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公開番号2024161509
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-11-19
出願番号2024136804,2021502692
出願日2024-08-16,2019-03-29
発明の名称多価抗体
出願人メルス ナムローゼ フェンノートシャップ
代理人個人,個人,個人
主分類C07K 16/46 20060101AFI20241112BHJP(有機化学)
要約【課題】安定性、低免疫原性、及び開発可能性の容易さを維持しながら、標的の組み合わせに応じてモジュール式で用いることができる剛性、柔軟性、長さの異なる特徴を含む一連のリンカーの設計が当該技術分野において必要とされている。3つ以上の結合ドメインを含む広範な抗体の迅速かつ堅牢な生成に広く適用可能である抗体の産生のために、3つ以上の結合ドメイン及びリンカーを有する多価抗体のための新しく有用なフォーマットが必要である。
【解決手段】本発明は、2つの結合ドメインを含むベース抗体部分と、少なくとも1つの追加の結合ドメインと、を含む多価抗体に関連し、該ベース抗体部分は、リンカーによって少なくとも1つの追加の結合ドメインに接続され、該ベース抗体部分の各結合ドメイン及び該少なくとも1つの追加の結合ドメインのそれぞれは、全て共通可変領域を有し、該リンカーは、ヒンジ配列又はヒンジ配列に由来する配列を含む。本発明はまた、2つの結合ドメインを含むベース抗体部分と、少なくとも1つの追加の結合ドメインと、を含む多価抗体に関連し、少なくとも1つの追加の結合ドメインは、CH1領域を含み、該リンカーによってベース抗体部分に接続されて、ベース抗体部分の可変領域及びCH1領域が連結され、該多価抗体は、少なくとも3つの異なるエピトープに結合する。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
2つの結合ドメインを含むベース抗体部分と、
少なくとも1つの追加の結合ドメインと、を含む、多価抗体であって、
前記ベース抗体部分が、リンカーによって前記少なくとも1つの追加の結合ドメインに接続され、
前記ベース抗体部分の各結合ドメイン及び前記少なくとも1つの追加の結合ドメインのそれぞれが全て、共通可変領域を有し、
前記リンカーが、ヒンジ配列、又はヒンジ配列に由来する配列を含む、多価抗体。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、3つ以上の結合ドメインを有する多価抗体、及びかかる多価抗体の作製方法に関する。本発明は、多価抗体の構成ポリペプチド、及び多価抗体の1つ以上の結合ドメインを接続するために使用することができるリンカーに更に関する。本発明は、かかる多価抗体、リンカーをコードする核酸、及びかかる核酸を含むベクター、並びに多価抗体を産生する宿主細胞に更に関する。本発明はまた、癌細胞又は腫瘍細胞抗原上に存在する標的抗原及び免疫エフェクター細胞に関与する標的を含む、3つの抗原又は標的に同時に結合することができる多価抗体にも関する。また、本発明は、多価抗体を含む医薬組成物、及び治療によってヒト又は動物の処置に使用するための多価抗体に関する。また、本発明は、抗体を使用したヒト又は動物を処置するための方法に関する。
続きを表示(約 2,400 文字)【背景技術】
【0002】
2つの抗原又は2つのエピトープに結合することができる二重特異性抗体などの多価抗体は、当該技術分野において既知である。かかる多価結合タンパク質は、細胞融合、化学的コンジュゲーション、又は組み換えDNA技術を含む様々な技術を使用して生成することができる。
【0003】
抗体は、典型的には、2つの同一の重鎖及び2つの同一の軽鎖を含む4つのタンパク質で構成される多量体であり、重鎖は可変ドメイン(VH)、及び3つの定常領域(CH1、CH2、CH3)で構成され、軽鎖は可変軽鎖ドメイン(VL)及び定常領域(CL)から構成される。典型的には、軽鎖は、多くの非共有相互作用の影響を通じて、更にはジスルフィド結合を介して重鎖と対合する。2つの重鎖は、CH1をCH2に接続するヒンジ領域で、及び/又は2つのCH3ドメイン間の界面でのアミノ酸相互作用を介して、対合する。VHとVLとの対合は、抗原結合ドメインを形成し、典型的には、可変性は、相補性決定領域又はCDRである、VH及びVLドメイン内の3つの表面ループ形成領域において見出される。
【0004】
2つの異なる抗原、又は同じ抗原内の2つの異なるエピトープに結合し得る、二重特異性抗体などの2つの異なる結合ドメインを有する抗体など、特定の多価抗体フォーマットが当技術分野において既知である。かかるフォーマットでは、多価抗体が、1つの抗原を発現する正常な細胞を標的化したり、又はより低い発現レベルで1つの抗原を発現するかかる正常な細胞を標的化することなく、腫瘍細胞などの2つの抗原又はエピトープを発現する細胞又は標的を選択的に標的とすることを可能にする調整された結合の使用を可能にし得る。同様に、二重特異性抗体などの多価抗体上に2つの異なる結合ドメインを有することにより、異なる抗原の結合が可能となり、それにより、この多価抗体を使用して、単一細胞又は2つの相互作用細胞上の阻害分子及び刺激分子の両方を標的とすることができ、その結果、多価抗体の効力が高まる。多価抗体はまた、腫瘍にリダイレクトされ得る、例えば免疫調節細胞などの細胞をリダイレクトするために使用され得る。
【0005】
単一の抗体における3つ以上の結合ドメインを組み込むことで、標的及び有効性のより多岐にわたる有益な組み合わせを可能にし得る。例えば、3つ以上の結合ドメインを有する多価抗体は、同じ抗原及びエピトープを標的とし得、標的に対する抗体のより低い比で、所与の標的に対する特異性及び/又は標的の飽和を可能にする。多価抗体は、標的細胞への高いアビディティ結合を可能にするために、2つ以上の同一の抗原結合ドメインを含有してもよい。これは、腫瘍細胞上で過剰発現されるガングリオシドなどの抗原を特異的に標的化するために使用することができる。これらの腫瘍関連抗原は、通常の細胞上に存在するが、腫瘍細胞上では非常に高密度で存在する。いくつかの低親和性結合領域を含有する多価抗体は、正常細胞と反応しないか、又はより低い比で反応すると同時に、追加の受容体を活性化若しくは遮断しながら、腫瘍細胞への特異的標的化を可能にし得る。最終的に、3つ以上の結合領域が、かかる用途において有用である。
【0006】
特定の多価抗体が当該技術分野において記載されてきたが、当該技術分野では、多価抗体の効率的な産生を可能にし、多くの抗原に対するその結合ドメインを容易に作製及び効率的かつ安定的に多価抗体へと変換でき、そして多岐にわたる抗原及びエピトープに結合することができる、新たなフォーマット及び新たなリンカーが必要とされている。3つ以上の結合ドメインを含有する抗体の操作は、従来、時間がかかり、非効率的で、費用がかかってきた。実際に、様々な抗原を標的化するために生成することができる高品質で低免疫原性の多価抗体の効率的な産生には、多くの障害が存在する。
【0007】
例えば、3つ又は4つの結合ドメインを含有する既存の多価フォーマットは、第1に、分子中の全ての結合ドメインへのアクセスを制限する傾向があり、第2に、開発可能性にとって問題となり得る、配列ドメインを含有するGly

Ser(G

S)リピートなどの合成リンカーに依存する。
【0008】
既存の多価抗体フォーマットはまた、ジスルフィド結合及びアミノ酸相互作用によって会合される、又は単鎖可変領域断片(single-chain fragment variables)(scFv)の場合、短いリンカーによって接合され得る、異なる重鎖及び軽鎖に依存する。しかし、3つ以上の結合特異性の多重特異的フォーマットで使用される複数の可変ドメインのそれぞれにおいて、異なる可変鎖(重鎖及び/又は軽鎖)を使用する必要があるので、重鎖及び軽鎖の誤対合を防止するために、かかる分子の広範な操作を必要とする。このことは、常に、これらの分子の複雑性、安定性、免疫原性、及び産生レベルに影響を及ぼす。
【0009】
多価抗体フォーマットは、各結合ドメインに同じ軽鎖を使用することに依存し得、この場合、該軽鎖と対合する1つ以上の同族可変領域は、該同族鎖が、抗原曝露、及びB細胞の発達中に発生する共進化のプロセスに応答して共通軽鎖と形成されて対合するのではなく、化学修飾によって強制的に対合する。
【0010】
多価抗体フォーマットはまた、1つの抗原に結合する既存の単特異性抗体からの軽鎖に依存し得、これは、その後、ライブラリにおいて使用されて、該軽鎖を対合することが可能な重鎖を同定し、同時に異なるエピトープ又は抗原にも結合する。
(【0011】以降は省略されています)

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