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公開番号
2025012833
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-01-24
出願番号
2023115962
出願日
2023-07-14
発明の名称
電池冷却システム
出願人
株式会社豊田自動織機
代理人
弁理士法人深見特許事務所
主分類
F25B
5/02 20060101AFI20250117BHJP(冷凍または冷却;加熱と冷凍との組み合わせシステム;ヒートポンプシステム;氷の製造または貯蔵;気体の液化または固体化)
要約
【課題】電池冷却システムにおいて、サブクール異常の抑制とサージング現象の抑制とを好適に行う。
【解決手段】電池冷却システムが、冷媒が循環する回路を形成する冷凍サイクルと、制御装置とを備える。冷凍サイクルは、圧縮方式が速度型の圧縮機と、凝縮器と、凝縮器を冷却するファンと、複数の電池にそれぞれ対応して配置される複数の蒸発器と、複数の蒸発器の一方端にそれぞれ接続される複数の分岐流路と、複数の分岐流路にそれぞれ配置される複数の減圧器とを備える。制御装置は、サージング現象が生じると判定された場合には、ファンの回転速度と圧縮機の回転速度との少なくとも一方を、サージング現象が抑制されるように調整し、サージング現象は生じないがサブクール異常が生じると判定された場合には、ファンの回転速度と圧縮機の回転速度との少なくとも一方を、サブクール異常が抑制されるように調整する。
【選択図】図3
特許請求の範囲
【請求項1】
電池冷却システムであって、
冷媒が循環する回路を形成する冷凍サイクルと、制御装置とを備え、
前記冷凍サイクルは、
圧縮機と、凝縮器と、前記凝縮器を冷却するファンと、
複数の電池にそれぞれ対応して配置される複数の蒸発器と、
前記圧縮機の吐出口と前記凝縮器の一方端とに接続される第1流路と、
前記凝縮器の他方端と前記複数の蒸発器の一方端とを接続する第2流路と、
前記複数の蒸発器の他方端と前記圧縮機の吸入口とを接続する第3流路とを備え、
前記圧縮機は、圧縮方式が速度型の圧縮機であり、
前記第2流路は、前記複数の蒸発器の一方端にそれぞれ接続される複数の分岐流路を含み、
前記電池冷却システムは、
前記複数の分岐流路にそれぞれ配置される複数の減圧器と、
前記第2流路における前記減圧器の上流側の前記冷媒の状態を検出する第1検出手段と、
前記圧縮機の状態を検出する第2検出手段とをさらに備え、
前記制御装置は、
前記第1検出手段の検出結果に基づいて、前記第2流路における前記減圧器の上流側で前記冷媒が液状態でなくなるサブクール異常が生じるか否かを判定することと、
前記第2検出手段の検出結果に基づいて、前記圧縮機のサージング現象が生じるか否かを判定することと、
前記サージング現象が生じると判定された場合には、前記ファンの回転速度と前記圧縮機の回転速度との少なくとも一方を、前記サージング現象が抑制されるように調整することと、
前記サージング現象は生じないが前記サブクール異常が生じると判定された場合には、前記ファンの回転速度と前記圧縮機の回転速度との少なくとも一方を、前記サブクール異常が抑制されるように調整することと、
を実行するように構成される、電池冷却システム。
続きを表示(約 1,900 文字)
【請求項2】
前記制御装置は、前記サブクール異常の判定において、前記冷媒の状態が、前記サブクール異常が生じる第1状態と、前記サブクール異常が生じにくい第2状態と、前記第1状態および前記第2状態のいずれでもない第3状態とのいずれに該当するかを判定するように構成され、
前記制御装置は、
前記サージング現象が生じず、かつ、前記冷媒の状態が前記第1状態であると判定された場合には、前記ファンの回転速度と前記圧縮機の回転速度との少なくとも一方を加速し、
前記サージング現象が生じず、かつ、前記冷媒の状態が前記第2状態であると判定された場合には、前記ファンの回転速度と前記圧縮機の回転速度との少なくとも一方を減速し、
前記サージング現象が生じず、かつ、前記冷媒の状態が前記第3状態であると判定された場合には、前記ファンの回転速度と前記圧縮機の回転速度との両方を変更しないように構成される、請求項1に記載の電池冷却システム。
【請求項3】
前記制御装置は、
前記ファンの回転速度が上限値未満であるか否かを判定することと、
前記圧縮機の回転速度が下限値よりも大きいか否かを判定することと、
を実行するように構成され、
前記制御装置は、
前記サージング現象が生じず、かつ、前記冷媒の状態が前記第1状態であり、かつ、前記ファンの回転速度が前記上限値未満であると判定された場合には、前記ファンの回転速度を加速し、
前記サージング現象が生じず、かつ、前記冷媒の状態が前記第1状態であり、かつ、前記ファンの回転速度が前記上限値未満ではないと判定された場合には、前記圧縮機の回転速度を加速し、
前記サージング現象が生じず、かつ、前記冷媒の状態が前記第2状態であり、かつ、前記圧縮機の回転速度が前記下限値よりも大きいと判定された場合には、前記圧縮機の回転速度を減速し、
前記サージング現象が生じず、かつ、前記冷媒の状態が前記第2状態であり、かつ、前記圧縮機の回転速度が前記下限値よりも大きくないと判定された場合には、前記ファンの回転速度を減速するように構成される、請求項2に記載の電池冷却システム。
【請求項4】
前記制御装置は、
前記ファンの回転速度がファン回転上限値未満であるか否かを判定することと、
前記圧縮機の回転速度が上限値未満であるか否かを判定することと、
前記圧縮機の回転速度が下限値よりも大きいか否かを判定することと、
を実行するように構成され、
前記制御装置は、
前記ファンの回転速度が前記ファン回転上限値未満であるときに前記サージング現象が生じると判定された場合には、前記ファンの回転速度を加速し、
前記ファンの回転速度が前記ファン回転上限値未満ではなく、かつ、前記圧縮機の回転速度が前記下限値よりも大きくて前記上限値未満であるときに前記サージング現象が生じると判定された場合には、前記サージング現象が抑制されるように前記圧縮機の回転速度を加速または減速するように構成される、請求項1に記載の電池冷却システム。
【請求項5】
前記第1検出手段は、
前記第2流路における前記減圧器の上流側の前記冷媒の圧力を検出する圧力センサと、
前記第2流路における前記減圧器の上流側の前記冷媒の温度を検出する温度センサと、
を含み、
前記制御装置は、
前記圧力センサによって検出される前記冷媒の前記圧力に基づいて、前記第2流路における前記減圧器の上流側の前記冷媒の飽和温度を算出することと、
前記飽和温度と、前記温度センサによって検出される前記冷媒の前記温度とに基づいて、前記サブクール異常が生じるか否かを判定することと、
を実行するように構成され、
前記第2検出手段は、
前記圧縮機の吸入側の前記冷媒の圧力である吸入圧力を検出する第1圧力センサと、
前記圧縮機の吐出側の前記冷媒の圧力である吐出圧力を検出する第2圧力センサと、
前記圧縮機を流れる前記冷媒の流量を検出する流量センサと、
を含み、
前記制御装置は、前記第2検出手段によって検出される前記吸入圧力と前記吐出圧力と前記流量とを用いて前記圧縮機の運転点を特定し、特定された前記運転点が所定のサージング領域に含まれるか否かに基づいて、前記サージング現象が生じるか否かを判定するように構成される、請求項1~4のいずれか一項に記載の電池冷却システム。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本開示は、複数の電池を冷却する電池冷却システムに関する。
続きを表示(約 2,600 文字)
【背景技術】
【0002】
特開2020-184427号公報(特許文献1)には、複数の電池モジュールを冷却する電池冷却システムが開示されている。この電池冷却システムに搭載される冷凍サイクルは、複数の電池モジュールをそれぞれ冷却するために、凝縮器から供給される冷媒を複数の分岐流路に分岐し、複数の分岐流路の各々に膨張弁および蒸発器を配置し、各蒸発器で各電池モジュールを冷却するように構成されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特開2020-184427号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特開2020-184427号公報に開示された電池冷却システムのように複数の分岐流路の各々に膨張弁(減圧器)および蒸発器が配置される冷凍サイクルの構成において、複数の電池モジュールを均等に冷却するためには、複数の分岐流路にそれぞれ分配される冷媒量を等しくすることが望ましい。そのためには、複数の分岐流路内の冷媒を液状態(サブクール状態)に維持しておくことが望まれる。しかし、各電池モジュールの温度および凝縮器の周囲の外気温度によっては、複数の分岐流路内の冷媒が液状態にならないサブクール異常が生じる可能性がある。そして、その対策として圧縮機の回転速度や凝縮器を冷却するファンの回転速度を過剰に高い値にすると、圧縮機やファンの消費電力が不必要に大きくなってしまい電池モジュールを搭載する車両の航続可能距離が減少してしまうことが懸念される。また、圧縮機の圧縮方式が速度型である場合、圧縮機の運転状態によってはサージング現象が発生してしまい圧縮機が正常に運転できなくなる可能性がある。しかも、サージング現象はシステム故障の原因になりやすいため、サブクール異常よりもサージング現象のほうがシステムに重大な問題を引き起こす可能性が高い。
【0005】
本開示は、上述の課題を解決するためになされたものであって、その目的は、複数の分岐流路の各々に減圧器および蒸発器が配置される冷凍サイクルを備える電池冷却システムにおいて、サブクール異常の抑制とサージング現象の抑制とを好適に行うことである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の一形態に従うと、以下に示す電池冷却システムが提供される。
(第1項)当該電池冷却システムは、冷媒が循環する回路を形成する冷凍サイクルと、制御装置とを備える。冷凍サイクルは、圧縮機と、凝縮器と、凝縮器を冷却するファンと、複数の電池にそれぞれ対応して配置される複数の蒸発器と、圧縮機の吐出口と凝縮器の一方端とに接続される第1流路と、凝縮器の他方端と複数の蒸発器の一方端とを接続する第2流路と、複数の蒸発器の他方端と圧縮機の吸入口とを接続する第3流路とを備える。圧縮機は、圧縮方式が速度型の圧縮機である。第2流路は、複数の蒸発器の一方端にそれぞれ接続される複数の分岐流路を含む。電池冷却システムは、複数の分岐流路にそれぞれ配置される複数の減圧器と、第2流路における減圧器の上流側の冷媒の状態を検出する第1検出手段と、圧縮機の状態を検出する第2検出手段とをさらに備える。制御装置は、第1検出手段の検出結果に基づいて、第2流路における減圧器の上流側で冷媒が液状態でなくなるサブクール異常が生じるか否かを判定することと、第2検出手段の検出結果に基づいて、圧縮機のサージング現象が生じるか否かを判定することと、サージング現象が生じると判定された場合には、ファンの回転速度と圧縮機の回転速度との少なくとも一方を、サージング現象が抑制されるように調整することと、サージング現象は生じないがサブクール異常が生じると判定された場合には、ファンの回転速度と圧縮機の回転速度との少なくとも一方を、サブクール異常が抑制されるように調整することとを実行するように構成される。
【0007】
上記構成では、サージング現象が生じない(すなわち、圧縮機は正常に運転できる)と判定され、かつ、サブクール異常が生じる(すなわち、第2流路における減圧器の上流側で冷媒が液状態でなくなる)と判定された場合に、ファンの回転速度と圧縮機の回転速度との少なくとも一方をサブクール異常が抑制されるように調整する。これにより、サブクール異常が生じにくくなる。その一方で、サージング現象が生じると判定された場合には、サブクール異常の判定結果にかかわらず、ファンの回転速度と圧縮機の回転速度との少なくとも一方を少なくともサージング現象が抑制されるように調整する。これにより、サージング現象をより確実に回避することが可能になる。
【0008】
上記第1項に記載の電池冷却システムは、以下に示す第2項~第5項のいずれか1項に記載の構成を有し得る。
【0009】
(第2項)第1項に記載の電池冷却システムが以下の特徴をさらに有する。制御装置は、サブクール異常の判定において、冷媒の状態が、サブクール異常が生じる第1状態と、サブクール異常が生じにくい第2状態と、第1状態および第2状態のいずれでもない第3状態とのいずれに該当するかを判定するように構成される。制御装置は、サージング現象が生じず、かつ、冷媒の状態が第1状態であると判定された場合には、ファンの回転速度と圧縮機の回転速度との少なくとも一方を加速し、サージング現象が生じず、かつ、冷媒の状態が第2状態であると判定された場合には、ファンの回転速度と圧縮機の回転速度との少なくとも一方を減速し、サージング現象が生じず、かつ、冷媒の状態が第3状態であると判定された場合には、ファンの回転速度と圧縮機の回転速度との両方を変更しないように構成される。
【0010】
上記構成によれば、サブクール異常が生じる場合には、ファンの回転速度と圧縮機の回転速度との少なくとも一方を加速することで、サブクール異常を的確に回避しやすくなる。また、サブクール異常が生じにくい場合には、ファンの回転速度と圧縮機の回転速度との少なくとも一方を減速することで、第2流路における減圧器の上流側で冷媒を液状態に維持しつつエネルギー消費量を低減することが可能になる。
(【0011】以降は省略されています)
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