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公開番号
2024174816
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2024-12-17
出願番号
2024081062
出願日
2024-05-17
発明の名称
マルチセル型電解槽の測定温度を決定する方法、装置、コンピュータプログラム、及びシステム
出願人
横河電機株式会社
代理人
個人
,
個人
,
個人
主分類
G01K
11/3206 20210101AFI20241210BHJP(測定;試験)
要約
【課題】電解槽セルの温度を測定するための改良された方法、装置、及びコンピュータプログラムを提供する。
【解決手段】本発明の例は、マルチセル型電解槽の測定温度を決定する方法、装置、及びコンピュータプログラム、及びこうした装置と光ファイバ温度センサとを具えたシステムに関するものである。この方法は、光ファイバ温度センサのセンサ情報を取得するステップ(120)であって、センサ情報は、光ファイバ温度センサが使用する光ファイバケーブルの複数の区間において測定した温度値を含むステップと、マルチセル型電解槽のセル毎に、複数の区間において測定した温度値に基づいて、少なくとも1つの温度を計算するステップ(150)とを含む。
【選択図】図1a
特許請求の範囲
【請求項1】
マルチセル型電解槽の測定温度を決定する方法であって、
光ファイバ温度センサのセンサ情報を取得するステップ(120)であって、前記センサ情報は、前記光ファイバ温度センサが使用する光ファイバケーブルの複数の区間において測定した温度値を含むステップと、
前記マルチセル型電解槽のセル毎に、前記複数の区間において測定した前記温度値に基づいて、少なくとも1つの温度を計算するステップ(150)と
を含む方法。
続きを表示(約 1,100 文字)
【請求項2】
前記複数の区間を、前記マルチセル型電解槽の前記複数の区間に対応付けるステップ(130)と、
前記マルチセル型電解槽の前記セル毎に、前記マルチセル型電解槽の前記セルへの、前記複数の区間の対応付けに基づいて、1つ以上の前記温度値を選択するステップ(140)と、
前記セルに対して選択した前記1つ以上の温度値に基づいて、当該セルについて少なくとも1つの温度を計算するステップ(150)と
を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記光ファイバ温度センサによって、前記光ファイバケーブルを用いて、前記センサ情報を生成するステップ(110)を含む、請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
前記光ファイバケーブルが、前記マルチセル型電解槽の前記セルの外殻または外面に取り付けられている、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記光ファイバケーブルが、前記セル内、前記セルの外壁内、前記マルチセル型電解槽の加熱パイプ内または冷却パイプ内に統合されている、請求項3に記載の方法。
【請求項6】
前記光ファイバケーブルが、前記マルチセル型電解槽の複数のセルをカバーする、請求項3~5のいずれかに記載の方法。
【請求項7】
前記光ファイバケーブルが、前記セルの外周で連続して、それぞれの前記セルを取り巻くパターンに配置されている、請求項3~6のいずれかに記載の方法。
【請求項8】
前記光ファイバケーブルが蛇行パターンに配置され、これにより、前記光ファイバケーブルが前記マルチセル型電解槽の一連の前記セルに沿って反復して延在し、後戻りして、前記一連のセルに沿って逆向きに延在し、再度後戻りして、再度前記一連のセルに沿って延在する、請求項3~7のいずれかに記載の方法。
【請求項9】
マルチセル型電解槽の測定温度を決定する装置(10)であって、
光ファイバ温度センサのセンサ情報を取得するためのインタフェース回路と、
請求項1または2に記載の方法を実行する処理回路と
を具えている装置。
【請求項10】
マルチセル型電解槽用のシステムであって、
請求項9に記載の装置と、
光ファイバケーブル(25)を有する光ファイバ温度センサ(20)とを具えたシステムにおいて、
前記光ファイバ温度センサは、前記光ファイバケーブルを用いて前記センサ情報を生成し、該センサ情報を前記装置に提供するように構成されているシステム。
(【請求項11】以降は省略されています)
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明の例は、マルチセル型電解槽の測定温度を決定する方法、装置、及びコンピュータプログラムに関するものであり、そしてこうした装置及び光ファイバ温度センサを具えたシステムに関するものである。
続きを表示(約 2,500 文字)
【背景技術】
【0002】
電解槽は、電気を用いて、さもなければ非自然発生の化学反応を促進する、例えば水のような化合物を、電気分解により、その構成元素に分割する装置である。例えば、水素電解槽及び塩素アルカリ電解槽は、それぞれ水素及び塩素/ナトリウムの生産にとって重要なツールである。大規模な用途向けには、電解槽は多数の個別の電解槽セルを用いることが多く、これらのセルは水平スタック(積層)の形に配列されることが多い。
【0003】
個別の電解槽セル内の温度は重要な計量である、というのは、温度は電解槽の全体効率にとって重要であると考えられるからである。それに加えて、温度は個別のセルの問題を示すことができ、これらの問題は効率の低下に関係し得るし、あるいは、これらの問題はセルの劣化によって生じ得る。更に、水素電解槽セルの場合には、漏洩により、外部的な無炎燃焼が発生することがあり、こうした無炎燃焼は検出することが困難である。
【0004】
従来の手段によって温度を測定することは、多数の限界を有する。例えば、セルの内部または外部を測定することは、腐食性の環境及び強い電磁界により非常に困難である。更に、炎は電解槽のあらゆる所に発生し得るし、このためセル毎に複数の温度センサを必要とし得る。多数の温度センサは、更にデータを処理するための処理ハードウェア(例えば、PLC(Programmable Logic Controller:プログラマブル・ロジック・コントローラ)及びコンピュータ)も必要とし、このことを費用のかかる方法にする。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
電解槽セルの温度を測定するための改良された概念に対する要望が存在し得る。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の種々の例は、マルチセル型電解槽を効率的に監視するために必要な多数の測定を、光ファイバ温度センサを用いて実現することができるという発見に基づく。光ファイバ温度測定では、長い光ファイバケーブルに沿った多数の点で温度を別個に測定することができ、一部の用途では、この光ファイバケーブルは複数キロメートルに延びることができる。例えば、こうした光ファイバ温度センサは、ラマン(Raman)散乱、ブリルアン(Brillouin)散乱、温度依存性の干渉特性、または温度依存性の分布光反射のような効果を用いて、温度値、即ち光ファイバケーブルの種々の区間における温度を示す測定値を決定する。次に、これらの測定値を用いて、マルチセル型電解槽のセル毎に少なくとも1つの温度値を決定する。実際には、単一のセンサ(光ファイバケーブル及び対応するセンサ)を、温度値の後処理と対にすれば、マルチセル型電解槽のセルのセル固有の温度を決定するのに十分である。光ファイバケーブルを測定プローブとして使用することにより、個別のセル毎に少なくとも1つの温度を決定することによって、上述した限界を克服することができる。提案する概念は、多様な種類の電解槽に適用され、これらの電解槽は、単極(ユニポーラ)セルを有する電解槽及び双極(バイポーラ)セルを有する電解槽、並びにセルが直列構成に配列された電解槽及びセルが並列に、例えば並列スタックの形に配列された電解槽を含む。
【0007】
本発明の一部の態様は、マルチセル型電解槽の測定温度を決定する方法に関するものである。この方法は、光ファイバ温度センサのセンサ情報を取得するステップを含む。センサ情報は、光ファイバ温度センサが使用する光ファイバケーブルの複数の区間で測定した温度値を含む。この方法は、複数の区間で測定した温度値に基づいて、マルチセル型電解槽のセル毎に少なくとも1つの温度を計算するステップを含む。このようにして、個別のセルの温度を、単一の測定プローブの使用による低労力及び低コストで決定することができる。更に、セル毎に複数の温度を決定することができるので、個別のセルのより包括的な監視がサポートされる。
【0008】
一部の好適例では、マルチセル型電解槽の測定温度を決定するための光ファイバケーブルを、数十メートル、数百メートル、更には数千メートルにわたって延長することができる。例えば、ケーブルの長さは100m~10,000mの範囲にすることができる。
【0009】
光ファイバ温度測定を用いて、光ファイバケーブル内の固定の区間で温度値を決定することができる。これらの区間は、10cmより大きく、50cmより大きく、1mより大きく、更には10mより大きくすることができる。例えば、これらの区間は20cmから5mまでにすることができる。次に、マルチセル型電解槽の個別のセルに測定値を対応付ける(マッピングする)ことができる。従って、この方法は、複数の区間をマルチセル型電解槽のセルに対応付けるステップを含むことができる。この方法は、マルチセル型電解槽のセルへの、複数の区間の対応付けに基づいて、マルチセル型電解槽のセル毎に1つ以上の温度値を選択するステップを含むことができる。この方法は、セルに対して選択した1つ以上の温度値に基づいて、当該セルについて少なくとも1つの温度を計算するステップを含むことができる。このようにして、温度値に含まれる生の測定値をまず個別のセルに対応付けることができ、次に、これらの生の測定値を用いて、セル毎にそれぞれの少なくとも1つの温度を計算することができる。
【0010】
前の例では、単にセンサ情報の処理を説明した。一部の例では、光ファイバ温度センサによって実行される実際の測定も、方法の一部とすることができる。例えば、この方法は、光ファイバ温度センサによって、光ファイバケーブルを用いたセンサ情報を生成するステップを含むことができる。
(【0011】以降は省略されています)
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