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公開番号2024172655
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-12-12
出願番号2023090509
出願日2023-05-31
発明の名称設計支援システム、及び設計支援方法
出願人株式会社日立製作所
代理人弁理士法人一色国際特許事務所
主分類G05B 23/02 20060101AFI20241205BHJP(制御;調整)
要約【課題】異なるスケールでそれぞれ実施される成果物の生成のプロセスにおいて、適切な品質の成果物を得るためのプロセス設計を行う。
【解決手段】空間領域に分布する原料に対してプロセスが行われた場合の各位置の状態の情報に基づき空間領域における状態の不均一性を表す値を算出し、その値に基づき、プロセス後の状態の不均一性を表すデータが出力される状態分布モデル108を生成し、設定したプロセス設計パラメータの値を状態分布モデル108に入力することにより、そのプロセス後の状態の不均一性を表すデータの値を取得し、そのデータの値から特定した、取
り得る状態を表す各データを品質予測モデル105に入力することにより成果物の品質パラメータを取得し、各品質パラメータに基づき、成果物の品質が所定範囲に収まるようにプロセス設計パラメータの値を変更する設計支援システム1。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
状態を表すデータ、及び前記状態にて原料に対して行われるプロセスを表すデータが入
力され、前記プロセスの後に前記原料から得られる成果物の品質を表すデータが出力され
る品質予測モデルを記憶する記憶装置、及び、
空間領域に分布する原料に対してプロセスが行われた場合の前記空間領域の各位置の状
態の情報を取得し、取得した各情報に基づき前記空間領域における状態の不均一性を表す
値を算出し、算出した不均一性を表す値と、前記プロセスを規定するデータとに基づき、
空間領域に存在する原料に対して行われるプロセスを規定するデータであるプロセス設計
パラメータが入力され、前記プロセスの実行中ないし実行後の当該空間領域における状態
の不均一性を表すデータが出力される状態分布モデルを生成する状態分布モデル構築処理
と、
前記プロセス設計パラメータの値を設定し、設定したプロセス設計パラメータの値を前
記状態分布モデルに入力することにより、前記設定したプロセス設計パラメータの値が示
すプロセスの実行中ないし実行後の、前記値を設定したプロセス設計パラメータに係る空
間領域における状態の不均一性を表すデータの値を取得する状態分布モデル実行処理と、
前記取得した、空間領域における状態の不均一性を表すデータの値から、前記空間領域
において取り得る状態を複数特定し、特定した各状態を表す各データと、前記設定したプ
ロセス設計パラメータの値とを前記品質予測モデルに各前記状態について入力することに
より、前記設定したプロセス設計パラメータの値が示すプロセスの後において前記原料か
ら得られる成果物の品質パラメータをそれぞれ取得する製造品質予測処理と、
前記取得した各品質パラメータに基づき、前記原料から得られる成果物の品質が所定範
囲に収まるように、前記設定したプロセス設計パラメータの値を変更するパラメータ探索
処理とを実行する制御装置
を備える設計支援システム。
続きを表示(約 1,700 文字)【請求項2】
前記制御装置は、前記状態分布モデル構築処理において、前記プロセス設計パラメータ
として、前記原料の構成、前記プロセスに使用される装置の仕様、又は、前記プロセスに
使用される装置の運転条件、の少なくともいずれかが入力される状態分布モデルを生成す
る、
請求項1に記載の設計支援システム。
【請求項3】
前記記憶装置は、前記状態分布モデルにおける前記プロセス設計パラメータに係るプロ
セスよりも小規模に行われるプロセスに係る品質予測モデルを記憶する
請求項1に記載の設計支援システム。
【請求項4】
前記制御装置は、前記パラメータ探索処理において、前記取得した各状態の品質パラメ
ータに基づき、前記成果物の品質のばらつき及び前記品質が所定の範囲にある確率を算出
し、算出したばらつき及び確率の情報を出力する、
請求項1に記載の設計支援システム。
【請求項5】
前記制御装置は、前記パラメータ探索処理において、前記取得した各状態の各品質パラ
メータに基づき、前記原料から得られる成果物の品質が所定範囲に収まりかつ所定の制約
を満たすように、前記設定したプロセス設計パラメータの値を変更し、前記プロセス設計
パラメータの値を変更した場合の、前記成果物の品質の範囲に関する情報を出力する、
請求項1に記載の設計支援システム。
【請求項6】
前記記憶装置は、空間領域に分布する原料に対して行われるプロセスを規定するデータ
が入力され、前記プロセスの実行中ないし実行後の前記空間領域の各位置の状態が出力さ
れる空間プロセスモデルを記憶し、
前記制御装置は、
空間領域に分布する原料に対して行われるプロセスの内容を設定し、前記設定したプロ
セスの内容を前記空間プロセスモデルに入力することにより、前記設定したプロセスの実
行中ないし実行後の前記空間領域の各位置の状態を取得する空間プロセスモデル実行部と

前記取得した空間領域の各位置の状態に基づき、前記不均一性を表す値を算出し、算出
した不均一性を表す値と、前記空間プロセスモデルに入力したプロセスの内容を表すデー
タとに基づき、前記状態分布モデルを生成する状態分布モデル構築処理
を実行する、請求項1に記載の設計支援システム。
【請求項7】
所定の空間領域を有し、原料に所定の条件において所定のプロセスを行うことが可能な
容器をさらに含んで構成され、
前記制御装置は、前記状態分布モデル構築処理において、前記所定のプロセスの実行中
ないし実行後の前記容器の空間領域の各位置の状態に基づき、前記不均一性を表す値を算
出し、算出した不均一性を表す値と、前記所定のプロセスの内容を表すデータとに基づき
、前記状態分布モデルを生成する
請求項1に記載の設計支援システム。
【請求項8】
前記制御装置は、前記状態分布モデル構築処理において、ガウス過程回帰により状態分
布モデルを生成する、請求項1に記載の設計支援システム。
【請求項9】
前記制御装置は、前記状態分布モデル構築処理において、
前記変更したプロセス設計パラメータが示すプロセスを前記原料に対して行わせること
により得られた前記成果物の品質のデータを取得し、取得した品質のデータに基づき、前
記行わせたプロセスを規定する新たなデータを生成し、生成した新たなデータと、前記算
出した不均一性を表す値とに基づき、前記状態分布モデルを再生成する、
請求項1に記載の設計支援システム。
【請求項10】
前記制御装置は、前記再生成した状態分布モデルに基づき、前記設定したプロセス設計
パラメータの値をさらに変更する、請求項9に記載の設計支援システム。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、設計支援システム、及び設計支援方法に関する。
続きを表示(約 2,600 文字)【背景技術】
【0002】
化学産業ないし素材産業では、製品の開発開始から量産に至るまでに段階的に技術検討
を行う。具体的には、(1) ラボ実験、(2) ベンチ試験、(3) パイロットプラント試験、(4
) 本プラント設計及び運転、の4つのフェーズで検討を進めることが一般的である。ラボ
実験では、原料の組合せや各種反応条件を変更しながらビーカーレベルでの試製を行い、
製品の基本的な物性や収率を決定する。ベンチ試験では、ラボ実験で得られる製品を製造
する小規模な装置を組み上げ、蒸留または吸着などの各種単位操作およびプロセスの設計
、詳細な物性の調査および設計を行う。パイロットプラント試験では、本プラントに近い
規模のパイロットプラントを建設し、運転条件の決定、操作方法の決定、及び計装システ
ムの設計などを行う。本プラント設計では、パイロットプラントで確立した技術を基にプ
ラントの設計及び運転を行う。なお、ベンチ試験とパイロット試験はその他フェーズに統
合されることもある。
【0003】
このような各フェーズ間では、装置、設備、又は製造プロセス等の仕様は大きく異なり
、例えば製造プロセスが反応プロセスであれば、フェーズが1つ進むにつれて反応器の体
積は数十倍から数百倍になり得る。
【0004】
そのため、フェーズ間の仕様の差異により、所望の品質(物性や収率)が得られないと
いった事態が生じ得る。反応プロセスを例に具体例を説明する。まず、反応器の体積が大
きくなると、単位体積あたりの表面積が減少し外部からの伝熱効率が低下し、または攪拌
翼の接する単位体積あたりの表面積が減り攪拌効率が低下し得る。その結果、伝熱に遅れ
が生じるとともに、温度または濃度のむらが大きくなる。一般に、反応速度は温度および
各物質の濃度に依存し、反応速度によって副生成物の比率や物性分布が異なることから、
上述の伝熱遅れや温度又は濃度のむらによる物性ないし収率の変化を考慮しつつ、反応器
のサイズおよび攪拌翼の形状といった仕様及び反応温度の時間プロファイルなどの運転条
件を設計する必要がある。こうしたフェーズ進展に応じた各仕様の設計業務を総称してス
ケールアップと呼ぶ。
【0005】
スケールアップは多大な時間を要する業務である。例えば、ラボ実験で考案した反応条
件がベンチ試験で再現できない場合、ラボ実験で物性ないし収率の再設計が必要になり、
大幅な手戻りが生じる。また、パイロットプラント試験では、容量が大きく製造時間が長
くなるため、半年から1年半もの作業期間を要することもある。このため、化学メーカ及
び素材メーカなどにとって、スケールアップは製品開発のボトルネックとなっている。
【0006】
スケールアップを効率よく行うための技術として、例えば非特許文献1には、パイロッ
トプラント試験での検証を終えて、本プラントの製造設備で生産を開始した直後に、でき
るだけ少ない実験回数でプラントの運転条件を最適化し、所望の製品を製造できるように
する方法が開示されている。具体的には、転移学習とガウス過程回帰を組合せて用いるこ
とで、運転条件から品質の平均およびばらつきを予測するモデル(品質予測モデル)を構
築し、ばらつきを考慮して目的関数が大きくなる可能性のある条件で実験を行うことによ
り、少ない実験回数で良好な品質を得る方式が開示されている。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0007】
加納学、吉崎亮介、製造設備スケールアップ時のベイズ的操業条件最適化、化学工学、第80巻、第12号、pp.769-772 (2016)。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
非特許文献1では、パイロットプラントと本プラントで品質予測モデルの出力の数が同
じであることを要請している。すなわち、スケールアップ前後で最適化の対象となるKPI
及びその構成要素の数が同じである必要がある。しかしながら、ラボ試験からのスケール
アップでは、KPIやその構成要素の数が異なることが多い。例えば、ベンチ装置、パイロ
ットプラント、ないし本プラントでは、伝熱遅れ及び温度又は濃度のむらの各項目を考慮
して収率を最適化する必要があるが、ラボ試験では、これらは一般に検討項目に含まれな
い。また、ラボ試験では品質項目を単変量として検討するが、ベンチ、パイロット、本プ
ラントスケールでは品質項目に関する複数の統計量(平均値、最大値、最小値など)を最
適化するケースも考えられる。以上のようなケースでは非特許文献1の方式は適用できな
い。
【0009】
また、非特許文献1とは別のアプローチとして、プラントスケールでの第一原理的なシ
ミュレーション(反応プロセスであれば流体と反応の連成シミュレーション、押出プロセ
スであれば混練シミュレーションなど)を行い、プロセス内部の濃度や温度といった状態
を精緻に推定し、その結果をもとに品質を推定する方式も考えられる。しかしながら、上
記のシミュレーションは膨大な計算負荷を要するため、機器仕様や運転条件などの条件を
変更しつつ試行を繰り返したり、製造の開始から終了に至るまでの全時間帯のシミュレー
ションを行うことは困難である。
【0010】
このように、ラボ試験で得られるデータを活用し、ベンチ試験、パイロットプラント、
ないし本プラントでの品質や収率を効率的に把握し、本プラントで安定した品質の製品を
得られるような仕組みを構築するのは困難であった。
(【0011】以降は省略されています)

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