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公開番号2024135995
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-10-04
出願番号2023046937
出願日2023-03-23
発明の名称電子線照射装置
出願人トヨタ自動車株式会社,トリニティ工業株式会社
代理人個人
主分類G21K 5/10 20060101AFI20240927BHJP(核物理;核工学)
要約【課題】照射室の搬入経路及び搬出経路の閉鎖を行わず照射室内の窒素濃度を維持しつつX線の漏洩を抑制可能な電子線照射装置を提供すること。
【解決手段】本開示に係る電子線照射装置は、ワークに電子線を照射する中空状の略直方体の照射室と、照射室の内部上方に配置された窒素を供給する窒素供給部と、照射室の底面の一方側に連結され、ワークを照射室に搬入するための搬入経路と、照射室の底面の他方側に連結され、ワークを照射室から搬出するための搬出経路と、を備え、照射室の底面より下側に設けられた搬入経路および搬出経路はそれぞれ、照射室に向かって延在する第1の経路と、第1の経路の端部から上方に向かって延在する第2の経路と、第2の経路の端部から照射室の側面に沿って平行に延在する第3の経路と、第3の経路の端部から上方に向かって延在する第4の経路とを少なくとも備え、第4の経路と、照射室の底面とが連結されている。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
電子線をワークに照射して当該ワークを硬化するための電子線照射装置であって、
前記電子線照射装置は、
前記ワークに前記電子線を照射する中空状の略直方体の照射室と、
前記照射室の内部上方に配置された窒素を供給する窒素供給部と、
前記照射室の底面の一方側に連結され、前記ワークを前記照射室に搬入するための搬入経路と、
前記照射室の底面の他方側に連結され、前記ワークを前記照射室から搬出するための搬出経路と、を備え、
前記照射室の底面より下側に設けられた前記搬入経路および前記搬出経路はそれぞれ、
前記照射室に向かって延在する第1の経路と、
前記第1の経路の端部から上方に向かって延在する第2の経路と、
前記第2の経路の端部から前記照射室の側面に沿って平行に延在する第3の経路と、
前記第3の経路の端部から上方に向かって延在する第4の経路と、を少なくとも備え、
前記第4の経路と、前記照射室の底面とが連結されている、
電子線照射装置。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本開示は電子線照射装置に関する。
続きを表示(約 1,900 文字)【背景技術】
【0002】
電子線をワークに照射して当該ワークを硬化するための電子線照射装置が知られている。特許文献1には、搬送される被照射物(ワーク)を、90~180度の角度で搬送の向きを変えてワークに電子線を照射する照射室内に導く搬送ロールと、照射室内において搬送されるワークに電離放射線を照射する電離放射線発生装置と、照射後のワークを70度以上の角度で搬送の向きを変える搬送ロールとを有する電離放射線照射装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特開2004-37138号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ワークに電子線を照射する際に、照射室の内部から酸素を除去するために窒素が充填される。また、ワークに電子線が照射されるとX線が発生する。照射室からの窒素とX線の漏洩を防ぐために照射室は遮蔽する必要がある。発明者らは、照射室へワークを搬入する搬入経路の搬入口と、搬出経路の搬出口とにシャッター等を設けず遮蔽しない場合は窒素とX線が照射室から漏洩するおそれがあり、シャッター等を設け照射室を遮蔽した場合はシャッター開閉に時間を要するためサイクルタイムが増加するという問題を見出した。
【0005】
本開示は、上記の問題を鑑みてなされたものであり、電子線の照射室に連結された搬入経路および搬出経路の閉鎖を行うことなく照射室内部の窒素濃度を維持しつつX線の漏洩を抑制可能な電子線照射装置を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示に係る電子線照射装置は、電子線をワークに照射して当該ワークを硬化するための電子線照射装置であって、前記電子線照射装置は、前記ワークに前記電子線を照射する中空状の略直方体の照射室と、前記照射室の内部上方に配置された窒素を供給する窒素供給部と、前記照射室の底面の一方側に連結され、前記ワークを前記照射室に搬入するための搬入経路と、前記照射室の底面の他方側に連結され、前記ワークを前記照射室から搬出するための搬出経路と、を備え、前記照射室の底面より下側に設けられた前記搬入経路および前記搬出経路はそれぞれ、前記照射室に向かって延在する第1の経路と、前記第1の経路の端部から上方に向かって延在する第2の経路と、前記第2の経路の端部から前記照射室の側面に沿って平行に延在する第3の経路と、前記第3の経路の端部から上方に向かって延在する第4の経路と、を少なくとも備え、前記第4の経路と、前記照射室の底面とが連結されている。
【0007】
本開示に係る電子線照射装置では、窒素供給部と、照射室の底面より下側に設けられた搬入経路および搬出経路がそれぞれ、照射室に向かって延在する第1の経路と、第1の経路の端部から上方に向かって延在する第2の経路と、第2の経路の端部から照射室の側面に沿って平行に延在する第3の経路と、第3の経路の端部から上方に向かって延在する第4の経路と、を少なくとも備え、第4の経路と、照射室の底面とが連結されている。照射室に窒素を層流状に連続供給することによって照射室内の窒素濃度を維持しつつ、ワークの搬送方向が複数回変更されることにより、照射室内で発生したX線が複数回反射されて減衰するため、X線の漏洩も抑制することができる。よって、電子線の照射室に連結された搬入経路および搬出経路の閉鎖を行うことなく照射室内部の窒素濃度を維持しつつX線の漏洩を抑制可能な電子線照射装置を提供できる。
【発明の効果】
【0008】
本開示により、電子線の照射室に連結された搬入経路および搬出経路の閉鎖を行うことなく照射室内部の窒素濃度を維持しつつX線の漏洩を抑制可能な電子線照射装置を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
実施の形態に係る電子線照射装置を示す斜視図である。
実施の形態に係る電子線照射装置を示す正面図および平面断面図である。
実施例および比較例に係る電子線照射装置内の窒素濃度を示す模式図およびグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本開示の具体的な実施の形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。
なお、図に示した右手系xyz座標は、構成要素の位置関係を説明するための便宜的なものである。特に言及のない限り、z軸プラス向きが鉛直上向きである。また、xy平面が水平面である。
(【0011】以降は省略されています)

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