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公開番号2024165936
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-11-28
出願番号2023082540
出願日2023-05-18
発明の名称発電システム制御装置
出願人株式会社日立製作所
代理人弁理士法人磯野国際特許商標事務所
主分類G05B 23/02 20060101AFI20241121BHJP(制御;調整)
要約【課題】複数の発電源を備える発電システムにおいて、負荷の稼働状態が変動した場合であっても、内燃機関エンジンの劣化診断を安定して遂行する。
【解決手段】内燃機関エンジンに係る運転状態情報を取得する情報取得部31と、運転状態情報に基づいて劣化診断に係る対象エンジンの劣化診断を行う劣化診断部33と、劣化診断部33及び発電システムの制御を行う制御部37と、を備え、前記対象エンジンを除いた発電源に係る総発電容量は、発電システム全体としての総発電要求を満たす値に設定され、制御部37は、対象エンジンを除いた発電源を用いて発電システム3全体としての総発電要求を満たすように当該発電源の運転制御を行うと共に、当該対象エンジンを所定の運転条件に制御した状態で、当該対象エンジンの劣化診断を劣化診断部33に行わせる。
【選択図】図2B
特許請求の範囲【請求項1】
内燃機関エンジンを発電源とするエンジン発電機を含む複数の発電源を備える発電システムにおいて、
前記内燃機関エンジンに係る運転状態情報を取得する情報取得部と、
前記情報取得部により取得した前記運転状態情報に基づいて、劣化診断に係る対象エンジンの劣化診断を行う劣化診断部と、
前記劣化診断部及び当該発電システムの制御を行う制御部と、を備え、
前記対象エンジンを除いた前記発電源に係る総発電容量は、当該発電システム全体としての総発電要求を満たす値に設定され、
前記制御部は、
前記対象エンジンを除いた前記発電源を用いて当該発電システム全体としての総発電要求を満たすように当該発電源の運転制御を行うと共に、当該対象エンジンを所定の運転条件に制御した状態で、当該対象エンジンの劣化診断を前記劣化診断部に行わせる
ことを特徴とする発電システム制御装置。
続きを表示(約 2,500 文字)【請求項2】
請求項1に記載の発電システム制御装置であって、
当該発電システムに備わる前記複数の発電源は複数の内燃機関エンジンを含み、
複数の前記内燃機関エンジン毎の劣化診断履歴を含む個別情報の管理を行う管理部をさらに備え、
前記管理部によって複数の前記内燃機関エンジン毎に管理される前記個別情報は、直前回の劣化診断が行われた時期、当該直前回の劣化診断の結果として得られた劣化の度合い、当該劣化診断に係る所要時間のうち少なくともいずれかを含み、
前記管理部は、
複数の前記内燃機関エンジン毎に対応付けられた前記個別情報を、複数の当該内燃機関エンジン間で比較した結果に基づいて、複数の当該内燃機関エンジンのなかから、劣化診断に係る対象エンジンを選定する
ことを特徴とする発電システム制御装置。
【請求項3】
請求項2に記載の発電システム制御装置であって、
前記内燃機関エンジンは、当該内燃機関エンジンに関する複数の各要素機能に対応する複数のサブシステムを備え、
前記複数のサブシステムの各々には、それぞれの状態に関する部分指標の情報が、前記個別情報に属するものとして対応付けられており、
前記劣化診断部は、
前記複数のサブシステムの各個別の状態に関する複数の部分指標のうちの少なくとも一以上の部分指標の情報、又は、当該部分指標に基づき算出される全体としての状態に関する統合指標の情報に基づいて、前記選定された対象エンジンの劣化診断を行う
ことを特徴とする発電システム制御装置。
【請求項4】
請求項3に記載の発電システム制御装置であって、
前記内燃機関エンジンに備わる前記複数のサブシステムは、吸気サブシステム、潤滑サブシステム、冷却サブシステム、排気サブシステム、燃焼サブシステム、燃料サブシステム、及び点火サブシステムを含み、
前記吸気サブシステムの状態に関する部分指標の情報はスロットル弁開度であり、前記潤滑サブシステムの状態に関する部分指標の情報はオイル温度であり、前記冷却サブシステムの状態に関する部分指標の情報は冷却水温度であり、前記排気サブシステムの状態に関する部分指標の情報は排気浄化触媒の後流の酸素濃度であり、前記燃焼サブシステムの状態に関する部分指標の情報は燃焼安定度、燃焼時期、ノッキング耐性、燃焼効率であり、燃料サブシステムの状態に関する部分指標の情報は燃料噴射パルス幅であり、点火サブシステムの状態に関する部分指標の情報は燃焼期間である
ことを特徴とする発電システム制御装置。
【請求項5】
請求項1~4のいずれか一項に記載の発電システム制御装置であって、
前記劣化診断に係る対象エンジンに課される前記所定の運転条件は、エンジン回転速度、発電出力、空燃比、点火時期、のうちの少なくとも1つ以上の運転状態値が所定の許容範囲に収束する条件である
ことを特徴とする発電システム制御装置。
【請求項6】
請求項5に記載の発電システム制御装置であって、
前記所定の運転条件は、前記劣化診断に係る対象エンジンを定格出力で運転する条件である
ことを特徴とする発電システム制御装置。
【請求項7】
請求項1~4のいずれか一項に記載の発電システム制御装置であって、
前記内燃機関エンジンは水素を含む2種類以上の燃料が供給されて混焼が可能なエンジンであり、
前記劣化診断に係る対象エンジンに課される前記所定の運転条件は、当該対象エンジンに供給される2種類以上の燃料に係る混合割合が所定の許容範囲に収束する条件である
ことを特徴とする発電システム制御装置。
【請求項8】
請求項2~4のいずれか一項に記載の発電システム制御装置であって、
前記複数の内燃機関エンジンの各々には、基礎エンジン又は適応エンジンとしての機能が各個別に割り当てられ、
前記管理部は、前記複数の内燃機関エンジンに各個別に割り当てられた役割の情報を、当該複数の内燃機関エンジン毎の前記個別情報として管理しており、
前記制御部は、
前記管理部により管理されている前記複数の内燃機関エンジン毎の前記個別情報に基づいて、前記基礎エンジンでは、各個別の要求発電出力を満たすように制御する一方、前記適応エンジンでは、当該発電システム全体としての総要求発電出力を満たすように制御する
ことを特徴とする発電システム制御装置。
【請求項9】
請求項8に記載の発電システム制御装置であって、
前記管理部は、前記劣化診断に係る対象エンジンに対し、前記基礎エンジンとしての役割を割り当てる
ことを特徴とする発電システム制御装置。
【請求項10】
請求項9に記載の発電システム制御装置であって、
前記複数の内燃機関エンジンには、個別排気管がそれぞれ備わっており、
前記個別排気管の排気口は、前記内燃機関エンジン毎にそれぞれ備わる複数の前記個別排気管を集合した集合排気管に連通接続され、
前記集合排気管の排気通路には、当該排気通路を流通する排気を浄化するための排気浄化触媒が設けられ、
前記管理部は、
前記内燃機関エンジンに係る前記個別排気管の各排気口から前記排気浄化触媒に至る排気経路長の情報を、当該複数の内燃機関エンジン毎の前記個別情報として管理しており、
前記内燃機関エンジンの劣化診断を行わない休止期間では、前記複数の内燃機関エンジンのうち、前記個別排気管の排気口から前記排気浄化触媒に至る排気経路長が最も短い内燃機関エンジンに対し、前記適応エンジンとしての役割を割り当てる
ことを特徴とする発電システム制御装置。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、エンジン発電機を含む複数の電源を備える発電システムの制御を行う発電システム制御装置に関する。
続きを表示(約 2,000 文字)【背景技術】
【0002】
エネルギーの脱炭素化に向けて、再生可能エネルギーの拡大が進展している。それに伴い、負荷変動に対応するために水素などの再生可能エネルギー由来燃料(以下、RE燃料という)を用いた調整用発電システムの重要性が増している。
大規模ガス火力発電は調整電力として活用可能である一方で、その出力調整幅が定格運転の30%から100%の範囲に限られている。そのため、大規模ガス火力発電は十分な調整力にはならない。また、大規模ガス火力発電は設備設置場所が固定されるため、電力線増強が必要となり、設備コストが大きくなる。さらに、大規模ガス火力発電は利用する燃料の調達範囲が限定されるので、特定地域に遍在するRE燃料を有効活用することが難しい。
【0003】
RE燃料に対応したエンジン発電機を活用した分散発電システムは、特定地域に遍在するRE燃料を活用しながら再生可能エネルギーの変動に対応可能なシステムとして有望である。特に既存の自動車用エンジンや産業用エンジンなど量産エンジンを活用し、定置式発電システムとして用いることにより、初期の設備コストを低減することが可能である。
【0004】
発電システム制御装置に関する技術の例として、劣化診断装置の発明が知られている(特許文献1参照)。特許文献1に係る劣化診断装置は、非常用発電機に取り付けられたセンサによる測定結果の特徴を表す特徴情報及び非常用発電機が設置されている環境を表す環境データに基づいて、非常用発電機の運転情報を生成する運転情報生成部と、複数の劣化診断装置で生成された運転情報が登録される運転情報データベースを備える情報管理装置へ運転情報生成部から受け取った運転情報を送信する通信部と、運転情報データベースに登録されている運転情報に基づいて非常用発電機の劣化診断で使用する劣化診断モデルを構築する劣化診断モデル構築部と、劣化診断モデルに基づいて非常用発電機の劣化を診断する劣化診断部と、を備える。
【0005】
特許文献1に係る劣化診断装置によれば、非常用発電機の劣化を診断できるようになるまでの所要時間を短縮することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
特開2019-128924号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、特許文献1に係る劣化診断装置では、劣化診断の対象となるのが非常用発電機であるが故の課題があった。すなわち、非常用発電機は、点検時を除くと非常時にのみ運転される。そのため、非常運転時にエンジン発電機の劣化診断を行える頻度は少ないばかりか、接続されている負荷の稼働状態に応じてエンジン発電機に係る運転条件を変動させる運用を行うと、この運転条件の変動が外乱となって、エンジン発電機の劣化診断を安定して遂行することは難しいという課題があった。
【0008】
本発明は前記実情に鑑みてなされたものであり、内燃機関エンジンを発電源とするエンジン発電機を含む複数の電源を備える発電システムにおいて、接続されている負荷の稼働状態が変動した場合であっても、内燃機関エンジンの劣化診断を安定して遂行可能な発電システム制御装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明に係る発電システム制御装置は、
内燃機関エンジンを発電源とするエンジン発電機を含む複数の発電源を備える発電システムにおいて、
前記内燃機関エンジンに係る運転状態情報を取得する情報取得部と、
前記情報取得部により取得した前記運転状態情報に基づいて、劣化診断に係る対象エンジンの劣化診断を行う劣化診断部と、
前記劣化診断部及び当該発電システムの制御を行う制御部と、を備え、
前記対象エンジンを除いた前記発電源に係る総発電容量は、当該発電システム全体としての総発電要求を満たす値に設定され、
前記制御部は、
前記対象エンジンを除いた前記発電源を用いて当該発電システム全体としての総発電要求を満たすように当該発電源の運転制御を行うと共に、当該対象エンジンを所定の運転条件に制御した状態で、当該対象エンジンの劣化診断を前記劣化診断部に行わせることを最も主要な特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、内燃機関エンジンを発電源とするエンジン発電機を含む複数の電源を備える発電システムにおいて、接続されている負荷の稼働状態が変動した場合であっても、内燃機関エンジンの劣化診断を安定して遂行することができる。
上記以外の課題、構成及び効果は、以下の実施形態で詳細に説明する。
【図面の簡単な説明】
(【0011】以降は省略されています)

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