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公開番号2024155803
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-10-31
出願番号2024066385
出願日2024-04-16
発明の名称溶解特性を調整可能な電解質溶媒、その製造方法及び応用
出願人國立臺灣科技大學
代理人個人
主分類H01M 10/0569 20100101AFI20241024BHJP(基本的電気素子)
要約【課題】溶解特性を調整可能な電解質溶媒、その製造方法及び応用を提供する。
【解決手段】下記式で表される化学構造を含む、溶解特性を調整可能な電解質溶媒とする。
<com:Image com:imageContentCategory="Drawing"> <com:ImageFormatCategory>JPEG</com:ImageFormatCategory> <com:FileName>2024155803000026.jpg</com:FileName> <com:HeightMeasure com:measureUnitCode="Mm">27</com:HeightMeasure> <com:WidthMeasure com:measureUnitCode="Mm">50</com:WidthMeasure> </com:Image>
(式中、Aは酸素、硫黄、セレン、テルル、またはそれらの組み合わせであり、Bは1、2または3個の置換されたハロゲン、ニトリル基、ニトロ基、ニトロソ基、アミン基、またはそれらの組み合わせである。)本発明の電解質溶媒は、電解質工程を通じて、アニオンを豊富に含む溶媒を良好な溶解作用を有するように調整し、弱い溶解度特性を有する溶媒を開発および合成し、電池性能を大幅に向上させ、その溶媒は、製造コストが低い。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
下記式(1)で表される化学構造を含む、溶解特性を調整可能な電解質溶媒。
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27
50
(式1)
式(1)中、Aは酸素(O)、硫黄(S)、セレン(Se)、テルル(Te)、またはそれらの組み合わせであり、Bは1、2または3個の置換されたハロゲン、ニトリル基(CN)、ニトロ基(NO

)、ニトロソ基(NO)、アミン基(NH

)、またはそれらの組み合わせである。
続きを表示(約 1,600 文字)【請求項2】
2つの式(1)により対称的に形成され、下記式(2)で表される化学構造を含む、請求項1に記載の溶解特性を調整可能な電解質溶媒。
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2024155803000020.jpg
25
83
(式2)
式(2)中、Aは酸素(O)、硫黄(S)、セレン(Se)、テルル(Te)、またはそれらの組み合わせであり、Bは1、2または3置換されたハロゲン、ニトリル基(CN)、水素(H)、ニトロ基(NO

)、ニトロソ基(NO)、アミン基(NH

)またはそれらの組み合わせである。
【請求項3】
下記式(4)と式(5)の化学構造を反応させ、式(5)と式(4)を二重結合箇所で結合し、式(6)の化学構造を得るステップと、
式(6)では、元の式(5)と式(4)の結合箇所に再度二重結合を形成し、エチル基とA

により形成される式(7)で表される化学構造を除去した後、請求項1の式(1)に記載の溶解特性を調整可能な電解質溶媒を得るステップと、
を含む、溶解特性を調整可能な電解質溶媒の製造方法。
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2024155803000021.jpg
17
40
(式4)
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2024155803000022.jpg
17
29
(式5)
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2024155803000023.jpg
44
40
(式6)






…式(7)
ここで、Aは酸素(O)、硫黄(S)、セレン(Se)、テルル(Te)、またはそれらの組み合わせであり、Bは1、2または3個の置換されたハロゲン、ニトリル基(CN)、ニトロ基(NO

)、ニトロソ基(NO)、アミン基(NH

)、またはそれらの組み合わせである。
【請求項4】
下記式(8)と2つの式(5)の化学構造を反応させ、式(8)と式(5)を結合し、式(9)で表される化学構造を得るステップと、
式(9)では、元の式(8)と式(5)の結合箇所に再度二重結合を形成し、2つのエチル基とA

により形成される式(7)で表される化学構造を除去した後、請求項2の式(2)に記載の化学構造を得るステップと、
を更に含む、請求項3に記載の溶解特性を調整可能な電解質溶媒の製造方法。
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2024155803000024.jpg
26
69
(式8)
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2024155803000025.jpg
62
69
(式9)
ここで、Aは酸素(O)、硫黄(S)、セレン(Se)、テルル(Te)、またはそれらの組み合わせであり、Bは1、2または3置換されたハロゲン、ニトリル基(CN)、水素(H)、ニトロ基(NO2)、ニトロソ基(NO)、アミン基(NH2)またはそれらの組み合わせである。
【請求項5】
請求項1または2に記載の溶解特性を調整可能な電解質溶媒を含む、電気化学装置。
【請求項6】
前記電気化学装置は、金属電池を含む、請求項5に記載の電気化学装置。
【請求項7】
前記金属電池は、リチウム電池、ナトリウム電池、マグネシウム電池、亜鉛電池、またはアルミニウム電池を含む、請求項6に記載の電気化学装置。
【請求項8】
前記金属電池は、金属、金属イオン、及び金属と金属イオンの混合電池を含む、請求項6または7に記載の電気化学装置。
【請求項9】
前記電気化学装置は、アノードフリー電池を含む、請求項5に記載の電気化学装置。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、電解質溶媒、特に電気化学装置に応用される電解質溶媒に関する。本発明に記載の電解質溶媒の主な応用は、様々な電気化学電池であり、この主な応用について以下に説明及び詳述する。しかしながら、本発明は、電気化学電池での使用に限定されず、他の適用可能な電気化学装置も本発明の範囲に属する。
続きを表示(約 2,700 文字)【背景技術】
【0002】
リチウム金属電池(Lithium Metal Batteries,LMBs)は、エネルギー密度が高いため、次世代電気自動車およびエネルギー貯蔵装置の重要な研究方向となっている。しかし、制御不能な樹枝状リチウムの成長、リチウムめっき剥離の不可逆性及び界面の不適合性により、すぐにサイクル寿命が短くなり、クーロン効率が低下し、LMBsの実用化が妨げられる。
【0003】
カーボネート溶媒などの従来のLMBsカーボネートベースの電解質溶媒では、リチウムイオンは、カーボネート溶媒分子と配位して溶解(Solvation)できるが、カーボネート溶媒には、過剰な遊離炭酸溶媒(Free Solvent)を含み、溶媒分離イオン対(Solvent-separated Ion Pair, SSIP)を形成し、負極表面に有機酸化物の不良固体電解質界面(Solid Electrolyte Interface,SEI)が形成され、その後のLMBsの性能が大幅に低下する。リチウム塩の濃度が増加し、遊離溶媒が減少すると、間違いなく電解液のコストが増加し、高濃度の電解質によるさらなる問題が引き起こされる。
【0004】
これに鑑み、現在、従来の電解質溶媒が過剰な遊離溶媒を含むことによって生じる電気化学電池の電気損失の問題を解決可能にすることが緊急に必要とされている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
これに鑑み、上記の問題を解決し、LMBsの寿命を延ばすために、最も効率的な方法は、電解質溶媒工程を改善して、アノード表面に強力で均一な導電性SEI層を形成することであり、このSEI層は、LMBsの電気化学性能を潜在的に向上させ、急速充電と幅広い動作温度を実現し、将来のさまざまな市場の要求を満たす。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、下記式(1)で表される化学構造を含む、溶解特性を調整可能な電解質溶媒を提供する。
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2024155803000002.jpg
28
41
(式1)
式(1)中、Aは酸素(O)、硫黄(S)、セレン(Se)、テルル(Te)、またはそれらの組み合わせであり、Bはハロゲン、ニトリル基(CN)、水素(H)、ニトロ基(NO

)、ニトロソ基(NO)、アミン基(NH

)、またはそれらの組み合わせである。
【0007】
更に、本発明は、2つの式(1)により対称的に形成され、下記式(2)で表される化学構造を含む、溶解特性を調整可能な電解質溶媒を提供する。
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2024155803000003.jpg
25
83
(式2)
ここで、Aは酸素(O)、硫黄(S)、セレン(Se)、テルル(Te)、またはそれらの組み合わせであり、Bはハロゲン、ニトリル基(CN)、水素(H)、ニトロ基(NO

)、ニトロソ基(NO)、アミン基(NH

)またはそれらの組み合わせである。
【0008】
更に、本発明は、下記式(3)で表される化学構造を含む、別の溶解特性を調整可能な電解質溶媒を提供する。
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2024155803000004.jpg
27
50
(式3)
ここで、Aは酸素(O)、硫黄(S)、セレン(Se)、テルル(Te)、またはそれらの組み合わせであり、Bはハロゲン、ニトリル基(CN)、水素(H)、ニトロ基(NO

)、ニトロソ基(NO)、アミン基(NH

)またはそれらの組み合わせである。
【0009】
更に、前述の式(1)の溶解特性を調整可能な電解質溶媒の合成製造方法は、
下記式(4)と式(5)の化学構造を反応させ、式(5)と式(4)を二重結合箇所で結合し、式(6)の化学構造を得るステップと、
式(6)では、元の式(5)と式(4)の結合箇所に再度二重結合を形成し、エチル基とA

により形成される式(7)で表される化学構造を除去した後、請求項1の式(1)に記載の溶解特性を調整可能な電解質溶媒を得るステップと、
を含む。
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2024155803000005.jpg
17
40
(式4)
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17
29
(式5)
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44
40
(式6)






…式(7)
ここで、Aは酸素(O)、硫黄(S)、セレン(Se)、テルル(Te)、またはそれらの組み合わせであり、Bはハロゲン、ニトリル基(CN)、水素(H)、ニトロ基(NO

)、ニトロソ基(NO)、アミン基(NH

)、またはそれらの組み合わせである。
【0010】
更に、前述の式(2)に対応する溶解特性を調整可能な電解質溶媒の製造方法は、
下記式(8)と2つの式(5)の化学構造を反応させ、式(8)と式(5)を結合し、式(9)で表される化学構造を得るステップと、
式(9)では、元の式(8)と式(5)の結合箇所に再度二重結合を形成し、2つのエチル基とA

により形成される式(7)で表される化学構造を除去した後、請求項2の式(2)に記載の化学構造を得るステップと、
を含む。
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2024155803000008.jpg
26
69
(式8)
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62
69
(式9)
ここで、Aは酸素(O)、硫黄(S)、セレン(Se)、テルル(Te)、またはそれらの組み合わせであり、Bはハロゲン、ニトリル基(CN)、水素(H)、ニトロ基(NO

)、ニトロソ基(NO)、アミン基(NH

)またはそれらの組み合わせである。
(【0011】以降は省略されています)

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