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公開番号
2024161182
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2024-11-15
出願番号
2024151179,2020114044
出願日
2024-09-03,2020-07-01
発明の名称
光学素子の製造方法、光学素子、光学機器および撮像装置
出願人
キヤノン株式会社
代理人
個人
,
個人
,
個人
,
個人
,
個人
主分類
G02B
3/00 20060101AFI20241108BHJP(光学)
要約
【課題】屈折率が高い2枚の透明基材を用いた接合レンズを製造しようとすると、接着剤を十分に硬化させることができなかった。
【解決手段】d線の屈折率が1.80以上である第1透明基材11と、d線の屈折率が1.80以上である第2透明基材12と、を用意する。第1透明基材11および/又は第2透明基材12に、光硬化性樹脂と吸収端波長が410nm以上の光重合開始剤と、を含有する接着剤13aを塗布する。第2透明基材12を介して、接着剤13aに波長が400nm以上の光を照射し、接着剤13aを硬化させ、第1透明基材11と第2透明基材12とを接合し、光学素子10を製造する。
【選択図】図3
特許請求の範囲
【請求項1】
d線の屈折率が1.80以上である第1透明基材と、d線の屈折率が1.80以上である第2透明基材と、を用意する工程と、
前記第1透明基材および/又は前記第2透明基材に、光硬化性樹脂と、吸収端波長が410nm以上の光重合開始剤と、を含有する接着剤を塗布する工程と、
前記第2透明基材を介して、前記接着剤に波長が400nm以上の光を照射し、前記接着剤を硬化させ、前記第1透明基材と、前記第2透明基材と、を接合する工程と、
を有することを特徴とする光学素子の製造方法。
続きを表示(約 820 文字)
【請求項2】
前記第2透明基材のd線の屈折率が1.90以上である請求項1に記載の光学素子の製造方法。
【請求項3】
前記接着剤における前記光重合開始剤の含有量が0.5質量%以上5.0質量%以下の範囲である請求項1または2に記載の光学素子の製造方法。
【請求項4】
前記光重合開始剤が、Irgacure819もしくはIrgacure TPOから選ばれる少なくとも1つである請求項1乃至3のいずれか1項に記載の光学素子の製造方法。
【請求項5】
前記接着剤が、前記光重合開始剤としてIrgacure184をさらに含有する請求項4に記載の光学素子の製造方法。
【請求項6】
前記Irgacure184の含有量が前記Irgacure819もしくはIrgacure TPOに対して50質量%以上250質量%以下の範囲である請求項5に記載の光学素子の製造方法。
【請求項7】
d線の屈折率が1.80以上である第1透明基材と、
d線の屈折率が1.80以上である第2透明基材と、
前記第1透明基材と前記第2透明基材とを接合する、光硬化性樹脂の硬化物を含有する接合部と、を備える光学素子であって、
前記接合部の内部透過率が99%以上であることを特徴とする光学素子。
【請求項8】
前記第1透明基材および前記第2透明基材の少なくとも一方のd線の屈折率が、1.90以上である請求項7に記載の光学素子。
【請求項9】
前記第1透明基材および前記第2透明基材のd線の屈折率が、1.90以上である請求項8に記載の光学素子。
【請求項10】
前記接合部が、光重合開始剤を含有し、前記光重合開始剤がリンを含有する請求項6乃至9のいずれか1項に記載の光学素子。
(【請求項11】以降は省略されています)
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
高い屈折率を有する2つの透明基材が接合された光学素子の製造方法に関する。また、その製造方法によって製造された光学素子、その光学素子を用いた光学機器および撮像装置に関する。
続きを表示(約 1,500 文字)
【背景技術】
【0002】
カメラ等の撮像装置や光学機器の光学系は複数の光学素子から構成され、その一部に硝材のような透明な基材同士を接着する接合レンズが用いられる。接合レンズは光学系の中で、他のレンズで発生する色収差を補正する役目を担う。特許文献1には、凸レンズと凹レンズと、を紫外線硬化性の接着剤を用いて接合レンズを製造することが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特開2015-108642号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、接合される2つのレンズとして、屈折率が高いガラス(硝材)を用いると、紫外線がレンズを十分に透過することができず、接着剤を十分に硬化させることができなかった。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決する光学素子の製造方法は、d線の屈折率が1.80以上である第1透明基材と、d線の屈折率が1.80以上である第2透明基材と、を用意する工程と、前記第1透明基材および/又は前記第2透明基材に、光硬化性樹脂と、吸収端波長が410nm以上の光重合開始剤と、を含有する接着剤を塗布する工程と、前記第2透明基材を介して、前記接着剤に波長が400nm以上の光を照射し、前記接着剤を硬化させ、前記第1透明基材と、前記第2透明基材と、を接合する工程と、を有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、d線の屈折率が1.80以上と高い値を有する2枚の透明基材を十分な接着力で接合した光学素子を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
第1実施形態の光学素子を示した模式的断面図である。
変形例の光学素子を示した模式的断面図である。
第1実施形態の光学素子の製造方法を示した概略図である。
第1実施形態の光学素子の製造方法に用いる光重合開始剤の(αhv)
1/2
の波長依存性を示した概略図である。
第2実施形態の撮像装置を示した概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
従前より2枚の透明基材を接着剤により接合する接合レンズと呼ばれる光学素子が知られている。近年のカメラ等の撮像装置や光学機器の高機能化に伴い、接合レンズにも高い性能が要求されている。例えば、屈折率が1.80以上である高屈折率ガラスを貼り合わせることによって、高い色収差補正効果を実現することできる。
【0009】
しかし、屈折率が高くなればなるほどレンズの性能は高まるものの、紫外線の透過率が低くなる。特に、1.80以上と高い屈折率を有するガラスのほとんどは波長が400nm以下である紫外線の透過率が低く、波長によっては全く紫外線が透過しないものも多い。そのため、屈折率が1.80以上である高屈折率ガラスを紫外線硬化性の接着剤を用いて接合しようとしても、接着剤まで光が十分に到達せず、接着剤が十分な強度になるまで硬化させることが困難であった。
【0010】
本発明者は、屈折率が1.80以上である2枚の透明基材を接着剤で接合する際に、接着剤に吸収端波長が410nm以上の光重合開始剤を含有させることにより、400nm以上の波長で硬化できることを見出した。また、これにより、十分な接着力を有し、かつ、透明な接合部を形成できることを見出した。以下、本発明の実施形態について説明する。
(【0011】以降は省略されています)
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