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公開番号
2024154267
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2024-10-30
出願番号
2023068013
出願日
2023-04-18
発明の名称
硬化膜及び積層体、並びにこれらの製造方法
出願人
三菱ケミカル株式会社
代理人
主分類
C09D
4/02 20060101AFI20241023BHJP(染料;ペイント;つや出し剤;天然樹脂;接着剤;他に分類されない組成物;他に分類されない材料の応用)
要約
【課題】基材上に艶消し性と耐擦傷性に優れる硬化膜と、当該硬化膜からなる層を有する
積層体及びその製造方法を提供する。
【解決手段】波長150~200nm、半値幅3.0~20.0nmの発光スペクトルを
有する真空紫外線の照射により硬化可能な硬化性組成物の硬化膜であり、多官能(メタ)
アクリレートを含有し(単官能アクリレートは含有しない)、凹凸構造を表面に有する硬
化膜であって、凹凸構造における局部傾斜角度の平均値(θa)が10°以下である硬化
膜。
【選択図】なし
特許請求の範囲
【請求項1】
波長150~200nm、半値幅3.0~20.0nmの発光スペクトルを有する真空
紫外線の照射により硬化可能な硬化性組成物の硬化膜であり、多官能(メタ)アクリレー
トを含有し(単官能アクリレートは含有しない)、凹凸構造を表面に有する硬化膜であっ
て、凹凸構造における局部傾斜角度の平均値(θa)が10°以下である硬化膜。
続きを表示(約 780 文字)
【請求項2】
表面の60°グロスが50以下である、請求項1記載の硬化膜。
【請求項3】
表面のヘイズ値が10%以上である、請求項1記載の硬化膜。
【請求項4】
前記凹凸構造のJIS B0601:2013に従う粗さ曲線要素の平均長さ(RSm
)が1~100μmである、請求項1記載の硬化膜。
【請求項5】
前記凹凸構造のJIS B0601:2013に従う粗さ曲線要素の算術平均長さ(R
a)が0.1~5μmである、請求項1記載の硬化膜。
【請求項6】
前記多官能(メタ)アクリレートが、(メタ)アクリレート基を有する2官能(メタ)
アクリレート、3~6官能(メタ)アクリレート、7官能以上の(メタ)アクリレートか
らなる群から選ばれる一種類以上の構成要素を有することを特徴とする、請求項1記載の
硬化膜。
【請求項7】
前記2官能(メタ)アクリレートの含有量が、多官能(メタ)アクリレート100重量
部に対して、0.1~70重量部である、請求項1記載の硬化膜。
【請求項8】
前記3~6官能(メタ)アクリレートの含有量および7官能以上のアクリレートの含有
量の合計が、多官能(メタ)アクリレート100重量部に対して、0.1~95重量部で
ある、請求項1記載の硬化膜。
【請求項9】
前記7官能以上の(メタ)アクリレートが、ウレタン(メタ)アクリレートもしくはア
クリル(メタ)アクリレートである、請求項1記載の硬化膜。
【請求項10】
請求項1~9のいずれか1項に記載の硬化膜が基材上に積層されてなる積層体。
(【請求項11】以降は省略されています)
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、硬化膜及び積層体、並びにこれらの製造方法に関する。
続きを表示(約 3,200 文字)
【背景技術】
【0002】
壁紙、床材等の建築建材、ディスプレイ用部材、加飾フィルム、電子材料等の部材に、
艶消し性等を付与するために、基材の表面に微細な凹凸を付与することがある。
特許文献1には、建材用化粧シート、冷蔵庫、洗濯機等の家電製品の各種部品、パソコ
ン等のOA製品の各種部品、包装容器等を成型により製造する際の転写箔用フィルムに、
ヘアーライン加工、サンドブラスト加工、梨地加工等により微細な凹凸形状を設ける方法
が開示されている。
特許文献2には、液晶ディスプレイのバックライトユニットに用いられる光拡散フィル
ムの表面凹凸の形成方法として、樹脂バインダーにアクリル系粒子を分散させる方法が開
示されている。
特許文献3には、ディスプレイのバックライトユニットに用いられる光拡散フィルムや
光の映り込みや表面の光の反射を抑える防眩フィルムの表面凹凸の形成方法として、共重
合体の極性をコントロールすることで、表面に凹凸の座屈を発生させる方法が開示されて
いる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特開2004-231727号公報
特開平7-218705号公報
特開2021-24926号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、特許文献1に記載の凹凸形成方法では、十分な艶消し性が得られない。また、
サンドブラスト加工では、フィルム中に残った砂が品質上の問題となることがある。まだ
表面を研磨するため防汚性の付与が困難である。
特許文献2に記載の方法では、アクリル系粒子が使用中に脱落することで、ディスプレ
イの視認性に支障をきたすことがある。また、これら従来の方法では、艶消し性と耐擦傷
性とを両立することが難しい。例えば、艶消し性を高めるために表面の凹凸を大きくする
と、耐擦傷性が低下する傾向がある。
特許文献3に記載の方法では、共重合体を表面へ偏析させるため、塗膜表面に多官能化
合物のような高い架橋密度が得られないため、十分な耐擦傷性が発現できない。また、膜
表面へ共重合体を偏析させるために、塗工時の温度や湿度、乾燥条件等を緻密にコントロ
ールする必要があり、条件によって凹凸のムラが生じる。
【0005】
本発明は、基材上に艶消し性と耐擦傷性に優れる硬化膜と、当該硬化膜からなる層を有
する積層体及びその製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、以下の態様を有する。
[1] 波長150~200nm、半値幅3.0~20.0nmの発光スペクトルを有す
る真空紫外線の照射により硬化可能な硬化性組成物の硬化膜であり、多官能(メタ)アク
リレートを含有し(単官能アクリレートは含有しない)、凹凸構造を表面に有する硬化膜
であって、凹凸構造における局部傾斜角度の平均値(θa)が10°以下である硬化膜。
[2] 表面の60°グロスが50以下である、[1]に記載の硬化膜。
[3] 表面のヘイズ値が10%以上である、[1]または[2]に記載の硬化膜。
[4] 前記凹凸構造のJIS B0601:2013に従う粗さ曲線要素の平均長さ(
Rsm)が1μm~100μmである、[1]~[3]のいずれか一項に記載の硬化膜。
[5] 前記凹凸構造のJIS B0601:2013に従う粗さ曲線要素の算術平均長
さ(Ra)が0.1μm~5μmである、[1]~[4]のいずれか一項に記載の硬化膜
。
[6] 前記多官能(メタ)アクリレートが、(メタ)アクリレート基を有する2官能(
メタ)アクリレート、3~6官能(メタ)アクリレート、7官能以上の(メタ)アクリレ
ートからなる群から選ばれる一種類以上の構成要素を有することを特徴とする、[1]~
[5]のいずれか一項に記載の硬化膜。
[7] 前記2官能(メタ)アクリレートは、多官能(メタ)アクリレートの成分が10
0重量部に対して、0.1~70重量部である、[1]~[6]のいずれか一項に記載の
硬化膜。
[8] 前記3~6官能(メタ)アクリレートおよび7官能以上のアクリレートは、多官
能(メタ)アクリレートの成分が100重量部に対して、0.1~95重量部である、[
1]~[7]のいずれか一項に記載の硬化膜。
[9] 前記7官能以上の(メタ)アクリレートは、ウレタン(メタ)アクリレートもし
くはアクリル(メタ)アクリレートである、[1]~[8]のいずれか一項に記載の硬化
膜。
[10] [1]~[9]のいずれか1項に記載の硬化膜が基材上に積層されてなる積層
体。
[11] 波長150~200nm、半値幅3.0~20.0nmの発光スペクトルを有
する真空紫外線の照射により硬化可能な硬化性組成物の硬化膜を含む積層体の製造方法で
あり、
多官能(メタ)アクリレートを含有し、凹凸構造を表面に有し、凹凸構造における局部
傾斜角度の平均値(θa)が10°以下である硬化膜を積層し、前記真空紫外線の照射に
より硬化させる積層体の製造方法。
【発明の効果】
【0007】
本発明の硬化膜は、艶消し性及び耐擦傷性に優れる。
本発明の硬化膜の製造方法によれば、艶消し性及び耐擦傷性に優れる硬化膜が得られる
。
本発明の積層体は、艶消し性及び耐擦傷性に優れる。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、本発明の実施の形態について詳細に説明する。
本発明において、「(メタ)アクリレート」は、アクリレート又はメタクリレートの総
称である。「(メタ)アクリル」は、アクリル及びメタクリルの総称である。
数値範囲を示す「~」は、その前後に記載された数値を下限値及び上限値として含むこ
とを意味する。なお、本明細書に開示の数値範囲は、その下限値および上限値を任意に組
み合わせて新たな数値範囲とすることができる。
【0009】
〔硬化膜〕
本発明の硬化膜は、波長150~200nm、半値幅3.0~20.0nmの発光スペ
クトルを有する真空紫外線の照射により硬化可能な硬化性組成物を硬化させたものであり
、表面に凹凸構造(非平滑構造)を有するものである。表面の凹凸構造を多官能(メタ)
アクリレートを含む配合組成により制御することで、艶消し性及び耐擦傷性に優れる硬化
膜が得られる。
【0010】
硬化膜(凹凸層)の厚みは、好ましくは0.1~100μm、より好ましくは0.2~
50μm、さらに好ましくは0.3~30μm、特に好ましくは0.5~10μmの範囲
である。硬化物の厚みが上記範囲内であれば、所望の艶消し性と耐擦傷性の両立を実現し
やすい。
硬化膜の厚みは、凹凸層の最大厚みを示し、電子顕微鏡による断面観察により求められ
る。
(【0011】以降は省略されています)
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