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公開番号2024163491
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-11-22
出願番号2023079131
出願日2023-05-12
発明の名称短絡検出装置、短絡検出方法及びプログラム
出願人北海道電力株式会社,株式会社星光社
代理人個人,個人,個人
主分類H02H 7/26 20060101AFI20241115BHJP(電力の発電,変換,配電)
要約【課題】分散型電源に由来する逆潮流が発生する場合にも電力系統の短絡を正確に検出可能な短絡検出装置、方法及びプログラムを提供する。
【解決手段】短絡検出装置において、処理ユニット100は、電力系統における各相の相電流の瞬時値と各相の相電圧又は各相間の線間電圧の瞬時値とを周期的に取得する取得部131と、取得部により取得された各相の相電流の瞬時値と各相の相電圧又は各相間の線間電圧の瞬時値とに基づいて、各相間の線間電圧の実効値と、各相における最新の相電流ベクトルと短絡発生前の時点における相電流ベクトルとの差分である差分ベクトルと、を演算する演算部132と、演算部により演算されたいずれかの線間電圧の実効値が低下すると共に、いずれかの相の差分ベクトルの大きさが整定値以上で、その差分ベクトルの位相が予め設定された短絡検出範囲内にある場合に、電力系統で短絡が発生していると判定する判定部133と、を備える。
【選択図】図2
特許請求の範囲【請求項1】
電力系統における各相の相電流の瞬時値と各相の相電圧又は各相間の線間電圧の瞬時値とを周期的に取得する取得部と、
前記取得部により取得された各相の相電流の瞬時値と各相の相電圧又は各相間の線間電圧の瞬時値とに基づいて、各相間の線間電圧の実効値と、各相における最新の相電流ベクトルと短絡発生前の時点における相電流ベクトルとの差分である差分ベクトルと、を演算する演算部と、
前記演算部により演算されたいずれかの線間電圧の実効値が低下すると共に、いずれかの相の差分ベクトルの大きさが整定値以上で、その差分ベクトルの位相が予め設定された短絡検出範囲内にある場合に、前記電力系統で短絡が発生していると判定する判定部と、
を備える短絡検出装置。
続きを表示(約 1,500 文字)【請求項2】
前記演算部は、差分ベクトルの位相を演算する相と遅れ相との間の線間電圧ベクトルを基準にして差分ベクトルの位相を演算する、
請求項1に記載の短絡検出装置。
【請求項3】
前記判定部は、いずれかの線間電圧の実効値が第1の閾値未満であり、かつ、短絡発生前の時点における線間電圧の基準値を基準にした線間電圧の実効値の低下率が第2の閾値未満である場合に線間電圧の実効値が低下していると判断する、
請求項1又は2に記載の短絡検出装置。
【請求項4】
前記演算部は、短絡の影響が最も少ない相における予め設定されたサイクル数だけ前の時点の相電圧ベクトルと最新の相電圧ベクトルとの位相差を演算し、演算された位相差に基づいて短絡している相における相電流ベクトルの位相を補正する、
請求項1又は2に記載の短絡検出装置。
【請求項5】
前記演算部は、各相の相電流及び各相間の線間電圧の瞬時値に基づいて各相の相電流ベクトルを演算し、
前記判定部は、前記演算部により演算されたいずれかの相の相電流ベクトルの大きさが整定値以上であり、その相電流ベクトルの位相が予め設定された短絡検出範囲内にある場合に、前記電力系統で短絡が発生していると判定する、
請求項1に記載の短絡検出装置。
【請求項6】
前記判定部は、いずれかの線間電圧が低下すると共に、いずれかの相の相電流絶対値が整定値以上である状態が予め設定された検出時間以上継続する場合に、前記電力系統で短絡が発生していると判定する、
請求項1に記載の短絡検出装置。
【請求項7】
前記短絡検出装置は、前記判定部により短絡が発生していると判定された場合に前記電力系統に付設された開閉器を開放させる出力部をさらに備える、
請求項1、2、5及び6のいずれか1項に記載の短絡検出装置。
【請求項8】
短絡検出装置が実行する短絡検出方法であって、
電力系統における各相の相電流の瞬時値と各相の相電圧又は各相間の線間電圧の瞬時値とを周期的に取得する工程と、
取得された各相の相電流の瞬時値と各相の相電圧又は各相間の線間電圧の瞬時値とに基づいて、各相間の線間電圧の実効値と、各相における最新の相電流ベクトルと短絡発生前の時点における相電流ベクトルとの差分である差分ベクトルと、を演算する工程と、
演算されたいずれかの線間電圧の実効値が低下すると共に、いずれかの相の差分ベクトルの大きさが整定値以上で、その差分ベクトルの位相が予め設定された短絡検出範囲内にある場合に、前記電力系統で短絡が発生していると判定する工程と、
を含む短絡検出方法。
【請求項9】
コンピュータを、
電力系統における各相の相電流の瞬時値と各相の相電圧又は各相間の線間電圧の瞬時値とを周期的に取得する手段、
取得された各相の相電流の瞬時値と各相の相電圧又は各相間の線間電圧の瞬時値とに基づいて、各相間の線間電圧の実効値と、各相における最新の相電流ベクトルと短絡発生前の時点における相電流ベクトルとの差分である差分ベクトルと、を演算する手段、
演算されたいずれかの線間電圧の実効値が低下すると共に、いずれかの相の差分ベクトルの大きさが整定値以上で、その差分ベクトルの位相が予め設定された短絡検出範囲内にある場合に、前記電力系統で短絡が発生していると判定する手段、
として機能させるためのプログラム。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、短絡検出装置、短絡検出方法及びプログラムに関する。
続きを表示(約 2,100 文字)【背景技術】
【0002】
開閉器と組み合わせて用いられ、配電線や付設された機器を短絡から保護する配電系統保護装置が知られている。配電系統保護装置では、負荷側において電流値が整定値以上になると開閉器に配電線を遮断させるように構成され、分散型電源に由来する逆潮流が増加した場合にも動作することがある。このような問題を解決するために、例えば、特許文献1の配電系統保護装置では、一定時間毎の電流値及び電流の潮流方向に基づいて電流増分値を演算し、演算された電流増分値に基づいて開閉器を開閉させている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特開2018-152955号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1の配電系統保護装置では、その仕組みから推察するに電流増分値として実効値の差分を用いていると考えられる。また、電流の潮流方向を順方向と逆方向との2パターンで表現している。このため、短絡電流の瞬時値や電圧波形を基準にした短絡電流の位相を把握できず、短絡と分散型電源に由来する逆潮流とを区別する点で改善の余地がある。このような問題は、配電系統保護装置による配電線の短絡検出のみならず、送電線を含む他の電力系統における短絡検出においても存在する。
【0005】
本発明は、このような背景に基づいてなされたものであり、分散型電源に由来する逆潮流が発生する場合にも電力系統の短絡を正確に検出可能な短絡検出装置、短絡検出方法及びプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、本発明に係る短絡検出装置は、
電力系統における各相の相電流の瞬時値と各相の相電圧又は各相間の線間電圧の瞬時値とを周期的に取得する取得部と、
前記取得部により取得された各相の相電流の瞬時値と各相の相電圧又は各相間の線間電圧の瞬時値とに基づいて、各相間の線間電圧の実効値と、各相における最新の相電流ベクトルと短絡発生前の時点における相電流ベクトルとの差分である差分ベクトルと、を演算する演算部と、
前記演算部により演算されたいずれかの線間電圧の実効値が低下すると共に、いずれかの相の差分ベクトルの大きさが整定値以上で、その差分ベクトルの位相が予め設定された短絡検出範囲内にある場合に、前記電力系統で短絡が発生していると判定する判定部と、
を備える。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、分散型電源に由来する逆潮流が発生する場合にも電力系統の短絡を正確に検出可能な短絡検出装置、短絡検出方法及びプログラムを提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
本発明の実施の形態1に係る配電系統の構成を示す概略図である。
本発明の実施の形態1に係る短絡検出装置のハードウェア構成を示すブロック図である。
(a)は、瞬時値記憶部のデータテーブルの一例を示す図であり、(b)は、実効値・位相記憶部のデータテーブルの一例を示す図であり、(c)は、検出条件記憶部のデータテーブルの一例を示す図である。
波形と瞬時値のサンプリングとの関係を示すグラフである。
本発明の実施の形態1に係る短絡検出装置による検出条件1を満たすかどうかを判定する手法を説明するベクトル図である。
本発明の実施の形態1に係る短絡検出装置による検出条件1を満たすかどうかを判定する手法を説明する他のベクトル図である。
本発明の実施の形態1に係る短絡検出装置による検出条件2を満たすかどうかを判定する手法を説明するベクトル図である。
(a)、(b)は、いずれも本発明の実施の形態1に係る短絡検出装置による基準値を設定する手法を説明するグラフである。
本発明の実施の形態1に係る短絡検出処理の流れを示すフローチャートである。
本発明の実施の形態2に係る1サイクル分の波形を抽出する際における周波数のずれの影響を説明するグラフである。
(a)~(d)は、いずれも本発明の実施の形態2に係る1サイクル分の波形を抽出する際に周波数補正の手順を示すベクトル図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の実施の形態に係る短絡検出装置、短絡検出方法及びプログラムを、図面を参照しながら詳細に説明する。各図面では、同一又は同等の部分に同一の符号を付す。
【0010】
実施の形態において「電力系統」との用語は、電力を需要家の受電設備に供給する設備であり、例えば、配電系統、送電系統を含む。以下、R相、S相、T相からなる三相3線式を用いた配電線において短絡検出を行う場合を例に説明する。各相の回転方向はR相→S相→T相の順番とする。
(【0011】以降は省略されています)

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