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公開番号
2024172266
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2024-12-12
出願番号
2023089860
出願日
2023-05-31
発明の名称
ラマン光増幅器、光伝送システム、及びラマン光増幅器の調整方法
出願人
富士通株式会社
代理人
個人
,
個人
主分類
H04B
10/294 20130101AFI20241205BHJP(電気通信技術)
要約
【課題】光伝送システムで新規バンドの増設時に信号エラーを抑制するラマン光増幅器とその調整方法を提供する。
【解決手段】ラマン光増幅器は、異なる波長の複数のレーザ素子を含む励起光源を有し、前記複数のレーザ素子は、運用中の第1バンドと、将来的に増設される第2バンドを足し合わせた波長帯域の利得を有する励起光源として構成され、前記複数のレーザ素子の励起比率は、前記第1バンドと前記第2バンドを合わせた前記波長帯域にわたって利得スペクトルが平坦になるように調整されいる。
【選択図】図4A
特許請求の範囲
【請求項1】
異なる波長の複数のレーザ素子を含む励起光源、を有し、
前記複数のレーザ素子は、運用中の第1バンドと、将来的に増設される第2バンドを足し合わせた波長帯域の利得を有する励起光源として構成され、
前記複数のレーザ素子の励起比率は、前記第1バンドと前記第2バンドを合わせた前記波長帯域にわたって利得スペクトルが平坦になるように調整されいることを特徴とする
ラマン光増幅器。
続きを表示(約 1,100 文字)
【請求項2】
前記第2バンドが増設されたときに、前記第1バンドと前記第2バンドを足し合わせた前記波長帯域の励起光で、第1バンド信号光と第2バンド信号光を増幅する、
請求項1に記載のラマン光増幅器。
【請求項3】
伝送路に配置されるラマン光増幅器と、
前記ラマン光増幅器を制御する制御部と、
を有し、
前記ラマン光増幅器は、異なる波長の複数のレーザ素子を含む励起光源、を有し、
前記複数のレーザ素子は、運用中の第1バンドと、将来的に増設される第2バンドを足し合わせた波長帯域の利得を有する励起光源として構成され、
前記複数のレーザ素子の励起比率は、前記第1バンドと前記第2バンドを合わせた前記波長帯域にわたって利得スペクトルが平坦になるように調整されいることを特徴とする
光伝送システム。
【請求項4】
前記ラマン光増幅器は、前記第2バンドが増設されたときに、前記伝送路を伝搬する第1バンド信号光と第2バンド信号光を、前記第1バンドと前記第2バンドを足し合わせた前記波長帯域の励起光で増幅する、
請求項3に記載の光伝送システム。
【請求項5】
前記制御部は、前記第1バンドと前記第2バンドを足し合わせた前記波長帯域の前記励起比率を、前記伝送路のファイバ種別、または前記伝送路の平均ラマン利得に対応付けて記録する励起比率設定情報を有し、
前記ラマン光増幅器の立ち上げ時に、前記励起比率設定情報を用いて前記ラマン光増幅器の前記励起比率を調整する、
請求項3に記載の光伝送システム。
【請求項6】
前記制御部は、調整後の前記励起比率を保存する、
請求項5に記載の光伝送システム。
【請求項7】
ラマン光増幅器に異なる波長の複数のレーザ素子を含む励起光源を設け、
前記複数のレーザ素子を、運用中の第1バンドと、将来的に増設される第2バンドを足し合わせた波長帯域の利得を有する励起光源として構成し、
前記複数のレーザ素子の励起比率を、前記第1バンドと前記第2バンドを合わせた前記波長帯域にわたって利得スペクトルが平坦になるように調整する、
ラマン光増幅器の調整方法。
【請求項8】
前記第2バンドが増設されたときに、前記ラマン光増幅器で、前記第1バンドと前記第2バンドにわたって調整された励起光で、第1バンド信号光と第2バンド信号光を増幅する、
請求項7に記載のラマン光増幅器の調整方法。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本開示は、ラマン光増幅器、光伝送システム、及び、ラマン光増幅器の調整方法に関する。
続きを表示(約 2,100 文字)
【背景技術】
【0002】
波長分割多重(WDM:wavelength division multiplexing)方式の光伝送システムでは、伝送路光ファイバの光損失による光信号対雑音比(OSNR:Optical Signal to Noise Ratio)の劣化を補償して、伝送距離と伝送容量の拡大を図っている。OSNRの劣化を補償する技術のひとつにラマン光増幅器がある。ラマン光増幅器は、伝送路光ファイバに励起光を与えることで、その光ファイバを増幅媒体として利用する。これまでは、特定の波長帯域のみを用いるWDM光伝送システムが多かったが、今後は伝送容量拡大のために、複数の波長帯域を用いたマルチバンド光伝送が主流になると予想される。たとえば1530-1565nmのCバンドのみ、あるいは1565-1625nmのLバンドのみを用いる光伝送システムから、CバンドとLバンドの両方を用いる光伝送システムに移行すると予想される。
【0003】
新規波長を増幅するときに、新規波長の励起光源を追加して点灯すると同時に、既存のラマン励起光の出力強度を変化させ、増設前後で既存の帯域の信号光強度を一定に保つ構成が提案されている(たとえば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特開2002-303896号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
新規バンドの増設時に、既存バンドの運用状態から新規バンドでのラマン増幅を開始すると、新規バンドの励起光の利得スペクトルによって既存バンドの信号光の波長域にもラマン利得が発生し、信号光のレベル変化によって信号エラーを引き起こす可能性がある。この問題を解決するために、公知の手法ではCバンドの励起光パワーを段階的に低下させながら、新たに追加するLバンド励起光パワーを段階的に上昇させている。しかし、励起用のレーザ光源は低パワーの領域で発振状態が不安定であり、時間的に大きくパワーが変動する。新規バンドの励起光パワーを安定的に徐々に上昇させることは、現実的に困難である。
【0006】
1つの側面では、新規バンドの増設時に信号エラーを抑制するラマン光増幅器とその調整方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
実施形態において、ラマン光増幅器は、
異なる波長の複数のレーザ素子を含む励起光源、を有し、
前記複数のレーザ素子は、運用中の第1バンドと、将来的に増設される第2バンドを足し合わせた波長帯域の利得を有する励起光源として構成され、
前記複数のレーザ素子の励起比率は、前記第1バンドと前記第2バンドを合わせた前記波長帯域にわたって利得スペクトルが平坦になるように調整されいる。
【発明の効果】
【0008】
新規バンドの増設時に信号エラーを抑制するラマン光増幅器とその調整方法が実現される。
【図面の簡単な説明】
【0009】
従来のラマン増幅型光中継器の新規バンド増設前の模式図である。
従来のラマン増幅型光中継器の新規バンド増設後の模式図である。
実施形態の新規バンド増設の一例を示す模式図である。
新規バンド運用前の励起光と信号光の模式図である。
新規バンド増設後の励起光と信号光の模式図である。
新規バンド増設前の実施形態のラマン光増幅器の模式図である。
新規バンド増設後の実施形態のラマン光増幅器の模式図である。
実施形態のラマン光増幅器の調整方法のフローチャートである。
実施形態のラマン光増幅器を用いた光通信システムの模式図である。
励起比率テーブルの一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
実施形態のラマン光増幅の具体的な構成と手法を説明する前に、従来の新規バンド増設時の問題を、より詳しく説明する。図1Aは、従来のラマン増幅型光中継器の新規バンド増設前の模式図、図1Bは、新規バンド増設後の模式図である。図1Aにおいて、伝送路から光中継器にCバンドの信号光が入射する。Cバンドに含まれる信号光をラマン増幅するために、複数のレーザダイオード(LD)で構成されるCバンド励起光源(図中「C-band Pump」と表記)が用いられる。Cバンド励起光源から出射された励起光は合波器110で合波され、ラマン励起光合波器1003により、白矢印の方向、すなわち信号光の入射方向と逆方向に伝送路へ出力される。伝送路光ファイバにおいて、Cバンド励起光波長に対応する波長領域にラマン利得が発生し、Cバンド信号光がラマン増幅される。ラマン増幅されたCバンド信号光は光中継器に入射し、エルビウム添加ファイバ増幅器(EDFA:Erbium-doped Fiber Amplifier)などの集中定数型光増幅器1008で増幅されて、下流側の伝送路に出力される。
(【0011】以降は省略されています)
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