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公開番号
2024156422
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2024-11-06
出願番号
2023070867
出願日
2023-04-24
発明の名称
リチウムイオン二次電池用の正極材料、リチウムイオン二次電池用の正極、及びリチウムイオン二次電池用の正極材料の製造方法
出願人
株式会社豊田自動織機
代理人
個人
,
個人
主分類
H01M
4/58 20100101AFI20241029BHJP(基本的電気素子)
要約
【課題】オリビン型リン酸マンガン鉄リチウムを含む正極活物質層の目付量を大きくした場合における成膜性と電池特性の向上とを両立させる。
【解決手段】リチウムイオン二次電池用の正極材料は、一般式LiMn
x
Fe
y
PO
4
(x、yは、x+y=1、0<x<1、0<y<1を満足する数値である。)で表されるオリビン型リン酸マンガン鉄リチウムにより構成されるコア11と、コア11の表面に形成された炭素被膜12とを有する造粒体10を含む。コア11は、オリビン型リン酸マンガン鉄リチウムの一次粒子が凝集した構造を有する。一次粒子の粒子径は、100nm以下である。造粒体10における2nm以上300nm以下の細孔径の範囲における細孔容積は、0.2cm
3
/g以下であり、炭素含有量は、1.8質量%以上3.0質量%以下である。
【選択図】図1
特許請求の範囲
【請求項1】
一般式LiMn
x
Fe
y
PO
4
(x、yは、x+y=1、0<x<1、0<y<1を満足する数値である。)で表されるオリビン型リン酸マンガン鉄リチウムにより構成されるコアと、前記コアの表面に形成された炭素被膜とを有する造粒体を含み、
前記コアは、前記オリビン型リン酸マンガン鉄リチウムの一次粒子が凝集した構造を有し、
前記一次粒子の粒子径は、100nm以下であり、
前記造粒体における2nm以上300nm以下の細孔径の範囲における細孔容積は、0.2cm
3
/g以下であり、
前記造粒体の炭素含有量は、1.8質量%以上3.0質量%以下であるリチウムイオン二次電池用の正極材料。
続きを表示(約 700 文字)
【請求項2】
第1表面を有する正極集電体と、
前記正極集電体の前記第1表面に形成された正極活物質層とを備え、
前記正極活物質層は、請求項1に記載のリチウムイオン二次電池用の正極材料を含有するリチウムイオン二次電池用の正極。
【請求項3】
前記正極活物質層の目付量は、30mg/cm
2
以上100mg/cm
2
以下である請求項2に記載のリチウムイオン二次電池用の正極。
【請求項4】
一般式LiMn
x
Fe
y
PO
4
(x、yは、x+y=1、0<x<1、0<y<1を満足する数値である。)で表されるオリビン型リン酸マンガン鉄リチウムの粒子を、水系溶媒、炭素源、及びカルボン酸の存在下で粉砕することにより、前記オリビン型リン酸マンガン鉄リチウムの粉砕物を含むスラリーを作製する工程と、
前記スラリーを噴霧乾燥することにより前記粉砕物の凝集体を得る工程と、
前記凝集体を焼成することにより前記凝集体に含まれる炭素源を炭化させる工程とを含むリチウムイオン二次電池用の正極材料の製造方法。
【請求項5】
前記カルボン酸は、クエン酸である請求項4に記載のリチウムイオン二次電池用の正極材料の製造方法。
【請求項6】
前記スラリーにおける前記カルボン酸の含有量は、前記オリビン型リン酸マンガン鉄リチウム100質量部に対して2質量部以上10質量部以下である請求項4又は請求項5に記載のリチウムイオン二次電池用の正極材料の製造方法。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、リチウムイオン二次電池用の正極材料、リチウムイオン二次電池用の正極、及びリチウムイオン二次電池用の正極材料の製造方法に関する。
続きを表示(約 1,900 文字)
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、オリビン型リン酸鉄リチウム(LiFePO
4
)を正極活物質として用いた正極を備える蓄電装置が開示されている。オリビン型リン酸鉄リチウムに代表されるオリビン型構造正極活物質は、熱安定性に優れた正極活物質である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特開2019-185920号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
リチウムイオン二次電池の正極は、例えば、以下のようにして製造される。まず、正極活物質と、結着剤と、溶媒とを含むスラリー状の正極合材を正極集電体の表面に塗工する。次いで、塗工により形成された塗膜を乾燥させることにより、正極集電体の表面に正極活物質層を形成する。ここで、リチウムイオン二次電池の容量を大きくする方法として、上記の製造工程において、正極合材の塗膜を厚く塗工することにより正極活物質層の目付量を増加させることが考えられる。しかしながら、オリビン型構造正極活物質を正極活物質に用いた場合には、乾燥時の塗膜の収縮に起因して、得られる正極活物質層に割れが生じやすくなるという問題がある。特に、オリビン型構造正極活物質の中でもオリビン型リン酸マンガン鉄リチウム(LiMnFePO
4
)を用いた場合には、上記の問題が生じやすい。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記問題点を解決するためのリチウムイオン二次電池用の正極材料は、一般式LiMn
x
Fe
y
PO
4
(x、yは、x+y=1、0<x<1、0<y<1を満足する数値である。)で表されるオリビン型リン酸マンガン鉄リチウムにより構成されるコアと、前記コアの表面に形成された炭素被膜とを有する造粒体を含み、前記コアは、前記オリビン型リン酸マンガン鉄リチウムの一次粒子が凝集した構造を有し、前記一次粒子の粒子径は、100nm以下であり、前記造粒体における2nm以上300nm以下の細孔径の範囲における細孔容積は、0.2cm
3
/g以下であり、前記造粒体の炭素含有量は、1.8質量%以上3.0質量%以下である。
【0006】
上記問題点を解決するためのリチウムイオン二次電池用の正極は、第1表面を有する正極集電体と、前記正極集電体の前記第1表面に形成された正極活物質層とを備え、前記正極活物質層は、上記リチウムイオン二次電池用の正極材料を含有する。
【0007】
上記リチウムイオン二次電池用の正極において、前記正極活物質層の目付量は、30mg/cm
2
以上100mg/cm
2
以下であることが好ましい。
上記問題点を解決するためのリチウムイオン二次電池用の正極材料の製造方法は、一般式LiMn
x
Fe
y
PO
4
(x、yは、x+y=1、0<x<1、0<y<1を満足する数値である。)で表されるオリビン型リン酸マンガン鉄リチウムの粒子を、水系溶媒、炭素源、及びカルボン酸の存在下で粉砕することにより、前記オリビン型リン酸マンガン鉄リチウムの粉砕物を含むスラリーを作製する工程と、前記スラリーを噴霧乾燥することにより前記粉砕物の凝集体を得る工程と、前記凝集体を焼成することにより前記凝集体に含まれる炭素源を炭化させる工程とを含む。
【0008】
上記リチウムイオン二次電池用の正極材料の製造方法において、前記カルボン酸は、クエン酸であることが好ましい。
上記リチウムイオン二次電池用の正極材料の製造方法において、前記スラリーにおける前記カルボン酸の含有量は、前記オリビン型リン酸マンガン鉄リチウム100質量部に対して2質量部以上10質量部以下であることが好ましい。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、オリビン型リン酸マンガン鉄リチウムを含む正極活物質層の目付量を大きくした場合における成膜性と電池特性の向上とを両立させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
造粒体の断面の顕微鏡写真である。
造粒体の断面における一次粒子の構造を示す模式図である。
正極の断面図である。
(a)は、実施例1を用いた正極活物質層の写真であり、(b)は、比較例1を用いた正極活物質層の写真である。
【発明を実施するための形態】
(【0011】以降は省略されています)
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