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公開番号2024180603
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-12-26
出願番号2024181248,2023129287
出願日2024-10-16,2019-03-14
発明の名称炭化珪素半導体装置の製造方法
出願人富士電機株式会社
代理人弁理士法人酒井総合特許事務所
主分類H01L 29/12 20060101AFI20241219BHJP(基本的電気素子)
要約【課題】不良品を抑えることができる炭化珪素半導体装置の製造方法を提供する。
【解決手段】第1導電型の第1半導体層2と、第1半導体層2の上に形成される第2導電型の第2半導体層6と、第2半導体層6を貫通して第1半導体層2に達するトレンチ16と、を有する半導体基体を備える炭化珪素半導体装置の製造方法である。第1のイオン注入により、第1半導体層2内に第2導電型のベース領域3,4を選択的に形成する工程と、第2のイオン注入により、第2半導体層6の表面層に選択的に第1導電型のソース領域7を形成する工程と、を含み、第1のイオン注入では、半導体基体の垂線に対し3度以上チルトさせる。
【選択図】図10
特許請求の範囲【請求項1】
第1導電型の第1半導体層と、前記第1半導体層の上に形成される第2導電型の第2半導体層と、前記第2半導体層を貫通して前記第1半導体層に達するトレンチと、を有する半導体基体を備える炭化珪素半導体装置の製造方法であって、
第1のイオン注入により、前記第1半導体層内に第2導電型のベース領域を選択的に形成する工程と、
第2のイオン注入により、前記第2半導体層の表面層に選択的に第1導電型のソース領域を形成する工程と、
を含み、
前記ベース領域の底面が前記トレンチよりも深くに位置する第1ベース領域を有し、該第1ベース領域への前記第1のイオン注入では、前記半導体基体の垂線に対し3度以上チルトさせることを特徴とする炭化珪素半導体装置の製造方法。
続きを表示(約 1,200 文字)【請求項2】
第1導電型の第1半導体層と、前記第1半導体層の上に形成される第2導電型の第2半導体層と、前記第2半導体層を貫通して前記第1半導体層に達するトレンチと、を有する半導体基体を備える炭化珪素半導体装置の製造方法であって、
第1のイオン注入により、前記第1半導体層内に第2導電型のベース領域を選択的に形成する工程と、
第2のイオン注入により、前記第2半導体層の表面層に選択的に第1導電型のソース領域を形成する工程と、
を含み、
前記ベース領域の底面が前記トレンチよりも深くに位置する第1ベース領域を有し、前記第1ベース領域を形成する工程では、前記第2のイオン注入に比べて3度以上チルトさせて前記第1のイオン注入を実施することを特徴とする炭化珪素半導体装置の製造方法。
【請求項3】
前記トレンチに絶縁膜を介してゲート電極を埋め込みゲートトレンチを形成する工程を含むことを特徴とする請求項1または2に記載の炭化珪素半導体装置の製造方法。
【請求項4】
前記ゲートトレンチをストライプ状に形成することを特徴とする請求項3に記載の炭化珪素半導体装置の製造方法。
【請求項5】
前記ベース領域は、上面視で2つの前記ゲートトレンチに挟まれていることを特徴とする請求項4に記載の炭化珪素半導体装置の製造方法。
【請求項6】
前記第1ベース領域を形成する工程では、前記第1のイオン注入を実施する際に、前記ゲートトレンチが形成される部分をマスクし、上面視で前記ゲートトレンチに挟まれる部分に開口部を設ける工程を有することを特徴とする請求項5に記載の炭化珪素半導体装置の製造方法。
【請求項7】
前記第1ベース領域を形成する工程では、下部第1ベース領域を形成する工程と、
前記下部第1ベース領域に重なるように上部第1べース領域を形成する工程と、
を有することを特徴とする請求項5または6に記載の炭化珪素半導体装置の製造方法。
【請求項8】
前記ベース領域を形成する工程では、少なくとも一部が前記トレンチの底部と接する第2ベース領域を形成する工程を有することを特徴とする請求項1から7のいずれか1項に記載の炭化珪素半導体装置の製造方法。
【請求項9】
第3のイオン注入により、前記第1半導体層より高不純物濃度の第1導電型の半導体領域を前記第1半導体層内に形成する工程を含み、
前記ベース領域を形成する工程では、前記第2のイオン注入および前記第3のイオン注入に比べて3度以上チルトさせて前記第1のイオン注入を実施することを特徴とする請求項1から8のいずれか1項に記載の炭化珪素半導体装置の製造方法。
【請求項10】
前記半導体基体は、4度±0.5度のオフ角を有することを特徴とする請求項1から9のいずれか1項に記載の炭化珪素半導体装置の製造方法。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
この発明は、炭化珪素半導体装置の製造方法に関する。
続きを表示(約 2,300 文字)【背景技術】
【0002】
従来、高電圧や大電流を制御するパワー半導体装置の構成材料として、シリコン(Si)が用いられている。パワー半導体装置は、バイポーラトランジスタやIGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor:絶縁ゲート型バイポーラトランジスタ)、MOSFET(Metal Oxide Semiconductor Field Effect Transistor:絶縁ゲート型電界効果トランジスタ)など複数種類あり、これらは用途に合わせて使い分けられている。
【0003】
例えば、バイポーラトランジスタやIGBTは、MOSFETに比べて電流密度は高く大電流化が可能であるが、高速にスイッチングさせることができない。具体的には、バイポーラトランジスタは数kHz程度のスイッチング周波数での使用が限界であり、IGBTは数十kHz程度のスイッチング周波数での使用が限界である。一方、パワーMOSFETは、バイポーラトランジスタやIGBTに比べて電流密度が低く大電流化が難しいが、数MHz程度までの高速スイッチング動作が可能である。
【0004】
しかしながら、市場では大電流と高速性とを兼ね備えたパワー半導体装置への要求が強く、IGBTやパワーMOSFETはその改良に力が注がれ、現在ではほぼ材料限界に近いところまで開発が進んでいる。パワー半導体装置の観点からシリコンに代わる半導体材料が検討されており、低オン電圧、高速特性、高温特性に優れた次世代のパワー半導体装置を作製(製造)可能な半導体材料として炭化珪素(SiC)が注目を集めている。
【0005】
その背景には、SiCは化学的に非常に安定な材料であり、バンドギャップが3eVと広く、高温でも半導体として極めて安定的に使用できる点が挙げられる。また、最大電界強度もシリコンより1桁以上大きいからである。SiCはシリコンにおける材料限界を超える可能性大であることからパワー半導体用途、特にMOSFETでは今後の伸長が大きく期待される。特にそのオン抵抗が小さいことが期待されている。高耐圧特性を維持したままより一層の低オン抵抗を有する縦型SiC-MOSFETが期待できる。
【0006】
従来の炭化珪素半導体装置の構造について、縦型MOSFETを例に説明する。図23は、従来の炭化珪素半導体装置の構造を示す断面図である。図23は、トレンチ型MOSFET150の例である。図23に示すように、n
+
型炭化珪素基板101のおもて面にn型バッファ層118が堆積され、n型バッファ層118のおもて面にn
-
型炭化珪素エピタキシャル層102が堆積されている。
【0007】

-
型炭化珪素エピタキシャル層102の内部にn
+
型領域117、第1p
+
型ベース領域103、第2p
+
型ベース領域104、n型高濃度領域105、p型ベース層106が選択的に設けられる。また、p型ベース層106の表面にn
++
型ソース領域107、p
++
型コンタクト領域108が選択的に設けられる。
【0008】
また、n
++
型ソース領域107およびp型ベース層106を貫通して、n型高濃度領域105に達するトレンチ116が設けられ、トレンチ116の内壁に沿って、トレンチ116の底部および側壁にゲート絶縁膜109が設けられ、トレンチ116内のゲート絶縁膜109の内側にゲート電極110が設けられている。p
++
型コンタクト領域108およびn
++
型ソース領域107の表面に、ソース電極112が設けられ、ソース電極112上には、ソース電極パッド115が設けられている。また、炭化珪素半導体基体の第1主面側の全面に、トレンチ116に埋め込まれたゲート電極110を覆うように層間絶縁膜111が設けられている。ソース電極112と層間絶縁膜111との間に、バリアメタル114が設けられている。また、n
+
型炭化珪素基板101の裏面には、裏面電極113が設けられている。
【0009】
第1p
+
型ベース領域103および第2p
+
型ベース領域104を設けることで、トレンチ116の底部と深さ方向(ソース電極112から裏面電極113への方向)に近い位置に、第1p
+
型ベース領域103および第2p
+
型ベース領域104と、n
-
型炭化珪素エピタキシャル層102およびn
+
型領域117とのpn接合を形成することができる。このようなpn接合を形成することで、トレンチ116の底部のゲート絶縁膜109に高電界が印加されることを防止することができる。このため、ワイドバンドギャップ半導体を半導体材料として用いた場合においても高耐電圧化が可能となる。
【0010】
第1p
+
型ベース領域103および第2p
+
型ベース領域104は、n
-
型炭化珪素エピタキシャル層102のおもて面に、n型のエピタキシャル層を成長させた後に、アルミニウム(Al)等のp型のドーパントをイオン注入することにより形成している。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
(【0011】以降は省略されています)

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