物は、導電性樹脂組成物は、マトリクス樹脂と、コークス粉と、炭素繊維と、(ポリ)リン酸塩を含むリン系難燃剤とを含有する。前記コークス粉の体積平均粒子径が1μm以上500μm以下である。前記導電性樹脂組成物における前記コークス粉の含有率が5質量%以上17質量%以下である。前記炭素繊維のアスペクト比が3以上1700以下である。前記導電性樹脂組成物における前記炭素繊維の含有率が0.5質量%以上5質量%以下である。前記導電性樹脂組成物における前記リン系難燃剤の含有率が10質量%以上である。
【0010】
前記の構成によれば、導電性樹脂組成物において、(ポリ)リン酸塩を含むリン系難燃剤の含有率を10質量%以上にすることで、コークス粉の含有率が5質量%以上17質量%以下であっても、マトリクス樹脂中に、導電性フィラー(導電材)としてコークス粉及び炭素繊維が凝集構造を形成し、ネットワークが形成される。これにより、マトリクス樹脂中に電気が通る導電パスが形成され、導電性が飛躍的に上昇するパーコレーション現象が生じる。その結果、優れた電磁波遮蔽性(電界遮蔽性)を発現できる。また、コークス粉の含有率を20質量%よりも低量の5質量%以上17質量%以下にすることで、リン系難燃剤の発泡が抑制されることなく、優れた難燃性を発現できる。このように、コークス粉及びリン系難燃剤の各含有率を上記範囲に特定することで、難燃性の低下を抑制できるとともに、炭素繊維の含有率を増大させなくても電磁波遮蔽性を向上できるため、低コスト化が維持される。そして、上記ネットワークの形成により、電磁波シールド材の優れた機械的特性が維持される。
(【0011】以降は省略されています)

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