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公開番号2024168898
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-12-05
出願番号2023085934
出願日2023-05-25
発明の名称情報処理装置及び方法
出願人株式会社日立製作所
代理人弁理士法人サンネクスト国際特許事務所
主分類G06Q 30/015 20230101AFI20241128BHJP(計算;計数)
要約【課題】
保守コストを低減させ得る情報処理装置及び方法を提案する。
【解決手段】
新規の問合せと同一又は類似する過去事例を抽出し、新規の問合せと同一又は類似する過去事例を抽出できた場合に、機器に付随して顧客に提供されたドキュメントの改善の要否を判定し、ドキュメントの改善が必要であると判定した場合に、ドキュメントの改善を担当者に要求するようにし、ドキュメントの改善の要否の判定を、新規の問合せと同じ又は類似する問合せを受けた回数と、当該新規の問合せの問合せ元の問合せ回数及び当該問合せ元の機器の稼働年数と、当該新規の問合せの問合せ元が過去にドキュメントの改善が必要な問合せをした顧客であるか否かとのうちの少なくとも1つの情報に基づいてするようにした。
【選択図】 図6

特許請求の範囲【請求項1】
機器に対する顧客からの過去の問合せの内容及び当該問合せに対する解決策を過去事例として記憶し、新規の問合せがあった場合に、当該新規の問合せと内容が同一又は類似する前記過去事例を抽出し、抽出した前記過去事例の前記解決策を当該新規の問合せの解決策として提示する情報処理装置において、
前記新規の問合せと同一又は類似する前記過去事例を抽出する類似事例抽出部と、
前記類似事例抽出部が前記新規の問合せと同一又は類似する前記過去事例を抽出できた場合に、前記機器に付随して前記顧客に提供されたドキュメントの改善の要否を判定し、前記ドキュメントの改善が必要であると判定した場合に、前記ドキュメントの改善を担当者に要求する改善要否判定部と
を備え、
前記改善要否判定部は、
前記新規の問合せと同じ又は類似する問合せを受けた回数と、当該新規の問合せの問合せ元の問合せ回数及び当該問合せ元の前記機器の稼働年数と、当該新規の問合せの問合せ元が過去にドキュメントの改善が必要な問合せをした顧客であるか否かとのうちの少なくとも1つの情報に基づいて前記ドキュメントの改善の要否を判定する
ことを特徴とする情報処理装置。
続きを表示(約 2,500 文字)【請求項2】
前記改善要否判定部が前記ドキュメントの改善が必要であると判定した場合に、当該ドキュメントの改善案を作成する改善案作成部をさらに備え、
前記改善案作成部は、
前記新規の問合せ及び当該新規の問合せに対する前記解決策の各内容と、当該ドキュメントの内容との類似度合に応じた前記改善案を作成する
ことを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記改善案作成部は、
前記新規の問合せ及び当該新規の問合せに対する前記解決策の各内容と、当該ドキュメントの内容との類似度合を類似度として算出し、
算出した前記類似度が第1の閾値以上の場合には、当該ドキュメント内の該当箇所の記載内容を目立たせるべき旨の前記改善案を作成し、
算出した前記類似度が前記第1の閾値未満で第2の閾値以上の場合には、当該ドキュメント内の該当箇所を理解し易く書き換えるべき旨の前記改善案を作成し、
算出した前記類似度が前記第2の閾値未満の場合には、当該ドキュメント内の該当箇所に必要な説明を追記すべき旨の前記改善案を作成する
ことを特徴とする請求項2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記新規の問合せを行った前記顧客が使用している前記機器と同一又は類似する構成を有する機器を使用している他の顧客を類似顧客として抽出する類似顧客抽出部と、
前記類似顧客抽出部が抽出した各前記類似顧客に対して、それぞれ当該類似顧客が使用している前記機器の構成に応じた警告通知を作成して送信する顧客別通知内容作成部と
を備えることを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記類似顧客抽出部は、
前記新規の問合せを行った前記顧客以外の前記顧客ごとに、当該顧客が使用している前記機器と、前記新規の問合せを行った前記顧客が使用している機器とに重複して実装されたソフトウェアの数が多いほど、また重複するソフトウェアのバージョンが近いほど高くなるように定義されたスコアをそれぞれ算出し、算出した前記スコアに基づいて、前記新規の問合せを行った前記顧客以外の各前記顧客の中から前記類似顧客を抽出する
ことを特徴とする請求項4に記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記類似顧客抽出部が抽出した前記類似顧客ごとに、当該類似顧客が使用している前記機器の構成と、前記新規の問合せを行った前記顧客が使用している前記機器の構成との類似度を判定し、判定結果に基づいて、前記警告通知を送付する優先度をそれぞれ判定する顧客別通知プライオリティ判定部をさらに備え、
前記顧客別通知内容作成部は、
前記顧客別通知プライオリティ判定部の判定結果に基づいて、前記優先度に応じた内容の前記警告通知を前記類似顧客ごとにそれぞれ作成する
ことを特徴とする請求項4に記載の情報処理装置。
【請求項7】
機器に対する顧客からの過去の問合せの内容及び当該問合せに対する解決策を過去事例として記憶し、新規の問合せがあった場合に、当該新規の問合せと内容が同一又は類似する前記過去事例を抽出し、抽出した前記過去事例の前記解決策を当該新規の問合せの解決策として提示する情報処理装置により実行される情報処理方法であって、
前記新規の問合せと同一又は類似する前記過去事例を抽出する第1のステップと、
前記新規の問合せと同一又は類似する前記過去事例を抽出できた場合に、前記機器に付随して前記顧客に提供されたドキュメントの改善の要否を判定し、前記ドキュメントの改善が必要であると判定した場合に、前記ドキュメントの改善を担当者に要求する第2のステップと
を備え、
前記第2のステップにおいて、前記情報処理装置は、
前記新規の問合せと同じ又は類似する問合せを受けた回数と、当該新規の問合せの問合せ元の問合せ回数及び当該問合せ元の前記機器の稼働年数と、当該新規の問合せの問合せ元が過去にドキュメントの改善が必要な問合せをした顧客であるか否かとのうちの少なくとも1つの情報に基づいて前記ドキュメントの改善の要否を判定する
ことを特徴とする情報処理方法。
【請求項8】
前記情報処理装置が、前記ドキュメントの改善が必要であると前記第2のステップで判定した場合に、当該ドキュメントの改善案を作成する第3のステップをさらに備え、
前記第3のステップにおいて、前記情報処理装置は、
前記新規の問合せ及び当該新規の問合せに対する前記解決策の各内容と、当該ドキュメントの内容との類似度合に応じた前記改善案を作成する
ことを特徴とする請求項7に記載の情報処理方法。
【請求項9】
前記第3のステップにおいて、前記情報処理装置は、
前記新規の問合せ及び当該新規の問合せに対する前記解決策の各内容と、当該ドキュメントの内容との類似度合を類似度として算出し、
算出した前記類似度が第1の閾値以上の場合には、当該ドキュメント内の該当箇所の記載内容を目立たせるべき旨の前記改善案を作成し、算出した前記類似度が前記第1の閾値未満で第2の閾値以上の場合には、当該ドキュメント内の該当箇所を理解し易く書き換えるべき旨の前記改善案を作成し、算出した前記類似度が前記第2の閾値未満の場合には、当該ドキュメント内の該当箇所に必要な説明を追記すべき旨の前記改善案を作成する
ことを特徴とする請求項8に記載の情報処理方法。
【請求項10】
前記新規の問合せを行った前記顧客が使用している前記機器と同一又は類似する構成を有する機器を使用している他の顧客を類似顧客として抽出する第3のステップと、
抽出した各前記類似顧客に対して、それぞれ当該類似顧客が使用している前記機器の構成に応じた警告通知を作成して送信する第4のステップと
を備えることを特徴とする請求項7に記載の情報処理方法。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は情報処理装置及び方法に関し、機器に対する顧客からの問合せの解決策をその顧客に提示する情報処理装置に適用して好適なものである。
続きを表示(約 1,700 文字)【背景技術】
【0002】
従来、コンピュータ機器などの保守業務において、「機器の使い方が分からない」、「環境変数の設定方法が分からない」といった顧客からの問合せメールに対する対応は、技術者が問合せ内容を分析し、解決策をその顧客に返信する形で行われている。
【0003】
この際、顧客及び技術者間でのメールのやり取りは、問題が解決するまで何度も繰り返される。また、技術者は、問題の解決後、マニュアルやリリースノートなどの機器に付随して顧客に提供される提供物(以下、ドキュメントとする)の内容を改善すべきか否かを検討し、必要があればかかるドキュメントの改善も行っている。
【0004】
しかしながら、近年、メインフレームなどの歴史が古いソフトウェア製品の技術者が減少しており、これに伴い技術者一人当たりが担当すべき保守対象製品の数が増加しつつある。このため保守業務の現場では、技術者の負担を減らすための何らかの取り組みが急務とされている。
【0005】
このような状況に鑑み、近年では、顧客からの問合せ内容に応じて類似の過去事例を検索し、類似の過去事例がある問合せに対しては、その過去事例での解決策を問合せ元に自動返信するシステム(以下、これを自動返信システムと呼ぶ)が提案され、実用化されている(例えば、特許文献1)。そしてこのような自動返信システムを導入することによって、技術者が対応すべき問合せの数を低減させ、技術者の負荷を低減できるという効果を得ることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
特開2001-282944号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ところが、かかる自動返信システムを導入した場合、多くの問合せに対して技術者が対応しなくなるため、個々の問合せの内容をリアルタイムで分析できないという問題があった。このため、例えば、マニュアル等のドキュメントの内容に誤りがあったり、記載が分かり難いといったドキュメントの不備があったとしてもその不備が長期間に渡って放置され、最終的には技術者が問合せに対応せざるを得ない事態が頻発するおそれがあるという問題があった。
【0008】
従って、上述のような自動返信システムにおいて、担当者に対してかかるドキュメントを改善するきっかけを適切なタイミングで与えることができれば、ドキュメントの不備に起因する担当者が対応すべき案件数を減少させることができ、この結果として保守コストを低減させることができるものと考えられる。
【0009】
本発明は以上の点を考慮してなされたもので、保守コストを低減させ得る情報処理装置及び方法を提案しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
かかる課題を解決するため本発明においては、機器に対する顧客からの過去の問合せの内容及び当該問合せに対する解決策を過去事例として記憶し、新規の問合せがあった場合に、当該新規の問合せと内容が同一又は類似する前記過去事例を抽出し、抽出した前記過去事例の前記解決策を当該新規の問合せの解決策として提示する情報処理装置において、前記新規の問合せと同一又は類似する前記過去事例を抽出する類似事例抽出部と、前記類似事例抽出部が前記新規の問合せと同一又は類似する前記過去事例を抽出できた場合に、前記機器に付随して前記顧客に提供されたドキュメントの改善の要否を判定し、前記ドキュメントの改善が必要であると判定した場合に、前記ドキュメントの改善を担当者に要求する改善要否判定部とを設け、前記改善要否判定部は、前記新規の問合せと同じ又は類似する問合せを受けた回数と、当該新規の問合せの問合せ元の問合せ回数及び当該問合せ元の前記機器の稼働年数と、当該新規の問合せの問合せ元が過去にドキュメントの改善が必要な問合せをした顧客であるか否かとのうちの少なくとも1つの情報に基づいて前記ドキュメントの改善の要否を判定するようにした。
(【0011】以降は省略されています)

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