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公開番号2025007207
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-01-17
出願番号2023108457
出願日2023-06-30
発明の名称樹脂組成物及びその製造方法、並びに、成形体及びギヤ
出願人住友化学株式会社
代理人個人,個人,個人,個人
主分類C08L 81/06 20060101AFI20250109BHJP(有機高分子化合物;その製造または化学的加工;それに基づく組成物)
要約【課題】芳香族ポリスルホンを含み、耐疲労性に優れた成形体を提供可能な樹脂組成物、及びその成形体を提供する。
【解決手段】極性基及び/又はその塩を分子内に有する芳香族ポリスルホン(A)と、フッ素樹脂(B)と、前記芳香族ポリスルホン(A)及び前記フッ素樹脂(B)以外の熱可塑性樹脂(C)と、を含み、前記芳香族ポリスルホン(A)の前記極性基及び/又はその塩の含有量は、前記芳香族ポリスルホン(A)1gあたり、1×10-5mol/g以上40×10-5mol/g以下であり、下記CF3基含有量の測定方法により求められるCF3基含有量が0.15%未満である、樹脂組成物。
CF3基含有量の測定方法:19F固体NMRにより測定されたCF3基に対応するピーク面積ICF3と、CF2基に対応するピーク面積ICF2とから、下記式(f1)により求める。
CF3基含有量(%)={((ICF3)/3)/((ICF2)/2)}×100(f1)
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
極性基及び/又はその塩を分子内に有する芳香族ポリスルホン(A)と、
フッ素樹脂(B)と、
前記芳香族ポリスルホン(A)及び前記フッ素樹脂(B)以外の熱可塑性樹脂(C)と、を含み、
前記芳香族ポリスルホン(A)の前記極性基及び/又はその塩の含有量は、前記芳香族ポリスルホン(A)1gあたり、1×10
-5
mol/g以上40×10
-5
mol/g以下であり、
前記フッ素樹脂(B)中の、下記<CF

基含有量の測定方法>により求められる、CF

基含有量が0.15%未満である、樹脂組成物。
<CF

基含有量の測定方法>
前記フッ素樹脂(B)中のCF

基含有量に対するCF

基含有量は、
19
F固体NMRにより測定されたCF

基に対応するピーク面積ICF

と、CF

基に対応するピーク面積ICF

とから、下記式(f1)により求める。
CF

基含有量(%)={((ICF

)/3)/((ICF

)/2)}×100 (f1)
続きを表示(約 1,100 文字)【請求項2】
前記熱可塑性樹脂(C)が、前記芳香族ポリスルホン(A)に該当しない芳香族ポリスルホン(c)である、請求項1に記載の樹脂組成物。
【請求項3】
前記芳香族ポリスルホン(c)が、下記式(1)で表される繰返し単位を有する、請求項2に記載の樹脂組成物。
(1)-Ph

-SO

-Ph

-O-
[式中、Ph

及びPh

は、それぞれ独立に、フェニレン基を表す。前記フェニレン基にある水素原子は、それぞれ独立に、アルキル基、アリール基、ハロゲン原子、スルホ基、ニトロ基、アミノ基、カルボキシル基、又はヒドロキシル基で置換されていてもよい。]
【請求項4】
前記芳香族ポリスルホン(A)の前記極性基が、ヒドロキシル基及び/又はアミノ基である、請求項1~3のいずれか一項に記載の樹脂組成物。
【請求項5】
前記芳香族ポリスルホン(A)が、下記式(1)で表される繰返し単位を有する、請求項1~3のいずれか一項に記載の樹脂組成物。
(1)-Ph

-SO

-Ph

-O-
[式中、Ph

及びPh

は、それぞれ独立に、フェニレン基を表す。前記フェニレン基にある水素原子は、それぞれ独立に、アルキル基、アリール基、ハロゲン原子、スルホ基、ニトロ基、アミノ基、カルボキシル基、又はヒドロキシル基で置換されていてもよい。]
【請求項6】
前記フッ素樹脂(B)中の、前記<CF

基含有量の測定方法>により求められる、CF

基含有量が0.11%以下である、請求項1~3のいずれか一項に記載の樹脂組成物。
【請求項7】
前記フッ素樹脂(B)が、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)である、請求項1~3のいずれか一項に記載の樹脂組成物。
【請求項8】
前記樹脂組成物の総質量100質量%に対し、前記芳香族ポリスルホン(A)の含有量が1質量%以上18質量%以下であり、前記フッ素樹脂(B)の含有量が5質量%以上22質量%以下である、請求項1~3のいずれか一項に記載の樹脂組成物。
【請求項9】
前記樹脂組成物の総質量100質量%に対し、前記熱可塑性樹脂(C)の含有量が60質量%以上94質量%以下である、請求項1~3のいずれか一項に記載の樹脂組成物。
【請求項10】
請求項1~3のいずれか一項に記載の樹脂組成物を含む成形体。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、樹脂組成物及びその製造方法、並びに、成形体及びギヤに関する。
続きを表示(約 2,200 文字)【背景技術】
【0002】
芳香族ポリスルホンは、耐熱性や耐薬品性に優れることから、成形体の成形材料として各種用途に用いられている。特許文献1には、芳香族ポリスルホンを含む、摺動材料用途の樹脂組成物が示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特許第5564986号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
近年、機械部品などとして従来使用されてきた金属製部品を、樹脂製の成形体へと置き換えることが検討されている。機械部品のなかでも、長期間又は周期的に力が加え続けられるギヤ等の部品では、耐疲労性が求められる。
しかし、特許文献1に記載されるような従来の樹脂組成物及びその成形体では、耐疲労性の向上において、未だ改良の余地がある。
【0005】
本発明は、上記のような問題点を解消するためになされたものであり、芳香族ポリスルホンを含み、耐疲労性に優れた成形体を提供可能な樹脂組成物、及びその成形体の提供を目的とする。
また本発明は、芳香族ポリスルホンを含み、耐疲労性に優れたギヤの提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意検討した結果、極性基及び/又はその塩の含有量が特定の値を満たす芳香族ポリスルホン(A)と、CF

基含有量が特定の値を満たすフッ素樹脂(B)とを含む樹脂組成物の成形体が、優れた耐疲労性を示すことを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は以下の態様を有する。
【0007】
<1> 極性基及び/又はその塩を分子内に有する芳香族ポリスルホン(A)と、フッ素樹脂(B)と、前記芳香族ポリスルホン(A)及び前記フッ素樹脂(B)以外の熱可塑性樹脂(C)と、を含み、前記芳香族ポリスルホン(A)の前記極性基及び/又はその塩の含有量は、前記芳香族ポリスルホン(A)1gあたり、1×10
-5
mol/g以上40×10
-5
mol/g以下であり、前記フッ素樹脂(B)中の、下記<CF

基含有量の測定方法>により求められる、CF

基含有量が0.15%未満である、樹脂組成物。
<CF

基含有量の測定方法>
前記フッ素樹脂(B)中のCF

基含有量に対するCF

基含有量は、
19
F固体NMRにより測定されたCF

基に対応するピーク面積ICF

と、CF

基に対応するピーク面積ICF

とから、下記式(f1)により求める。
CF

基含有量(%)={((ICF

)/3)/((ICF

)/2)}×100 (f1)
【0008】
<2> 前記熱可塑性樹脂(C)が、前記芳香族ポリスルホン(A)に該当しない芳香族ポリスルホン(c)である、前記<1>に記載の樹脂組成物。
<3> 前記芳香族ポリスルホン(c)が、下記式(1)で表される繰返し単位を有する、前記<2>に記載の樹脂組成物。
(1)-Ph

-SO

-Ph

-O-
[式中、Ph

及びPh

は、それぞれ独立に、フェニレン基を表す。前記フェニレン基にある水素原子は、それぞれ独立に、アルキル基、アリール基、ハロゲン原子、スルホ基、ニトロ基、アミノ基、カルボキシル基、又はヒドロキシル基で置換されていてもよい。]
【0009】
<4> 前記芳香族ポリスルホン(A)の前記極性基が、ヒドロキシル基及び/又はアミノ基である、前記<1>~<3>のいずれか一つに記載の樹脂組成物。
<5> 前記芳香族ポリスルホン(A)が、下記式(1)で表される繰返し単位を有する、前記<1>~<4>のいずれか一つに記載の樹脂組成物。
(1)-Ph

-SO

-Ph

-O-
[式中、Ph

及びPh

は、それぞれ独立に、フェニレン基を表す。前記フェニレン基にある水素原子は、それぞれ独立に、アルキル基、アリール基、ハロゲン原子、スルホ基、ニトロ基、アミノ基、カルボキシル基、又はヒドロキシル基で置換されていてもよい。]
【0010】
<6> 前記フッ素樹脂(B)中の、前記<CF

基含有量の測定方法>により求められる、CF

基含有量が0.11%以下である、前記<1>~<5>のいずれか一つに記載の樹脂組成物。
<7> 前記フッ素樹脂(B)が、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)である、前記<1>~<6>のいずれか一つに記載の樹脂組成物。
(【0011】以降は省略されています)

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