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公開番号2024170056
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-12-06
出願番号2023087006
出願日2023-05-26
発明の名称分子動力学シミュレーション割り当てプログラム、分子動力学シミュレーション割り当て方法および情報処理装置
出願人富士通株式会社
代理人弁理士法人酒井国際特許事務所
主分類G16Z 99/00 20190101AFI20241129BHJP(特定の用途分野に特に適合した情報通信技術)
要約【課題】MDシミュレーションにかかる計算時間を削減する。
【解決手段】実施形態の分子動力学シミュレーション割り当てプログラムは、推定する処理と、決定する処理とをコンピュータに実行させる。推定する処理は、所定分子の分子動力学シミュレーションを演算装置で実行した際の所定分子に含まれる原子の数と、演算装置の利用率とに基づいて、演算装置での分子動力学シミュレーションにおいて利用率を最大とする第1の原子の数を推定する。決定する処理は、分子動力学シミュレーションの対象とする複数の対象分子それぞれに含まれる第2の原子の数に基づいて、演算装置が分子動力学シミュレーションを実行中の1または複数の第1の分子に含まれる原子の総数が推定された第1の原子の数を超えないように、複数の対象分子の中から演算装置で分子動力学シミュレーションを行う1または複数の第2の分子を決定する。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
所定分子の分子動力学シミュレーションを演算装置で実行した際の前記所定分子に含まれる原子の数と、前記演算装置の利用率とに基づいて、前記演算装置での分子動力学シミュレーションにおいて前記利用率を最大とする第1の原子の数を推定し、
分子動力学シミュレーションの対象とする複数の対象分子それぞれに含まれる第2の原子の数に基づいて、前記演算装置が分子動力学シミュレーションを実行中の1または複数の第1の分子に含まれる原子の総数が推定された前記第1の原子の数を超えないように、前記複数の対象分子の中から前記演算装置で分子動力学シミュレーションを行う1または複数の第2の分子を決定する、
処理をコンピュータに実行させることを特徴とする分子動力学シミュレーション割り当てプログラム。
続きを表示(約 1,000 文字)【請求項2】
前記推定する処理は、前記複数の対象分子に含まれる1分子を前記所定分子として分子動力学シミュレーションを前記演算装置で実行する、
ことを特徴とする請求項1に記載の分子動力学シミュレーション割り当てプログラム。
【請求項3】
前記決定する処理は、推定された前記第1の原子の数から前記原子の総数を減算して前記演算装置における計算資源の空き容量に対応する第3の原子の数を求め、求めた前記第3の原子の数を超えない分子を前記第2の分子として前記複数の対象分子の中から二分探索する、
ことを特徴とする請求項1または2に記載の分子動力学シミュレーション割り当てプログラム。
【請求項4】
所定分子の分子動力学シミュレーションを演算装置で実行した際の前記所定分子に含まれる原子の数と、前記演算装置の利用率とに基づいて、前記演算装置での分子動力学シミュレーションにおいて前記利用率を最大とする第1の原子の数を推定し、
分子動力学シミュレーションの対象とする複数の対象分子それぞれに含まれる第2の原子の数に基づいて、前記演算装置が分子動力学シミュレーションを実行中の1または複数の第1の分子に含まれる原子の総数が推定された前記第1の原子の数を超えないように、前記複数の対象分子の中から前記演算装置で分子動力学シミュレーションを行う1または複数の第2の分子を決定する、
処理をコンピュータが実行することを特徴とする分子動力学シミュレーション割り当て方法。
【請求項5】
所定分子の分子動力学シミュレーションを演算装置で実行した際の前記所定分子に含まれる原子の数と、前記演算装置の利用率とに基づいて、前記演算装置での分子動力学シミュレーションにおいて前記利用率を最大とする第1の原子の数を推定し、
分子動力学シミュレーションの対象とする複数の対象分子それぞれに含まれる第2の原子の数に基づいて、前記演算装置が分子動力学シミュレーションを実行中の1または複数の第1の分子に含まれる原子の総数が推定された前記第1の原子の数を超えないように、前記複数の対象分子の中から前記演算装置で分子動力学シミュレーションを行う1または複数の第2の分子を決定する、
処理を実行する制御部を含むことを特徴とする情報処理装置。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、分子動力学シミュレーション割り当てプログラム、分子動力学シミュレーション割り当て方法および情報処理装置に関する。
続きを表示(約 1,300 文字)【背景技術】
【0002】
近年、分子動力学(Molecular Dynamics)シミュレーション(以下、MDシミュレーション)を用いて分子化合物に含まれる原子や分子の動きなどの状態遷移を求めることが、創薬等の分野において重要なこととなっている。
【0003】
MDシミュレーションでは、対象とする分子化合物(以下、分子)に含まれる各原子に働く原子間力の計算や、運動方程式にしたがった原子及び分子の座標更新を時間発展で繰り返すことで、対象分子における原子や分子の動きをシミュレートする。
【0004】
創薬等では、薬の候補となる分子をある程度絞り込んだ上でそれぞれの候補分子に対して上記のMDシミュレーションを行う。しかしながら、絞り込んだとしても候補分子の数が1万程度あることから、全ての候補分子に対するMDシミュレーションは、膨大な計算時間を要する。
【0005】
このような計算時間を短縮させる従来技術としては、複数のタスクを実行させる場合に、それぞれのタスクをCPU(Central Processing Unit)コアに割り当てるタスク割り当てを行うものが知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
特開2010-277171号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、上記の従来技術は、MDシミュレーションを対象としたタスク割り当てではない。このため、上記の従来技術では、MDシミュレーションが効率的に行われるようにMDシミュレーションを割り当てることは困難であり、計算時間を削減できない場合があるという問題がある。
【0008】
図8は、MDシミュレーションの従来のケースを説明する説明図である。図8のケースC1に示すように、演算装置P10において単一のMDシミュレーションを行う場合は、対象分子AのMDシミュレーションが行われている間、対象分子Bは順番待ちとなる。また、対象分子Aに含まれる原子数が少なく、MDシミュレーションに要する計算資源が少なくてよい場合は、対象分子AのMDシミュレーションが行われている間の演算装置P10の実行効率が低くなる。
【0009】
また、図8のケースC2に示すように、演算装置P10において対象分子A、Bの複数のMDシミュレーションを行う場合、MDシミュレーションにかかる総原子数が多大なものとなることがある。このような場合、複数のMDシミュレーションに要する計算資源が演算装置P10の計算資源を超えてしまい、スワップなどによって演算装置P10の実行効率が低くなることがある。
【0010】
1つの側面では、MDシミュレーションにかかる計算時間を削減することができる分子動力学シミュレーション割り当てプログラム、分子動力学シミュレーション割り当て方法および情報処理装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
(【0011】以降は省略されています)

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