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公開番号
2024166193
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2024-11-28
出願番号
2024081355
出願日
2024-05-17
発明の名称
扉の取付け枠構造
出願人
インフィニティ株式会社
代理人
個人
主分類
E06B
1/52 20060101AFI20241121BHJP(戸,窓,シャッタまたはローラブラインド一般;はしご)
要約
【課題】極めて薄い扉枠でありながら収容構造との収まりがよく、かつ強度を維持することができる扉の取付け枠構造を提供する。
【解決手段】
扉の背面寄りのヒンジ側辺、開放側辺、上辺からなる三方辺に沿って、函板片を断面視にて方形部を含む閉じた図形に函状形成してなる方形枠を三方連結して一体的に形成すると共に、三方函枠それぞれの、扉面中央寄りの函板片を、扉面の前方、及び後方へそれぞれ突出させて、当該函板片の板先によって、扉の正背面の三方露出枠を形成し、
かつ正背面の三方露出枠を、一枚板片を折重ねた折返し部の外屈曲面によって構成した。
【選択図】図4
特許請求の範囲
【請求項1】
開き扉の背面寄りのヒンジ側辺、開放側辺、上辺からなる三方辺に沿って、函板片を断面視にて方形部を含む方形部を含む閉じた図形に函状形成して函枠を形成し、三方の函枠の枠端を部分的に切り欠くと共に組合せ接合して、三方函枠を一体的に形成すると共に、
前記三方函枠それぞれの、扉面中央寄りの函板片が、扉面の前方、及び後方へそれぞれ延長形成された延長板片からなり、当該延長板片の延長部によって、扉の正背面それぞれで三方に連なって露出した三方露出枠を形成し、かつ、
前記正背面の三方露出枠を、共に、前記延長板片の正面側及び背面側の延長部を屈曲させて折重ねた外屈曲面によって構成したことを特徴とする、扉の取付け枠構造。
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【請求項2】
前記三方函枠は、断面函状の背面に、正面の壁ボードと平行な函板面、または背面の壁ボードと平行な函板面の少なくともいずれかを有し、正面の函板面または背面の函板面に、扉周囲の壁面を構成する壁ボードが貼り付けられ、
前記延長板片の板先によって形成された、扉の正背面の三方露出枠が、前記壁ボードの仕上げ面よりも突出して露出仕上げされると共に、
正面側又は背面側の前記延長板片の延長部が扉外方へ屈曲して折り重ねられると共に、折り重ねた先の延長端部が、前記正面又は背面の函板面と当接して、この当接部の少なくとも一部にて函板面と固着される、請求項1に記載の扉の取付け枠構造。
【請求項3】
前記壁内の三方函枠が、函板片を方形函状断面または変形函状断面に構成した函筒または変形函筒構造からなり、この函筒または変形函筒構造の扉中央寄りの部分を構成する一辺の枠板片が、正面側及び背面側に延長部を有した一枚の延長板片からなり、
この延長板片が、前記函筒または変形函筒構造の扉中央寄り以外の部分と面当接又は辺当接で重合一体化された重合構造によって一体構成される、請求項2記載の扉の取付け枠構造。
【請求項4】
前記三方函枠は、上部函枠と、ヒンジ側部函枠と、開放側部函枠から構成され、
上部函枠、ヒンジ側部函枠、及び開放側部函枠はそれぞれ、開き扉の上辺に沿う扉背面の上部分、開き扉のヒンジ側辺に沿う扉背面の側部分、及び開き扉の開放側辺に沿う扉背面の側部分をそれぞれ背面側から部分的に覆った閉扉状態となると共に、
上部函枠及びヒンジ側部函枠には、開き扉の正面上辺、ヒンジ側辺、及び開放側辺を囲う、前方突出構造がそれぞれ扉上面、扉側面との隙間を設けて形成され、
これら前方突出構造に、開き扉を開閉可能に繋ぐ吊りヒンジ部品、及び、開き扉のラッチ錠を受けるラッチ受け部品が設けられる、請求項1記載の扉の取付け枠構造。
【請求項5】
前記三方函枠の背面の函板面には、前記函筒または変形函筒構造から三方外方へそれぞれ張り出した羽根状板または凸状アングルがさらに設けられ、
前記羽根状板または凸状アングルの一部が、周囲の壁下地材に面固定されてなる、請求項1記載の扉の取付け枠構造。
【請求項6】
前記吊りヒンジ部品は、開き扉の上面に埋設される下ヒンジ部品と、下ヒンジ部品の上部であって上部函枠内に埋設される上ヒンジ部品とによってヒンジ可動構造で構成され、前記開き扉は、ヒンジ側の端部が片側アール状成形部からなると共に、
片側アール状成形部及び下ヒンジ部品が、ヒンジ側部函枠の前面端に形成された枠状空間内の収容位置に組み込まれ、
開き扉を開いた状態でヒンジ軸が三方函枠内に収容されることで扉が前方へ突出することなく開いた状態となる、請求項4記載の扉の取付け枠構造。
【請求項7】
前記三方函枠のうち少なくとも上部函枠は、枠上面に、壁の下地アングル端部と係止されるかまたは下地アングル下面と溶接される固定用突起を複数個突設してなり、
前記三方枠を囲むように接して壁内の三方下地アングルが組み構成され、
前記三方函枠が、三方下地アングル内に係止又は溶接することで固定される、請求項4記載の扉の取付け枠構造。
【請求項8】
前記三方函枠のうち少なくとも上部函枠は、枠背面部に、段差状の扉止め枠が部分函構成され、この部分函構成部が延長板片の板先を構成する、請求項4記載の扉の取付け枠構造。
【請求項9】
前記開き扉の片側アール状成形部及びヒンジ側部函枠が、突入係止部及び突入穴からなる係止構造を有して開き扉を側部支持する、請求項4記載の扉の取付け枠構造。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は建築用扉の取付け枠構造に関する。特に、ボード仕上げの壁面に取付け枠の一部が露出する、開き扉の吊りヒンジを備えた取付け枠構造に関する。
続きを表示(約 2,400 文字)
【背景技術】
【0002】
従来、枠端部の一部分のみを露出させた扉の取付け枠構造が開示される。例えば特許文献1(登実-03144289)に記載の扉の取付け枠構造は、表壁4aと裏壁4bとからなる建物の壁の開口部に嵌められるドア枠であって、表壁4aと裏壁4bとの間に嵌められる嵌込み片22,23と、ドア枠の本体を構成する本体部とからなり、本体部は、ドア枠の内面となる内面部26と表壁4aの端面に当接する表端面部27および裏壁4bの端面に当接する裏端面部28とからなり、嵌込み片22,23と表裏両端面部27,28と内面部26とは1枚物の金属板を曲げた成形体であって、表裏両端面部27,28と内面部26の両端縁部とは、互いに平行に折り曲げられて密着していることを特徴とする。見付面11は細く、強度も高い。また、部品点数が少なく、溶接も必要がないので、製造コストは低いという利点がある、とされる。
【0003】
また、特許文献2(特開2011-168958)に記載のドア枠構造は、室外側部位について言うと、板材を山折り状に折り曲げて密着させることで突片44、54を形成し、先端の折り曲げ部が第2見付部440、540となる。突片44、54の基端側において、密着された板材の一方を突片44、54に対して直角状に折り曲げて第1見付部43、53が形成され、密着された板材の他方を突片44、54に対して第1見付部43、53と反対側に直角状に折り曲げて底片45、55が形成される、と説明される(段落0032)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
登実3144289号公報
特開2011-168958号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら上記従来の扉の取付け枠構造は、極めて薄い扉枠を扉の辺に沿って露出させるために枠板材を多段階に折り曲げて複雑な構造を形成しており、ヒンジ部品やラッチ受け具といった、扉の収容構造を収容できず、吊りヒンジ構成にすることができないものであった。また、枠板材や枠構造に複雑な凹凸部を有するために枠構造自体の強度を維持することができないものであった。
【0006】
そこで本発明は、扉の取付け枠構造の構成によって極めて薄い扉枠でありながら収容構造との収まりがよく、かつ強度を維持することができる扉の取付け枠構造を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決すべく下記の解決手段を講じている。
【0008】
〔1〕本発明の扉の取付け枠構造は、
扉の上辺と左辺と右辺の三方の枠棒である方形枠1,2,3を一体的に形成した組み材からなる三方函枠と、
ヒンジ6及びコンシーラー7を介してこの三方函枠の枠内に組み込まれる開き扉Dと、から構成されるものであって、
壁の下地材の枠開口に組み込まれて構成される。
前記三方函枠は、
開き扉Dの背面寄りのヒンジ側辺DR、開放側辺DO、上辺DUからなる三方辺に沿って、函板片を断面視にて方形部を含む閉じた図形に函状形成してなる断面方形の方形枠1,2,3を、各枠端部を部分切り欠きによって枠端同士を組み合わせ連結して、上枠及び左右枠からなる三方枠の棒状函枠を一体的に形成すると共に、
前記三方函枠それぞれの、扉面中央寄りの函板片123,223,323を、扉面の前方、及び後方へそれぞれ延長形成した一枚の延長板片によって構成し、
当該延長板片の延長部によって、扉の正面の三方露出枠11,21,31、扉の背面の三方露出枠13,23,33、を三方に連なるように形成し、
かつ、
正面の三方露出枠11,21,31と背面の三方露出枠13,23,33をそれぞれ、”前後共通の一枚板片を折重ねた折返し部31、33”の、折り重ねによる外屈曲面によって構成し、
正面の三方露出枠11,21,31の外屈曲面のみが壁の正面仕上げ材である表ボードB11の仕上げ面よりも正面側に突出し、かつ、背面の三方露出枠13,23,33の外屈曲面のみが壁の背面仕上げ材である裏ボードB3の仕上げ面よりも背面側に突出し、
これらを除く三方函枠の方形枠の構成部分が、壁の下地材に固定されると共に、仕上げ材である表ボード、裏ボードに隠されることを特徴とする。
【0009】
〔2〕前記いずれか記載の扉の取付け枠構造において、
前記三方函枠は、断面函状を構成する、扉周囲の壁面と平行な正面の函板面と、背面の函板面とを有し、正面の函板面または背面の函板面の少なくともいずれかに扉背面側の壁ボードB12,B13が貼り付けられることで当該函板面が壁内に隠蔽され、
前記延長板片の前後の延長部に形成された、扉の正背面の三方露出枠が、前記壁ボードB12,B13の仕上げ面よりも突出して露出仕上げされると共に、
前後の延長部のうち少なくとも何れかの延長部の延長端が、扉面の中央寄りと反対の扉外方へ屈曲して折り重ねられると共に前記正面ないし背面の函板面と先端当接し、この当接部にて函板面と延長端とが少なくとも部分的に固着されることで、函枠が補強されることを特徴とする。
【0010】
例えば図5に示すような上部の函枠においては、固着部33Bが延長端33Eにて延長板片の延長部が内側ではなく外側へ折り重ねられ、折り重ねられた端片が函板面323の外面と接して外角部を形成し、この外角部にて例えば溶接部33Bによって溶接固着されることで函枠自体が補強され、折り曲げ状態を維持することができる。
(【0011】以降は省略されています)
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