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公開番号
2025009853
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-01-20
出願番号
2024078857
出願日
2024-05-14
発明の名称
液晶配向剤、液晶配向膜、液晶素子及び化合物
出願人
JSR株式会社
代理人
個人
,
個人
,
個人
主分類
G02F
1/1337 20060101AFI20250109BHJP(光学)
要約
【課題】不純物耐性、チルト付与性及びシール材密着性に優れた液晶配向膜を得ることができ、しかもPSA型液晶素子の製造時において液晶セルに対する光照射時間を短縮することができる液晶配向剤を提供すること。
【解決手段】「*-X
1
-W
1
」で表される基(ただし、X
1
は2価の連結基である。W
1
はベンゾフェノン構造を有する1価の基である。)を有するジアミンに由来する構造単位を含み、「*-X
1
-W
1
」で表される基を側鎖に有する第1の重合体と、ポリアミック酸等であって、第1の重合体とは異なる第2の重合体とを含有し、第1の重合体及び第2の重合体よりなる群から選択される少なくとも1種が、含窒素構造を有するジアミンに由来する構造単位を含む液晶配向剤とする。
【選択図】なし
特許請求の範囲
【請求項1】
「*-X
1
-W
1
」で表される基(ただし、X
1
は2価の連結基である。W
1
はベンゾフェノン構造を有する1価の基である。「*」は結合手を表す。)を有するジアミンに由来する構造単位を含み、「*-X
1
-W
1
」で表される基を側鎖に有する第1の重合体と、
ポリアミック酸、ポリイミド、ポリオルガノシロキサン及び付加重合体よりなる群から選択される少なくとも1種であって、ベンゾフェノン構造を有する構造単位を実質的に含まない第2の重合体と、
を含有し、
前記第1の重合体及び前記第2の重合体よりなる群から選択される少なくとも1種が、2級アミノ基、3級アミノ基、*
1
-NR
1
-*
2
及び含窒素複素環構造よりなる群から選択される少なくとも1種である含窒素構造(ただし、R
1
は1価の脱離性基である。「*
1
」及び「*
2
」は、(チオ)カルボニル基中の炭素を除く炭素原子との結合手を表す。)を有するジアミンに由来する構造単位を含む、液晶配向剤。
続きを表示(約 1,200 文字)
【請求項2】
前記第1の重合体は、ポリアミック酸及びポリイミドよりなる群から選択される少なくとも1種である、請求項1に記載の液晶配向剤。
【請求項3】
前記第1の重合体及び前記第2の重合体よりなる群から選択される少なくとも1種が、前記含窒素複素環構造を有するジアミンに由来する構造単位を含む、請求項1に記載の液晶配向剤。
【請求項4】
前記第1の重合体がポリアミック酸である、請求項1に記載の液晶配向剤。
【請求項5】
前記第2の重合体は、ポリアミック酸及びポリイミドよりなる群から選択される少なくとも1種であり、テトラカルボン酸無水物に由来する構造単位を含み、
前記テトラカルボン酸無水物に由来する構造単位のうち、芳香族テトラカルボン酸二無水物に由来する構造単位の割合が50モル%以下である、請求項1に記載の液晶配向剤。
【請求項6】
前記第1の重合体及び前記第2の重合体よりなる群から選択される少なくとも1種が、垂直配向性基を有する構造単位を含む、請求項1に記載の液晶配向剤。
【請求項7】
前記第1の重合体及び前記第2の重合体よりなる群から選択される少なくとも1種が、芳香環に*-NR
2
-CO-又は*-CO-NR
2
-が結合した部分構造(ただし、R
2
は水素原子又は1価の有機基である。「*」は芳香環との結合手を表す。)を有するジアミンに由来する構造単位を含む、請求項1に記載の液晶配向剤。
【請求項8】
架橋剤を更に含有する、請求項1に記載の液晶配向剤。
【請求項9】
「*-X
1
-W
1
」で表される基を有するジアミンが、下記式(CA-1)で表される、請求項1に記載の液晶配向剤。
TIFF
2025009853000029.tif
39
168
(式(CA-1)中、X
1
は2価の連結基である。X
2
は単結合又は「*-X
1
-W
1
」で表される部分構造を有する2価の基である。R
5
及びR
6
は、互いに独立して1価の置換基である。r1は0~4の整数である。r2は0~5の整数である。
【請求項10】
「*-X
1
-W
1
」で表される基(ただし、X
1
は2価の連結基である。W
1
はベンゾフェノン構造を有する1価の基である。「*」は結合手を表す。)を有するジアミンに由来する構造単位を含み、「*-X
1
-W
1
」で表される基を側鎖に有する重合体と、
架橋剤と、
を含有する、液晶配向剤。
(【請求項11】以降は省略されています)
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、液晶配向剤、液晶配向膜、液晶素子及び化合物に関する。
続きを表示(約 2,300 文字)
【背景技術】
【0002】
液晶素子としては、電極構造や液晶分子の物性等が異なる種々の駆動方式が開発されており、例えば、TN型やSTN型、VA型、MVA型、面内スイッチング型(IPS型)、FFS型、光学補償ベンド型(OCB型)等の各種液晶素子が知られている。これら液晶素子は、液晶分子を配向させるための液晶配向膜を有する。液晶配向膜は一般に、重合体成分が有機溶媒に溶解又は分散されてなる液晶配向剤を基板表面に塗布し、好ましくは加熱することによって基板上に形成される。
【0003】
液晶分子にプレチルト角を付与する技術として、従来、液晶配向剤により形成された塗膜の表面を布等により一定の方向に擦るラビング法や、感光性の塗膜に放射線を照射する光配向法が知られている。また従来、液晶中に光重合性化合物を予め添加しておき、液晶セルに電圧を印加しながら放射線を照射することにより、液晶配向膜近傍の液晶分子にプレチルト角を付与する方法(PSA(Polymer Sustained Alignment))も提案されている。PSA技術によれば、液晶分子の応答速度を改善でき、また透過率を向上できるとされている。
【0004】
近年における液晶素子の高精細化や多用途化の要求に伴い、液晶素子には電気特性や表示品位の更なる改善が求められており、これを実現するべく種々の液晶配向剤が提案されている(例えば、特許文献1参照)。特許文献1には、液晶配向膜を構成する重合体成分に、光吸収によりラジカルを発生するラジカル発生構造を導入し、これによりPSA方式の液晶表示素子において液晶の応答速度を向上させることが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
国際公開第2015/033921号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
液晶素子の高精細化に伴い、品質に対する要求は更に厳しくなっている。例えば、4Kや8Kといった高精細な液晶パネルには絶縁膜が設けられることが多い。その一方で、絶縁膜が設けられた液晶パネルでは、絶縁膜からのイオン性不純物が液晶配向膜を介して液晶中に溶出することがある。イオン性不純物が液晶中に溶出した場合、電圧保持率が低下したり蓄積電荷が多くなったりするなど、液晶素子の品質が低下することが懸念される。そのため、液晶配向膜には、素子内に生じた不純物が液晶中に侵入することを抑制し、不純物に起因する液晶素子の品質低下を招きにくい特性(以下、「不純物耐性」ともいう)が求められる。また、PSA型液晶素子の製造に適用することを考慮すると、液晶セルに対する光照射の際にはできるだけ少ない照射量によって所望のプレチルト角を付与できること(以下、「チルト付与性」ともいう)が望ましい。
【0007】
高精細な液晶素子には、不純物耐性やチルト付与性の更なる改善だけでなく、力学特性や基板への密着性に優れた液晶配向膜が求められる。例えば、スマートフォンやタブレットPC等に代表されるモバイル用途に加え、大型テレビやPC用モニターにおいても、デザイン性の観点や表示装置の小型化の観点から狭額縁化を図ることが行われている。狭額縁化を図る方法の1つとしては、基板面全体に液晶配向膜を形成した後、シール材を液晶配向膜上に塗布して基板同士を貼り合わせる方法が知られている。その一方で、液晶配向膜上にシール材を配置すると、シール材を配置した液晶配向膜部分に力がかかりやすいため、液晶配向膜の力学的強度や基板への密着性が十分でない場合には基板間の密着性(以下、「シール材密着性」ともいう)の低下を招き、外力の作用等により基板同士の剥がれが生じやすくなることが懸念される。
【0008】
PSA型液晶素子において、液晶層中に光重合性化合物が残存したままであると、残存する光重合性化合物の重合反応が起きることによって液晶のプレチルト角が経時的に変化することが懸念される。そこで、PSA型液晶素子の製造工程では、液晶にプレチルト角を付与するための光照射(これを以下、「第1照射」とも称する)を行った後に、液晶中の光重合性化合物を消費させることを目的として、液晶セルに電圧を印加しない状態で、第1照射と同等か又はそれよりも弱い強度の光を長時間(例えば、100分間程度)液晶セルに照射(これを以下、「第2照射」とも称する)することがある。この第2照射による光照射時間を長くすることによって液晶層中の光重合性化合物の消費を促すことが可能と考えられる一方、第2照射の長時間化によって液晶セルに与えるダメージが大きくなることが懸念される。第2照射による液晶セルのダメージを極力少なくする観点からすると、第2照射による光照射時間をできるだけ短くしつつ、液晶中の光重合性化合物を第2照射によって消費させ、これによりプレチルト角の経時変化を抑制することが望ましい。
【0009】
本発明は上記課題に鑑みなされたものであり、不純物耐性、チルト付与性及びシール材密着性に優れた液晶配向膜を得ることができ、しかもPSA型液晶素子の製造時において液晶セルに対する光照射時間を短縮することができる液晶配向剤を提供することを主たる目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明によれば、以下の液晶配向剤、液晶配向膜、液晶素子及び化合物が提供される。
(【0011】以降は省略されています)
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