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公開番号
2024160262
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2024-11-13
出願番号
2024122924,2023072046
出願日
2024-07-30,2018-07-26
発明の名称
抗CD147抗体
出願人
第一三共株式会社
代理人
個人
,
個人
,
個人
,
個人
主分類
C07K
16/30 20060101AFI20241106BHJP(有機化学)
要約
【課題】本発明の課題は、優れた抗腫瘍活性を示しかつ安全性に優れた新規抗CD147
抗体を提供することである。別の本発明の課題は、このような抗体を含む医薬品を提供す
ることである。別の本発明の課題は、当該抗体又は医薬品を用いた腫瘍の治療方法等を提
供することである。
【解決手段】本発明により、CD147を活性化し、高い抗腫瘍効果を示すCD147特
異的抗体が提供される。本発明により、エフェクター機能に依存せずに高い抗腫瘍効果を
示す抗CD147抗体が提供される。本発明によりこのような抗CD147抗体を含む医
薬組成物が提供される。本発明によりこのような抗CD147抗体および/または医薬組
成物を用いた腫瘍の治療方法が提供される。
【選択図】なし
特許請求の範囲
【請求項1】
ヒトCD147抗体又は該抗体の抗原結合断片であって、
重鎖配列が、CDRH1、CDRH2及びCDRH3を有する可変領域を含み、前記CDRH1は配列番号75に示されるアミノ酸配列からなり、前記CDRH2は配列番号76に示されるアミノ酸配列からなり、前記CDRH3は、配列番号77に示されるアミノ酸配列からなること;及び
軽鎖配列が、CDRL1、CDRL2及びCDRL3を有する可変領域を含み、前記CDRL1は配列番号72に示されるアミノ酸配列からなり、前記CDRL2は配列番号73に示されるアミノ酸配列からなり、前記CDRL3は、配列番号74に示されるアミノ酸配列からなること;
を特徴とする、前記ヒトCD147抗体又は該抗体の抗原結合断片。
続きを表示(約 1,000 文字)
【請求項2】
CD147を介したシグナル伝達を活性化する、請求項1に記載のヒトCD147抗体又は該抗体の抗原結合断片。
【請求項3】
配列番号71に示されるアミノ酸配列からなる重鎖可変領域、及び配列番号69に示されるアミノ酸配列からなる軽鎖可変領域を含む抗体と、ヒトCD147への結合に対し競合することを特徴とする、請求項1に記載のヒトCD147抗体又は該抗体の抗原結合断片。
【請求項4】
配列番号71に示されるアミノ酸配列からなる重鎖可変領域、及び配列番号69に示されるアミノ酸配列からなる軽鎖可変領域を含む抗体が結合するエピトープに結合することを特徴とする、請求項1に記載のヒトCD147抗体又は該抗体の抗原結合断片。
【請求項5】
ADCC活性が低下又は欠失した、請求項1~4のいずれか1項に記載のヒトCD147抗体又は該抗体の抗原結合断片。
【請求項6】
CDC活性が低下又は欠失した、請求項1~5のいずれか1項に記載のヒトCD147抗体又は該抗体の抗原結合断片。
【請求項7】
ADCP活性が低下又は欠失した、請求項1~6のいずれか1項に記載のヒトCD147抗体又は該抗体の抗原結合断片。
【請求項8】
配列番号3の106番目のアルギニン(Arg)から165番目のグリシン(Gly)の残基を含むエピトープに結合する、請求項1~7のいずれか1項に記載のヒトCD147抗体又は該抗体の抗原結合断片。
【請求項9】
配列番号3に記載のアミノ酸配列中の、106番目のアルギニン(Arg)、108番目のリシン(Lys)、109番目のアラニン(Ala)、110番目のバリン(Val)、127番目のリシン(Lys)、128番目のセリン(Ser)、129番目のグルタミン酸(Glu)、130番目のセリン(Ser)、131番目のバリン(Val)、132番目のプロリン(Pro)、133番目のプロリン(Pro)、134番目のバリン(Val)、164番目のグルタミン(Gln)及び165番目のグリシン(Gly)の各残基を含むエピトープに結合する、請求項1~8のいずれか1項に記載のヒトCD147抗体又は該抗体の抗原結合断片。
【請求項10】
Fab、F(ab’)2、Fab’及びFvからなる群から選択される、請求項1~9のいずれか1項に記載のヒトCD147抗体の抗原結合断片。
(【請求項11】以降は省略されています)
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、優れた抗腫瘍効果を示す抗CD147抗体、該抗CD147抗体の製造方法
及び該抗CD147抗体を含む抗腫瘍剤等に関する。
続きを表示(約 2,700 文字)
【背景技術】
【0002】
癌治療法、治療薬の進展によって、不治の病とされてきた癌が、治療可能であり、根治
することがわかってきた。特に優れた薬物安定性と特異性を示す抗体医薬として開発され
たCTLA4抗体、PD1抗体は、T細胞をはじめとする免疫細胞の活性化によって、メ
ラノーマや一部の固形癌に高い奏功率、場合によっては治癒をもたらし、癌患者にとって
の福音となっている。これらの治療薬が、難治性の固形癌の多くを対象としての治療が試
みられているが、膵臓癌や肝臓癌等では、大部分の癌が薬剤に感受性を示さず、手術によ
る摘出や従来の抗癌剤を基本とした治療でも高率に再発が認められ、切に根治をもたらす
治療法、治療薬が求められている。
【0003】
CD147は、イムノグロブリン様ドメインを2~3有する1回膜貫通蛋白質であり、
CD147同士の相互作用、CD44、Integrinファミリー分子、CD98、V
EGFR、CypA/B、MCT1/3/4といった増殖、浸潤、炎症に関与する細胞外
や細胞膜表面の分子と相互作用することで、下流シグナル関連分子、FAK、MEK、E
rk、JAK/STAT、AKT、MAPKファミリー分子を活性化させ、MMPをはじ
めとするプロテアーゼ産生、癌の増殖、転移、浸潤を促すことが知られている。また前出
の肝臓癌や膵臓癌の患者において、CD147の発現が高いと生存期間が短く予後不良と
なることが報告されており、癌の治療標的分子の一つとして考えられている。
【0004】
CD147を標的とした抗体としては、ABX-CBL、Licartinが臨床で実
際にヒトに投与された。ABX-CBLは、CD147とシクロフィリンAとの結合を阻
害し、T細胞の活性を抑制するだけでなく、血中の補体依存的にCD147陽性のT細胞
をはじめとする正常細胞に対し殺細胞活性を示す。GVHDを対象疾患として臨床試験が
進められたが、薬効が不十分であり、重篤な筋肉の痛みが観察され、薬としての承認には
至っていない(特許文献1、非特許文献1)。
【0005】
Licartinは、HAb18抗体のFab’2部分に放射性同位元素iodine
I 131を付加した生物製剤であり、中国で肝臓癌を適応癌種として、承認されてい
る(非特許文献2、非特許文献3)。Licartinは、免疫細胞や補体を活性化させ
る抗体のFc部分を欠いており、免疫介在性の毒性は報告がないが、臨床での肝臓癌を根
治したという報告はない。
【0006】
また、他のCD147を標的とした抗体としては、血管新生、VEGF産生マトリック
スメタロプロテアーゼ等のCD147に関連する生物活性を遮断する、抗CD147モノ
クローナル抗体(特許文献2)、T細胞の活性化を阻害する抗CD147モノクローナル
抗体(非特許文献4)、及びADCC活性及びCDC活性を有することを特徴とするCD
147分子に特異的に結合する抗体(特許文献3)が知られている。しかし、エフェクタ
ー機能を有さずかつ抗腫瘍効果を示すCD147抗体は知られていない。また、CD14
7を介した細胞シグナル伝達系の活性化と抗腫瘍効果の関連については知られていない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
WO1999/045031
WO2010/036460
WO2017/061602
【非特許文献】
【0008】
Deeg H,et al.,J.Blood.,2052-2058,2001
Chen Z,et al.,Int.J.Radiation Oncology Biol.Phys.,435-444,2006
Xu J,et al.,Hepatology,269-276,2007
Koch C,et al.,International Immunology,777-786,1999
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明の課題は、新規な薬理作用を有し、安全性に優れ、かつ、高い抗腫瘍効果を有す
る新規抗CD147抗体、該抗体を含む医薬品、及び、当該抗体又は医薬品を用いた腫瘍
の治療方法等を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明者らは、上記課題を達成するために鋭意検討し、CD147を介した関連シグナ
ル分子の活性化が抗腫瘍効果に関連することを初めて見出した。そして、本発明者らは、
CD147を活性化し、高い抗腫瘍効果を示すCD147特異的抗体の取得に成功した。
本発明の抗体は、エフェクター機能に依存せずに高い抗腫瘍効果を示すという特徴を有す
る。また、これまでにエフェクター機能に依存して抗腫瘍効果を示す抗体は報告されてい
るが、本発明の抗体は、T細胞及びPBMCに対して作用せず、かつ、エフェクター機能
にも依存せずに高い抗腫瘍効果を示すという特徴を有し、医薬品としての安全性が期待さ
れる優れた抗体である。本発明の抗体は、肝臓癌細胞において、肝臓癌の標準治療薬のう
ちの1つとして使用されるソラフェニブよりも顕著に強い薬効を示す。本発明の抗体は、
膵臓癌細胞において、膵臓癌の標準治療薬のうちの1つとして使用されるゲムシタビンよ
りも顕著に強い薬効を示す。また、本発明の抗体は、慢性骨髄性白血病細胞において、慢
性骨髄性白血病の標準治療薬のうちの1つとして使用されるイマチニブよりも顕著に強い
薬効を示す。本発明らは、本発明のCD147抗体が、癌細胞に対しp38MAPKおよ
びSMADシグナル伝達系を活性化することを見出した。また、本発明者らは、本発明の
CD147抗体が、SMAD4陽性細胞において優れた抗腫瘍効果を示すことを見出した
。
(【0011】以降は省略されています)
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