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公開番号2025002246
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-01-09
出願番号2023102294
出願日2023-06-22
発明の名称電動圧縮機
出願人サンデン株式会社
代理人個人,個人,個人,個人
主分類F04B 39/00 20060101AFI20241226BHJP(液体用容積形機械;液体または圧縮性流体用ポンプ)
要約【課題】電磁ノイズ対策のためのフィルタ部品が大型化したり、フィルタ部品の個数が増加したりした場合であっても、インバータ収容部の投影面積の拡大を抑制することができる電動圧縮機を提供する。
【解決手段】電動圧縮機1において、第1フィルタ回路基板31と第2フィルタ回路基板33とは、一対のバスバー351,351がインサートされた板状の樹脂部材35を挟んで対向配置され、一対のバスバー351,351のそれぞれは、第1フィルタ回路基板31に形成された対応する第1バスバー挿通孔313に挿通された第1突出部351aと、第2フィルタ回路基板33に形成された対応する第2バスバー挿通孔333に挿通された第2突出部351bと、を有し、第1突出部351aが第1フィルタ回路基板31に半田付けされ、第2突出部351bが第2フィルタ回路基板33に半田付けされている。
【選択図】図4
特許請求の範囲【請求項1】
回転軸を回転させるモータ及び前記回転軸の回転によって駆動される圧縮機構を収容するハウジングと、前記ハウジングと一体的に設けられ、前記モータを駆動するインバータを収容するインバータ収容部と、を有する電動圧縮機であって、
前記インバータは、前記モータに給電するインバータ回路部と、電磁ノイズを低減するためのフィルタ回路部と、を有し、
前記フィルタ回路部は、少なくとも1つの第1フィルタ部品が一方の面に実装された第1フィルタ回路基板と、少なくとも1つの第2フィルタ部品が一方の面に実装された第2フィルタ回路基板と、バスバーがインサートされた板状の樹脂部材と、を含み、
前記第1フィルタ回路基板、前記第2フィルタ回路基板及び前記樹脂部材は、前記第1フィルタ回路基板の他方の面と前記第2フィルタ回路基板の他方の面とが前記樹脂部材を挟んで対向配置された状態で前記インバータ収容部に収容されており、
前記バスバーは、前記樹脂部材から前記樹脂部材の厚さ方向の一方側に突出すると共に前記第1フィルタ回路基板に形成された第1バスバー挿通孔に挿通された第1突出部と、前記樹脂部材から前記厚さ方向の他方側に突出すると共に前記第2フィルタ回路基板に形成された第2バスバー挿通孔に挿通された第2突出部と、を有し、前記第1突出部が前記第1フィルタ回路基板に半田付けされ、前記第2突出部が前記第2フィルタ回路基板に半田付けされている、
電動圧縮機。
続きを表示(約 1,200 文字)【請求項2】
前記樹脂部材には、前記樹脂部材を前記厚さ方向に貫通する貫通孔が形成され、
前記バスバーは、前記貫通孔内を前記貫通孔の軸方向に延びて一方の端部が前記第1突出部を形成すると共に他方の端部が前記第2突出部を形成する導電部と、前記導電部に交差して延びて両端部が前記貫通孔の周壁に埋没して保持された被保持部と、を有する、
請求項1に記載の電動圧縮機。
【請求項3】
前記バスバーは、十字状に形成されている、請求項2に記載の電動圧縮機。
【請求項4】
前記樹脂部材は、前記第1フィルタ回路基板の外形及び前記第2フィルタ回路基板の外形の少なくとも一方に対応する外形を有する、請求項1に記載の電動圧縮機。
【請求項5】
前記樹脂部材には、電磁ノイズを遮蔽する遮蔽板であって、前記樹脂部材に内蔵された遮蔽板がさらにインサートされている、請求項1に記載の電動圧縮機。
【請求項6】
前記第1フィルタ回路基板は、熱カシメによって前記樹脂部材の一方の面に固定され、前記第2フィルタ回路基板は、熱カシメによって前記樹脂部材の他方の面に固定されている、請求項1に記載の電動圧縮機。
【請求項7】
前記樹脂部材の前記一方の面には複数の第1ピン部が設けられていると共に、前記樹脂部材の前記他方の面には複数の第2ピン部が設けられており、
前記複数の第1ピン部のそれぞれは、前記第1フィルタ回路基板に形成された対応する第1ピン挿通孔に挿通され、且つ先端部が熱カシメされており、これによって、前記第1フィルタ回路基板が前記樹脂部材の前記一方の面に固定され、
前記複数の第2ピン部のそれぞれは、前記第2フィルタ回路基板に形成された対応する第2ピン挿通孔に挿通され、且つ先端部が熱カシメされており、これによって、前記第2フィルタ回路基板が前記樹脂部材の前記他方の面に固定されている、
請求項6に記載の電動圧縮機。
【請求項8】
前記第1フィルタ回路基板の前記他方の面には前記少なくとも1つの第1フィルタ部品よりも小型の電子部品が実装され、前記第2フィルタ回路基板の前記他方の面には前記少なくとも1つの第2フィルタ部品よりも小型の電子部品が実装されており、
前記樹脂部材の一方の面には、前記少なくとも1つの第1フィルタ部品よりも小型の電子部品を収容する第1凹部が形成され、前記樹脂部材の他方の面には、前記少なくとも1つの第2フィルタ部品よりも小型の電子部品を収容する第2凹部が形成されている、
請求項1に記載の電動圧縮機。
【請求項9】
前記第1フィルタ回路基板の前記他方の面と前記樹脂部材との間及び前記第2フィルタ回路基板の前記他方の面と前記樹脂部材との間のそれぞれに放熱部材が配置されている、請求項1に記載の電動圧縮機。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、電動圧縮機に関する。
続きを表示(約 2,200 文字)【背景技術】
【0002】
電動圧縮機の一例が特許文献1に記載されている。特許文献1に記載された電動圧縮機は、車両用空調装置に用いられるインバータ一体型電動圧縮機である。特許文献1に記載された電動圧縮機は、モータが内蔵されたハウジングと、モータを駆動するためのインバータと、ハウジングに設けられたインバータ収容部と、インバータ収容部を閉塞するカバーと、を有する。インバータは、直流電力を三相交流電力に変換するための6個のパワースイッチング素子と、6個のパワースイッチング素子を制御する制御回路が実装されたインバータ制御基板と、フィルタ部品であるコイルやコンデンサなどが実装されたフィルタ回路基板と、を含み、これらがインバータ収容部内に収容されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特開2020-143594号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
近年、自動車の電動化に伴う電子制御ユニットの高度化などにより、車両用空調装置に用いられる電動圧縮機においてもさらなる電磁ノイズ対策が求められている。そのような電磁ノイズ対策の一つとして、例えばこれまでよりもインダクタンス値の大きいコイルを採用することが考えられる。しかし、インダクタンス値の大きいコイルは部品サイズが大きい。そのため、単にインダクタンス値の大きいコイルを採用すると、フィルタ回路基板の投影面積の拡大、ひいては、フィルタ回路基板を収容するインバータ収容部の投影面積の拡大を招く。インバータ収容部の投影面積が拡大すると、電動圧縮機の設置場所が制限されたり、インバータ収容部を閉塞するカバーが振動の影響を受けやすくなってカバーの振動に起因する騒音が増大したりするおそれがあるので好ましくない。
【0005】
そこで、本発明は、電磁ノイズ対策のためのフィルタ部品が大型化したり、フィルタ部品の個数が増加したりした場合であっても、インバータ収容部の投影面積の拡大を抑制することができる電動圧縮機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一側面によると、電動圧縮機が提供される。提供される電動圧縮機は、回転軸を回転させるモータ及び前記回転軸の回転によって駆動される圧縮機構を収容するハウジングと、前記ハウジングと一体的に設けられ、前記モータを駆動するインバータを収容するインバータ収容部と、を有する。前記インバータは、前記モータに給電するインバータ回路部と、電磁ノイズを低減するためのフィルタ回路部と、を有する。前記フィルタ回路部は、少なくとも1つの第1フィルタ部品が実装された第1フィルタ回路基板と、少なくとも1つの第2フィルタ部品が実装された第2フィルタ回路基板と、バスバーがインサートされた板状の樹脂部材と、を含む。前記第1フィルタ回路基板、前記第2フィルタ回路基板及び前記樹脂部材は、前記第1フィルタ回路基板の他方の面と前記第2フィルタ回路基板の他方の面とが前記樹脂部材を挟んで対向配置された状態で前記インバータ収容部に収容されている。前記バスバーは、前記樹脂部材から前記樹脂部材の厚さ方向の一方側に突出すると共に前記第1フィルタ回路基板に形成された第1バスバー挿通孔に挿通された第1突出部と、前記樹脂部材から前記厚さ方向の他方側に突出すると共に前記第2フィルタ回路基板に形成された第2バスバー挿通孔に挿通された第2突出部と、を有し、前記第1突出部が前記第1フィルタ回路基板に半田付けされ、前記第2突出部が前記第2フィルタ回路基板に半田付けされている。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、電磁ノイズ対策のためのフィルタ部品が大型化したり、フィルタ部品の個数が増加したりした場合であっても、インバータ収容部の投影面積の拡大を抑制することができる電動圧縮機を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
実施形態に係る電動圧縮機の概略縦断面図である。
インバータ及びインバータ収容部を示す概略斜視図である。
フィルタ回路部の断面図である。
フィルタ回路部の分解斜視図である。
樹脂部材の斜視図である。
樹脂部材の部分拡大断面図である。
フィルタ回路部の変形例を示す斜視図である。
フィルタ回路部の変形例を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の実施の形態を添付図面に基づいて説明する。なお、以下の「第1」、「第2」、・・・などの用語は、単に類似の要素を区別するために用いられ、それらが付された要素を限定等するものではない。
【0010】
図1は、本発明の一実施形態に係る電動圧縮機1の概略縦断面図である。実施形態に係る電動圧縮機1は、インバータを一体に有するインバータ一体型電動圧縮機である。電動圧縮機1は、車両用空調装置に用いられる。つまり、電動圧縮機1は、車両に搭載されて車両用空調装置の冷媒回路の一部を構成し、冷媒を圧縮して吐出するように構成される。
(【0011】以降は省略されています)

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