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公開番号
2024159120
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2024-11-08
出願番号
2023074905
出願日
2023-04-28
発明の名称
低分子フッ素化合物の製造方法
出願人
マイクロ波化学株式会社
,
ダイキン工業株式会社
,
AGC株式会社
代理人
個人
,
個人
,
個人
主分類
C07C
17/367 20060101AFI20241031BHJP(有機化学)
要約
【課題】 フッ素樹脂の分解において、反応容器から導出される生成ガスの温度を、加熱されたマイクロ波吸収体の温度に比べて低くなるように温度差を設けるフッ素樹脂分解法において、生成する低分子フッ素化合物のうち、フッ素樹脂の構成モノマーの選択率を向上させる。
【解決手段】 キャリアガス導入口と分解ガス導出口とが設けられた反応容器内で、加熱されたマイクロ波吸収体とフッ素樹脂を含む材料とを接触させることによりフッ素樹脂を分解する低分子フッ素化合物の製造方法において、(i)加熱されたマイクロ波吸収体の温度TR(℃)から、前キャリアガス温度TI(℃)を差し引いた温度差Δ1(TR-TI)を500℃超となるように設定する、及び/又は(ii)温度TR(℃)から、導出口での生成ガス温度TE(℃)を差し引いた温度差Δ2(TR-TE)を300℃以上となるように設定する。
【選択図】なし
特許請求の範囲
【請求項1】
キャリアガス導入口と分解ガス導出口とが設けられた反応容器内で、マイクロ波吸収体をマイクロ波照射により加熱し、加熱された前記マイクロ波吸収体とフッ素樹脂を含む材料とを接触させることにより前記フッ素樹脂を低分子フッ素化合物に分解する分解工程を含み、
(i)加熱された前記マイクロ波吸収体の温度TR(℃)から、前記導入口におけるキャリアガス温度TI(℃)を差し引いた温度差Δ1(TR-TI)を500℃超となるように設定する、低分子フッ素化合物の製造方法。
続きを表示(約 900 文字)
【請求項2】
キャリアガス導入口と分解ガス導出口とが設けられた反応容器内で、マイクロ波吸収体をマイクロ波照射により加熱し、加熱された前記マイクロ波吸収体とフッ素樹脂を含む材料とを接触させることにより前記フッ素樹脂を低分子フッ素化合物に分解する分解する工程を含み、
(ii)加熱された前記マイクロ波吸収体の温度TR(℃)から、前記反応容器から導出される生成ガスの前記導出口での温度TE(℃)を差し引いた温度差Δ2(TR-TE)を300℃以上となるように設定する、低分子フッ素化合物の製造方法。
【請求項3】
前記導入口からのキャリアガスの導入速度Rが0.005~20m/sである、請求項1又は2に記載の製造方法。
【請求項4】
前記導出口における反応容器から導出される生成ガス温度TE(℃)が20℃以上250℃未満である、請求項1又は2に記載の製造方法。
【請求項5】
前記マイクロ波吸収体が、前記マイクロ波吸収体及び前記フッ素樹脂を含む材料の粒子を含み且つ前記キャリアガス導入口から前記分解ガス導出口への気流を通過させるように設けられた、マイクロ波吸収体含有層の形態で用意され、
前記導出口の開口中心を点Peとし、前記マイクロ波吸収体含有層の中心軸と、前記マイクロ波吸収体含有層の前記導出口とは反対側の面との交点を点Plとした場合、点Plから点Peまでの高さHに対する前記マイクロ波吸収体含有層の高さhの比率h/Hが0.01~0.8である、請求項1又は2に記載の製造方法。
【請求項6】
前記マイクロ波吸収体の粒径dが0.1~25mmである、請求項1又は2に記載の製造方法。
【請求項7】
前記マイクロ波吸収体含有層の高さhが0.1~200mmである、請求項5に記載の製造方法。
【請求項8】
加熱された前記マイクロ波吸収体の温度TR(℃)から、前記導入口におけるキャリアガス温度TI(℃)を差し引いた温度差Δ1(TR-TI)を250℃超となるように設定する、請求項2に記載の製造方法。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、フッ素樹脂の分解技術に関する。より具体的には、本発明は、マイクロ波照射加熱を用いたフッ素樹脂の熱分解により低分子フッ素化合物を製造する方法に関する。
続きを表示(約 3,200 文字)
【背景技術】
【0002】
フッ素樹脂は、滑性、耐熱性、耐薬品性等の優れた特性を利用し、耐熱電線の被覆材、半導体製造材料、及び電子部品などに広く用いられている。近年、フッ素樹脂を含む合成樹脂に関して、一般に、分解し再利用することが盛んに検討されている。例えば、特許文献1に、PTFEを含む素材からPTFEを熱分解することによって発生するテトラフロロエチレン低分子量モノマー及びダイマーを取出すケミカルリサイクル方法であって、不活性の粒状材料によって形成された流動床をその内部に有するとともに、その内部に前記素材が供給された流動床反応器を加熱する過程、流動ガスとしての不活性ガスを前記流動床反応器内に導入するとともに、前記不活性ガスとともに前記加熱によってPTFEが熱分解されることによって発生したテトラフロロエチレン低分子量モノマー及びダイマーを、前記流動床反応器から取出す過程、を含むケミカルリサイクル方法が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特開2004-346000号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明者は、これまでのフッ素樹脂のケミカルリサイクル技術において、フッ素樹脂から生じたフッ素系モノマー等の低分子フッ素化合物が晒される温度環境の制御について検討されていないことに着眼し、反応容器から導出される生成ガスの温度を、分解反応系中の温度に比べて敢えて低くなるように制御する手法を見出した。しかしながら、さらなる検討により、このような手法においては、生成する低分子フッ素化合物のうち、フッ素樹脂の構成モノマーの選択率に改善の余地があるという課題に直面した。
【0005】
そこで、本発明は、反応容器から導出される生成ガスの温度(以下において、「温度TE」とも記載する。)を、分解反応系中の温度つまり加熱されたマイクロ波吸収体の温度(以下において、「温度TR」とも記載する。)に比べて低くなるように制御するように温度差(以下において、「温度差Δ2(TR-TE)」とも記載する。)を設けるフッ素樹脂分解法において、生成する低分子フッ素化合物のうち、フッ素樹脂の構成モノマーの選択率を向上させることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明者は、鋭意検討の結果、容反応器内で加熱されたマイクロ波吸収体の温度TR(℃)から、反応容器導入口におけるキャリアガス温度TI(℃)を差し引いた温度差Δ1(TR-TI)を500℃超となるように設定すること、及び/又は、容反応器内で加熱されたマイクロ波吸収体の温度TR(℃)から、反応容器から導出される生成ガスの分解ガス導出口でのTE(℃)を差し引いた温度差Δ2(TR-TE)を300℃以上となるように設定することによって、生成する低分子フッ素化合物のうち、フッ素樹脂の構成モノマーの選択率を向上できることを見出した。本発明は、この知見に基づき、さらに検討を重ねることにより完成した。
【0007】
即ち、本発明は、下記に掲げる態様の発明を提供する。
項1. キャリアガス導入口と分解ガス導出口とが設けられた反応容器内で、マイクロ波吸収体をマイクロ波照射により加熱し、加熱された前記マイクロ波吸収体とフッ素樹脂を含む材料とを接触させることにより前記フッ素樹脂を低分子フッ素化合物に分解する分解工程を含み、
(i)加熱された前記マイクロ波吸収体の温度TR(℃)から、前記導入口におけるキャリアガス温度TI(℃)を差し引いた温度差Δ1(TR-TI)を500℃超となるように設定する、低分子フッ素化合物の製造方法。
項2. キャリアガス導入口と分解ガス導出口とが設けられた反応容器内で、マイクロ波吸収体をマイクロ波照射により加熱し、加熱された前記マイクロ波吸収体とフッ素樹脂を含む材料とを接触させることにより前記フッ素樹脂を低分子フッ素化合物に分解する分解する工程を含み、
(ii)加熱された前記マイクロ波吸収体の温度TR(℃)から、前記反応容器から導出される生成ガスの前記導出口での温度TE(℃)を差し引いた温度差Δ2(TR-TE)を300℃以上となるように設定する、低分子フッ素化合物の製造方法。
項3. 前記導入口からのキャリアガスの導入速度Rが0.005~20m/sである、項1又は2に記載の製造方法。
項4. 前記導出口における反応容器から導出される生成ガス温度TE(℃)が20℃以上250℃未満である、項1~3のいずれかに記載の製造方法。
項5. 前記マイクロ波吸収体が、前記マイクロ波吸収体及び前記フッ素樹脂を含む材料の粒子を含み且つ前記キャリアガス導入口から前記分解ガス導出口への気流を通過させるように設けられた、マイクロ波吸収体含有層の形態で用意され、
前記導出口の開口中心を点Peとし、前記マイクロ波吸収体含有層の中心軸と、前記マイクロ波吸収体含有層の前記導出口とは反対側の面との交点を点Plとした場合、点Plから点Peまでの高さHに対する前記マイクロ波吸収体含有層の高さhの比率h/Hが0.01~0.8である、項1~4のいずれかに記載の製造方法。
項6. 前記マイクロ波吸収体の粒径dが0.1~25mmである、項1~5のいずれかに記載の製造方法。
項7. 前記マイクロ波吸収体含有層の高さhが0.1~200mmである、項5又は6に記載の製造方法。
項8. 加熱された前記マイクロ波吸収体の温度TR(℃)から、前記導入口におけるキャリアガス温度TI(℃)を差し引いた温度差Δ1(TR-TI)を250℃超となるように設定する、項2~7のいずれかに記載の製造方法。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、反応容器から導出される生成ガスの温度TEを、分解反応系中の温度つまり加熱されたマイクロ波吸収体の温度TRに比べて低くなるように制御するように温度差Δ2(TR-TE)を設けるフッ素樹脂分解法において、生成する低分子フッ素化合物のうち、フッ素樹脂の構成モノマーの選択率を向上できる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
本発明の製造方法に用いられる装置の一例(上向並流型且つ筒形反応容器)の概略図を示す。
本発明の製造方法に用いられる装置の一例(下向並流型且つ筒形反応容器)の概略図を示す。
本発明の製造方法に用いられる装置の一例(連続槽型反応容器)の概略図を示す。
本発明の製造方法に用いられる装置の一例(連続槽型反応容器)の概略図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明の低分子フッ素化合物の製造方法は、キャリアガス導入口と分解ガス導出口とが設けられた反応容器内で、マイクロ波吸収体をマイクロ波照射により加熱し、加熱された前記マイクロ波吸収体とフッ素樹脂を含む材料とを接触させることにより前記フッ素樹脂を低分子フッ素化合物に分解する分解工程を含み、以下の(i)及び/又は(ii)の設定を行うことを特徴とする。
(i)加熱されたマイクロ波吸収体の温度TR(℃)から、導入口におけるキャリアガス温度TI(℃)を差し引いた温度差Δ1(TR-TI)を500℃超となるように設定する
(ii)加熱されたマイクロ波吸収体の温度TR(℃)から、反応容器から導出される生成ガスの導出口での温度TE(℃)を差し引いた温度差Δ2(TR-TE)を300℃以上となるように設定する
以下、本発明の低分子フッ素化合物の製造方法について詳述する。
(【0011】以降は省略されています)
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