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公開番号2024166716
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-11-29
出願番号2023083016
出願日2023-05-19
発明の名称評価方法及びレーザー加工装置
出願人株式会社ディスコ
代理人個人,個人,個人,個人,個人,個人
主分類B23K 26/00 20140101AFI20241122BHJP(工作機械;他に分類されない金属加工)
要約【課題】ビームプロファイラ、波面センサ等の光学測定器を用いることなく、レーザー加工装置においてレーザービームの非点収差を評価する。
【解決手段】被加工物に対するレーザービームの照射方向である第1方向に沿ってレーザービーム照射ユニットの集光器と被加工物とを相対的に移動させることにより、複数の高さ位置に集光点を位置付けることと、第1方向と交差する第2方向に沿って集光器と被加工物とを相対的に移動させることと、により、集光点の各高さ位置に応じて被加工物の露出面の異なる位置にレーザービームを照射することで、それぞれスポット状の複数の加工痕を形成する加工工程と、各加工痕の画像を取得する撮像工程と、各加工痕の画像から各加工痕の縦横比を算出する縦横比算出工程と、複数の高さ位置と各加工痕の縦横比とに基づいて非点収差の程度を示す指標を算出する非点収差算出工程と、を備える評価方法が提供される。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
レーザー加工装置においてレーザービームの非点収差を評価する評価方法であって、
被加工物に対する該レーザービームの照射方向である第1方向に沿ってレーザービーム照射ユニットの集光器と該被加工物とを相対的に移動させることにより、該レーザービームの集光点が該被加工物の露出面に位置するときの基準高さ位置よりも該第1方向の一方向に所定距離だけ離れた第1の高さ位置と、該基準高さ位置よりも該第1方向において該一方向とは反対の他方向に所定距離だけ離れた第2の高さ位置と、の間に位置する複数の高さ位置に該集光点を位置付けることと、該第1方向と交差する第2方向に沿って該集光器と該被加工物とを相対的に移動させることと、により、該集光点の各高さ位置に応じて該被加工物の該露出面の異なる位置に該レーザービームを照射することで、それぞれスポット状の複数の加工痕を形成する加工工程と、
該複数の加工痕を撮像して各加工痕の画像を取得する撮像工程と、
各加工痕の画像から各加工痕の縦横比を算出する縦横比算出工程と、
該集光点の該複数の高さ位置と、各加工痕の縦横比と、に基づいて非点収差の程度を示す指標を算出する非点収差算出工程と、
を備えることを特徴とする評価方法。
続きを表示(約 1,000 文字)【請求項2】
レーザー加工装置であって、
被加工物を保持する保持ユニットと、
レーザー発振器と、該レーザー発振器から出射されたレーザービームを集光するための集光器と、を有するレーザービーム照射ユニットと、
該集光器と該保持ユニットとを該被加工物に対する該レーザービームの照射方向である第1方向に沿って相対的に移動させる第1移動機構と、
該集光器と該保持ユニットとを該第1方向と交差する第2方向に沿って相対的に移動させる第2移動機構と、
該保持ユニットで保持された該被加工物を撮像する撮像ユニットと、
プロセッサ及びメモリを有するコントローラと、
を備え、
該コントローラは、
該第1移動機構を動作させて該第1方向に沿って該集光器と該被加工物とを相対的に移動させることにより、該レーザービームの集光点が該被加工物の露出面に位置するときの基準高さ位置よりも該第1方向の一方向に所定距離だけ離れた第1の高さ位置と、該基準高さ位置よりも該第1方向において該一方向とは反対の他方向に所定距離だけ離れた第2の高さ位置と、の間に位置する複数の高さ位置に該集光点を位置付けることと、該第2移動機構を動作させて該第2方向に沿って該集光器と該被加工物とを相対的に移動させることと、により、該集光点の各高さ位置に応じて該被加工物の該露出面の異なる位置に該レーザービームを照射することで、それぞれスポット状の複数の加工痕を形成する加工制御部と、
該撮像ユニットで撮像された複数の加工痕のそれぞれの画像から各加工痕の縦横比を算出する縦横比算出部と、
該集光点の該複数の高さ位置と、各加工痕の縦横比と、に基づいて非点収差の程度を示す指標を算出する非点収差算出部と、を有することを特徴とするレーザー加工装置。
【請求項3】
該レーザービーム照射ユニットは、非点収差を補正する非点収差補正ユニットを更に有し、
該コントローラは、
該非点収差算出部により算出された非点収差の程度を示す該指標の絶対値が閾値よりも大きい場合に、該非点収差補正ユニットを動作させて該指標の絶対値を閾値以下とする非点収差補正部を更に有することを特徴とする請求項2に記載のレーザー加工装置。
【請求項4】
該非点収差補正ユニットは、空間光位相変調器又は一対の凸型のシリンドリカルレンズを含むことを特徴とする請求項3に記載のレーザー加工装置。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、レーザー加工装置においてレーザービームの非点収差を評価する評価方法と、当該評価方法を実行可能なレーザー加工装置と、に関する。
続きを表示(約 1,400 文字)【背景技術】
【0002】
レーザー加工装置を用いたレーザー加工として、被加工物に吸収される波長を有するレーザービームで被加工物に溝を形成することや(例えば、特許文献1参照)、被加工物を透過する波長を有するレーザービームの集光点を被加工物の内部に位置付ける様に被加工物にレーザービームを照射することで被加工物の内部に比較的脆弱な改質領域を形成すること(例えば、特許文献2参照)、が知られている。
【0003】
レーザー加工装置は、被加工物にレーザービームを照射するためのレーザービーム照射ユニットを備える。レーザービーム照射ユニットは、レーザー発振器と、複数の光学素子と、を含む。レーザー発振器から出射されたレーザービームは、複数の光学素子を経て、理想的には一点に集光した状態で被加工物に照射される。
【0004】
しかし、複数の光学素子を経たレーザービームは、1つ以上の光学素子の歪み等に起因する非点収差の影響により十分に集光しないことがある。この場合、被加工物が適切に加工されないという問題が生じ得る。それゆえ、非点収差を適切に評価し、必要であれば非点収差を補正する必要がある。
【0005】
非点収差を評価するためには、レーザービームの一部を分岐させてチャックテーブルの外周部に設けられた凹面鏡へ照射し、凹面鏡からの反射光をビームプロファイラへ導くことで、レーザービームの空間的な強度分布を解析する方法が知られている(例えば、特許文献3参照)。
【0006】
また、非点収差を評価する他の手法として、レーザービームの一部を分岐させてチャックテーブルの外周部に設けられた凹面鏡へ照射し、凹面鏡からの反射光を波面センサ(即ち、シャック・ハルトマン波面センサ)へ導くことで、レーザービームの波面を解析する方法が知られている(例えば、特許文献4参照)。
【0007】
しかし、ビームプロファイラ、波面センサ等の光学測定器を用いる場合、レーザービームを反射するための凹面鏡と、凹面鏡で反射された反射光を上述の光学測定器に導くための観察専用の光学系と、光学測定器そのものと、が必要となるので、その分だけレーザー加工装置が高価になる。
【0008】
また、レーザービームの一部が凹面鏡へ分岐され、レーザービームのその他が集光レンズを含む集光器へ分岐されるので、集光器と、観察専用の光学系と、光学測定器と、に対して精密な位置調整が必要となる。もし、位置調整が適切になされなかった場合、非点収差を適切に評価できない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
特開2003-320466号公報
特開2002-192370号公報
特開2021-90990号公報
特開2021-79394号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明は係る問題点に鑑みてなされたものであり、チャックテーブル近傍に配置される凹面鏡と、ビームプロファイラ、波面センサ等の光学測定器と、凹面鏡及び光学測定器間に配置される観察専用の光学系と、を用いることなく、レーザー加工装置においてレーザービームの非点収差を評価することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
(【0011】以降は省略されています)

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