TOP特許意匠商標
特許ウォッチ Twitter
公開番号2025171655
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-11-20
出願番号2024077222
出願日2024-05-10
発明の名称組成物、硬化物および成形体
出願人住友化学株式会社
代理人弁理士法人クオリオ,個人,個人,個人
主分類C08L 33/12 20060101AFI20251113BHJP(有機高分子化合物;その製造または化学的加工;それに基づく組成物)
要約【課題】成形体の熱分解性を制御することができる組成物、この組成物を用いて得られる重合体、硬化物および成形体、さらにポリメタクリル酸メチルの製造方法を提供する。
【解決手段】メタクリル酸メチル、ピバル酸メチルおよびイソ酪酸メチルを含有する組成物であって、組成物中のピバル酸メチルの含有量が0質量ppmを超え50000質量ppm以下であり、組成物中のイソ酪酸メチルの含有量が0質量ppmを超え2000質量ppm以下である組成物、この組成物を用いて得られる重合体、硬化物、成形体、さらに上記組成物中のメタクリル酸メチルを重合するポリメタクリル酸メチルの製造方法。
【選択図】なし


特許請求の範囲【請求項1】
メタクリル酸メチル、ピバル酸メチルおよびイソ酪酸メチルを含有する組成物であって、
前記組成物全体に占める前記ピバル酸メチルの含有量が0質量ppmを超え50000質量ppm以下であり、
前記組成物全体に占める前記イソ酪酸メチルの含有量が0質量ppmを超え2000質量ppm以下である、組成物。
続きを表示(約 520 文字)【請求項2】
前記組成物全体に占める前記メタクリル酸メチルの含有量が85質量%以上である、請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
前記組成物全体に占める前記メタクリル酸メチルの含有量が90質量%以上である、請求項1に記載の組成物。
【請求項4】
前記イソ酪酸メチルの前記含有量が2000質量ppm未満である、請求項1に記載の組成物。
【請求項5】
前記メタクリル酸メチルが再生メタクリル酸メチルまたはバイオ由来メタクリル酸メチルを含む、請求項1に記載の組成物。
【請求項6】
前記メタクリル酸メチル以外の(メタ)アクリル酸エステルをさらに含む、請求項1に記載の組成物。
【請求項7】
請求項1~6のいずれか1項に記載の組成物に含まれる前記メタクリル酸メチルに由来する構造単位を含む、重合体。
【請求項8】
請求項7に記載の重合体を含む、成形体。
【請求項9】
請求項1~6のいずれか1項に記載の組成物の硬化物。
【請求項10】
請求項9に記載の硬化物を含む、成形体。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本開示は、組成物、重合体、硬化物、成形体、およびポリメタリル酸メチルの製造方法に関する。
続きを表示(約 2,100 文字)【背景技術】
【0002】
メタクリル酸メチルを重合させて得られるポリメタクリル酸メチルなどのポリ(メタ)アクリル酸メチルは、透明性や耐候性に優れた樹脂材料として種々の分野で利用されている。そして、近年の資源価格の高騰、さらには環境問題に対する意識の高まりに伴って、上記のとおりの種々の用途に用いられたポリ(メタ)アクリル酸メチルを含む製品(成形体)は回収されてリサイクル(再資源化)が図られている。
【0003】
ポリ(メタ)アクリル酸メチルのリサイクル方法としては、例えば、回収された成形体に対し、再度、成形工程を実施して新たな成形体を製造するマテリアルリサイクル、回収された成形体を熱処理して、ポリ(メタ)アクリル酸メチルを熱分解(解重合)することにより(メタ)アクリル酸メチルを回収し、回収された(メタ)アクリル酸メチルを用いて新たな成形体を製造するケミカルリサイクル、および回収された成形体を燃料として燃焼させ、燃焼エネルギーを直接的に熱源として、さらには燃焼エネルギーを用いて発電して利用するサーマルリサイクルが挙げられる。
【0004】
また、近年のポリ(メタ)アクリル酸メチルの用途の多様化を受けて、ポリ(メタ)アクリル酸メチルの品質を向上させるための技術が検討されている。
例えば、高品質のポリメタクリル酸メチルなどの重合体を得るのに適した重合装置として、原料モノマーと重合開始剤とを反応させる反応槽内でのゲル化物の生成が抑制される重合装置が提案されている(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
特開2012-102190号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、使用後などにケミカルリサイクルを予定される成形体についても、用途に応じた品質の要求レベルは高くなっている。その一方で、成形体の品質の中でも特に熱安定性を高くしすぎると、リサイクル処理への適性に劣る。したがって、ポリ(メタ)アクリル酸メチルを含む成形体の品質としては、用途に応じた要求レベルとリサイクル処理への適正とを考慮して、これらをバランスよく両立させることが重要になる。このような品質の指標として、成形体の熱分解性が注目されている。
【0007】
本開示は、上記事情に鑑み、成形体の熱分解性を制御することができる組成物、この組成物を用いて得られる重合体、硬化物および成形体を提供することを課題とする。また、本開示は、ポリメタクリル酸メチルの製造方法を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するための手段には、以下の実施形態が含まれる。
<1>メタクリル酸メチル、ピバル酸メチルおよびイソ酪酸メチルを含有する組成物であって、
前記組成物全体に占める前記ピバル酸メチルの含有量が0質量ppmを超え50000質量ppm以下であり、
前記組成物全体に占める前記イソ酪酸メチルの含有量が0質量ppmを超え2000質量ppm以下である、組成物。
<2>前記組成物全体に占める前記メタクリル酸メチルの含有量が85質量%以上である、<1>に記載の組成物。
<3>前記組成物全体に占める前記メタクリル酸メチルの含有量が90質量%以上である、<1>または<2>に記載の組成物。
<4>前記イソ酪酸メチルの前記含有量が2000質量ppm未満である、<1>~<3>のいずれか1項に記載の組成物。
<5>前記メタクリル酸メチルが再生メタクリル酸メチルまたはバイオ由来メタクリル酸メチルを含む、<1>~<4>のいずれか1項に記載の組成物。
<6>前記メタクリル酸メチル以外の(メタ)アクリル酸エステルをさらに含む、<1>~<5>のいずれか1項に記載の組成物。
<7>上記<1>~<6>のいずれか1項に記載の組成物に含まれる前記メタクリル酸メチルに由来する構造単位を含む、重合体。
<8>上記<7>に記載の重合体を含む、成形体。
<9>上記<1>~<6>のいずれか1項に記載の組成物の硬化物。
<10>上記<9>に記載の硬化物を含む、成形体。
<11>上記<1>~<6>のいずれか1項に記載の組成物に含まれる前記メタクリル酸メチルを重合させる工程を含む、ポリメタリル酸メチルの製造方法。
【発明の効果】
【0009】
本開示により、成形体の熱分解性を制御することができる組成物、この組成物を用いて得られる重合体、硬化物および成形体を提供できる。また、本開示により、例えば上記組成物を用いたポリメタクリル酸メチルの製造方法を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1は、実施例で調製した組成物(調製後未保管)のイソ酪酸メチルの含有量と、当該組成物で形成したキャスト板の5%重量減少温度との関係を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
(【0011】以降は省略されています)

この特許をJ-PlatPat(特許庁公式サイト)で参照する

関連特許