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公開番号
2025110449
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-07-29
出願番号
2024004279
出願日
2024-01-16
発明の名称
チロシンフェノールリアーゼ阻害剤
出願人
静岡県公立大学法人
代理人
個人
,
個人
主分類
A61K
45/00 20060101AFI20250722BHJP(医学または獣医学;衛生学)
要約
【課題】食品成分等に由来する新規なチロシンフェノールリアーゼ阻害剤を提供する。
【解決手段】チロシンフェノールリアーゼ阻害剤は、下記式(I)で表されるフェノール性水酸基含有化合物、その塩若しくはそのエステル、又はそれらの配糖体を含む。
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[式中、X1は炭素、窒素;R1はカルボキシ基、水素、4-ビニルフェノール基等;R2は水酸基、水素、アルコキシ基;R3は水酸基、水素;R4は水素等]
【選択図】なし
特許請求の範囲
【請求項1】
下記式(I)で表されるフェノール性水酸基含有化合物、その塩若しくはそのエステル、又はそれらの配糖体を含むことを特徴とするチロシンフェノールリアーゼ阻害剤。
TIFF
2025110449000011.tif
67
170
[式(I)中、
X1は炭素または窒素を示し;
R1は下記式(II)で表される基、カルボキシ基、水素または4-ビニルフェノール基を示し;
R2は水酸基、水素または炭素数1~3のアルコキシ基を示し;
R3は水酸基または水素を示し、X1が窒素であるときにはR3は存在せず;
R4は水素または下記式(III)で表される基を示す。]
TIFF
2025110449000012.tif
128
170
ただし、R1が前記式(II)で表される基のとき、X1は炭素、R3及びR4は水素であり;
R1がカルボキシ基のとき、R4は水素であり;
R1が水素のとき、X1は炭素、R2及びR3は水酸基、R4は水素であるか、X1は炭素、R2及びR3は水素、R4は前記式(III)で表される基であり;
R1が4-ビニルフェノール基のとき、X1は炭素、R2及びR4は水素、R3は水酸基である。
続きを表示(約 1,000 文字)
【請求項2】
式(I)中、
X1は炭素を示し;
R1は前記式(II)で表される基またはカルボキシ基を示し;
R2は水酸基または水素を示し;
R3は水酸基または水素を示し;
R4は水素を示し;
ただし、R1が前記式(II)で表される基のとき、R3は水素である、ことを特徴とする請求項1に記載のチロシンフェノールリアーゼ阻害剤。
【請求項3】
式(I)で表されるフェノール性水酸基含有化合物が、ケルセチン、没食子酸、3-ヒドロキシ安息香酸、3,4-ジヒドロキシ安息香酸、3,5-ジヒドロキシ安息香酸、4-メトキシ-3-ヒドロキシ安息香酸、5-ヒドロキシニコチン酸、ピロガロール、レスベラトロール及びダイゼインからなる群より選択される少なくとも1種の化合物であることを特徴とする請求項1に記載のチロシンフェノールリアーゼ阻害剤。
【請求項4】
式(I)で表されるフェノール性水酸基含有化合物のエステルは、没食子酸のエステルであり、該没食子酸のエステルは、エピカテキンガレート又はエピガロカテキンガレートであることを特徴とする請求項1に記載のチロシンフェノールリアーゼ阻害剤。
【請求項5】
請求項1~4のいずれか1項に記載のチロシンフェノールリアーゼ阻害剤を含有することを特徴とする腸管内のフェノール産生抑制用組成物。
【請求項6】
請求項1~4のいずれか1項に記載のチロシンフェノールリアーゼ阻害剤を含有することを特徴とする糞便中のフェノール濃度低減用飲食品。
【請求項7】
請求項1~4のいずれか1項に記載のチロシンフェノールリアーゼ阻害剤を含有することを特徴とする皮膚の乾燥抑制用飲食品。
【請求項8】
請求項1~4のいずれか1項に記載のチロシンフェノールリアーゼ阻害剤を含有することを特徴とする皮膚バリア機能向上用飲食品。
【請求項9】
請求項1~4のいずれか1項に記載のチロシンフェノールリアーゼ阻害剤を有効成分として含有することを特徴とする腸管内のフェノールが関与する症状、病態又は疾患の予防、改善又は治療用組成物。
【請求項10】
前記腸管内のフェノールが関与する症状、病態又は疾患が、皮膚の老化、下痢、便秘、尿毒症、糞便悪臭及び糖尿病性腎症からなる群より選択される少なくとも1つの症状、病態又は疾患であることを特徴とする請求項9に記載の組成物。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、チロシンフェノールリアーゼ阻害剤に関するものであり、より詳細には、所定のフェノール性水酸基含有化合物、その塩若しくはそのエステル、又はそれらの配糖体を含有する、チロシンフェノールリアーゼ阻害剤に関する。
続きを表示(約 2,200 文字)
【背景技術】
【0002】
チロシンフェノールリアーゼ(tyrosine phenol lyase;TPL)とは、チロシンをフェノール、ピルビン酸及びアンモニアに分解する酵素である。本発明者らは、糖尿病モデルマウスへの高脂肪食投与によって、糞便中のフェノールが108倍にも増加することを発見した(非特許文献1)。この糞便中のフェノールは、チロシンフェノールリアーゼを発現する腸内細菌により、チロシンから産生されたものである。これらの腸内細菌の代謝により産生したフェノールは、肝臓で代謝されてフェニル硫酸に変換されるところ、このフェニル硫酸が糸球体上皮細胞を障害してアルブミン尿を誘導し、糖尿病性腎症の進行に関与することが知られている。そのため、チロシンフェノールリアーゼを阻害することにより、フェニル硫酸の前駆体となるフェノールの産生を抑制して、糖尿病性腎症を予防したり、改善できる可能性がある。そこで、チロシンの構造アナログ分子であり、チロシンフェノールリアーゼ阻害剤である2-Aza-Tyrを、糖尿病モデルマウス(db/dbマウス)に経口投与したところ、血中フェニル硫酸濃度及び尿中アルブミン/クレアチニン比が低下し、糖尿病性腎症の進行が抑制されたことが報告されている(非特許文献2)。
【0003】
他方、チロシンフェノールリアーゼを発現する腸内細菌によって産生されたフェノールは、消化管から吸収されたのち、皮膚に移行して表皮形成を妨げ、表皮バリア機能障害や肌の乾燥の原因になることが指摘されている(非特許文献3)。さらに、フェノールは強力な変性剤であることから、消化管神経を障害し、腸の蠕動運動に影響することで下痢や便秘を引き起こす原因にもなっている。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0004】
Misaki UCHIKAWA, Noriyuki MIYOSHI et al, SCIENTIFIC REPORTS, Vol.10, 2020年, doi:10.1038/s41598-020-62541-7
Koichi KIKUCHI et al, Nature Communications, Vol.10, 2019年, doi:10.1038/s41467-019-09735-4
Ryoko IIZUKA et al, Microbial Ecology in Health and Disease, Vol.21, 2009年, doi:10.3109/08910600903429060
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上述したように、チロシンフェノールリアーゼを発現する腸内細菌によって産生されたフェノールは様々な症状や疾病に関与している可能性がある。そのため、チロシンフェノールリアーゼ阻害剤を用いて、腸管内のフェノール産生を抑制することは重要である。また、腸管内にチロシンフェノールリアーゼ阻害剤を到達させるにあたっては、簡単かつ安全な摂取方法である経口摂取が好ましく、それゆえ、人体に対して高い安全性を有する天然物由来材料、例えば、食品成分由来のチロシンフェノールリアーゼ阻害剤が期待されている。
【0006】
したがって、本発明は上述した点に鑑みてなされたもので、その目的は、食品成分等に由来する新規なチロシンフェノールリアーゼ阻害剤を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明者らは、チロシンフェノールリアーゼ(TPL)阻害活性を持つ食品成分を探索する目的で、さまざまな食品成分を対象にTPL阻害活性試験を実施したところ、特定のフェノール性水酸基含有化合物が、既知のTPL阻害剤である2-Aza-Tyrよりも強力なTPL阻害活性を示すことを見出した。この知見に基づき、本発明を完成するに至った。
【0008】
上記課題を解決するため、本発明のチロシンフェノールリアーゼ阻害剤は、下記式(I)で表されるフェノール性水酸基含有化合物、その塩若しくはそのエステル、又はそれらの配糖体を含み、式(I)中、X1は炭素または窒素を示し;R1は下記式(II)で表される基、カルボキシ基、水素または4-ビニルフェノール基を示し;R2は水酸基、水素または炭素数1~3のアルコキシ基を示し;R3は水酸基または水素を示し、X1が窒素であるときにはR3は存在せず;R4は水素または下記式(III)で表される基を示している。ただし、R1が式(II)で表される基のとき、X1は炭素、R3及びR4は水素であり;R1がカルボキシ基のとき、R4は水素であり;R1が水素のとき、X1は炭素、R2及びR3は水酸基、R4は水素であるか、X1は炭素、R2及びR3は水素、R4は式(III)で表される基であり;R1が4-ビニルフェノール基のとき、X1は炭素、R2及びR4は水素、R3は水酸基である。
【0009】
TIFF
2025110449000001.tif
67
170
【0010】
TIFF
2025110449000002.tif
128
170
(【0011】以降は省略されています)
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