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公開番号2024166841
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-11-29
出願番号2023083221
出願日2023-05-19
発明の名称計測方法、計測装置、計測システム及び計測プログラム
出願人セイコーエプソン株式会社
代理人個人,個人,個人
主分類G01P 3/68 20060101AFI20241122BHJP(測定;試験)
要約【課題】鉄道車両の走行による橋梁の変位振幅の精度を向上させることが可能な計測方法を提供すること。
【解決手段】橋梁の観測点を観測し、前記橋梁を走行する鉄道車両の複数の部位の前記観測点への作用に対する応答である加速度を検出する加速度センサーから出力される加速度データに基づいて、前記鉄道車両の走行による前記橋梁の速度振幅を算出する速度振幅算出工程と、前記鉄道車両が前記橋梁を通過する通過時間、橋梁長及び前記鉄道車両の車両数の少なくとも1つに基づいて、前記速度振幅を補正した補正速度振幅を算出する補正速度振幅算出工程と、前記鉄道車両の走行による前記橋梁の速度振幅と変位振幅との相関を表す回帰直線に前記補正速度振幅を代入して前記変位振幅を算出する変位振幅算出工程と、を含む、計測方法。
【選択図】図37
特許請求の範囲【請求項1】
橋梁の観測点を観測し、前記橋梁を走行する鉄道車両の複数の部位の前記観測点への作用に対する応答である加速度を検出する加速度センサーから出力される加速度データに基づいて、前記鉄道車両の走行による前記橋梁の速度振幅を算出する速度振幅算出工程と、
前記鉄道車両が前記橋梁を通過する通過時間、橋梁長及び前記鉄道車両の車両数の少なくとも1つに基づいて、前記速度振幅を補正した補正速度振幅を算出する補正速度振幅算出工程と、
前記鉄道車両の走行による前記橋梁の速度振幅と変位振幅との相関を表す回帰直線に前記補正速度振幅を代入して前記変位振幅を算出する変位振幅算出工程と、
を含む、計測方法。
続きを表示(約 1,400 文字)【請求項2】
請求項1において、
前記橋梁の構造モデルへの荷重の印加によるたわみ量に基づいて前記速度振幅と前記変位振幅との特性分布を算出し、前記特性分布に基づいて前記回帰直線を算出する回帰直線算出工程を含む、計測方法。
【請求項3】
請求項1又は2において、
前記補正速度振幅算出工程では、
前記通過時間を基準通過時間に基づいて規格化した規格化通過時間、前記橋梁長を基準橋梁長に基づいて規格化した規格化橋梁長及び前記車両数を基準車両数に基づいて規格化した規格化車両数の少なくとも1つに基づいて、前記補正速度振幅を算出する、計測方法。
【請求項4】
請求項1又は2において、
前記補正速度振幅算出工程では、
前記速度振幅と前記通過時間との相関を近似した関数、前記速度振幅と前記橋梁長との相関を近似した関数及び前記速度振幅と前記車両数との相関を近似した関数の少なくとも1つに基づいて、前記補正速度振幅を算出する、計測方法。
【請求項5】
請求項1又は2において、
前記補正速度振幅算出工程では、
前記速度振幅と、前記通過時間を基準通過時間に基づいて規格化した規格化通過時間との相関を近似した関数、前記速度振幅と、前記橋梁長を基準橋梁長に基づいて規格化した規格化橋梁長との相関を近似した関数、及び、前記速度振幅と、前記車両数を基準車両数に基づいて規格化した規格化車両数との相関を近似した関数の少なくとも1つに基づいて、前記補正速度振幅を算出する、計測方法。
【請求項6】
請求項1又は2において、
前記複数の部位のそれぞれは車軸又は車輪である、計測方法。
【請求項7】
橋梁の観測点を観測し、前記橋梁を走行する鉄道車両の複数の部位の前記観測点への作用に対する応答である加速度を検出する加速度センサーから出力される加速度データに基づいて、前記鉄道車両の走行による前記橋梁の速度振幅を算出する速度振幅算出部と、
前記鉄道車両が前記橋梁を通過する通過時間、橋梁長及び前記鉄道車両の車両数の少なくとも1つに基づいて、前記速度振幅を補正した補正速度振幅を算出する補正速度振幅算出部と、
前記鉄道車両の走行による前記橋梁の速度振幅と変位振幅との相関を表す回帰直線に前記補正速度振幅を代入して前記変位振幅を算出する変位振幅算出部と、
を含む、計測装置。
【請求項8】
請求項7に記載の計測装置と、
前記加速度センサーと、
を備えた、計測システム。
【請求項9】
橋梁の観測点を観測し、前記橋梁を走行する鉄道車両の複数の部位の前記観測点への作用に対する応答である加速度を検出する加速度センサーから出力される加速度データに基づいて、前記鉄道車両の走行による前記橋梁の速度振幅を算出する速度振幅算出工程と、
前記鉄道車両が前記橋梁を通過する通過時間、橋梁長及び前記鉄道車両の車両数の少なくとも1つに基づいて、前記速度振幅を補正した補正速度振幅を算出する補正速度振幅算出工程と、
前記鉄道車両の走行による前記橋梁の速度振幅と変位振幅との相関を表す回帰直線に前記補正速度振幅を代入して前記変位振幅を算出する変位振幅算出工程と、
をコンピューターに実行させる、計測プログラム。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、計測方法、計測装置、計測システム及び計測プログラムに関する。
続きを表示(約 5,300 文字)【背景技術】
【0002】
特許文献1には、鉄道橋梁に装着された加速度センサーと、鉄道橋梁が無載荷状態であるときの加速度センサーの出力を加速度のゼロ点として設定し、鉄道橋梁が載荷状態であるときに加速度センサーが出力した加速度のゼロ点を補正し、ゼロ点補正後に2回積分、ベイズ推定、カルマンフィルター等の適用により、ドリフトを抑制して鉄道橋梁のたわみ量を推定するたわみ測定装置が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特開2019-049095号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1のFIG.3Cでは、鉄道橋梁が載荷状態となる区間で無載荷状態の区間よりも変位が上昇する結果となっているが、期待される変位波形は、鉄道橋梁が載荷状態となる区間の変位が無載荷状態の区間よりも下降した波形であることは明らかである。これは、変位波形の低周波数域の信号成分が低周波数域のドリフト成分とともに抑制された結果と類似である。したがって、特許文献1に記載のたわみ測定装置によるたわみ量の推定方法では、ドリフトとともに変位波形の低周波数域の成分についても抑制してしまうので、本来の変位の振幅を精度良く推定することができないおそれがある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明に係る計測方法の一態様は、
橋梁の観測点を観測し、前記橋梁を走行する鉄道車両の複数の部位の前記観測点への作用に対する応答である加速度を検出する加速度センサーから出力される加速度データに基づいて、前記鉄道車両の走行による前記橋梁の速度振幅を算出する速度振幅算出工程と、
前記鉄道車両が前記橋梁を通過する通過時間、橋梁長及び前記鉄道車両の車両数の少なくとも1つに基づいて、前記速度振幅を補正した補正速度振幅を算出する補正速度振幅算出工程と、
前記鉄道車両の走行による前記橋梁の速度振幅と変位振幅との相関を表す回帰直線に前記補正速度振幅を代入して前記変位振幅を算出する変位振幅算出工程と、
を含む。
【0006】
本発明に係る計測装置の一態様は、
橋梁の観測点を観測し、前記橋梁を走行する鉄道車両の複数の部位の前記観測点への作用に対する応答である加速度を検出する加速度センサーから出力される加速度データに基づいて、前記鉄道車両の走行による前記橋梁の速度振幅を算出する速度振幅算出部と、
前記鉄道車両が前記橋梁を通過する通過時間、橋梁長及び前記鉄道車両の車両数の少なくとも1つに基づいて、前記速度振幅を補正した補正速度振幅を算出する補正速度振幅算出部と、
前記鉄道車両の走行による前記橋梁の速度振幅と変位振幅との相関を表す回帰直線に前記補正速度振幅を代入して前記変位振幅を算出する変位振幅算出部と、
を含む。
【0007】
本発明に係る計測システムの一態様は、
前記計測装置の一態様と、
前記加速度センサーと、
を備える。
【0008】
本発明に係る計測プログラムの一態様は、
橋梁の観測点を観測し、前記橋梁を走行する鉄道車両の複数の部位の前記観測点への作用に対する応答である加速度を検出する加速度センサーから出力される加速度データに基づいて、前記鉄道車両の走行による前記橋梁の速度振幅を算出する速度振幅算出工程と、
前記鉄道車両が前記橋梁を通過する通過時間、橋梁長及び前記鉄道車両の車両数の少なくとも1つに基づいて、前記速度振幅を補正した補正速度振幅を算出する補正速度振幅算出工程と、
前記鉄道車両の走行による前記橋梁の速度振幅と変位振幅との相関を表す回帰直線に前記補正速度振幅を代入して前記変位振幅を算出する変位振幅算出工程と、
をコンピューターに実行させる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
計測システムの構成例を示す図。
図1の上部構造をA-A線で切断した断面図。
加速度センサーが検出する加速度の説明図。
車両の長さL

(C

)及び車軸間の距離La(a

(C

,n))の一例を示す図。
橋梁の上部構造の構造モデルの説明図。
たわみ量w
std
(a

(C

,n),t)の一例を示す図。
たわみ量C
std
(C

,t)の一例を示す図。
たわみ量T
std
(t)の一例を示す図。
たわみ量T
std_p
(t)とその変位振幅S

の一例を示す図。
たわみ量T
std_p
(t)の速度波形とその速度振幅S

の一例を示す図。
荷重比P

と変位振幅S

及び速度振幅S

との関係の一例を示す図。
荷重比P

と、変位振幅S

と速度振幅S

との比との関係の一例を示す図。
荷重比P

が変化したときの変位振幅S

と速度振幅S

との関係の一例を示す図。
通過時間t

と変位振幅S

及び速度振幅S

との関係の一例を示す図。
通過時間t

が変化したときの変位振幅S

と速度振幅S

との関係の一例を示す図。
図14に示した通過時間t

と速度振幅S

との関係を両対数で示す図。
通過時間t

と補正速度振幅S
v_cor_ts
との関係の一例を示す図。
通過時間t

が変化したときの変位振幅S

と補正速度振幅S
v_cor_ts
との関係の一例を示す図。
通過時間t

と補正速度振幅S
v_cor_ts1
との関係の一例を示す図。
通過時間t

が変化したときの変位振幅S

と補正速度振幅S
v_cor_ts1
との関係の一例を示す図。
橋梁長L

と変位振幅S

及び速度振幅S

との関係の一例を示す図。
橋梁長L

が変化したときの変位振幅S

と速度振幅S

との関係の一例を示す図。
図21に示した橋梁長L

と速度振幅S

との関係を両対数で示す図。
橋梁長L

と補正速度振幅S
v_cor_LB
との関係の一例を示す図。
橋梁長L

が変化したときの変位振幅S

と補正速度振幅S
v_cor_LB
との関係の一例を示す図。
橋梁長L

と補正速度振幅S
v_cor_LB1
との関係の一例を示す図。
橋梁長L

が変化したときの変位振幅S

と補正速度振幅S
v_cor_LB1
との関係の一例を示す図。
車両数C

と変位振幅S

及び速度振幅S

との関係の一例を示す図。
車両数C

が変化したときの変位振幅S

と速度振幅S

との関係の一例を示す図。
図28に示した車両数C

と速度振幅S

との関係を示す図。
車両数C

と補正速度振幅S
v_cor_CT
との関係の一例を示す図。
車両数C

と補正速度振幅S
v_cor_CT1
との関係の一例を示す図。
加速度データa

(t)の一例を示す図。
加速度データa

(t)の一例を示す図。
速度データv

(t)及び速度振幅S

の一例を示す図。
加速度データa

(t)と進入時刻t

、進出時刻t

及び通過時間t

との関係の一例を示す図。
計測方法の手順の一例を示すフローチャート図。
センサー、計測装置及び監視装置の構成例を示す図。
変位振幅S

と速度振幅S

の分布を示す図。
第1実施形態における変位振幅S
u_esti
と補正速度振幅S
v_cor
の分布を示す図。
規格化通過時間t
s_std
(t

)と速度振幅S

との関係を両対数で示す図。
通過時間t

と補正速度振幅S
v_cor_ts2
との関係の一例を示す図。
通過時間t

が変化したときの変位振幅S

と補正速度振幅S
v_cor_ts2
との関係の一例を示す図。
規格化橋梁長L
B_std
(L

)と速度振幅S

との関係を両対数で示す図。
橋梁長L

と補正速度振幅S
v_cor_LB2
との関係の一例を示す図。
橋梁長L

が変化したときの変位振幅S

と補正速度振幅S
v_cor_LB2
との関係の一例を示す図。
橋梁長L

と補正速度振幅S
v_cor_LB3
との関係の一例を示す図。
橋梁長L

が変化したときの変位振幅S

と補正速度振幅S
v_cor_LB3
との関係の一例を示す図。
規格化車両数C
T_std
(C

)と速度振幅S

との関係を示す図。
車両数C

と補正速度振幅S
v_cor_CT2
との関係の一例を示す図。
第2実施形態における変位振幅S
u_esti
と補正速度振幅S
v_cor
の分布を示す図。
通過時間t

と補正速度振幅S
v_cor_ts3
との関係の一例を示す図。
通過時間t

が変化したときの変位振幅S

と補正速度振幅S
v_cor_ts3
との関係の一例を示す図。
橋梁長L

と補正速度振幅S
v_cor_LB4
との関係の一例を示す図。
橋梁長L

が変化したときの変位振幅S

と補正速度振幅S
v_cor_LB4
との関係の一例を示す図。
車両数C

と補正速度振幅S
v_cor_CT3
との関係の一例を示す図。
第3実施形態における変位振幅S
u_esti
と補正速度振幅S
v_cor
の分布を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の好適な実施形態について図面を用いて詳細に説明する。なお、以下に説明する実施の形態は、特許請求の範囲に記載された本発明の内容を不当に限定するものではない。また以下で説明される構成の全てが本発明の必須構成要件であるとは限らない。
(【0011】以降は省略されています)

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