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公開番号2024166698
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-11-29
出願番号2023082986
出願日2023-05-19
発明の名称III族窒化物系半導体発光素子
出願人パナソニックホールディングス株式会社
代理人弁理士法人鷲田国際特許事務所
主分類H01S 5/343 20060101AFI20241122BHJP(基本的電気素子)
要約【課題】投入した電力を効率よく光に変換することが可能なIII族窒化物系半導体発光素子の提供を目的とする。
【解決手段】上記課題を解決するIII族窒化物系半導体発光素子は、基板と、n型クラッド層と、n側光ガイド層と、Inを含む発光層と、p側光ガイド層と、p型クラッド層と、をこの順に有し、前記n側光ガイド層と前記発光層との間に、前記n側光ガイド層から前記発光層に向かってIn組成が増加する組成傾斜層を有し、かつ前記組成傾斜層の最低のIn組成は、前記n側光ガイド層の前記組成傾斜層に接する領域のIn組成より低い。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
基板と、n型クラッド層と、n側光ガイド層と、Inを含む発光層と、p側光ガイド層と、p型クラッド層と、をこの順に有し、
前記n側光ガイド層と前記発光層との間に、前記n側光ガイド層から前記発光層に向かってIn組成が増加する組成傾斜層を有し、かつ
前記組成傾斜層の最低のIn組成が、前記n側光ガイド層の前記組成傾斜層に接する領域のIn組成より低い、
III族窒化物系半導体発光素子。
続きを表示(約 490 文字)【請求項2】
請求項1に記載のIII族窒化物系半導体発光素子であって、
前記組成傾斜層の膜厚が5nmより厚い、III族窒化物系半導体発光素子。
【請求項3】
請求項2に記載のIII族窒化物系半導体発光素子であって、
前記組成傾斜層の膜厚が10nmより厚い、III族窒化物系半導体発光素子。
【請求項4】
請求項1~3のいずれか一項に記載のIII族窒化物系半導体発光素子であって、
前記発光層が、前記組成傾斜層に隣接して配置された障壁層と、前記障壁層に隣接して配置された量子井戸層と、を含み、
前記障壁層の屈折率が、前記n側光ガイド層の屈折率以上である、III族窒化物系半導体発光素子。
【請求項5】
請求項4に記載のIII族窒化物系半導体発光素子であって、
前記障壁層の膜厚が7nmより厚い、III族窒化物系半導体発光素子。
【請求項6】
請求項4に記載のIII族窒化物系半導体発光素子であって、
前記障壁層の膜厚が10nmより厚い、III族窒化物系半導体発光素子。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本開示は、低動作電流を有するGaN系半導体レーザ装置を実現可能なIII族窒化物系半導体発光素子に関する。
続きを表示(約 2,300 文字)【背景技術】
【0002】
半導体レーザは、小型、安価、高出力などの優れた特徴を有することから、通信、光ディスクなどのIT技術のほか、医療、一部照明など、幅広い技術分野で用いられている。近年では特に、金属、樹脂、複合炭素材(CFRP)といった様々な材料加工用の光源に高出力半導体レーザが用いられている。またとりわけ、複数のレーザ発光点を束ねて高出力化する光合成技術により、数百ワットから数キロワットといった大光出力を有するレーザ加工機システムが開発され、実用に供されている。レーザ加工には、リモート加工、高スループット、低消費電力、プログラマブルなど多数の利点があり、工業製品の生産現場において幅広く用いられている。近年、このようなレーザ加工の半導体光源として、波長1μm程度のGaAs系近赤外レーザの利用が広がっている。これは、GaAs基板上の半導体形成技術およびプロセス技術が十分に成熟していること依拠している。
【0003】
ところで近年、電気自動車(EV)用モータやバッテリーなどの様々な分野で、低電気抵抗、易加工性、高放熱などの優れた特性を有する銅が多用されている。ところが、銅は近赤外レーザ光を反射することから、レーザ加工を試みると、エネルギーが入熱せず、加工が困難である、という課題がある。
【0004】
そこで、銅材料の加工には、銅材料の反射率が低い(吸収率が大きい)、青色波長域(波長405nm~540nm)の光を発するGaN系半導体レーザの適用されている。GaN半導体をレーザ加工に適用する場合、高い光出力(加工エネルギー)が必要とされ、高出力動作が求められる。そして、このような高出力動作を実現するためには、半導体レーザ素子を十分に冷却したり、多量の電流を通電したりする必要がある。つまり、多量の電力が必要であり、環境負荷の観点などから、半導体レーザの低消費電力化がことのほか重要になる。
【0005】
半導体レーザを低消費電力化するためには、投入した電力を効率よく光に変換する必要がある。すなわち、投入したエネルギーのうちレーザ光に変換された割合を示す、電力光変換効率を高めることが重要である。さらに、投入電力を高効率に光に変換することで、光出力を増すことができるだけでなく、余剰エネルギーが熱に変わることを防ぐことも可能となり、発熱に起因する光出力低下や、長期信頼性特性に対する悪影響を低減することも出来る。
【0006】
一般的なpn接合ダイオード型の半導体レーザにおいて、レーザ光を生成するメカニズムは以下の通りである。半導体レーザ素子では、基板上に、n型光閉じ込め層(クラッド層)、n側光ガイド層、発光層、p側光ガイド層、およびp型光閉じ込め層(クラッド層)が少なくとも順番に積層される。ここで、半導体レーザ素子の発光層には、n型クラッド層やn側光ガイド層を介して電子が注入され、p型クラッド層やp側光ガイド層を介して正孔が注入される。そして、これらのうちの一定の割合が、発光層で再結合して発光する。ここで、p型クラッド層側から発光層に向けて流れる正孔のうち、発光層を超えてn側光ガイド層へと拡散するものがある。こういった正孔は、発光層外側のn側光ガイド層で再結合して消滅することから、レーザ発振に寄与しない無効電流になり、消費電力を増加させる一因となる。このような、正孔無効電流を低減する方法として、いくつかの技術が開示されている。例えば、特許文献1では、n側光ガイド層をn型不純物でドーピングしている。これにより、発光層から拡散する正孔から見て、n側光ガイド層にポテンシャル障壁が生起することとなる。このような障壁により、正孔が発光層の側へと反射されて、再び発光層で電子と再結合することから、無効電流を低減することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
特開2000-236142号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
ところが、特許文献1に記載の構成では、発光層で生じたレーザ光が、n型ドーピングされたn側光ガイド層内を伝搬する。n側光ガイド層を伝搬したレーザ光は、n側不純物やその他の不純物によって生じた、過剰な電子によって吸収されてしまい、外部に取り出すことができない。したがって、無効電流を低減しているにも関わらず、光出力が低下してしまうという課題がある。
【0009】
本開示は、上記課題を鑑みてなされたものである。すなわち、投入した電力を効率よく光に変換することが可能なIII族窒化物系半導体発光素子の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明者らの鋭意検討によって、GaN系半導体レーザに用いるIII族窒化物系半導体発光素子おいて、n側光ガイド層と発光層との間に、低In組成から高In組成へとIn組成が変化する組成傾斜層を設けることで、正孔側のバンド構造(価電子帯)にポテンシャル障壁が生じ、発光層側から拡散する正孔を反射できること、さらに正孔の漏洩が防止され、III族窒化物系半導体発光素子の発光効率が増加すること、が見出された。このような構造では、正孔の漏洩を防止しつつ、n側光ガイド層をドーピングする必要がない、あるいは、ドーピングする場合もごく微量の濃度で十分である。したがって、n型光ガイド層内でのレーザ光の吸収が実質的に生じないという利点がある。
(【0011】以降は省略されています)

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