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公開番号
2025016004
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-01-31
出願番号
2023118982
出願日
2023-07-21
発明の名称
樹脂組成物、光学フィルターおよび光学フィルターの製造方法
出願人
株式会社日本触媒
代理人
弁理士法人アスフィ国際特許事務所
主分類
C08L
101/00 20060101AFI20250124BHJP(有機高分子化合物;その製造または化学的加工;それに基づく組成物)
要約
【課題】リン酸系またはフツリン酸系ガラスとの密着性に優れた樹脂層を形成することができる樹脂組成物を提供する。
【解決手段】リン酸系またはフツリン酸系ガラス上に樹脂層を直接形成するための樹脂組成物であって、(A)樹脂と(B)金属アルコキシドまたはその縮合物(ただし、前記金属はTi、ZrおよびAlよりなる群から選ばれる少なくとも1種である)、および/または、前記(A)成分と前記(B)成分の反応物を含有する樹脂組成物。
【選択図】なし
特許請求の範囲
【請求項1】
リン酸系またはフツリン酸系ガラス上に樹脂層を直接形成するための樹脂組成物であって、
(A)樹脂と(B)金属アルコキシドまたはその縮合物(ただし、前記金属はTi、ZrおよびAlよりなる群から選ばれる少なくとも1種である)、および/または、前記(A)成分と前記(B)成分の反応物を含有することを特徴とする樹脂組成物。
続きを表示(約 940 文字)
【請求項2】
さらに(C)シランカップリング剤、その加水分解物、およびその加水分解縮合物よりなる群から選ばれる少なくとも1種を含有する請求項1に記載の樹脂組成物。
【請求項3】
前記樹脂組成物の固形分100質量%中、Ti原子、Zr原子またはAl原子の含有量は0.01質量%以上2.0質量%以下である請求項1に記載の樹脂組成物。
【請求項4】
前記(A)成分の樹脂がエステル結合を有する請求項1に記載の樹脂組成物。
【請求項5】
前記(B)成分の金属アルコキシドまたはその縮合物の少なくとも一部は、前記(A)成分の樹脂に含まれるエステル結合と反応し、前記樹脂と結合している請求項4に記載の樹脂組成物。
【請求項6】
さらに(D)近赤外吸収色素、紫外線吸収色素、および可視光吸収色素よりなる群から選ばれる少なくとも1種を含有する請求項1に記載の樹脂組成物。
【請求項7】
リン酸系またはフツリン酸系ガラス基板と、
前記基板上に直接形成され、請求項1~6のいずれか一項に記載の樹脂組成物を硬化した樹脂層とを有する光学フィルター。
【請求項8】
さらに誘電体膜を有する請求項7に記載の光学フィルター。
【請求項9】
請求項7に記載の光学フィルターを有する撮像素子。
【請求項10】
(A)樹脂と(B)金属アルコキシドまたはその縮合物(ただし、前記金属はTi、ZrおよびAlよりなる群から選ばれる少なくとも1種である)とを配合して、樹脂組成物を得る工程と、
前記樹脂組成物をリン酸系またはフツリン酸系ガラス基板上に塗工し、前記樹脂組成物の塗膜を形成する工程と、
前記塗膜を加熱して、前記基板上に前記樹脂組成物を硬化した樹脂層を形成する工程とを有し、
前記樹脂層を形成する工程において、前記樹脂組成物中に前記金属アルコキシドまたはその縮合物のTi原子、Zr原子またはAl原子に結合したアルコキシド基が存在した状態で、前記塗膜を加熱することを特徴とする光学フィルターの製造方法。
(【請求項11】以降は省略されています)
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、樹脂組成物、当該樹脂組成物を硬化した樹脂層を有する光学フィルター、および光学フィルターの製造方法に関する。
続きを表示(約 3,200 文字)
【背景技術】
【0002】
携帯電話用カメラ、デジタルカメラ、車載用カメラ、ビデオカメラ、表示素子(LED等)等の撮像装置には、被写体の光を電気信号等に変換して出力する撮像素子が通常使用されている。このような撮像素子は、例えばCCD(Charge Coupled Device)やCMOS(Complementary Metal-Oxide Semiconductor)等の検出素子(センサ)およびレンズを備えるとともに、高性能化のため、画像処理等の妨げとなる光学ノイズ(例えばゴーストやフレア)を除去するための近赤外線カットフィルター等の光学フィルターを備える場合がある。
【0003】
近赤外線カットフィルター等の光学フィルターは、例えば、ガラス基板上に樹脂層が設けられて構成される。透明なガラス基板としてソーダ石灰ガラスやホウケイ酸ガラス等が知られており、例えば特許文献1には、このようなガラス基板上に樹脂層を設けることにより形成された光学フィルターが開示されている。一方、ガラス基板として青ガラスを用い、これに樹脂層を設けた光学フィルターも知られている。青ガラスはリン酸系ガラスまたはフツリン酸系ガラスから構成されるが、青ガラスは樹脂層との密着性に課題があり、青ガラスを基板として用いる場合、当該基板上に樹脂層を直接設けることは難しい。
【0004】
青ガラスを基板に用いた光学フィルターとして、特許文献2には、リン酸系ガラスまたはフツリン酸系ガラス基板に、M-O-Si結合(ただしMはTi、ZrおよびAlから選ばれる少なくとも1種である)を含む単層構造を有する接合層を設け、この接合層の上に樹脂層を設けた光学フィルターが開示されている。特許文献2には、リン酸系ガラスまたはフツリン酸系ガラス基板に、M-O-Si結合(ただしMはTi、ZrおよびAlから選ばれる少なくとも1種である)を含む樹脂層を設けた光学フィルターについても開示されているが、M-O-Si結合(ただしMはTi、ZrおよびAlから選ばれる少なくとも1種である)を含む樹脂層を形成するための樹脂組成物を実際に調製した実施例や、それをリン酸系ガラスまたはフツリン酸系ガラス基板に塗工し樹脂層を形成することにより光学フィルターを作製した実施例は示されていない。特許文献2の実施例では、接合層を形成するための塗布膜形成液を調製した実施例のみが示されており、当該実施例では、チタンアルコキシド等をオルトケイ酸テトラエチルと反応させてTi-O-Si結合を有する化合物を形成しており、チタンアルコキシド等は全量がオルトケイ酸テトラエチルと反応するように配合されている。また、Ti-O-Si結合を有する化合物を水と反応させてアルコキシ基を全量ヒドロキシ基に変換しており、これにより塗布膜形成液を調製している。そのため、塗布膜形成液中にはチタンアルコキシド等は残っていないと考えられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
特開2018-40955号公報
特開2023-76761号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は前記事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、リン酸系またはフツリン酸系ガラスとの密着性に優れた樹脂層を形成することができる樹脂組成物を提供することにある。本発明はまた、前記樹脂組成物から形成された樹脂層を有する光学フィルターと、リン酸系またはフツリン酸系ガラスとの密着性に優れた樹脂層を有する光学フィルターの製造方法も提供する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記課題を解決することができた本発明の樹脂組成物は下記の通りである。
[1] リン酸系またはフツリン酸系ガラス上に樹脂層を直接形成するための樹脂組成物であって、(A)樹脂と(B)金属アルコキシドまたはその縮合物(ただし、前記金属はTi、ZrおよびAlよりなる群から選ばれる少なくとも1種である)、および/または、前記(A)成分と前記(B)成分の反応物を含有することを特徴とする樹脂組成物。
[2] さらに(C)シランカップリング剤、その加水分解物、およびその加水分解縮合物よりなる群から選ばれる少なくとも1種を含有する[1]に記載の樹脂組成物。
[3] 前記樹脂組成物の固形分100質量%中、Ti原子、Zr原子またはAl原子の含有量は0.01質量%以上2.0質量%以下である[1]または[2]に記載の樹脂組成物。
[4] 前記(A)成分の樹脂がエステル結合を有する[1]~[3]のいずれかに記載の樹脂組成物。
[5] 前記(B)成分の金属アルコキシドまたはその縮合物の少なくとも一部は、前記(A)成分の樹脂に含まれるエステル結合と反応し、前記樹脂と結合している[4]に記載の樹脂組成物。
[6] さらに(D)近赤外吸収色素、紫外線吸収色素、および可視光吸収色素よりなる群から選ばれる少なくとも1種を含有する[1]~[5]のいずれかに記載の樹脂組成物。
【0008】
前記課題を解決することができた本発明の光学フィルターは下記の通りである。また、本発明は、下記の撮像素子も提供する。
[7] リン酸系またはフツリン酸系ガラス基板と、前記基板上に直接形成され、[1]~[6]のいずれかに記載の樹脂組成物を硬化した樹脂層とを有する光学フィルター。
[8] さらに誘電体膜を有する[7]に記載の光学フィルター。
[9] [7]または[8]に記載の光学フィルターを有する撮像素子。
【0009】
前記課題を解決することができた本発明の光学フィルターの製造方法は下記の通りである。
[10] (A)樹脂と(B)金属アルコキシドまたはその縮合物(ただし、前記金属はTi、ZrおよびAlよりなる群から選ばれる少なくとも1種である)とを配合して、樹脂組成物を得る工程と、
前記樹脂組成物をリン酸系またはフツリン酸系ガラス基板上に塗工し、前記樹脂組成物の塗膜を形成する工程と、
前記塗膜を加熱して、前記基板上に前記樹脂組成物を硬化した樹脂層を形成する工程とを有し、
前記樹脂層を形成する工程において、前記樹脂組成物中に前記金属アルコキシドまたはその縮合物のTi原子、Zr原子またはAl原子に結合したアルコキシド基が存在した状態で、前記塗膜を加熱することを特徴とする光学フィルターの製造方法。
[11] 前記樹脂組成物を得る工程において、さらに(C)シランカップリング剤、その加水分解物、およびその加水分解縮合物よりなる群から選ばれる少なくとも1種を配合する[10]に記載の光学フィルターの製造方法。
[12] 前記樹脂組成物を得る工程において、前記(A)成分と前記(B)成分を配合し、1時間以上撹拌する[10]または[11]に記載の光学フィルターの製造方法。
【発明の効果】
【0010】
本発明の樹脂組成物を用いれば、リン酸系またはフツリン酸系ガラスとの密着性に優れた樹脂層を形成することができる。本発明の光学フィルターは、リン酸系またはフツリン酸系ガラス基板と樹脂層との密着性に優れたものとなる。本発明の光学フィルターの製造方法によれば、リン酸系またはフツリン酸系ガラス基板と樹脂層との密着性に優れた光学フィルターを得ることができる。
【発明を実施するための形態】
(【0011】以降は省略されています)
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