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公開番号2024160820
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-11-15
出願番号2023076223
出願日2023-05-02
発明の名称塩基性塩化アルミニウム水溶液の製造方法、塩基性塩化アルミニウム水溶液及び水処理用凝集剤
出願人セントラル硝子株式会社
代理人弁理士法人WisePlus
主分類C01F 7/57 20220101AFI20241108BHJP(無機化学)
要約【課題】pH7付近の中性域及びpH8以上のアルカリ領域の両方において高い除濁率を発揮する塩基性塩化アルミニウム水溶液、該水溶液の製造方法及び該水溶液を含む水処理用凝集剤の提供。
【解決手段】塩酸と水酸化アルミニウムを100℃超、大気圧以上で反応させて塩基性塩化アルミニウム水溶液を製造し、得られた塩基性塩化アルミニウム水溶液を40℃未満に冷却し、アルカリ剤を添加する工程、並びに、前記工程で得られた塩基性塩化アルミニウム水溶液を40℃以上に加熱して熟成する工程を有し、任意のタイミングで、塩基性塩化アルミニウム水溶液に硫酸イオン源を添加する工程を更に含み、前記アルカリ剤を添加する工程前の塩基性塩化アルミニウム水溶液に含まれるCl/Alモル比が1.9以上であり、前記アルカリ剤が、炭酸ナトリウム及び炭酸水素ナトリウムからなる群より選択される少なくとも1種を含む、塩基性塩化アルミニウム水溶液の製造方法。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
塩酸と水酸化アルミニウムを100℃超大気圧以上で反応させて塩基性塩化アルミニウム水溶液を製造する工程(1)、
前記工程(1)で得られた塩基性塩化アルミニウム水溶液を40℃未満に冷却する工程(2)、
前記工程(2)で得られた塩基性塩化アルミニウム水溶液に、40℃未満でアルカリ剤を添加する工程(3)、並びに、
前記工程(3)で得られた塩基性塩化アルミニウム水溶液を40℃以上に加熱して熟成する工程(4)
を含み、
任意のタイミングで、塩基性塩化アルミニウム水溶液に硫酸イオン源を添加する工程(X)を更に含み、
前記工程(3)においてアルカリ剤を添加する前の塩基性塩化アルミニウム水溶液に含まれるCl/Alモル比が1.9以上であり、
前記アルカリ剤が、炭酸ナトリウム及び炭酸水素ナトリウムからなる群より選択される少なくとも1種を含む、塩基性塩化アルミニウム水溶液の製造方法。
続きを表示(約 470 文字)【請求項2】
前記アルカリ剤が、更に水酸化ナトリウムを含む請求項1記載の塩基性塩化アルミニウム水溶液の製造方法。
【請求項3】
前記アルカリ剤において、水酸化ナトリウムの含有割合が1~40モル%である請求項2記載の塩基性塩化アルミニウム水溶液の製造方法。
【請求項4】
Cl/Al



モル比が3.3~4.2、25℃における粘度が5.0~18mPa・s、塩基度が67%以上である塩基性塩化アルミニウム水溶液。
【請求項5】
Na/Al



モル比が1.7~2.4である請求項4記載の塩基性塩化アルミニウム水溶液。
【請求項6】
SO

/Al



モル比が0.010~0.30である請求項4又は5記載の塩基性塩化アルミニウム水溶液。
【請求項7】
請求項4又は5記載の塩基性塩化アルミニウム水溶液を含む水処理用凝集剤。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本開示は、塩基性塩化アルミニウム水溶液の製造方法、塩基性塩化アルミニウム水溶液、及び該塩基性塩化アルミニウム水溶液を含む水処理用凝集剤に関する。
続きを表示(約 2,300 文字)【背景技術】
【0002】
塩基性塩化アルミニウム(ポリ塩化アルミニウム、Poly Aluminum Chloride;PAC)は、原水の浄化などを目的として、硫酸バンドとならんで広く使用されている凝集剤である。PACは一般的に[Al

(OH)

Cl
(6-n)


(0<n<6、m≦10)で表される無機ポリマーである。このポリマー中のAlに対するOHの割合を塩基度と呼び、塩基度45以上のものが原水処理に広く用いられている(例えば特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特開2019-031431号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
通常、原水のpHが中性の場合は、pHが中性域において良好な除濁率を発揮する塩基度45~55%程度の普通塩基度PACが使用され、原水のpHがアルカリの場合は、pHがアルカリ域において良好な除濁率を発揮する塩基度65~75%程度の高塩基度PACが使用される。このように、原水のpHに応じて、PACの最適な塩基度が異なる。このような状況下、本開示者らの検討の結果、火山灰や石灰岩が含まれる地形の多い西日本では、降水量により原水のpHが中性とアルカリの間で変動しやすいこと、西日本では、pHの変動により、使用するPACと原水のpHが合わずに、PACによる充分な原水処理が行うことができないおそれがあることが新たに判明した。
【0005】
本開示は、本開示者らが新たに見出した前記課題を解決し、pH7付近の中性域及びpH8以上のアルカリ領域(以下においては、中性域及びアルカリ領域とも記載する)の両方において高い除濁率を発揮する塩基性塩化アルミニウム水溶液、該塩基性塩化アルミニウム水溶液の製造方法、及び該塩基性塩化アルミニウム水溶液を含む水処理用凝集剤を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
高塩基度PACの製造方法の1つとして、塩酸と水酸化アルミニウムを100℃超大気圧以上で反応させて塩基性塩化アルミニウム水溶液を製造する工程(1)を含む製造方法が知られており、塩酸法と呼ばれている。この塩酸法では、工程(1)で得られたPACの塩基度は、高塩基度ではないため、工程(1)で得られたPACの塩基度を向上させるために、アルカリ剤が添加される。このアルカリ剤の添加は、40℃以上の温度で行われることが一般的である。アルカリ剤の添加により、塩基性塩化アルミニウムが有するClがOHで置換され、塩基性塩化アルミニウムの塩基度が高くなる。
本開示者らは鋭意検討した結果、アルカリ剤の添加を40℃未満の低温で行うこと、更には、低温でのアルカリ剤の添加の際にゲル化を防ぐために、前記工程(1)において使用する塩酸の量を増加する等、アルカリ剤を添加する際の塩基性塩化アルミニウム水溶液に含まれるClの量を増加することにより、得られたPACが予想を超える高い除濁率を有すること、中性域及びアルカリ領域の両方において高い除濁率を発揮することを見出した。すなわち、本開示(1)は、塩酸と水酸化アルミニウムを100℃超大気圧以上で反応させて塩基性塩化アルミニウム水溶液を製造する工程(1)、
前記工程(1)で得られた塩基性塩化アルミニウム水溶液を40℃未満に冷却する工程(2)、
前記工程(2)で得られた塩基性塩化アルミニウム水溶液に、40℃未満でアルカリ剤を添加する工程(3)、並びに、
前記工程(3)で得られた塩基性塩化アルミニウム水溶液を40℃以上に加熱して熟成する工程(4)
を含み、
任意のタイミングで、塩基性塩化アルミニウム水溶液に硫酸イオン源を添加する工程(X)を更に含み、
前記工程(3)においてアルカリ剤を添加する前の塩基性塩化アルミニウム水溶液に含まれるCl/Alモル比が1.9以上であり、
前記アルカリ剤が、炭酸ナトリウム及び炭酸水素ナトリウムからなる群より選択される少なくとも1種を含む、塩基性塩化アルミニウム水溶液の製造方法に関する。
【0007】
本開示(2)は、前記アルカリ剤が、更に水酸化ナトリウムを含む本開示(1)記載の塩基性塩化アルミニウム水溶液の製造方法に関する。
【0008】
本開示(3)は、前記アルカリ剤において、水酸化ナトリウムの含有割合が1~40モル%である本開示(2)記載の塩基性塩化アルミニウム水溶液の製造方法に関する。
【0009】
本開示者らは、本開示の塩基性塩化アルミニウム水溶液の製造方法により得られるPACについて、中性域及びアルカリ領域の両方において高い除濁率を発揮する要因について鋭意検討した結果、Cl/Al



モル比、25℃における粘度、塩基度が重要であることを見出した。すなわち、本開示(4)はまた、Cl/Al



モル比が3.3~4.2、25℃における粘度が5.0~18mPa・s、塩基度が67%以上である塩基性塩化アルミニウム水溶液に関する。
【0010】
本開示(5)は、Na/Al



モル比が1.7~2.4である本開示(4)記載の塩基性塩化アルミニウム水溶液に関する。
(【0011】以降は省略されています)

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