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公開番号2024159617
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-11-08
出願番号2024069441
出願日2024-04-23
発明の名称新規化合物及びウイルスの検出用試薬並びにそれを用いたウイルスの検出方法
出願人静岡県公立大学法人,学校法人常翔学園
代理人個人,個人
主分類C07H 15/26 20060101AFI20241031BHJP(有機化学)
要約【課題】シアリダーゼを発現するウイルスのウイルス種を区別して検出することのできる検出用試薬を提供する。
【解決手段】本発明は、式(I)、式(III)等で表される化合物若しくはその塩、又はそれらの溶媒和物である。
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【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
以下式(I)、式(II)又は式(III)で表される化合物若しくはその塩、又はそれらの溶媒和物。
TIFF
2024159617000026.tif
156
170
[式(II)中、R

は、炭素数3~9の直鎖アルキル基又はイソプロピル基を示す。]
続きを表示(約 1,200 文字)【請求項2】
シアリダーゼ活性を有するウイルス又はウイルスのシアリダーゼの検出用試薬であって、
以下式(I)、式(II)又は式(III)で表される化合物若しくはその塩、又はそれらの溶媒和物を含有することを特徴とする検出用試薬。
TIFF
2024159617000027.tif
156
170
[式(II)中、R

は、炭素数3~9の直鎖アルキル基又はイソプロピル基を示す。]
【請求項3】
前記ウイルスがインフルエンザウイルスであり、
前記式(I)、式(II)又は式(III)で表される化合物若しくはその塩、又はそれらの溶媒和物を含有し、該式(II)中のR

は、イソプロピル基であることを特徴とする、請求項2に記載の検出用試薬。
【請求項4】
前記ウイルスがA型インフルエンザウイルスであり、
前記式(I)で表される化合物若しくはその塩、又はそれらの溶媒和物を含有することを特徴とする、請求項2に記載の検出用試薬。
【請求項5】
前記ウイルスが、NA亜型がN1のA型インフルエンザウイルスであり、
前記式(II)で表される化合物若しくはその塩、又はそれらの溶媒和物を含有し、該式(II)中のR

は、イソプロピル基であることを特徴とする、請求項2に記載の検出用試薬。
【請求項6】
前記ウイルスが、A型インフルエンザウイルス及びB型インフルエンザウイルスであり、
前記式(III)で表される化合物若しくはその塩、又はそれらの溶媒和物を含有することを特徴とする、請求項2に記載の検出用試薬。
【請求項7】
インフルエンザウイルスの検出方法であって、
請求項3に記載の検出用試薬を検体に添加する工程、及び
前記工程により生じる蛍光物質に基づいて、インフルエンザウイルスの存在の有無を判別することを特徴とする検出方法。
【請求項8】
インフルエンザウイルスの検出方法であって、
請求項3に記載の検出用試薬を用いて、インフルエンザウイルスの感染細胞を蛍光イメージングすることを特徴とする検出方法。
【請求項9】
前記ウイルスがムンプスウイルスであり、
前記式(II)で表される化合物若しくはその塩、又はそれらの溶媒和物を含有し、該式(II)中のR

は、炭素数3~9の直鎖アルキル基であることを特徴とする、請求項2に記載の検出用試薬。
【請求項10】
前記ウイルスがムンプスウイルスであり、
前記式(II)で表される化合物若しくはその塩、又はそれらの溶媒和物を含有し、該式(II)中のR

は、ヘプチル基であることを特徴とする、請求項2に記載の検出用試薬。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、式(I)、式(II)及び式(III)で表される新規化合物並びにこの化合物を含有する、ウイルス又はウイルスのシアリダーゼの検出用試薬に関する。
続きを表示(約 1,400 文字)【背景技術】
【0002】
インフルエンザウイルス、ムンプス(おたふく風邪)ウイルス及びヒトパラインフルエンザウイルスは流行性の高いヒト病原ウイルスである。インフルエンザウイルスについては、抗原検査薬による診断が実施されているが、ムンプスウイルス及びヒトパラインフルエンザウイルスについては、現状では、臨床で簡易に利用できる検査薬は導入されていない。
【0003】
また、この種のウイルスの流行状況の把握のため、公的な衛生検査機関では臨床検体からウイルスを分離培養し、ウイルスを同定することが行われている。ウイルスを分離培養する際に、感染細胞の形態変化(CPE)はウイルス種の推定に利用される培養確認法の一つであるが、形態変化そのものを明確に観察できないことがある。そのため、ウイルス感染細胞からのウイルス株の単離及びウイルスの同定には、培養上清の赤血球凝集活性によるウイルス培養の確認、遺伝子検査あるいは抗ウイルス抗体を利用したウイルスの同定等の検査が行われており、多数の検体を取り扱う際に、このような検査は大変な労力となっている。
【0004】
他方、本件発明者らは、インフルエンザウイルス、ムンプスウイルス及びヒトパラインフルエンザウイルス等のシアリダーゼ活性を有するウイルスを高感度に蛍光検出できる検出用試薬として、以下化学式に示す「BTP3-Neu5Ac」及び「mC9-yne-BTP-Neu5Ac(BTP9-Neu5Ac)」を開発した(非特許文献1及び特許文献1参照)。これらの検出用試薬は、シアリダーゼを発現するウイルス感染細胞を簡単に蛍光イメージングすることができる。
【0005】
TIFF
2024159617000001.tif
85
170
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
特許第6493964号公報
【非特許文献】
【0007】
高橋忠伸・紅林佑希・大坪忠宗・池田潔・南彰・鈴木隆、“シアリダーゼを利用したウイルス感染細胞の蛍光イメージング”、分析化学、2016年、第65巻、第12号、pp.689-701
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
上述したように、インフルエンザウイルス、ムンプスウイルス及びヒトパラインフルエンザウイルスの感染診断にあたり、臨床で簡易に利用できる検査薬や、衛生検査機関等においては、臨床検体からのウイルス種を簡易に判別したり、ウイルス株を簡易に単離する技術が求められている。
【0009】
他方、非特許文献1及び特許文献1で提案されたウイルス検出用試薬「BTP3-Neu5Ac」及び「mC9-yne-BTP-NeuAc(BTP9-Neu5Ac)」は、インフルエンザウイルス、ムンプスウイルス及びヒトパラインフルエンザウイルス等のシアリダーゼを発現するウイルスを高感度に検出するものの、各ウイルス種を区別して判定することはできないという問題があった。
【0010】
したがって、本発明は上述した点に鑑みてなされたもので、その目的は、シアリダーゼを発現するウイルスのウイルス種を区別して検出することのできる検出用試薬を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
(【0011】以降は省略されています)

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