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公開番号2024167766
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-12-04
出願番号2023084068
出願日2023-05-22
発明の名称ガラス物品の製造方法およびガラス溶融装置
出願人日本電気硝子株式会社
代理人個人,個人,個人
主分類C03B 5/027 20060101AFI20241127BHJP(ガラス;鉱物またはスラグウール)
要約【課題】溶融炉の外的変動によって溶融炉内の溶融ガラスの温度変動が生じるのを確実に抑制する。
【解決手段】ガラス物品の製造方法は、溶融炉2内でガラス原料Grを加熱溶融して溶融ガラスGmを生成する溶融工程を備える。溶融炉2は、溶融炉2内の所定領域に配置された電極群EGを備える。電極群EGは、複数の電極6で組をなす電極組7を備える。溶融工程では、電極群EGで溶融ガラスGmに通電される電流I0が目標値となるように定電流制御するとともに、電極組7で溶融ガラスGmに通電される電流I1,I2,I3が目標値となるように定電流制御する。
【選択図】図3
特許請求の範囲【請求項1】
溶融炉内でガラス原料を加熱溶融して溶融ガラスを生成する溶融工程を備えるガラス物品の製造方法であって、
前記溶融炉は、前記溶融炉内の所定領域に配置された電極群を備え、
前記電極群は、複数の電極で組をなす電極組を備え、
前記溶融工程では、前記電極群で前記溶融ガラスに通電される電流が目標値となるように定電流制御するとともに、前記電極組で前記溶融ガラスに通電される電流が目標値となるように定電流制御することを特徴とするガラス物品の製造方法。
続きを表示(約 560 文字)【請求項2】
前記溶融炉は、前記電極群を定電流制御する群制御装置と、前記電極組を定電流制御する組制御装置とを備える請求項1に記載のガラス物品の製造方法。
【請求項3】
前記群制御装置における定電流制御時の電圧調整範囲が、前記組制御装置における定電流制御時の電圧調整範囲よりも大きい請求項2に記載のガラス物品の製造方法。
【請求項4】
前記組制御装置における定電流制御時の電圧調整範囲が、200V以下である請求項3に記載のガラス物品の製造方法。
【請求項5】
前記群制御装置における定電流制御時の電圧調整範囲が、1200V以下である請求項3又は4に記載のガラス物品の製造方法。
【請求項6】
ガラス原料を加熱溶融して溶融ガラスを生成する溶融炉を備えるガラス溶融装置であって、
前記溶融炉は、前記溶融炉内の所定領域に配置された電極群を備え、
前記電極群は、複数の電極で組をなす電極組を備え、
前記溶融炉は、前記電極群で前記溶融ガラスに通電される電流が目標値となるように定電流制御する群制御装置と、前記電極組で前記溶融ガラスに通電される電流が目標値となるように定電流制御する組制御装置とをさらに備えることを特徴とするガラス溶融装置。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、ガラス物品の製造方法およびガラス溶融装置に関する。
続きを表示(約 1,300 文字)【背景技術】
【0002】
ガラス繊維や板ガラスなどのガラス物品の製造方法には、溶融炉内でガラス原料を加熱溶融して溶融ガラスを生成する溶融工程が含まれる。溶融工程では、例えば、溶融ガラスに浸漬された電極による通電加熱により、ガラス原料を溶融して溶融ガラスを得る場合がある。
【0003】
電極による通電加熱を用いる場合、溶融炉内の所定領域に配置された複数の電極を含む電極群が、定電力制御されることがある(例えば、特許文献1を参照)。定電力制御では、電極群に供給される電力が所定電力に維持されるように制御される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特開2014-2895号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
溶融炉の外的変動の影響を受け、溶融炉内の溶融ガラスの温度は大きく変動する場合がある。溶融炉の外的変動としては、例えば、溶融炉内に投入したガラス原料の粒度、流量、カレット率、温度の変動の他に、外気温の変動などが挙げられる。
【0006】
しかしながら、電極群を定電力制御する場合、電極群に供給される電力は略一定であるため、発生可能な熱量も略一定である。そのため、溶融炉の外的変動により溶融ガラスの温度が大きく変動すると、得られるガラス物品で泡等の欠陥が増加する場合や、溶融ガラスの温度を早期に変動前の所望の温度に戻すのが困難になる場合がある。
【0007】
本発明は、溶融炉の外的変動によって溶融炉内の溶融ガラスの温度変動が生じるのを確実に抑制することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
(1) 上記の課題を解決するために創案された本発明は、溶融炉内でガラス原料を加熱溶融して溶融ガラスを生成する溶融工程を備えるガラス物品の製造方法であって、溶融炉は、溶融炉内の所定領域に配置された電極群を備え、電極群は、複数の電極で組をなす電極組を備え、溶融工程では、電極群で溶融ガラスに通電される電流が目標値となるように定電流制御すると共に、電極組で溶融ガラスに通電される電流が目標値となるように定電流制御することを特徴とする。
【0009】
溶融ガラスの電気抵抗は、溶融ガラスの温度が上昇すれば減少し、溶融ガラスの温度が低下すれば増大する温度依存性がある。そのため、電極群および電極組を定電流制御すれば、溶融ガラスの温度が低下して溶融ガラスの電気抵抗が増大した場合には、電流が流れにくくなるため、一定の電流を流すために電圧が上昇する。その結果、供給される電力が増加し、溶融ガラスの温度低下を早期に解消することができる。一方、溶融ガラスの温度が上昇して溶融ガラスの電気抵抗が減少した場合には、電流が流れやすくなるため、一定の電流を流すために電圧が減少する。その結果、供給される電力が減少し、溶融ガラスの温度上昇を早期に解消することができる。
【0010】
(2) 上記(1)の構成において、溶融炉は、電極群を定電流制御する群制御装置と、電極組を定電流制御する組制御装置とを備えることが好ましい。
(【0011】以降は省略されています)

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