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公開番号2025012831
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-01-24
出願番号2023115958
出願日2023-07-14
発明の名称COVID-19重症度予測因子
出願人学校法人順天堂
代理人弁理士法人アルガ特許事務所
主分類G01N 33/573 20060101AFI20250117BHJP(測定;試験)
要約【課題】新たなCOVID-19重症度予測因子を見出し、COVID-19重症度予測方法及びCOVID-19重症度予測用試薬を提供すること。
【解決手段】uPA、uPA/PAI-1複合体及び非複合PAI-1から選ばれる1種以上の血中濃度を測定することを特徴とする、COVID-19患者の重症度予測の指標とする、測定方法。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
uPA、uPA/PAI-1複合体及び非複合PAI-1から選ばれる1種以上の血中濃度を測定する方法であって、得られた前記血中濃度をCOVID-19患者の重症度予測の指標とする、測定方法。
続きを表示(約 330 文字)【請求項2】
前記重症度予測の指標が、uPA、又はuPA/PAI-1複合体の血中濃度が所定の基準値より低い場合に重症化する指標とし、非複合PAI-1の血中濃度が所定の基準値より高い場合に重症化する指標とする、請求項1記載の測定方法。
【請求項3】
uPA、uPA/PAI-1複合体及び非複合PAI-1から選ばれる1種以上の血中濃度の測定試薬を含有する、COVID-19患者の重症度予測用試薬。
【請求項4】
uPA、又はuPA/PAI-1複合体の血中濃度が所定の基準値より低い場合に重症化すると予測し、非複合PAI-1の血中濃度が所定の基準値より高い場合に重症化すると予測するプロトコールを含む、請求項3記載の重症度予測用試薬。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、COVID-19重症度予測方法及びCOVID-19重症度予測用試薬に関する。
続きを表示(約 3,800 文字)【背景技術】
【0002】
新型コロナウイルス感染症(COVID-19)患者においては、凝固線溶系異常を示す場合が多く、日本血栓止血学会は、2020年5月13日付けで、新型コロナウイルス感染による血栓症発症リスク増大の警鐘と題する記事を、当該学会のウェブサイトに掲載した(非特許文献1)。この記事によると、凝固異常に伴う血栓症発症とDICがCOVID-19の予後因子であること、特に中等症及び重症患者では、臨床症状、D-ダイマー値、フィブリノゲン値、血小板数を考慮して抗凝固療法を実施することを推奨している。また、COVID-19患者において、バイオマーカーとしてプラスミノゲン活性化因子阻害剤-1(PAI-1)及び組織型プラスミノゲン活性化因子(tPA)が提唱されている(非特許文献2)。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0003】
日本血栓止血学会ウェブサイト(2020年5月13日)
Sci Rep 2021,11,1580
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、多くのCOVID-19患者における重症度予測は困難であり、新たな重症度予測因子が求められている。
従って、本発明の課題は、新たなCOVID-19重症度予測因子を見出し、COVID-19重症度予測方法及びCOVID-19重症度予測用試薬を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
そこで本発明者らは、日本における多くのCOVID-19患者を対象として、線溶系の重症度予測因子を見出すべく検討したところ、全く意外にも、重症化する患者においては、血中のウロキナーゼ型プラスミノゲン活性化因子(uPA)濃度、及びuPA/PAI-1複合体濃度が低下し、非複合PAI-1濃度が上昇すること、そしてこれらの濃度を測定すれば、COVID-19患者の重症度が予測できることを見出し、本発明を完成した。
【0006】
すなわち、本発明は、次の[1]~[4]を提供するものである。
[1]uPA、uPA/PAI-1複合体及び非複合PAI-1から選ばれる1種以上の血中濃度を測定する方法であって、得られた前記血中濃度をCOVID-19患者の重症度予測の指標とする、測定方法。
[2]前記重症度予測の指標が、uPA、又はuPA/PAI-1複合体の血中濃度が所定の基準値より低い場合に重症化する指標とし、非複合PAI-1の血中濃度が所定の基準値より高い場合に重症化する指標とする、[1]記載の測定方法。
[3]uPA、uPA/PAI-1複合体及び非複合PAI-1から選ばれる1種以上の血中濃度測定試薬を含有する、COVID-19患者の重症度予測用試薬。
[4]uPA、又はuPA/PAI-1複合体の血中濃度が所定の基準値より低い場合に重症化すると予測し、非複合PAI-1の血中濃度が所定の基準値より高い場合に重症化すると予測するプロトコールを含む、[3]記載の重症度予測用試薬。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、COVID-19患者が重症化するか否かが予測できるため、これらの因子が好転するように治療すれば重症化のリスクを低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
複雑相の日本人COVID-19患者におけるプラスミン/2-アンチプラスミンの増加を伴う線溶亢進を示す図である。(A)ELISAを用いた適応臨床期のCOVID-19患者のD-ダイマーのレベル、(B)血清COVID-19患者検体に等量の蛋白質を負荷後、イムノブロットでプラスミノゲン、(C)プラスミン/α2-アンチプラスミン複合体、(D)α2-アンチプラスミンのウエスタンブロット分析法。すべてのウエスタンブロット法を少なくとも2回実施し、同様の結果を得た。(B-D)信号強度を用いてバンド強度を定量化し、健常ドナーの1サンプルに正規化した。*p<0.1;**p<0.05;***p<0.01;n/s-有意差なし。
循環血中の遊離uPA、非複合PAI-1およびuPA/PAI-1複合体レベルは、重症のCOVID-19患者のCOVID-19患者で最も高いことを示す図である。(A)PAI-1 官能基ELISA法を用いて、患者および健常ドナー血清中の活性を測定した。分子量45kDaの非複合体PAI‐1抗原(B)、分子量70kDaのtPA(C)、及び分子量50kDaのuPA(E)の血清レベル評価にウエスタンブロット分析法を用いた。健常ドナー由来のサンプルに標準化したバンド強度の定量化を、120kDaおよび100kDaのバンド(図3)として検出可能なtPA/PAI-1(D)およびuPA/PAI-1(F)複合体について行った。*p<0.1;**p<0.05;***p<0.01;n/s;有意差なし。
図2の試験に用いたウエスタンブロットの結果を示す。
PAs/PAI-1対プラスミン/α2-アンチプラスミン(n=36)相互関係の相関分析結果を示す。相関分析にはSpearman係数rを用いた。
プラスミン活性と関係したCOVID‐19患者における内皮機能障害血清マーカーの変化血清可溶性VCAM‐1(sVACM)(A)とuPAR(B)をウエスタンブロット分析法を用いて測定し、健常ドナー由来のサンプルに標準化したバンド強度の定量を与えた結果を示す。nは各群で試験した患者数を示す。*p<0.1;**p<0.05;***p<0.01;n/s;有意差なし。
血清sVCAM1とsuPARのPAI-1活性(n=45)と非複合PAI-1抗原(n=36)に対する相関分析の結果を示す。相関分析にはSpearman係数rを用いた(C,D)。別のSpearman相関性を、プラスミン/α2アンチプラスミン(Pm/α2AP)に対するsVCAM1とsuPAR(n=36/群)(E,F)に対して行った結果も示す。nは各群で試験した患者数を示す。*p<0.1;**p<0.05;***p<0.01;n/s;有意差なし。
COVID-19における炎症マーカーおよび炎症誘発性サイトカインCRP(A)とIL6(B)の抗原レベルをELISAで測定した結果を示す。また、血清IL1β(C)、TGFβ(D)、およびTNFα(E)をウエスタンブロット分析法により検出し、健常ドナー由来のサンプルに標準化したバンド強度の定量を与えた結果を示す。(F)qPCRで測定したTNFα転写レベルの倍数変化発現は、同一試料におけるβ-アクチン発現を用いて正規化した。各サンプル実施した。nは各群の検査患者数を示す。*p<0.1;**p<0.05;***p<0.01;n/s;有意差なし。
COVID-19患者における線溶系および炎症マーカーの相関性を示す。(A)Spearman相関係数のヒートマップ正の係数をもつ対は茶色、負の係数をもつ対は青色である。(B)各パラメータのSpearmanの相関性に関連するP値。
COVID-19患者のPearsonの相関係数バイオマーカーのヒートマップ相関係数を示す。ヒートマップは、カラーバーで示したオレンジ/青色の強度の変化で表され、これにより、緑色で示された変数は正であり、オレンジ色の変数は負の相関を示した。相関は各相関係数の95% CIと統計学的に有意(p<0.05)であった。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本発明は、COVID-19の重症度を予測する方法及び当該重症度予測用試薬に関するものである。
その一態様は、uPA、uPA/PAI-1複合体及び非複合PAI-1から選ばれる1種以上の血中濃度を測定する方法であって、得られた前記血中濃度をCOVID-19患者の重症度予測の指標とする、測定方法である。
また別の一態様は、uPA、uPA/PAI-1複合体及び非複合PAI-1から選ばれる1種以上の血中濃度測定試薬を含有する、COVID-19患者の重症度予測用試薬である。
【0010】
COVID-19とは新型コロナウイルス(SARS-CoV2)感染症をいい、COVID-19患者は、PCR検査又は抗原検査によりSARS-CoV2が検出された患者である。COVID-19患者の症状は、厚生労働省が公開しているSARS-CoV2の診療の手引で、軽症(肺炎の所見なし、酸素飽和度96%以上)、中等症I(呼吸困難・肺炎の所見なし、酸素飽和度93~96%)、中等症II(酸素投与必要、酸素飽和度93%以下)、重症(集中治療室・人工呼吸器が必要)の4段階に区分されている。
本発明の重症度の予測とは、これらの症状の段階の予測をいい、例えば中等症I、中等症II又は重症になる可能性が高いことを予測することであり、前記分類の重症とは異なる。
(【0011】以降は省略されています)

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