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公開番号2024177741
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-12-24
出願番号2023096048
出願日2023-06-12
発明の名称筒内噴射エンジンの燃料デリバリ構造
出願人トヨタ自動車株式会社
代理人個人,個人
主分類F02M 55/02 20060101AFI20241217BHJP(燃焼機関;熱ガスまたは燃焼生成物を利用する機関設備)
要約【課題】コストアップを抑制しつつ、燃料噴射圧力の高圧化およびセンター噴射方式に適切に対応することが可能な筒内噴射エンジンの燃料デリバリ構造を提供する。
【解決手段】シリンダヘッド2と、シリンダヘッドカバー3と、シリンダヘッド2の燃焼室に燃料を噴射するインジェクター4と、インジェクター4に燃料を圧送して供給する燃料デリバリパイプ5と、を備え、燃料を燃焼室に直接噴射し、火花点火で燃焼させる筒内噴射エンジンの燃料デリバリ構造において、シリンダヘッドカバー3を金属製とし、インジェクター4を、シリンダヘッドカバー3および燃焼室の直上に配置し、燃料デリバリパイプ5を、インジェクター4の直上でインジェクター4に接続するように配置して、シリンダヘッドカバー3に固定する。
【選択図】図6
特許請求の範囲【請求項1】
シリンダヘッドと、前記シリンダヘッドに取り付けられ、前記シリンダヘッドの上面を覆うシリンダヘッドカバーと、前記シリンダヘッドの燃焼室に燃料を噴射するインジェクターと、前記インジェクターに前記燃料を圧送して供給する燃料デリバリパイプと、を備え、前記燃料を前記燃焼室に直接噴射し、火花点火で燃焼させる筒内噴射エンジンの燃料デリバリ構造であって、
前記シリンダヘッドカバーは金属製であり、
前記インジェクターは、前記シリンダヘッドカバーおよび前記燃焼室の直上に配置され、
前記燃料デリバリパイプは、前記インジェクターの直上で前記インジェクターに接続するように配置され、前記シリンダヘッドカバーに固定されている
ことを特徴とする筒内噴射エンジンの燃料デリバリ構造。
続きを表示(約 310 文字)【請求項2】
請求項1に記載の筒内噴射エンジンの燃料デリバリ構造であって、
前記燃料デリバリパイプは、
前記燃料の流動方向に延びる本管部を有しており、
前記本管部の長さ方向を中心にした両側の所定の位置でそれぞれ前記シリンダヘッドカバーに固定されている
ことを特徴とする筒内噴射エンジンの燃料デリバリ構造。
【請求項3】
請求項2に記載の筒内噴射エンジンの燃料デリバリ構造であって、
前記燃料デリバリパイプは、前記長さ方向を中心にした両側の筋交いの位置でそれぞれ前記シリンダヘッドカバーに固定されている
ことを特徴とする筒内噴射エンジンの燃料デリバリ構造。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
この発明は、車両に搭載される火花点火式のエンジンに関し、特に、燃焼室に燃料を直接噴射する筒内噴射エンジンの燃料デリバリ構造に関するものである。
続きを表示(約 2,800 文字)【背景技術】
【0002】
特許文献1には、複数のインジェクターと、複数のインジェクターがそれぞれ挿入される複数のインジェクターチューブ、および、複数の点火プラグがそれぞれ挿入される複数の点火プラグチューブが設けられたシリンダヘッドと、シリンダヘッドに取り付けられるヘッドカバーと、複数のインジェクターに燃料を供給する燃料デリバリパイプと、を備えた内燃機関(ガソリンエンジン等の火花点火式エンジン)に関する発明が記載されている。この特許文献1に記載された内燃機関では、インジェクタホルダーは、第1端部と第1インジェクター貫通孔との間の第1の領域、および、第2端部と第2インジェクター貫通孔との間の第2の領域において燃料デリバリパイプと連結されている。第1の領域および第2の領域は、第1インジェクター貫通孔と第2インジェクター貫通孔との間の第3の領域よりも剛性が低くなるように形成されている。それにより、燃料デリバリパイプとインジェクタホルダーの熱膨張の違いによってインジェクタホルダーに発生する応力を緩和する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特開2021-85382号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記のように、特許文献1に記載された内燃機関は、インジェクターで燃料を燃焼室に直接噴射する筒内噴射(直噴)エンジンであり、インジェクターを燃焼室のほぼ直上に配置した、いわゆるセンター噴射方式の直噴エンジンである。また、特許文献1では、その直噴エンジンの燃料デリバリ構造が開示されている。そのような、インジェクターを直上に配置した直噴エンジンおよび燃料デリバリ構造のもう一つの例を図1に示してある。図1に示す直噴エンジン100は、樹脂製のシリンダヘッドカバー101を備えている。シリンダヘッドカバー101は、カムキャリア(または、カムハウジング)102が組み込まれており、カムキャリア102と共に、シリンダヘッド103に組み付けられる。そして、この直噴エンジン100の燃料デリバリ構造では、シリンダヘッドカバー101の上面に、金属製のインジェクタホルダー104を介して、四本のインジェクター105、および、燃料デリバリパイプ106が取り付けられる。燃料デリバリパイプ106の一端には、高圧の燃料ポンプ107が接続されており、その燃料ポンプ107から圧送される燃料が、燃料デリバリパイプ106を介して、各インジェクタ-105に供給される。
【0005】
上記のようなセンター噴射方式の直噴エンジン100では、インジェクター105は、シリンダヘッド103の燃焼室(図示せず)の直上で、吸気弁(図示せず)と排気弁(図示せず)との間で、点火プラグ(図示せず)に近接して配置される。そのため、燃焼室内に成層混合気を形成するのに有利となる。また、インジェクター105がシリンダヘッドの内部に埋め込まれるので、インジェクター105の作動音が外部に放出されにくくなる。そして、樹脂製のシリンダヘッドカバー101を採用したことにより、直噴エンジン100の軽量化や遮音性の向上を図ることができる。その一方で、直噴エンジン100の燃料デリバリ構造では、燃料噴射圧力の高圧化に対応して、樹脂製のシリンダヘッドカバー101の強度や剛性を補うために、アルミニウム合金製のインジェクタホルダー104やカムキャリア102が用いられている。そのため、燃料噴射圧力の高圧化やセンター噴射方式に対応していない従来の直噴エンジンと比べ、部品点数が増加して、コストアップの要因となってしまう。
【0006】
この発明は上記のような技術的課題に着目して考え出されたものであり、コストアップを抑制し、または、コストダウンを図りつつ、燃料噴射圧力の高圧化およびセンター噴射方式に適切に対応することが可能な筒内噴射エンジンの燃料デリバリ構造を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の目的を達成するために、この発明は、シリンダヘッドと、前記シリンダヘッドに取り付けられ、前記シリンダヘッドの上面を覆うシリンダヘッドカバーと、前記シリンダヘッドの燃焼室に燃料を噴射するインジェクターと、前記インジェクターに前記燃料を圧送して供給する燃料デリバリパイプと、を備え、前記燃料を前記燃焼室に直接噴射し、火花点火で燃焼させる筒内噴射エンジンの燃料デリバリ構造であって、前記シリンダヘッドカバーは金属製であり、前記インジェクターは、前記シリンダヘッドカバーおよび前記燃焼室の直上に配置され、前記燃料デリバリパイプは、前記インジェクターの直上で前記インジェクターに接続するように配置され、前記シリンダヘッドカバーに固定されている
ことを特徴とするものである。
【0008】
また、この発明における前記燃料デリバリパイプは、前記燃料の主流の流動方向に延びる本管部を有しており、前記本管部の長さ方向を中心にした左右または上下両側の所定の位置でそれぞれ前記シリンダヘッドカバーに固定された構成であってもよい。
【0009】
そして、この発明における前記燃料デリバリパイプは、前記長さ方向を中心にした左右または上下両側の筋交いの位置でそれぞれ前記シリンダヘッドカバーに固定された構成であってもよい。
【発明の効果】
【0010】
この発明で対象にするエンジンは、例えば、ガソリンエンジンに代表される火花点火機関であり、インジェクターで燃料を燃焼室に直接噴射する筒内噴射(直噴)エンジンである。また、インジェクターをシリンダヘッドの燃焼室のほぼ直上に配置した、いわゆるセンター噴射方式の直噴エンジンである。そして、この発明の筒内噴射エンジンの燃料デリバリ構造では、燃料デリバリパイプが、インジェクターのほぼ直上に配置されて、インジェクターに接続される。燃料デリバリパイプは、金属製のシリンダヘッドカバーに取り付けられて固定される。金属製のシリンダヘッドカバーは、樹脂製のシリンダヘッドカバーと比較して強度や剛性が高いので、例えば、樹脂製のシリンダヘッドカバーと共に採用されるインジェクタホルダーやカムキャリアあるいはカムハウジング等の部品を廃止できる。そのため、例えば、燃料噴射圧力の高圧化に対応して高い強度や剛性が要求される場合であっても、センター噴射方式のインジェクターを保持する強度や剛性を適切に確保しつつ、樹脂製のシリンダヘッドカバーを採用した場合と比較し、部品点数を削減することができる。
(【0011】以降は省略されています)

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