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公開番号
2025004456
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-01-15
出願番号
2023104154
出願日
2023-06-26
発明の名称
組成物、接合部材及び複合部材
出願人
AGC株式会社
代理人
個人
,
個人
主分類
C08L
27/18 20060101AFI20250107BHJP(有機高分子化合物;その製造または化学的加工;それに基づく組成物)
要約
【課題】耐熱性、熱伝導性、耐プラズマ性及び帯電防止性に優れ、かつ接着性に優れる組成物の提供。
【解決手段】熱溶融性のテトラフルオロエチレン系ポリマーの粒子と、金属又はその酸化物の粒子と、帯電防止剤とを含み、前記金属又はその酸化物の粒子の平均粒子径が10μm以下であり、前記帯電防止剤が、アンモニウムイオン、イミダゾリウムイオン、ピラゾリウムイオン、ピラジニウムイオン、ピリジニウムイオン、ピリダジニウムイオン、ピリミジニウムイオン、ピロリジニウムイオン、ピペリジニウムイオン、キノリニウムイオン及びトリアジニウムイオンからなる群から選ばれる1種以上の窒素原子含有カチオンを含む、組成物。
【選択図】なし
特許請求の範囲
【請求項1】
熱溶融性のテトラフルオロエチレン系ポリマーの粒子と、金属又はその酸化物の粒子と、帯電防止剤とを含み、前記金属又はその酸化物の粒子の平均粒子径が10μm以下であり、前記帯電防止剤が、アンモニウムイオン、イミダゾリウムイオン、ピラゾリウムイオン、ピラジニウムイオン、ピリジニウムイオン、ピリダジニウムイオン、ピリミジニウムイオン、ピロリジニウムイオン、ピペリジニウムイオン、キノリニウムイオン及びトリアジニウムイオンからなる群から選ばれる1種以上の窒素原子含有カチオンを含む、組成物。
続きを表示(約 640 文字)
【請求項2】
前記テトラフルオロエチレン系ポリマーが、酸素含有極性基を有する、熱溶融性のテトラフルオロエチレン系ポリマーを含む、請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
前記テトラフルオロエチレン系ポリマーの粒子の含有量が30質量%以上である、請求項1に記載の組成物。
【請求項4】
前記金属又はその酸化物の粒子の平均粒子径が、50nm以上1000nm未満である、請求項1に記載の組成物。
【請求項5】
前記金属又はその酸化物の粒子のBET比表面積が、10m
2
/g超である、請求項1に記載の組成物。
【請求項6】
前記金属又はその酸化物の粒子が、第3族又は第4族に属する金属又はその酸化物の粒子である、請求項1に記載の組成物。
【請求項7】
前記帯電防止剤が、ポリエーテルエステルアミドブロックコポリマー、又はその分子鎖中にオキシアルキレン骨格を有するアクリル系ポリマーを含む、高分子型の帯電防止剤である、請求項1に記載の組成物。
【請求項8】
さらに、溶媒を含有する、請求項1に記載の組成物。
【請求項9】
前記溶媒が、水、アミド、ケトンおよびエステルからなる群から選ばれる少なくとも1種である、請求項8に記載の組成物。
【請求項10】
接合部材として用いる、請求項1に記載の組成物。
(【請求項11】以降は省略されています)
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、テトラフルオロエチレン系ポリマーの粒子を含む組成物、該組成物よりなる接合部材、及び該接合部材より形成される複合部材に関する。
続きを表示(約 4,400 文字)
【背景技術】
【0002】
テトラフルオロエチレン系ポリマーに代表されるフッ素系高分子は、耐熱性、機械的特性、耐久性、電気特性(低誘電率、低誘電正接等)に優れており、これらの特性を付与した新材料の開発が活発にされている。例えば特許文献1には、硬化性官能基含有含フッ素ポリマーと、二酸化チタンと、酸基及び塩基を有する会合型アクリル系ポリマーである流動性改善剤と、有機溶媒とを含む塗料組成物が開示されている。特許文献2には、最外層としてフッ素樹脂層、中間層として帯電防止剤を含有する樹脂層を備える帯電防止性離型フィルムが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特開2014- 12830号公報
特開2009-241388号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
テトラフルオロエチレン系ポリマーと、金属又はその酸化物を含む組成物は耐熱性と熱伝導性を備えるが、帯電しやすいという問題を有する。特許文献1の塗料組成物は太陽電池モジュールのバックシートにおける、紫外線遮蔽性に優れるフッ素樹脂層を形成できるとされ、特許文献2の帯電防止型離型フィルムは、離型性、クッション性、帯電防止性に優れ、フレキシブルプリント基板とカバーレイフィルムとを熱プレス接着する際に好適に使用できるとされる。
一方、半導体製造工程においては、半導体製造装置にてシリコンウエハやガラス、セラミックス等の基板を載置するためにサセプター、静電チャック、真空チャック、ヒーターを内蔵したセラミックスヒーター、CVDヒーター等が使用される。
このような半導体製造装置用の部品としての複合部材は、プラズマ照射等により使用時に高温に晒されるため、耐熱性が求められる。また、例えば静電チャックは静電気の力を使ってウエハを密着させてエッチング中のウエハ温度を制御するため、複合部材には熱伝導性及び帯電防止性が求められる。
本発明者らは、テトラフルオロエチレン系ポリマーの粒子と、特定平均粒子径の金属又はその酸化物の粒子と、特定のカチオンを含有する帯電防止剤とを含有する組成物は、テトラフルオロエチレン系ポリマーに基づく物性を発現しつつ、帯電防止性に優れ、また接着性に優れることを知見した。そして、半導体製造用部品としての複合部材の作製に、かかる組成物を接合部材として好適に使用できることを見出し、本発明に至った。
本発明の目的は、耐熱性、熱伝導性、耐プラズマ性及び帯電防止性に優れ、かつ接着性に優れる組成物の提供である。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、下記の態様を有する。
〔1〕 熱溶融性のテトラフルオロエチレン系ポリマーの粒子と、金属又はその酸化物の粒子と、帯電防止剤とを含み、前記金属又はその酸化物の粒子の平均粒子径が10μm以下であり、前記帯電防止剤が、アンモニウムイオン、イミダゾリウムイオン、ピラゾリウムイオン、ピラジニウムイオン、ピリジニウムイオン、ピリダジニウムイオン、ピリミジニウムイオン、ピロリジニウムイオン、ピペリジニウムイオン、キノリニウムイオン及びトリアジニウムイオンからなる群から選ばれる1種以上の窒素原子含有カチオンを含む、組成物。
〔2〕 前記テトラフルオロエチレン系ポリマーが、酸素含有極性基を有する、熱溶融性のテトラフルオロエチレン系ポリマーを含む、〔1〕の組成物。
〔3〕 前記テトラフルオロエチレン系ポリマーの粒子の含有量が30質量%以上である、〔1〕又は〔2〕の組成物。
〔4〕 前記金属又はその酸化物の粒子の平均粒子径が、50nm以上1000nm未満である、〔1〕~〔3〕のいずれかの組成物。
〔5〕 前記金属又はその酸化物の粒子のBET比表面積が、10m
2
/g超である、〔1〕~〔4〕のいずれかの組成物。
〔6〕 前記金属又はその酸化物の粒子が、第3族又は第4族に属する金属又はその酸化物の粒子である、〔1〕~〔5〕のいずれかの組成物。
〔7〕 前記帯電防止剤が、ポリエーテルエステルアミドブロックコポリマー、又はその分子鎖中にオキシアルキレン骨格を有するアクリル系ポリマーを含む、高分子型の帯電防止剤である〔1〕~〔6〕のいずれかの組成物。
〔8〕 さらに、溶媒を含有する、〔1〕~〔7〕のいずれかの組成物。
〔9〕 前記溶媒が、水、アミド、ケトンおよびエステルからなる群から選ばれる少なくとも1種である、〔8〕の組成物。
〔10〕 接合部材として用いる、〔1〕~〔9〕のいずれかの組成物。
〔11〕 〔1〕~〔10〕のいずれかの組成物よりなる、接合部材。
〔12〕 セラミックスからなる表面を有する第1の部材と、金属からなる表面を有する第2の部材と、前記第1の部材における前記セラミックスからなる表面と前記第2の部材における前記金属からなる表面とを接合する接合層を備える複合部材であって、
前記接合層が、テトラフルオロエチレン系ポリマーの粒子と、金属又はその酸化物の粒子と、帯電防止剤とを含み、前記金属又はその酸化物の粒子の平均粒子径が10μm以下であり、前記帯電防止剤が、アンモニウムイオン、イミダゾリウムイオン、ピラゾリウムイオン、ピラジニウムイオン、ピリジニウムイオン、ピリダジニウムイオン、ピリミジニウムイオン、ピロリジニウムイオン、ピペリジニウムイオン、キノリニウムイオン及びトリアジニウムイオンからなる群から選ばれる1種以上の窒素原子含有カチオンを含む、複合部材。
〔13〕 半導体製造用部品である、〔12〕の複合部材。
〔14〕 前記半導体製造用部品が、シャワーヘッド、静電チャック、真空チャック又はCVDヒーターである、〔13〕の複合部材。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、耐熱性、熱伝導性、耐プラズマ性及び帯電防止性に優れ、かつ接着性に優れる組成物が提供される。本発明の組成物は接合部材として好適に使用でき、耐熱性、耐真空性及び帯電防止性等に優れ、半導体製造用部品に適用可能な複合部材を作製できる。
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下の用語は、以下の意味を有する。
「平均粒子径(D50)」は、レーザー回折・散乱法によって求められる、粒子又はフィラーの体積基準累積50%径である。すなわち、レーザー回折・散乱法によって粒度分布を測定し、粒子又はフィラーの集団の全体積を100%として累積カーブを求め、その累積カーブ上で累積体積が50%となる点の粒子径である。
粒子又はフィラーのD50は、粒子又はフィラーを水中に分散させ、レーザー回折・散乱式の粒度分布測定装置(堀場製作所社製、LA-920測定器)を用いたレーザー回折・散乱法により分析して求められる。
「溶融温度」は、示差走査熱量測定(DSC)法で測定したポリマーの融解ピークの最大値に対応する温度である。
「ガラス転移温度(Tg)」は、動的粘弾性測定(DMA)法でポリマーを分析して測定される値である。
「粘度」は、B型粘度計を用いて、25℃で回転数が30rpmの条件下で組成物を測定して求められる。測定を3回繰り返し、3回分の測定値の平均値とする。
「チキソ比」とは、組成物の、回転数が30rpmの条件で測定される粘度η1を、回転数が60rpmの条件で測定される粘度η2で除して算出される値である。それぞれの粘度の測定は、3回繰り返し、3回分の測定値の平均値とする。
ポリマーにおける「単位」とは、モノマーの重合により形成された前記モノマーに基づく原子団を意味する。単位は、重合反応によって直接形成された単位であってもよく、ポリマーを処理することによって前記単位の一部が別の構造に変換された単位であってもよい。以下、モノマーaに基づく単位を、単に「モノマーa単位」とも記す。
【0008】
本発明の組成物(以下、「本組成物」とも記す。)は、熱溶融性のテトラフルオロエチレン系ポリマー(以下、「Fポリマー」とも記す。)の粒子(以下、「F粒子」とも記す。)と、金属又はその酸化物の粒子と、帯電防止剤とを含み、前記金属又はその酸化物の粒子の平均粒子径が10μm以下であり、前記帯電防止剤が、アンモニウムイオン、イミダゾリウムイオン、ピラゾリウムイオン、ピラジニウムイオン、ピリジニウムイオン、ピリダジニウムイオン、ピリミジニウムイオン、ピロリジニウムイオン、ピペリジニウムイオン、キノリニウムイオン及びトリアジニウムイオンからなる群から選ばれる1種以上の窒素原子含有カチオンを含む。
本組成物は、Fポリマーに基づく機械的物性、耐熱性、電気特性(低線膨張係数、低誘電率及び低誘電正接)に優れており、かつ帯電防止性及び接着性に優れる。
【0009】
本組成物において、特定の窒素原子含有カチオンを含む帯電防止剤は、平均粒子径が小さい金属又はその酸化物の粒子の表面に吸着しやすく、その凝集を抑制しつつ、Fポリマーとの親和性を向上させるため、本組成物の均一分散性を高めていると推測される。
そのため、本組成物を接合部材、特に半導体製造用部品の複合部材の接合部材として用いると、セラミックス又は金属を表面とする部材に接する接合層として、高度な帯電防止性に備えたFポリマーを含むマトリックス構造が形成されやすくなる。その結果、Fポリマーに基づく耐熱性、電気特性等の向上と共に接着性が向上し、帯電防止性に優れる複合部材が得られると推測される。かかる効果は、本組成物が後述する特定のF粒子を含む場合に、より顕著となる。
【0010】
本組成物において、Fポリマーは、テトラフルオロエチレン(以下、「TFE」とも記す。)に基づく単位(以下、「TFE単位」とも記す。)を含む、熱溶融性のポリマーである。ここで、熱溶融性のポリマーとは、荷重49Nの条件下、溶融流れ速度が1~1000g/10分となる温度が存在するポリマーを意味する。Fポリマーの溶融温度は、200℃以上が好ましく、260℃以上がさらに好ましい。前記Fポリマーの溶融温度は、325℃以下が好ましく、320℃以下がより好ましい。
Fポリマーは、1種を用いてもよく、2種以上を用いてもよい。
(【0011】以降は省略されています)
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