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公開番号2024167062
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-11-29
出願番号2024076749
出願日2024-05-09
発明の名称形状が広くて薄く、且つ平坦な導電構造を有するダンパ及びその製造方法
出願人個人
代理人個人
主分類H04R 9/02 20060101AFI20241122BHJP(電気通信技術)
要約【課題】縫い糸を必要とせず、形状が広くて薄く、かつ、平坦な導電構造を有するダンパ及びその製造方法を提供する。
【解決手段】ダンパを製造する方法は、金属層を芯線の外面に被覆することで、金属糸を形成し、金属糸の第一の交絡部を、金属糸の第二の交絡部に交絡し、マルチフィラメント糸体を編む。ここで、互いに平行な第一の交絡部の両端が、互いに平行な第二の交絡部に接続され、第一の交絡部と第二の交絡部との延在方向は異なる。方法はまた、数本の経糸を、少なくとも1本のマルチフィラメント糸体と間隔をあけて設置させ、直線的に延ばし且つ互に平行させ、複数本の緯糸を経糸とマルチフィラメント糸体との間に交絡することで基材を編み、基材を樹脂溶液に浸漬し、次いで基材を乾燥し、基材に本体及び導電構造を熱プレス成形し、本体と基材を分離すると同時に、導電構造とマルチフィラメント糸体を分離する。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
形状が広くて薄く、且つ平坦な導電構造を有するダンパの製造方法であって、
金属層を芯線の外面に被覆することで、金属糸を形成するステップと、
複数本の金属糸の複数の第一の交絡部を前記複数本の金属糸の複数の第二の交絡部に交絡することで、形状が広くて薄く、且つ平坦なマルチフィラメント糸体を編むステップであって、各前記第一の交絡部の両端が、それぞれ第二の交絡部に接続され、前記複数の第一の交絡部が互に平行し、前記複数の第二の交絡部がお互に平行し、且つ前記複数の第一の交絡部と前記複数の第二の交絡部との延在方向が異なるステップと、
複数本の経糸を、少なくとも1本のマルチフィラメント糸体と間隔をあけて設置させ、前記複数本の経糸を、前記少なくとも1本のマルチフィラメント糸体と直線的に延びて且つ互に平行させるステップと、
複数本の緯糸を前記複数本の経糸と前記少なくとも1本のマルチフィラメント糸体との間に交絡することで、基材を編むステップと、
前記基材を樹脂溶液に浸漬するステップと、
前記基材を乾燥するステップと、
前記基材にダンパの本体を熱プレス成形すると同時に、前記少なくとも1本のマルチフィラメント糸体に形状が広くて薄く、且つ平坦な少なくとも2本の導電構造を熱プレス成形するステップと、
前記本体と前記基材とを分離すると同時に、前記少なくとも2本の導電構造と前記少なくとも一つのマルチフィラメント糸体とを分離するステップと、を含む、
ダンパの製造方法。
続きを表示(約 1,400 文字)【請求項2】
前記複数本の経糸を、前記少なくとも1本のマルチフィラメント糸体と間隔をあけて設置させるステップにおいて、
前記少なくとも1本のマルチフィラメント糸体とその両側の経糸との距離を前記複数本の経糸間の距離よりも大きくすることをさらに含み、
前記基材を編むステップにおいて、
前記複数本の緯糸には、前記少なくとも1本のマルチフィラメント糸体の第一側から、前記少なくとも1本のマルチフィラメント糸体の前記第一側に最も近い経糸までの領域が第一の弾性調整領域に設定され、且つ前記少なくとも1本のマルチフィラメント糸体の第二側から、前記少なくとも1本のマルチフィラメント糸体の前記第二側に最も近い経糸までの領域が第二の弾性調整領域に設定され、前記第一の弾性調整領域の幅が、前記第二の弾性調整領域の幅と等しいことをさらに含む、
請求項1に記載のダンパの製造方法。
【請求項3】
前記本体と前記基材を分離するステップの後に、前記複数の導電構造の両端に半田付けをすることで、少なくとも四つの半田部を形成するステップをさらに含む、請求項1に記載のダンパの製造方法。
【請求項4】
前記芯線の材質は、綿である、請求項1に記載のダンパの製造方法。
【請求項5】
前記複数本の金属糸の本数は、7本である、請求項1に記載のダンパの製造方法。
【請求項6】
形状が広くて薄く、且つ平坦な導電構造を有するダンパであって、
複数本の経糸と複数本の緯糸とを交絡することにより形成する本体と、
形状が広くて薄く、且つ平坦であり、前記複数本の経糸と間隔をあけて設置され、直線的に延びて互に平行し、前記複数本の緯糸と交絡される少なくとも2本の導電構造とを含み、
各前記導電構造は、形状が広くて薄く、且つ平坦なマルチフィラメント糸体であり、前記マルチフィラメント糸体は、複数本の金属糸の複数の第一の交絡部と前記複数本の金属糸の複数の第二の交絡部とを交絡することにより形成し、
各前記金属糸は、金属層を芯線の外面に被覆することにより形成し、
各前記第一の交絡部の両端は、それぞれ第二の交絡部に接続し、前記複数の第一の交絡部は互に平行し、前記複数の第二の交絡部は互に平行し、且つ前記複数の第一の交絡部は、前記複数の第二の交絡部との延在方向が異なる、ダンパ。
【請求項7】
前記少なくとも1本のマルチフィラメント糸体とその両側の経糸との距離は、前記複数本の経糸間の距離よりも大きく、
前記複数本の緯糸には、前記少なくとも1本のマルチフィラメント糸体の第一側から、前記少なくとも1本のマルチフィラメント糸体の前記第一側に最も近い経糸までの領域が第一の弾性調整領域に設定され、前記少なくとも1本のマルチフィラメント糸体の第二側から、前記少なくとも1本のマルチフィラメント糸体の前記第二側に最も近い経糸までの領域が第二の弾性調整領域に設定される、
請求項6に記載のダンパ。
【請求項8】
それぞれ半田付けによりこれらの導電構造の両端に形成される少なくとも四つの半田部をさらに含む、請求項6に記載のダンパ。
【請求項9】
前記芯線の材質は、綿である、請求項6に記載のダンパ。
【請求項10】
前記複数本の金属糸の本数は、7本である、請求項6に記載のダンパ。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、ダンパ及びその製造方法、特に形状が広くて薄く、且つ平坦な導電構造を有するダンパ及びその製造方法に関する。
続きを表示(約 1,200 文字)【背景技術】
【0002】
ムービングコイルスピーカーでは、導電構造は、パワー交流電力をボイスコイルに伝送することを担当し、ダンパは、ボイスコイルが磁石の鉄心の間隙にある位置を正確な位置に保持し、ボイスコイルに力が付与された時にボイスコイルが軸線方向に往復運動することを確保することを担当する。導電構造は、ダンパの本体に固定され、本体は、導電構造を支持し、導電構造の耐疲労性を向上させることができ、導電構造が破断しにくくなる。
【0003】
導電構造は、縫い糸によりダンパの本体に固定されることができる。しかしながら、縫い糸で導電構造をダンパの本体の表面に縫合固定するために、人手でミシンを操作する必要がある。さらに、ステップは、かなり複雑である。
【0004】
導電構造は、2枚の本体で挟むことができる。しかしながら、熱プレス成形の過程で、導電構造の位置がずれて、最適な位置から離れることがあるため、ダンパ、ボイスコイルと振動板の共振効率に影響を及ぼす。さらに、各ダンパにおいて、導電構造のずれ具合が異なるため、スピーカーごとに音質に少し違う。なお、ステップは、かなり複雑である。
【0005】
導電構造が経糸と緯糸よりも硬く、導電構造の弾性及び靭性が経糸と緯糸の弾性及び靭性よりも悪いため、導電構造が通過する領域は、ダンパの本体の他の領域よりも硬く、導電構造が通過する領域の弾性及び靭性は、ダンパの本体の他の領域の弾性及び靭性よりも悪い。そのため、ダンパの硬さ、弾性及び靭性が不均一になるため、ダンパの弾性復元力及び耐疲労性が不均一になり、ダンパが変形しやすくなり、さらにスピーカーの出力音質に影響を及ぼす。
【0006】
従来の導電構造の断面は、円形であり、円形の導電構造は、一般的には、複数本の金属糸を撚り合わせたものであり、各金属糸には、一部が中心に位置し、中心に位置する部分は、他の金属糸で遮られ、発生した熱が排出されにくくなり、熱が蓄積されるという問題があるため、円形の導電構造は過熱しやすくなる。
【0007】
さらに、円形の導電構造が比較的に太くて、ダンパの本体の表面に大きく突出するため、円形の導電構造は、金型に圧傷されやすくなり、ひいては破断することになる。
【0008】
なお、撚り合わせた円形の導電構造の末端は、発散状であり、接着剤により接続端子の接触点とボイスコイルのコイルに結び付けられることが容易ではない。
【0009】
また、糊剤が劣化しやすいため、その粘性を失うことがあり、その結果、円形の導電構造の末端は、発散しやすくなり、接続端子の接触点及びボイスコイルのコイルと分離される。
【0010】
また、一般的な金属糸は、全体が金属でできており、コストが比較的に高い。
(【0011】以降は省略されています)

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