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公開番号
2025016441
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-02-04
出願番号
2024165176,2020020740
出願日
2024-09-24,2020-02-10
発明の名称
嗅覚受容体を介した発汗制御
出願人
国立大学法人 長崎大学
代理人
個人
,
個人
,
個人
,
個人
,
個人
,
個人
主分類
G01N
33/15 20060101AFI20250128BHJP(測定;試験)
要約
【課題】人体に無害であり且つ発汗制御を行うために有効な発汗調節剤等を提供する。
【解決手段】嗅覚受容体OR6C74、OR51A7、及びOR4A15からなる群から選択される少なくとも1つの受容体に対するアゴニスト又はアンタゴニストを含む、発汗調節剤。
【選択図】なし
特許請求の範囲
【請求項1】
発汗調節剤のスクリーニング方法であって、以下:
(1)被験物質と、嗅覚受容体OR51E2、OR51A7、OR6C74、及びOR4A15からなる群から選択される少なくとも1つの受容体タンパク質とを接触させる工程、
(2)前記被験物質と、前記受容体タンパク質との結合性を測定する工程、及び
(3)前記測定した結合性を指標として、前記被験物質を発汗調節剤の候補物質として選択する工程
を含む、スクリーニング方法。
続きを表示(約 520 文字)
【請求項2】
工程(1)が、被験物質と、嗅覚受容体OR51E2及びOR51A7からなる群から選択される少なくとも1つの受容体タンパク質とを接触させる工程である、
請求項1に記載のスクリーニング方法。
【請求項3】
工程(1)が、被験物質と、嗅覚受容体OR51E2の受容体タンパク質とを接触させる工程である、
請求項1に記載のスクリーニング方法。
【請求項4】
工程(1)において、被験物質が香料である、請求項1~3のいずれかに記載のスクリーニング方法。
【請求項5】
工程(3)において、前記測定した結合性が、受容体に対するアゴニスト活性である被験物質を、発汗促進剤の候補物質として選択する、
請求項1~4のいずれかに記載のスクリーニング方法。
【請求項6】
工程(3)において、前記測定した結合性が、受容体に対するアンタゴニスト活性である被験物質を、発汗抑制剤の候補物質として選択する、
請求項1~4のいずれかに記載のスクリーニング方法。
【請求項7】
β-イオノンを発汗促進成分として含有する、皮膚用発汗促進剤。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、嗅覚受容体OR6C74、OR51A7、及びOR4A15からなる群から選択される少なくとも1つの受容体に対するアゴニスト又はアンタゴニストを含む発汗調節剤、並びに発汗調
節剤の候補物質のスクリーニング方法に関する。
続きを表示(約 3,200 文字)
【背景技術】
【0002】
発汗は健康を保つ上で重要なヒトの生理機能である。発汗が減少(無汗)すると体温は上昇し熱中症となり皮膚は乾燥する。発汗が過剰(多汗)になると低体温となり、例えば、社会活動を困難にする。発汗を制御する方法として、多汗であれば、例えば、汗管を塩化アルミニウムで閉塞する方法、あるいは発汗を誘発するアセチルコリンの作用を抑制する薬剤(抗コリン剤)が用いられる。しかしながら、塩化アルミニウムでは刺激性皮膚炎、抗コリン剤では目の乾燥や口渇、頭痛、頻脈などの副作用が生じる可能性が高く、適用範囲が広いとは言えない(非特許文献1及び2)。また、無汗に対して発汗を誘発する方法は現在のところ確立されていない。このような状況から、より無害で有効な発汗制御方法の確立が望まれていた。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0003】
S. Gregoriou et al., Clin Cosmet Investig Dermatol. 2019; 12: 733-744
I. Hoorens et al., J Eur Acad Dermatol Venereol. 2012; 26: 1-8
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の課題は、嗅覚受容体OR6C74、OR51A7、及びOR4A15からなる群から選択される少なくとも1つの受容体に対するアゴニスト又はアンタゴニストを含む、発汗調節剤を提供
することにある。また、本発明の課題は、発汗調節剤の候補物質のスクリーニング方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明者らは、まず、無汗症患者の無汗部と発汗部の汗腺において遺伝子の発現に差異があり、該差異が無汗を引き起こしている可能性があると考えた。そのため、本発明者らは、無汗症患者の無汗部と発汗部の汗腺の組織を用いて、該汗腺に発現している遺伝子をRNAシークエンシングによって網羅的に解析を行った。その結果、驚くべきことに汗腺に
嗅覚受容体が発現していることを見出し、該嗅覚受容体の内、特に無汗症患者の無汗部と発汗部の汗腺において、有意差をもって(p<0.01)発現の差異がみられた3種類(OR6C74、OR51A7、及びOR4A15)について、さらに鋭意検討を行った。その結果、OR51A7の類縁受容体に当たるOR51E2に対するアゴニストであるβ-イオノン(香料)が、定量的軸索反射
性発汗試験において発汗率(mg/min)を顕著に上昇させ、一方、該受容体に対するアンタゴニストであるα-イオノン(香料)が発汗率を低下させることを見出し、本発明を完成
するに至った。
【0006】
即ち、本発明は以下に関する。
[1] 嗅覚受容体OR6C74、OR51A7、及びOR4A15からなる群から選択される少なくとも1つの
受容体に対するアゴニスト又はアンタゴニストを含む、発汗調節剤。
[2] 嗅覚受容体OR6C74、OR51A7、及びOR4A15からなる群から選択される少なくとも1つの
受容体に対するアゴニストを含む、[1]に記載の発汗調節剤。
[3] 発汗調節剤が発汗促進剤である、[1]に記載の発汗調節剤。
[4] 前記アゴニストがβ-イオノンである、[1]~[3]の何れか1に記載の発汗調節剤。
[5] 嗅覚受容体OR6C74、OR51A7、及びOR4A15からなる群から選択される少なくとも1つの
受容体に対するアンタゴニストを含む、[1]に記載の発汗調節剤。
[6] 発汗調節剤が発汗抑制剤である、[5]に記載の発汗調節剤。
[7] 前記アンタゴニストがα-イオノンである、[1]、[5]及び[6]の何れか1に記載の発汗
調節剤。
[8] 発汗調節剤のスクリーニング方法であって、以下:
(1)被験物質と、嗅覚受容体OR6C74、OR51A7、及びOR4A15からなる群から選択される少
なくとも1つの受容体タンパク質とを接触させる工程、
(2)前記被験物質と、前記受容体タンパク質との結合性を測定する工程、及び
(3)前記測定した結合性を指標として、前記被験物質を発汗調節剤の候補物質として選
択する工程
を含む、スクリーニング方法。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、嗅覚受容体OR6C74、OR51A7、及びOR4A15からなる群から選択される少なくとも1つの受容体に対するアゴニスト又はアンタゴニストを含む、発汗調節剤を提供
することができる。本発明の剤を用いることで、人体に無害であり且つ有効な発汗制御を行うことが可能となる。
また、本発明によれば、嗅覚受容体タンパク質(以下、「嗅覚受容体」と略記することもある)である、OR6C74タンパク質(以下、「OR6C74」と略記することもある)、OR51A7タンパク質(以下、「OR51A7」と略記することもある)、又はOR4A15タンパク質(以下、「OR4A15」と略記することもある)を用いた、発汗調節剤の候補物質のスクリーニング方法を提供することができる。本発明のスクリーニング方法を用いることで、人体に無害であり且つ有効な発汗制御効果を発揮することができる物質を取得することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1は、有発汗部と無汗部におけるトランスクリプトーム解析の結果を示す。
図2は、β-イオノンの嗅覚受容体OR6C74、OR51A7、及びOR4A15に対する影響を示す。
図3は、β-イオノン以外の化合物(α-イオノン)の嗅覚受容体OR6C74、OR51A7、及びOR4A15に対する影響を示す。
【発明を実施するための形態】
【0009】
1.本発明の発汗調節剤
本発明の発汗調節剤は、嗅覚受容体OR6C74、OR51A7、及びOR4A15からなる群から選択される少なくとも1つの受容体に対するアゴニスト又はアンタゴニストを含む。本明細書に
おいて、「嗅覚受容体」とはGタンパク質共役型受容体(以下、「GPCR」と略記すること
もある)の属する受容体であり、より詳細には、クラスA;ロドプシン様受容体である。
【0010】
本明細書において、「OR6C74」とは、Olfactory Receptor Family 6 Subfamily C Member 74に分類される嗅覚受容体タンパク質(配列番号2)であり、該タンパク質をコードする核酸を、「OR6C74遺伝子」(配列番号1)ともいう。
本明細書において、「OR51A7」とは、Olfactory Receptor Family 51 Subfamily A Member 7に分類される嗅覚受容体タンパク質(配列番号4)であり、該タンパク質をコードする核酸を、「OR51A7遺伝子」(配列番号3)ともいう。
本明細書において、「OR4A15」とは、Olfactory Receptor Family 4 Subfamily A Memb
er 15に分類される嗅覚受容体タンパク質(配列番号5)であり、該タンパク質をコードする核酸を、「OR4A15遺伝子」(配列番号6)ともいう。
(【0011】以降は省略されています)
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