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公開番号
2024177574
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2024-12-19
出願番号
2024178523,2021165466
出願日
2024-10-11,2021-10-07
発明の名称
節足動物捕獲器及び節足動物捕獲方法
出願人
国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構
代理人
弁理士法人平木国際特許事務所
主分類
A01M
1/00 20060101AFI20241212BHJP(農業;林業;畜産;狩猟;捕獲;漁業)
要約
【課題】水田等の水面及び水生・湿生植物を生息域とする節足動物を分類、計数するために、効率よく捕獲することが可能な捕獲器及び捕獲方法を提供する。
【解決手段】底部、屋根部及び側部を備える、中空構造を有する本体を備え、前記本体は、側部に少なくとも1つの開口を有し、底部の上面に、粘着剤が塗布された粘着領域を備え、底部の下面に、浮き材を備える、節足動物捕獲器、及びこれを用いた節足動物の捕獲方法。
【選択図】図1
特許請求の範囲
【請求項1】
底部、屋根部及び側部を備える、中空構造を有する本体を備え、
本体は、側部に少なくとも1つの開口を有し、
底部の上面に、粘着剤が塗布された粘着領域を備え、
底部の下面に、浮き材を備え、
前記本体及び浮き材が耐水性の素材で形成されており、
底部上面が略水平な状態となるように水面上に浮遊可能である、
水面及び水生・湿生植物を生息域とする節足動物を捕獲するための節足動物捕獲器。
続きを表示(約 490 文字)
【請求項2】
一方端が本体又は浮き材に取り付けられた耐水性の固定紐をさらに備える、請求項1に記載の捕獲器。
【請求項3】
前記固定紐の他方端に耐水性の固定部材を備え、前記固定部材がOリング又はS字フックであり、杭又は植物の茎に本体を固定可能である、請求項2に記載に捕獲器。
【請求項4】
前記側部の高さが、0.5~10cmである、請求項1~3のいずれか1項に記載の捕獲器。
【請求項5】
屋根部の上面が略水平である、請求項1~4のいずれか1項に記載の捕獲器。
【請求項6】
側部に、本体の中心を挟んで互いに対向する、少なくとも2つの開口を有する、請求項1~5のいずれか1項に記載の捕獲器。
【請求項7】
側部の少なくとも1つの開口が、側部下端まで延在する、請求項1~6のいずれか1項に記載の捕獲器。
【請求項8】
前記節足動物がクモである、請求項1~7のいずれか1項に記載の捕獲器。
【請求項9】
前記クモがコモリグモである、請求項8に記載の捕獲器。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、水面等を生息域とするクモ等の節足動物を捕獲するための捕獲器、及び、水面等を生息域とするクモ等の節足動物を捕獲するための方法に関する。
続きを表示(約 3,300 文字)
【背景技術】
【0002】
水田内に生息するクモ類、昆虫類等の節足動物、特にコモリグモ類は、水稲害虫のウンカ・ヨコバイ等を捕食する天敵として知られる。コモリグモ類は、水田内の生息密度が高く、捕食効率が高いことから、水稲害虫の防除における利活用が期待されている。このような天敵を効率的に害虫防除に利用するためには、水田における発生状況を把握することが重要である。天敵の発生状況を把握するために、従来は、水田内のイネ及びその付近の天敵を直接目視・計数する方法が採用されてきた。しかし、この方法は、天敵の種類を瞬時に判別しなければならず、経験を積んだ調査者でなければ実施が困難な方法であった。また、天敵の行動特性の影響で、天候や時間帯によって目視・計数結果の変動が大きくなり得るため、高精度での調査が困難であった。また、エンジンブロワ等で天敵を吸引して捕獲する方法もとられるが、吸引作業及び吸引後の試料の分別作業が煩雑であること、調査者の接近やエンジンブロワの音によりクモが逃げるため、効率よく捕獲できない等の問題があった。
【0003】
作物害虫の発生状況を調査する他の方法として、トラップを設置する方法が知られる。この方法は、トラップを所定位置に所定の時間設置した後に、捕獲された害虫等の観察を行う方法である。例えば、所定の時間を数時間~数日間に設定することで、捕獲される対象の種類や数について、時間帯や天候の影響を受けにくくすることができる。また、トラップ内に残存する対象に対して分類・計数を行うため、熟練した調査者でなくても容易に実施することができる。このようなトラップを用いた調査方法として、非特許文献1には、水田の水面に粘着物質を塗布した発泡スチロール塊を浮かべて、捕獲されるクモ類の計数と観察を行う方法が開示されている。また、非特許文献2には、ピットフォールトラップを池の水面に浮かべ、生息するクモ類を捕獲する方法が開示されている。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0004】
M. J. Oraze, et al., J. Arachnol., Vol.16: 331-337 (1988)
A. K. Graham, et al., J. Arachnol., Vol.31: 78-89 (2003)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
非特許文献1に示す方法で使用されるトラップは、粘着面が露出しているが、水稲害虫の天敵となる徘徊性のクモ類は、鳥等の捕食者から身を隠す場所を探して移動する行動特性を有するため、露出した粘着面では効率的に捕獲することが困難である。また、非特許文献2に示す方法は、捕獲部分がコップ状のため、ある程度の水深を有する池等の設置には適しているが、水深の浅い水田には設置が不可能である。
【0006】
本発明の目的は、上記のような従来の問題を解消し、水田等の水面及び水生・湿生植物を生息域とする節足動物を分類、計数するために、効率よく捕獲することが可能な捕獲器及び捕獲方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、本発明者は鋭意研究を重ねた結果、粘着剤が塗布された底部とそれを覆う屋根部を有し、水面に浮遊可能な粘着トラップを用いることで、水田内に生息する節足動物を効率よく捕獲できることを見出した。本発明は、当該新規知見に基づくものであって、具体的には以下の発明を提供する。
(1)底部、屋根部及び側部を備える、中空構造を有する本体を備え、本体は、側部に少なくとも1つの開口を有し、底部の上面に、粘着剤が塗布された粘着領域を備え、底部の下面に、浮き材を備え、前記本体及び浮き材が耐水性の素材で形成されており、底部上面が略水平な状態となるように水面上に浮遊可能である、水面及び水生・湿生植物を生息域とする節足動物を捕獲するための節足動物捕獲器。
(2)一方端が本体又は浮き材に取り付けられた耐水性の固定紐をさらに備える、(1)に記載の捕獲器。
(3)前記固定紐の他方端に耐水性の固定部材を備え、前記固定部材がOリング又はS字フックであり、杭又は植物の茎に固定紐を介して本体を固定可能である、(2)に記載に捕獲器。
(4)前記側部の高さが、0.5~10cmである、(1)~(3)のいずれかに記載の捕獲器。
(5)屋根部の上面が略水平である、(1)~(4)のいずれかに記載の捕獲器。
(6)側部に、本体の中心を挟んで互いに対向する、少なくとも2つの開口を有する、(1)~(5)のいずれかに記載の捕獲器。
(7)側部の少なくとも1つの開口が、側部下端まで延在する、(1)~(6)のいずれかに記載の捕獲器。
(8)前記節足動物がクモである、(1)~(7)のいずれかに記載の捕獲器。
(9)前記クモがコモリグモである、(8)に記載の捕獲器。
【発明の効果】
【0008】
本発明によると、水田等の水面及び水生・湿生植物を生息域とする節足動物を分類、計数するために、効率よく捕獲することが可能な捕獲器及び捕獲方法を提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
本発明の節足動物捕獲器の一実施形態の外観を示す斜視図である。
図1のA-A’断面図である。
図1のB-B’断面図である。
本発明の節足動物捕獲器の別の実施形態の外観を示す写真である。節足動物捕獲器を実際に水田に設置した状態を示す。
本発明の節足動物捕獲器の別の実施形態で水田の節足動物を捕獲した後の、節足動物捕獲器の粘着領域の写真を示す。
本発明の節足動物の調査方法と、従来の調査方法で観察されたコモリグモの数の推移を示す折れ線グラフである。コモリグモの発生消長の傾向は、2つの方法でほぼ同じであったが、観察数は、本発明の調査方法の方が明らかに多かった。
本発明の節足動物の調査方法を用いて観察された、水稲害虫の各種天敵の捕獲数の推移を示す折れ線グラフである。水稲が育つまでの初夏はアメンボ類が多く、水稲が十分生育する7~9月にはコモリグモが多い。
本発明の節足動物捕獲器と、本発明の節足動物捕獲器から屋根を取り外したものをそれぞれ用いて捕獲したコモリグモの数を示すグラフである。本発明の節足動物捕獲器で、屋根を取り外した捕獲器の約3倍のコモリグモが観察された。
本発明の節足動物捕獲器と、本発明の節足動物捕獲器から屋根を取り外したものをそれぞれ用いて捕獲したコモリグモに占める、コモリグモの保存状態の分布を示すグラフである。コモリグモの触肢等のみが観察された個体をグループi、個体の一部等が観察された個体をグループii、完全な個体が観察された個体をグループiiiとして分類し、観察されたコモリグモの全個体数に占める各グループの個体数の割合を算出した。
底面から屋根までの高さが異なる複数の節足動物捕獲器を用いて捕獲したコモリグモの数を示すグラフである。図中の数値は、各処理区において2つの捕獲器で捕獲されたコモリグモの数の平均値である。検討した捕獲器の中では、屋根の高さの高い捕獲器ほど、多くのコモリグモが捕獲できた。
【発明を実施するための形態】
【0010】
<1.節足動物捕獲器>
本発明の節足動物捕獲器は、底部、屋根部及び側部を備える、中空構造を有する本体を備え、前記本体は、側部に少なくとも1つの開口を有し、底部の上面に、粘着剤が塗布された粘着領域を備え、底部の下面に、浮き材を備えることを特徴とする。
(【0011】以降は省略されています)
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