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公開番号
2024155027
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2024-10-31
出願番号
2023069389
出願日
2023-04-20
発明の名称
両吸込羽根車及び両吸込羽根車の製造方法
出願人
株式会社荏原製作所
代理人
個人
,
個人
,
個人
,
個人
主分類
F04D
29/24 20060101AFI20241024BHJP(液体用容積形機械;液体または圧縮性流体用ポンプ)
要約
【課題】ポンプの右上がり特性を改善することができる、簡易な構成で容易に製造可能な両吸込羽根車を提供する。
【解決手段】 両吸込羽根車であって、回転軸に固定されるように構成される主板と、回転軸に沿って主板の第1の側及び第2の側に設けられる一対の側板と、両吸込羽根車の内周部から外周部に向かう流路を形成するように、一対の側板の各々と主板との間で周方向に配置される複数の羽根と、を備え、主板が、一対の側板の外径及び複数の羽根の外径より大きい外径を有する、両吸込羽根車。
【選択図】図1
特許請求の範囲
【請求項1】
両吸込羽根車であって、
回転軸に固定されるように構成される主板と、
前記回転軸に沿って前記主板の第1の側及び第2の側に設けられる一対の側板と、前記両吸込羽根車の内周部から外周部に向かう流路を形成するように、前記一対の側板の各々と前記主板との間で周方向に配置される複数の羽根と、を備え、
前記主板が、前記一対の側板の外径及び前記複数の羽根の外径より大きい外径を有する、両吸込羽根車。
続きを表示(約 1,400 文字)
【請求項2】
請求項1に記載の両吸込羽根車であって、
前記一対の側板と前記複数の羽根が等しい外径を有する、両吸込羽根車。
【請求項3】
請求項1に記載の両吸込羽根車であって、
前記複数の羽根は、前記主板の前記第1の側に設けられる複数の第1の羽根と、前記主板の前記第2の側に設けられる複数の第2の羽根とを含み、
前記複数の第1の羽根と前記複数の第2の羽根は、前記両吸込羽根車の周方向に関して互い違いになるように配置されている、両吸込羽根車。
【請求項4】
請求項2に記載の両吸込羽根車であって、
前記複数の羽根は、前記主板の前記第1の側に設けられる複数の第1の羽根と、前記主板の前記第2の側に設けられる複数の第2の羽根とを含み、
前記複数の第1の羽根と前記複数の第2の羽根は、前記両吸込羽根車の周方向に関して互い違いになるように配置されている、両吸込羽根車。
【請求項5】
請求項3に記載の両吸込羽根車であって、
前記複数の第1の羽根と前記複数の第2の羽根が互いに等しい枚数で設けられており、
前記複数の第1の羽根及び前記複数の第2の羽根が、それぞれ、前記主板の前記第1の側及び前記主板の前記第2の側で、互いに等しい翼ピッチで且つ互いに位相がずれるように位置決めされている、両吸込羽根車。
【請求項6】
請求項4に記載の両吸込羽根車であって、
前記複数の第1の羽根と前記複数の第2の羽根が互いに等しい枚数で設けられており、
前記複数の第1の羽根及び前記複数の第2の羽根が、それぞれ、前記主板の前記第1の側及び前記主板の前記第2の側で、互いに等しい翼ピッチで且つ互いに位相がずれるように位置決めされている、両吸込羽根車。
【請求項7】
請求項1に記載の両吸込羽根車であって、
前記主板は、前記第1の側及び前記第2の側で、それぞれ、前記一対の側板及び前記複数の羽根の外周縁部より外周側に延在する、環状の第1の表面及び第2の表面を有し、
前記第1の表面及び前記第2の表面は、それぞれ、複数の溝を含む、両吸込羽根車。
【請求項8】
請求項2に記載の両吸込羽根車であって、
前記主板は、前記第1の側及び前記第2の側で、それぞれ、前記一対の側板及び前記複数の羽根の外周縁部より外周側に延在する、環状の第1の表面及び第2の表面を有し、
前記第1の表面及び前記第2の表面は、それぞれ、複数の溝を含む、両吸込羽根車。
【請求項9】
請求項3に記載の両吸込羽根車であって、
前記主板は、前記第1の側及び前記第2の側で、それぞれ、前記一対の側板及び前記複数の羽根の外周縁部より外周側に延在する、環状の第1の表面及び第2の表面を有し、
前記第1の表面及び前記第2の表面は、それぞれ、複数の溝を含む、両吸込羽根車。
【請求項10】
請求項4に記載の両吸込羽根車であって、
前記主板は、前記第1の側及び前記第2の側で、それぞれ、前記一対の側板及び前記複数の羽根の外周縁部より外周側に延在する、環状の第1の表面及び第2の表面を有し、
前記第1の表面及び前記第2の表面は、それぞれ、複数の溝を含む、両吸込羽根車。
(【請求項11】以降は省略されています)
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、両吸込羽根車及び両吸込羽根車の製造方法に関する。
続きを表示(約 2,700 文字)
【背景技術】
【0002】
遠心ポンプである両吸込ポンプは、通常、横方向に配置される回転軸に取り付けられる、両吸込羽根車を備える。一例として、図8に、両吸込ポンプ10の全体概要を示す。図示されるように、両吸込羽根車40は、両吸込ポンプ10のポンプケーシング20内で横方向に延在する回転軸30に固定される。ポンプケーシング20内の流体は、左右2つの吸込口50から両吸込羽根車40の内部に吸い込まれ、両吸込羽根車40の外周部から吐出される。図9は、両吸込羽根車40の一例を示す図であり、(a)は正面図、(b)は底面図、(c)は側断面図である。
【0003】
図8の例において、ポンプケーシング20は、両吸込羽根車40(以下、単に、羽根車40とも称する)を収容するボリュートケーシング21と、ボリュートケーシング21の外側に一体に設けられる吸込ケーシング22とを備える。吸込ケーシング22の1つの吸込口(図示せず)から始まる流路は、吸込ケーシング22の内部でボリュートケーシング21によって2つに分離された後に渦巻状に捲かれる。流体は、渦巻状の流路を通り、ボリュートケーシング21の両側に設けられた吸込口50から、ボリュートケーシング21内に流入する。
【0004】
図示の例において、羽根車40は、回転軸30に取り付けられる共通のボス部60を備えた左右のインペラ部61、61を備えている。各インペラ部61は、ボス部60の左右の一方で回転軸30の方向に間隔をあけて配置される、円形の外形を有する環状の側板70を備える。例えば図9(c)に示すように、各インペラ部61の側板70によって、羽根車40の左右の吸込口80が形成される。また、図9(c)に示すように、羽根車40は、ボス部60と側板70との間及び側板70と側板70との間に配置される複数の羽根90を備えている。例えば図9(a)及び図9(b)に示すように、複数の羽根90は、通常、回転軸30の周りに等しい間隔(図示される翼ピッチP)で配置され、隣り合う羽根90の間に流体の流路100が形成される。羽根車40の内周側で、左右の吸込口80から流入した流体は、ボス部60を通過後に合流する。流体は、流路100内で羽根車40の回転の遠心力によって加速され、羽根車40の外周側の出口から吐出する。
【0005】
また、例えば図9(a)及び図9(c)に示されるように、羽根車40は、通常、側板70及び羽根90が等しい外径を有する。なお、ここで、「羽根の外径」とは、図9(a)の正面図において、複数の羽根90の外周を成す円(この例では側板70の円形の外形と一致する)の直径Dに相当する。従って、「羽根の外径」は、図9(a)に示す羽根車40の中心軸線Cと各羽根90の出口縁(換言すれば、外周縁部)91とを結ぶ直線距離(換言すれば、半径方向距離)Rの二倍に相当する。
【0006】
従って、図9(c)に示されるように、側板70の外周縁部71と羽根90の外周縁部91は、羽根車40の半径方向に関して同一の位置にある(換言すれば、中心軸線Cの方向で整列した位置にある)。
【0007】
なお、上記従来例では、羽根車40の羽根90は、ボス部60と側板70との間及び側板70と側板70との間に設けられている。しかし、羽根車40は、ボス部60と一体成形される、円形の外形を有する環状の主板を有してもよい。図10は、主板110を有する両吸込羽根車40Aの一例を示す部分側断面図である。図10に示すように、両吸込羽
根車40A(以下、単に、羽根車40Aとも称する)は、図示されない回転軸に固定される主板110を備えることができる。主板110は、回転軸に固定されるボス部111と、側板70Aと対向するように、ボス部111から半径方向に延在するシュラウド部112とを含んでいる。この場合、左右のインペラ部61A、61Aが、それぞれ、対応する側板70Aと主板110との間で流体の流路を形成する複数の羽根90Aを備える。なお、図10は、羽根車40Aを収容するポンプケーシングのボリュートケーシング20Aも示している。ボリュートケーシング20Aは、羽根車40Aの外周側で矩形状の凹部を形成する点で、図8に示すボリュートケーシング21と異なるが、これについては、後述する。
【0008】
図10に示すように、主板110を有する羽根車40Aがボリュートケーシング20A内に位置決めされたとき、通常、各側板70Aの外周縁部70A-1、各羽根90Aの外周縁部90A-1及び主板110の外周縁部110-1は、羽根車40Aの半径方向に関して同一の位置にある。換言すれば、側板70A、羽根90A及び主板110の外周縁部70A-1、90A-1、110-1は、羽根車40Aの中心軸線Cから、同じ半径方向距離R1を有する。
【0009】
従来、両吸込ポンプのような遠心ポンプの性能調整を行うため、例えばポンプ揚程を下げることを目的として、羽根車の外周をカットして羽根車の直径を小さくすることが行われている。この場合、羽根車は、側板及び羽根(主板がある場合には主板、側板及び羽根)が等しい外径を有するようにカットされる。例えば、図10に示される主板110を有する羽根車40Aの外周部を、図11に示すようにカットする。すなわち、側板70A、羽根90A及び主板110のそれぞれの外周部を同じ量だけカットする。これにより、外周縁部70A-1、90A-1、110-1と羽根車40Aの中心軸線Cとの間の半径方向距離が、R1からR2に減少する(R1>R2)。
【0010】
しかし、図11に示す従来のカット方法で遠心ポンプの羽根車をカットした場合、図12に示すように、ポンプのQH曲線に、山形部を形成する右上がり特性が生じる。ポンプの性能特性を示すいわゆるQH曲線は、ポンプの吐出量(Q)が増加するにつれてポンプ揚程(H)が低下する、全体に右下がりの勾配を有することが望ましい。そのような右下がり特性を有するポンプでは、ポンプの運転が安定する。これに対し、図12に示すような右上がり特性を有するポンプでは、右上がり特性(すなわち、QH曲線の山形部)の前後でポンプが運転されると、ポンプの運転が不安定になりやすい。これは、遠心ポンプのような比較的低比速度(Ns)の羽根車を低流量域で運転する場合に特に問題となる。
(【0011】以降は省略されています)
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