発明の詳細な説明【技術分野】 【0001】 本開示は、ラベル付与支援装置、ラベル付与支援方法およびプログラムに関する。 続きを表示(約 2,400 文字)【背景技術】 【0002】 近年、コンタクトセンタにおける応対品質の向上を目的として、通話内容をリアルタイムに音声認識し、自然言語処理技術を駆使して応対中のオペレータに適切な情報を自動的に提示するシステムが提案されている。 【0003】 例えば、非特許文献1には、オペレータとカスタマとの対話において、予め想定される質問事項とその質問事項に対する回答(FAQ)とをオペレータに提示する技術が開示されている。この技術では、オペレータとカスタマとの対話が音声認識され、話者が話し終わったかを判定する「話し終わり判定」により、意味的なまとまりのある発話テキストに変換される。次に、発話テキストに対応する発話が、オペレータによる挨拶、カスタマの用件の確認、用件への対応あるいは対話のクロージングといった、対話におけるどの応対シーンでの発話であるかを推定する「応対シーン推定」が行われる。「応対シーン推定」により対話の構造化が行われる。「応対シーン推定」の結果から、カスタマの用件を含む発話あるいはオペレータがカスタマの用件を確認する発話を抽出する「FAQ検索発話判定」が行われる。予め用意されたFAQのデータベースに対して、「FAQ検索発話判定」により抽出された発話に基づく検索クエリを用いた検索が行われ、検索結果がオペレータに提示される。 【0004】 上述した「話し終わり判定」、「応対シーン推定」および「FAQ検索発話判定」には、発話テキストに対して、発話を区分するラベルが付与された教師データを、深層ニューラルネットワークなどを用いて学習することで構築されたモデルが用いられる。したがって、「話し終わり判定」、「応対シーン推定」および「FAQ検索発話判定」は、系列的な要素(対話における発話)にラベル付けする系列ラベリング問題として捉えることができる。非特許文献2には、系列的な発話に、その発話が含まれる応対シーンに対応するラベルを付与した大量の教師データを、長短期記憶を含む深層ニューラルネットワークにより学習することで、応対シーンを推定する技術が記載されている。 【先行技術文献】 【非特許文献】 【0005】 長谷川隆明, 関口裕一郎, 山田節夫, 田本真詞, “オペレータの応対を支援する自動知識支援システム,” NTT技術ジャーナル, vol.31, no.7, pp.16-19, Jul. 2019. R. Masumura, S. Yamada, T. Tanaka, A. Ando, H. Kamiyama, and Y. Aono, “Online Call Scene Segmentation of Contact Center Dialogues based on Role Aware Hierarchical LSTM-RNNs,” Asia-Pacific Signal and Information Processing Association Annual Summit and Conference (APSIPA ASC), Nov. 2018. 【発明の概要】 【発明が解決しようとする課題】 【0006】 上述した非特許文献1,2に記載の技術では、推定精度を実用に耐えうる水準にするためには、大量の教師データが必要となる。例えば、非特許文献1によれば、1000通話程度のコールセンタの対話ログから教師データを作成してモデルを学習することで、高い推定精度を得ることができる。教師データは、作業者が、発話音声の音声認識により得られた発話テキストを参照しながら、各発話テキストにラベルを付与することで作成される。 【0007】 図13は、発話テキストへのラベルの付与の一例を示す図である。図13においては、オペレータとカスタマとの対話における発話に対応する発話テキスト(以下では、発話に対応する発話テキストを単に「発話テキスト」と称することがある。)にラベルを付与する例を示している。図13において、オペレータの発話テキストは実線の吹き出しで示し、カスタマの発話テキストは点線の吹き出しで示している。 【0008】 図13に示す例では、各発話テキストに、その発話が話し終わりの発話であるか否かを示す話し終わりラベルを付与することで、「話し終わり判定」のための教師データが作成される。また、発話テキストごとに、その発話が含まれる応対シーンを示すシーンラベルを付与することで、「応対シーン推定」のための教師データが作成される。また、カスタマの用件を把握する「用件把握」の応対シーンに含まれる発話のうち、カスタマの用件を示す発話に、カスタマの用件を示す発話であることを示す用件ラベルを付与し、オペレータがカスタマの用件を確認する発話に、カスタマの用件を確認する発話であることを示す用件確認ラベルを付与することで、「FAQ検索発話判定」のための教師データが作成される。 【0009】 図13に示すような教師データを大量に作成するには、膨大な作業時間を要するという問題がある。また、図13に示す例では、複数の項目のラベルが階層的な構造を有している。具体的には、「用件把握」のシーンラベルが付与された発話テキストについて、用件ラベルあるいは用件確認ラベルが付与される。すなわち、シーンラベルが上位のラベルであり、用件ラベル/用件確認ラベルが下位のラベルであるという構造を有する。このような階層的な構造を有する複数の項目を含むラベルを、作業者が何の指針も示されない状態から付与する場合には、作業者の負担が増大するという問題がある。 【0010】 したがって、作業者がラベルの付与をより簡易かつ効率的に行うことができる技術が求められている。 (【0011】以降は省略されています) この特許をJ-PlatPatで参照する