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公開番号2025000392
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-01-07
出願番号2023100226
出願日2023-06-19
発明の名称ケーブルリサイクル方法およびケーブルリサイクルシステム
出願人新日本空調株式会社
代理人弁理士法人永井国際特許事務所
主分類G21F 9/28 20060101AFI20241224BHJP(核物理;核工学)
要約【課題】原子力施設の廃ケーブルをリサイクルする際において、再利用しやすいリサイクル材を生成すること。
【解決手段】前記課題を解決するケーブルリサイクル方法は、原子力施設の廃ケーブルをリサイクルするケーブルリサイクル方法であって、前記廃ケーブルの放射線量を測定する測定工程と、放射線量が予め定めた基準値未満である前記廃ケーブルのうち、動力ケーブルおよび電源ケーブルの少なくとも一方を口径の大きさによって分類するケーブル口径分類工程と、前記分類工程で分類したケーブルのうち、口径が予め定めた大きさ以上である前記ケーブルから被覆材を剥離してピカ銅線を得るピカ銅線取り出し工程と、前記分類工程で分類したケーブルのうち、口径が予め定めた大きさ未満である前記ケーブルを粉砕し、粉砕物を被覆材と銅ナゲットに分離して銅ナゲットを得る銅ナゲット生成工程と、を有し、一連の前記各工程を原子力施設の構内で行うことを特徴とする。
【選択図】図1

特許請求の範囲【請求項1】
原子力施設の廃ケーブルをリサイクルするケーブルリサイクル方法であって、
前記廃ケーブルの放射線量を測定する測定工程と、
放射線量が予め定めた基準値未満である前記廃ケーブルのうち、動力ケーブルおよび電源ケーブルの少なくとも一方を口径の大きさによって分類するケーブル口径分類工程と、
前記分類工程で分類したケーブルのうち、口径が予め定めた大きさ以上である前記ケーブルから被覆材を剥離してピカ銅線を得るピカ銅線取り出し工程と、
前記分類工程で分類したケーブルのうち、口径が予め定めた大きさ未満である前記ケーブルを粉砕し、粉砕物を被覆材と銅ナゲットに分離して銅ナゲットを得る銅ナゲット生成工程と、を有し、
一連の前記各工程を原子力施設の構内で行うことを特徴とするケーブルリサイクル方法。
続きを表示(約 4,200 文字)【請求項2】
原子力施設の廃ケーブルをリサイクルするケーブルリサイクル方法であって、
前記廃ケーブルの放射線量を測定する測定工程と、
放射線量が予め定めた基準値未満である前記廃ケーブルのうち、制御ケーブルおよびデータケーブルの少なくとも一方を粉砕し、粉砕物を被覆材と雑ナゲットに分離して雑ナゲットを得る雑ナゲット生成工程と、を有し、
一連の前記各工程を原子力施設の構内で行うことを特徴とするケーブルリサイクル方法。
【請求項3】
前記測定工程の後に、
放射線量が予め定めた基準値以上である前記廃ケーブルのうち、動力ケーブルおよび電源ケーブルの少なくとも一方から被覆材を剥離して仮ピカ銅線を得る仮ピカ銅線取り出し工程と、
前記仮ピカ銅線の放射線量を測定する仮ピカ銅線測定工程と、を有し、
前記仮ピカ銅線再測定工程の結果、前記仮ピカ銅線の放射線量が予め定めた基準値未満であるときに前記仮ピカ銅線をピカ銅線として流通可能と判定し、
一連の前記各工程を原子力施設の構内で行う請求項1または2記載のケーブルリサイクル方法。
【請求項4】
前記測定工程の後に、
放射線量が予め定めた基準値以上である前記廃ケーブルのうち、制御ケーブルおよびデータケーブルの少なくとも一方から外側の被覆材を剥離して仮雑ナゲット材を得る仮雑ナゲット材取り出し工程と、
前記仮雑ナゲット材の放射線量を測定する仮雑ナゲット材測定工程と、
前記仮雑ナゲット材測定工程の結果、放射線量が予め定めた基準値未満である前記仮雑ナゲット材を粉砕して雑ナゲットを得る仮雑ナゲット材由来雑ナゲット生成工程と、を有し、
一連の前記各工程を原子力施設の構内で行う請求項1または2記載のケーブルリサイクル方法。
【請求項5】
原子力施設の構内に設置される、原子力施設の廃ケーブルをリサイクルするケーブルリサイクルシステムであって、
前記ケーブルリサイクルシステムは、
前記廃ケーブルから被覆材を剥離する被覆材剥離機と、
前記被覆材剥離機の作業エリアに設けられた剥離機排気フードと、
前記剥離機排気フードの後段に設けられ、前記被覆材剥離機の作業エリアで発生した放射性粉塵を含む排気から前記放射性粉塵を除去する金属製の排気浄化フィルタを備えた排気浄化装置と、
前記排気浄化装置の後段に設けられ、前記排気浄化装置から排出される浄化排気に残存する前記放射性粉塵を除去する残塵除去装置と、を有し、
前記残塵除去装置は、前記浄化排気に残存する粒径が0.3μmの粉塵に対して99.97%以上の粒子捕集率を有する残塵除去フィルタを有し、
前記被覆材剥離機に供給する前記廃ケーブルは、
放射線量が予め定めた基準値以上の動力ケーブル、
放射線量が予め定めた基準値以上の電源ケーブル、
放射線量が予め定めた基準値以上の制御ケーブル、
放射線量が予め定めた基準値以上のデータケーブル、
放射線量が予め定めた基準値未満でありかつ口径が予め定めた大きさ以上の動力ケーブル、および
放射線量が予め定めた基準値未満でありかつ口径が予め定めた大きさ以上の電源ケーブル、
の群から選ばれる少なくとも1つのケーブルである、
ことを特徴とするケーブルリサイクルシステム。
【請求項6】
原子力施設の構内に設置される、原子力施設の廃ケーブルをリサイクルするケーブルリサイクルシステムであって、
前記ケーブルリサイクルシステムは、
前記廃ケーブルを小さくする小形化装置と、
前記小形化装置によって小さくした小形物を、液体を用いて被覆材とナゲットに分離する湿式比重選別機と、
分離した前記ナゲットを脱水する脱水機と、
脱水した前記ナゲットを乾燥する乾燥機と、
前記小形化装置、前記湿式比重選別機、前記脱水機および前記乾燥機の群から選ばれる少なくとも1つから排気された放射性粉塵を含む排気から前記放射性粉塵を除去する金属製の排気浄化フィルタを備えた排気浄化装置と、
前記排気浄化装置の後段に設けられ、前記排気浄化装置から排出される浄化排気に残存する前記放射性粉塵を除去する残塵除去装置と、を有し、
前記残塵除去装置は、前記浄化排気に残存する粒径が0.3μmの粉塵に対して99.97%以上の粒子捕集率を有する残塵除去フィルタを有し、
前記小形化装置に供給する前記廃ケーブルは、
放射線量が予め定めた基準値未満でありかつ口径が予め定めた大きさ未満である動力ケーブル、
放射線量が予め定めた基準値未満でありかつ口径が予め定めた大きさ未満である電源ケーブル、
放射線量が予め定めた基準値未満である制御ケーブル、および
放射線量が予め定めた基準値未満であるデータケーブル、
の群から選ばれる少なくとも1つのケーブルである、
ことを特徴とするケーブルリサイクルシステム。
【請求項7】
原子力施設の構内に設置される、原子力施設の廃ケーブルをリサイクルするケーブルリサイクルシステムであって、
前記ケーブルリサイクルシステムは、
前記廃ケーブルを小さくする小形化装置と、
前記小形化装置によって小さくした小形物を被覆材とナゲットに分離する乾式比重選別機と、
前記小形化装置および前記乾式比重選別機の少なくとも一方から排気された放射性粉塵を含む排気から前記放射性粉塵を除去する金属製の排気浄化フィルタを備えた排気浄化装置と、
前記排気浄化装置の後段に設けられ、前記排気浄化装置から排出される浄化排気に残存する前記放射性粉塵を除去する残塵除去装置と、を有し、
前記残塵除去装置は、前記浄化排気に残存する粒径が0.3μmの粉塵に対して99.97%以上の粒子捕集率を有する残塵除去フィルタを有し、
前記小形化装置に供給する前記廃ケーブルは、
放射線量が予め定めた基準値未満でありかつ口径が予め定めた大きさ未満である動力ケーブル、
放射線量が予め定めた基準値未満でありかつ口径が予め定めた大きさ未満である電源ケーブル、
放射線量が予め定めた基準値未満である制御ケーブル、および
放射線量が予め定めた基準値未満であるデータケーブル、
の群から選ばれる少なくとも1つのケーブルである、
ことを特徴とするケーブルリサイクルシステム。
【請求項8】
原子力施設の構内に設置される、原子力施設の廃ケーブルをリサイクルするケーブルリサイクルシステムであって、
前記ケーブルリサイクルシステムは、
前記廃ケーブルが供給され、供給された前記廃ケーブルを破砕する破砕機と、
前記破砕機によって破砕された破砕物を粉砕する粉砕機と、
前記破砕機と前記粉砕機の間を繋ぐ前記破砕物の移動路と、
前記粉砕機によって粉砕された粉砕物を、液体を用いて被覆材とナゲットに分離する湿式比重選別機と、
分離した前記ナゲットを脱水させる脱水機と、
脱水した前記ナゲットを乾燥させる乾燥機と、
前記破砕機、前記粉砕機および前記湿式比重選別機の群から選ばれる少なくとも1つから排気された放射性粉塵を含む排気から前記放射性粉塵を除去する金属製の排気浄化フィルタを備えた排気浄化装置と、
前記排気浄化装置の後段に設けられ、前記排気浄化装置から排出される浄化排気に残存する前記放射性粉塵を除去する残塵除去装置と、を有し、
前記残塵除去装置は、前記浄化排気に残存する粒径が0.3μmの粉塵に対して99.97%以上の粒子捕集率を有する残塵除去フィルタを有し、
前記破砕機に供給する前記廃ケーブルは、
放射線量が予め定めた基準値未満でありかつ口径が予め定めた大きさ未満である動力ケーブル、
放射線量が予め定めた基準値未満でありかつ口径が予め定めた大きさ未満である電源ケーブル、
放射線量が予め定めた基準値未満である制御ケーブル、および
放射線量が予め定めた基準値未満であるデータケーブル、
の群から選ばれる少なくとも1つのケーブルであり、
前記移動路、前記脱水機および前記乾燥機の群から選ばれる少なくとも1つから排気された放射性粉塵を含む排気が、前記排気浄化装置を経由せずに前記残塵除去装置に導かれ、当該排気に含まれる放射性粉塵が前記残塵除去装置によって除去される構成とした、
ことを特徴とするケーブルリサイクルシステム。
【請求項9】
前記湿式比重選別機には、
前記湿式比重選別機で使用した前記液体を循環させて再び前記湿式比重選別機に供給する液体循環路が連結されており、
前記液体循環路には、
前記液体循環路を通過する使用済みの前記液体を浄化する浄化装置が取り付けられており、
前記浄化装置は、
前記液体循環路を通る使用済みの液体である汚染液を散布する汚染液散布部と、
前記液体散布部から散布された前記汚染液のうち、放射性粉塵を含まない部分を凍らせて外面に付着させる凍結コイルと、
前記液体散布部から散布された前記汚染液のうち、放射性粉塵を含む残部を排出する不純液排出口と、
前記液体散布部から前記液体の散布を止めた後に、前記凍結コイルの外面に形成された凍結物を溶解させる溶解促進液を散布する溶解促進液散布部と、
前記溶解促進液散布部から散布された前記溶解促進液によって溶解した放射性粉塵を含まない液体を排出する非不純液排出口と、を有し、
前記非不純液排出口から排出された放射性粉塵を含まない前記液体を前記湿式比重選別機で用いる構成とした請求項6または8記載のケーブルリサイクルシステム。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、原子力施設の廃ケーブルをリサイクルするケーブルリサイクル方法およびケーブルリサイクルシステムに関する。
続きを表示(約 1,800 文字)【背景技術】
【0002】
原子力施設の運転や解体に伴って様々な廃材が生じる。このような廃材のうち、放射性物質によって汚染されていない廃棄物(「放射性廃棄物でない廃棄物(NR(Non radioactive Waste))」という)は、産業廃棄物として原子力施設の外に持ち出し、再利用または処分することができる。この放射性廃棄物でない廃棄物の代表例として、金属・コンクリート類の資材や工具類の物品を挙げることができる。原子力施設内のクリーンエリアに設置された廃ケーブルは、その設置場所などを考慮すると放射性物質による汚染のないことが明らかであるため、放射性廃棄物でない廃棄物として処理できる可能性が高い。
【0003】
また、前記廃材のうち、放射性物質の放射能濃度が低く、人の健康への影響がほとんどないものについては、放射性廃棄物として扱うのではなく、通常の廃棄物として原子力施設の構外に持ち出し、再利用又は処分することができるクリアランス制度が設けられている。
【0004】
前述のクリアランス制度の基準値となる放射能濃度をクリアランスレベルといい、具体的には、1年間に受ける放射線量が0.01ミリシーベルト(10マイクロシーベルト)となる放射能濃度と定められている。
【0005】
しかしながら、日本においてはこのクリアランス制度が社会に定着していない。そのため、クリアランス制度の前記基準値をクリアした廃材であっても、電気事業者が自主的にその廃材の再利用先を限定し、市場に流通することがないように運用されている実情がある。従って、原子力施設から生じる廃材は、再利用先が決まるまでの間、原子力施設の内部で保管されることになる。
【0006】
原子力施設から生じる廃材にはケーブルも多い。このケーブルは物量が多く、しかも嵩張ることから、広い保管場所が必要になるという問題がある。
【0007】
ケーブルのリサイクルに関しては、以下のような先行する特許文献1~9がある。
特許文献1に開示された屑線回収方法は、故電線を金属と被覆に分離して屑線を回収する方法を改良したものである。具体的には、故電線を粉砕機で粉砕した後、粉砕された電線屑を圧延機で圧延することで、銅線とプラスチックの被覆とに分離し、最後に風力選別機で被覆粉と銅粉に分離するという内容が開示されている。
【0008】
特許文献2に開示された廃電線から鋼材を分離回収する方法は、一部にアルミニウム材が使用された廃電線からアルミニウム材を分離して銅線材を分離回収するものである。この方法は、以下の第1~第3工程を有している。まず第1工程で、廃電線を破砕して、銅線材、アルミニウム材、及びプラスチックを含む絶縁材に個別分離する。次に第2工程で、第1工程で個別分離された銅線材、アルミニウム材、及び絶縁材の混合物を湿式又は乾式の第1の比重選別機にかけて、銅線材及びアルミニウム材を絶縁材から分別する。そして第3工程で、第2工程で分別された銅線材及びアルミニウム材を更に湿式又は乾式の第2の比重選別機にかけて、銅線材とアルミニウム材とに分別する。
【0009】
特許文献3に開示された金属電線からの金属回収方法および金属分回収システムは、特許文献1や2と同様に、金属電線から金属分である芯材を回収するというものである。この特許文献3の発明によれば、剥離された絶縁材を分離する際に、脱水・乾燥・湿式工程の導入をしなくともよい、薬剤の使用がない、という利点があるとされている。
【0010】
特許文献4に開示された被覆銅線屑の処理方法は、被覆銅線屑をナゲット処理し、銅ナゲットと被覆樹脂とを得る銅ナゲット選別工程と、被覆樹脂を流動層式ガス化溶融炉に投入して被覆樹脂を熱分解させ、銅を含む固体回収物を得ることを含むものである。前記銅ナゲット選別工程は、被覆銅線屑を切断するステップ(S1)と、一次破砕と磁選をするステップ(S2)と、二次破砕と磁選をするステップ(S3)と、非磁性物から銅ナゲットと樹脂物とを分離して回収するステップ(S4)と、を有する。
(【0011】以降は省略されています)

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