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公開番号
2024168713
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2024-12-05
出願番号
2023085610
出願日
2023-05-24
発明の名称
研磨用シリカ系粒子分散液およびその製造方法
出願人
日揮触媒化成株式会社
代理人
個人
,
個人
主分類
C09K
3/14 20060101AFI20241128BHJP(染料;ペイント;つや出し剤;天然樹脂;接着剤;他に分類されない組成物;他に分類されない材料の応用)
要約
【課題】研磨スラリーとして使用した場合に、うねりを小さくでき、かつ研磨速度を高くできる研磨用シリカ系粒子分散液の提供。
【解決手段】以下を満たす、粒子の内部に向かって窪んだ部分を有する窪み型シリカ系粒子を含む粒子群が溶媒に分散してなる研磨用シリカ系粒子分散液。粒子群の平均粒子径が特定範囲内であること。粒子群の重量換算粒子径分布が特定形状であること。粒子群の細孔容積が特定範囲内であること。窪み型シリカ系粒子は粒子の輪郭線が粒子の内部に向かって凹状に窪んだ部分を有し、該凹状に窪んだ部分を挟んだ粒子輪郭上の2点に接する接線Mから垂直方向に下した直線と、粒子輪郭線とが交わる点までの接線Mからの最大の長さをLとしたときLが特定範囲であること。粒子群の比表面積換算粒子径Deに対するLaの比特定値以上になること。ここでLaは粒子群中の窪み型シリカ系粒子における前記長さLの個数平均値を表す。
【選択図】図1
特許請求の範囲
【請求項1】
以下の[1]~[5]を満たす、粒子の内部に向かって窪んだ部分を有する窪み型シリカ系粒子を含む粒子群が溶媒に分散してなる研磨用シリカ系粒子分散液。
[1]前記粒子群の動的光散乱法による平均粒子径(Dd)が40~300nmの範囲内であること。
[2]前記粒子群の重量換算粒子径分布において、粒子径の小さい方からの累積10%粒子径(D
10
)、累積90%粒子径(D
90
)および累積50%粒子径(D
50
)が、次式を満たすこと。
式:1.6≦(D
90
-D
10
)/D
50
≦5
[3]前記粒子群の窒素吸着法による細孔容積が0.1~0.35ml/gの範囲内であること。
[4]前記窪み型シリカ系粒子は、電子顕微鏡写真または画像において、粒子の輪郭線が粒子の内部に向かって凹状に窪んだ部分を有し、該凹状に窪んだ部分を挟んだ粒子輪郭上の2点に接する接線Mから接線Mに垂直方向に下した直線と、粒子輪郭線とが交わる点までの接線Mからの最大の長さをLとしたとき、L≧3nmであること。
[5]前記粒子群の比表面積換算粒子径Deに対するLaの比(La/De)が0.15以上になる。(ここでLaは、前記粒子群中の前記窪み型シリカ系粒子における前記長さLの個数平均値を表す。)
続きを表示(約 520 文字)
【請求項2】
前記粒子群における前記窪み型シリカ系粒子の含有率が25~90質量%である、請求項1に記載の研磨用シリカ系粒子分散液。
【請求項3】
前記窪み型シリカ系粒子の長径/短径比の平均値が1.34~5の範囲にある、請求項1または請求項2に記載の研磨用シリカ系粒子分散液。
【請求項4】
下記工程(a)~(c)を備える研磨用シリカ系粒子分散液の製造方法。
工程(a):珪酸アルカリ水溶液に、酸性珪酸液とハロゲン化アルカリとを添加して混合し、シリカモル数(MTS)とハロゲン化アルカリのモル数(MH)との比((MTS)/(MH))が2~100であって、シリカ濃度が10~18質量%の範囲内である前駆体分散液を調製する工程。
工程(b):前記前駆体分散液を50~95℃に保持し、続いて同温度範囲を維持しながら前記酸性珪酸液を連続的に又は断続的に添加し、種粒子分散液を調製する工程。
工程(c):前記種粒子分散液に含まれるSiO
2
に対して2~100倍のモル数のSiO
2
を含む前記酸性珪酸液を、前記種粒子分散液に添加してシリカ系粒子分散液を得る工程。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、磁気ディスク基板研磨用研磨スラリーあるいは磁気ディスク基板研磨用組成物に好適な研磨用シリカ系粒子分散液と、その製造方法に関する。
続きを表示(約 2,000 文字)
【背景技術】
【0002】
研磨用粒子としては、従来、シリカゾルやヒュームドシリカおよびヒュームドアルミナ等が用いられている。半導体の集積回路付基板の製造においては、シリコンウェハー上にアルミニウムの配線を形成し、この上に絶縁膜としてシリカ等の酸化膜を設ける。この場合に配線による凹凸が生じるので、この酸化膜を研磨して平坦化することが行われている。このような基板の研磨において、研磨後の表面は段差や凹凸がなく平坦で、さらにミクロな傷等もなく平滑であること、および高い研磨速度が求められている。
【0003】
高い研磨速度を得る方法としては、サイズの大きな砥粒を使用することが一般的である。しかし、砥粒の粒子径が大きくなり過ぎると、研磨後の基板表面の平坦性が悪化する傾向にある。そこで、表面の平坦性を悪化させることなく高い研磨速度を得るために、砥粒を非球形とする、つまり砥粒を異形形状の粒子(異形粒子)とすることが有効である事が知られている。サイズの大きな異形形状の粒子を得る方法として、特許文献1のように、多孔質シリカゲルをビーズミルなどによって粉砕して異形多孔質ゲルを調製し、この異形多孔質ゲルを珪酸などによって粒子成長させることで、サイズが大きく、異形度の高い異形形状の粒子を得る方法が知られている。
【0004】
高い研磨速度を得る別の方法としては、特許文献2のように、珪酸アルカリ水溶液と酸性珪酸液にハロゲン化アルカリを添加し、ハロゲン化アルカリとシリカのモル比を0.01~0.5として、加熱攪拌し、レイノルズ数が2000~1,000,000の範囲で攪拌しながら酸性珪酸液を添加することで、一次粒子が少なくとも4個以上クラスター化したシリカ粒子の製造法が知られている。
【0005】
高い研磨速度を得るさらに別の方法としては、特許文献3のように珪酸アルキルを加水分解して得られる加水分解液を、アルカリ触媒及び水を含む液に添加して、混合液のpHを制御することで、屈曲構造及び/または分岐構造をもつ非球形のシリカ粒子、すなわち異形シリカ粒子を得る方法が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
特開2018-177576号公報
特許第6207345号公報
国際公開2010/035613号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかし、特許文献1に記載の研磨用組成物は、研磨速度は高いものの、研磨後の基板表面において高い平坦性を得ようとした場合は、異形粒子の粒子径をより小さく調製する必要があった。特許文献1の方法を用いて粒子径を小さくしようとした場合、原料に使用する多孔質シリカゲルを更に小さなサイズに粉砕するために繰り返し粉砕を行う必要がある。繰り返し粉砕を行うことで異形多孔質ゲルのサイズを小さくすることはできるが、同時に異形多孔質ゲルの異形度も低くなる。その結果として、珪酸などにより粒子成長させた後の異形シリカ粒子の異形度も低くなるため、研磨速度が低下するといった問題があった。また、異形多孔質ゲルを所定のサイズに粉砕するためには、何度も繰り返して粉砕を行う必要があるため、非効率で経済的でないという課題もあった。
【0008】
また、特許文献2に記載のシリカ粒子は、球状のシリカ粒子と比較して研磨速度は高いものの、ハードディスクの一次研磨用途においては、より高い研磨速度が求められており、さらに高い研磨速度を実現しながら、同時に、うねりなどの研磨基板の表面の平坦性は、より低くすることが求められている。すなわち、特許文献2の記載のシリカ粒子は、研磨速度は高いものの、高い研磨速度と低うねりを両立すること出来ないという課題があった。
【0009】
また、特許文献3に記載のコロイダルシリカは、ケイ酸アルキルを加水分解して得られる加水分解液を用いて屈曲構造及び/または分岐構造を備える粒子が開示されているが、該コロイダルシリカは原料にケイ酸アルキルを用いているため、非常に高価であり経済性が非常に悪く、ハードディスク用途には適用できないという課題があった。さらに筆者らが実際に再現実験を行ったところ、屈曲または分岐構造は得られるものの、ケイ酸アルカリを原料とした異形シリカ粒子と比較すると、粒子の硬さが不足しているためか、研磨速度が著しく遅いという課題もあった。
【0010】
本発明は、研磨スラリーとして使用した場合に、うねりを小さくでき、かつ研磨速度を高くできる研磨用シリカ系粒子分散液およびその製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
(【0011】以降は省略されています)
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